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    原発問題 -The Truth is Out There-

      : 

    東電福島原発事故の真実 放射能汚染の真実 食物汚染の真実 正しい情報を求めて

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    IWJ特報第128号「原発と核兵器技術の保有はコインの裏表(その2)」 

    第128号
    ───────────────────────────────────
               岩上安身のIWJ特報
           原発と核兵器技術の保有はコインの裏表
       京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏インタビュー(その2)
    ───────────────────────────────────
    (IWJより転載許可済み)


    ===================================
    ◆米国の「メッセージ」をどう読むか◆
    ===================================

    小出「米国から見れば、世界の覇権をずっと握り続けたいわけですよね。さり
    とて、中国と全面的な戦争をするということはもちろん米国も望んでいないは
    ずであって、当面は、中東もそうですけれども、そういう紛争地で、とにかく
    自分の権益を守ろうとするでしょうし、そのためには自分だけ軍隊を派遣する
    のは損だから、日本もやっぱり引き入れてしまおうと考えていると思います。

     ただし、日本と中国が戦争をするようになってしまったら、自分も黙ってい
    ることができなくなるということぐらいは承知しているでしょうから、それは
    やりたくないと。

     まあ、米国という国の利害得失というんでしょうか。自分がどうしたいかと
    いうことで、彼らなりの戦略を立てて、日本にも求めてきているということだ
    と思います。日本は日本なりの戦略を立てなければいけないのですけれども、
    相変わらず、まだ米国の属国のまま、自民党政権があるわけですから。これか
    らは、世界情勢が変わるに従って難しくなるでしょうね」

    岩上「複雑ですね」

    小出「はい」

    岩上「でも、このことと原発の問題はやっぱりリンクして考えないといけない
    ですよね」

    小出「もちろんです」

    岩上「都知事選の行われている只中で、国会が開かれていますけど、二つの焦
    点があります。一つは集団的自衛権行使容認。これをあろうことか、憲法を解
    釈改憲で乗り切ってしまえと、磯崎首相補佐官が言っていたりするわけです
    (※21)。補佐官の身でこんなこと言うわけですよ。あり得ない話ですよ。

     そしてもう一つ。アメリカの経済的な要求を受け入れるかたちで、TPPがう
    まくいかないのなら、TPPを事実上内国化してしまえと。それで、国家戦略特
    区(※22)というものを日本にやらせる。

     安倍さんは、岩盤のような規制を、マイドリルで穴を開けると。俺のドリル
    で傷付けられない岩盤規制はないなどと言っているんですね(※23)。こんな
    ことをダボス会議で言っている。しかし、世の中は『脱原発』シングルイシ
    ューで、他のことと関連してこれを考えていません。

     これは、僕は結びついているだろうと思います。アメリカの期待にひたすら
    沿うことで、核技術抑止戦略を保有しておきたいという思惑はあると思うんで
    す。

     アメリカに軍事的に追随する。そしてアメリカの資本の要請にできるだけ従
    って、日本を経済的に差し出していく。そうすることで、守ってもらう。もし
    くは、日本の今まで保有してきた潜在的な核抑止力。核技術抑止、これを維持
    させてくれという願いが結びついているのではないかと思ったりするんですけ
    ど、この点は、いかがでしょうか」
    ----------------------------------------------------------------------
    (※21)2014年1月12日、国家安全保障担当の礒崎陽輔首相補佐官は、同月24
    日から召集される通常国会で憲法の解釈変更を行いたいと発言した。(2014年
    1月12日、産経新聞「通常国会で解釈変更 集団的自衛権の行使容認で首
    相補佐官 公明は難色」参照【URL】http://on-msn.com/1hPI07f)

    (※22)2013年12月7日、「国家戦略特別区域法」が成立した。国家戦略特区で
    は、「居住環境を含め、世界と戦える国際都市の形成」や「医療等の国際的イ
    ノベーション拠点整備」を目指して、解雇ルール・労働時間法制・有期雇用制
    度にかんする規制緩和を行う。
    (「国家戦略特別区域法」全文【URL】http://bit.ly/1dUDkqq、
    首相官邸ホームページの国家戦略特区特集ページにFAQなどが掲載されている
    【URL】http://bit.ly/MzmpC9)
     規制緩和によって「世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出することを目
    的」としている国家戦略特区はTPPを国内で先取りして実行しようとするもの
    と考えられる。(参照「【IWJブログ・特別寄稿】「いのちの市場化」にNO!
    ~TPPと国家戦略特区は「新自由主義」を実現する双子である (アジア太平洋
    資料センター〈PARC〉事務局長 内田聖子)」
    【URL】http://bit.ly/1iR22dO)

    (※23)2014年1月21日から23日にスイスのダボスで開催された世界経済フ
    ォーラム年次総会(通称「ダボス会議」)で、22日、安倍首相は基調講演を行
    った。その講演のなかで、「電力市場の完全自由化、医療の産業化、40年以上
    続いたコメの減反の廃止など、久しく「不可能だ」と言われてきた大改革を決
    定。自分自身が既得権益の岩盤を打ち破るドリルの刃となる。春には国家戦略
    特区も始動」という主旨の発言をしている。(外務省ホームページ「安倍総理
    大臣のダボス会議出席(概要)」参照【URL】http://bit.ly/1lfKj4O)

    ===================================
    ◆日本のNPT脱退は米国が許さない◆
    ===================================

    小出「もちろんそうじゃないですか。これまでだって、日米原子力協定、日米

     安全保障条約という枠組みのなかで、日本は原子力を許されてきたわけだし、
    さきほど聞いていただいたように、ウラン濃縮、原子炉、再処理、その三つの
    技術を日本だけは許してもらってきたわけであって、それを日本という国家、
    政府の人たちも失いたくないでしょうし、原子力を進めてきた人たちも失いた
    くないでしょうから、なんとか米国の機嫌を損なわないように、これからもや
    るんだろうと思います」

    岩上「NPT、核拡散防止条約を脱退する。IAEAの査察もかかわしながら核を保
    有していく。こういう戦略は可能なんでしょうか? インド、パキスタンのよ
    うに」

    小出「NPTを破棄するなんてことは、日本は到底許されない」

    岩上「許されない?」

    小出「はい。米国が許さない」

    岩上「なぜ、インド、パキスタンは戦勝国ではないのに核兵器を保有できるの
    でしょう。さっき言った5カ国は第二次大戦の戦勝国ということで、特権的な
    地位を持ってしまっている。これが現在の世界秩序であることは、まあ今のと
    ころ変えようがないとは思います。けれどもそうすると、インド、パキスタン、
    イスラエルは持ちうるのに、なぜ日本は持てないんだというふうに言う人はい
    ると思います」

    小出「そうですね」

    岩上「それがいいか悪いかは別として、答えていただくと、NPTを破ったり、
    誤魔化したり、IAEAの査察を誤魔化しながら、日本が核保有するってことは許
    されないとお考えなんでしょうか? なんか許してもらったりして、こっそり
    持つという手はないんでしょうか?」

    小出「こっそり持つ手ですか?」

    岩上「ええ」

    小出「ありますよ。いっぱい」

    岩上「ありますか?」

    小出「もちろん、ありますよ。ですから、日本は再処理工場を持っています。
    今、六ケ所村に作ろうとしている巨大な再処理工場(※24)がありますし、そ
    れより前には、東海村に再処理工場というのを作ったわけですね。

     それ、1977年から動き始めていますけれども、当時はカーターが大統領で、
    カーター自身は、商業用の再処理なんてやったら、核兵器の拡散が、歯止めが
    効かなくなるので、自国でも、米国のなかでも、もう商業用の再処理はいっさ
    いしないと言って、そこまで踏み込んだわけですよね。

     でも、日本は、どうしても再処理やりたい。核兵器を作るためにやりたいと
    いうことで、フランスに作ってもらって、最後は米国を説得して、日本は許し
    てくれということで、まあ、交渉を続けて、包括協定(※25)で許してもらっ
    たわけですよね。

     それで、すでに再処理工場は動いているわけですけれども、東海の再処理工
    場のなかで、行方不明になっているプルトニウムというのがある。工場ですか
    ら、巨大な工場で、ずっと流れていくわけで、あっちの端にくついたり、こっ
    ちの壁にへばりついたりって、もちろんそういうのはあるわけですけれども、
    元々あったはずのものと、再処理して取り出したプルトニウムのあいだには、
    何十キロもの差があります」

    岩上「何十キロというと、またこれは大変な数の核弾頭を作りうる・・・」

    小出「原爆を作れる。まあ、昔の技術でも8キロのプルトニウムがあれば、原
    爆ができると言われていましたし、まあ、たぶん原爆何発分かは、行方不明」

    岩上「いま現在?」

    小出「はい。ですから、それを本当は行方不明じゃなくて、ちゃんとちょろま
    かして、どこかで」

    岩上「へそくりのように、貯めている可能性がある?」

    小出「はい。私はその証拠を持っているわけではないけれども、ちょろまかす
    ということは、たぶんできると思いますし、場合によってはもうすでにやって
    るいかもしれないと思います」

    岩上「なるほど。奥の手ですね。でもこれは今のところ、アメリカから注意を
    受けているぐらいで止まっているわけですか?」

    小出「IAEAというのは、米国の手先なわけじゃないですか。そのIAEAがこれま
    で、どの国を中心に査察をしてきたかといえば、日本なんです」

    岩上「一番注意を払ってきたのは、日本だった!?」

    小出「そうです。IAEAの国際的な査察にかかっているお金の半分以上は日本に
    かけていたというぐらいに、長い間日本を注目して、IAEAは査察してきた。だ
    から東海村の再処理工場だって、ずーっと査察を続けてきたわけですよね。

     でも、そのIAEAが査察をしてきても、何十キロかは、行方不明になっちゃっ
    たままで分からないと言っているわけですよ。でも、米国から見ると、日本は
    いま属国だから、まあいいだろうということで、見逃してきてくれた。

     でもそれが、これからどうなるか分かりません。例えば、韓国というのでは、
    米韓原子力協定というのがありますけれども、韓国には再処理を認めないとし
    て、米国の態度は一貫しているのですよね。

     今年、米韓原子力協定は切れるんですけれども、韓国としてはなんとしても
    再処理をやりたいと思っているわけで、原子力協定の切れるのをとにかく2年
    間延長して、その間に韓国はなんとかして米国から再処理の許可を取ろうとし
    ているんだと思いますけれども、たぶん米国は与えない」

    岩上「与えない?」

    小出「はい」

    岩上「韓国では、原発が稼働していますけれども、だからといって、日本のよ
    うに、即時に核兵器を保有するだけの技術的ポテンシャルを持っているとは言
    えないわけですね?」

    小出「ないのです。それは、米国が許さないから」

    岩上「この日韓の差はなんですか?」

    小出「たぶん、日本のほうが制御しやすいと、米国が見たんでしょうね」

    岩上「制御しやすい?」

    小出「はい。要するに、属国として、抱え込んでおきやすいと。まあ、韓国と
    いう国の地理的な条件というか、要するに朝鮮民主主義人民共和国と接してい
    る」

    岩上「そうですよね」

    小出「もう、戦争状態に今でもあるわけですから、そこはやはりあまりにも危
    険すぎるという判断ではないでしょうかね」

    岩上「朝鮮戦争(※26)は勝ったり負けたりの戦争で、前線が上がったり下が
    ったりして、アコーディオン戦争とまで言われました。もう一度やった時に、
    今度、北が圧勝して南が包摂されることがあったりしたら、その原子力技術を
    持っていかれることも含めて、リスクというふうに見てるってことですか?」

    小出「いや、技術を持っていかれることを心配していることはないと思います
    けれども、例えば韓国に再処理を認めてしまうと、すでに先程から聞いて頂い
    てるように、再処理というのは原爆製造の中心技術なのであって、それをもし、
    韓国に米国が許すということになれば、朝鮮民主主義人民共和国のほうからの
    猛烈な反発があるだろうし、俺たちがなんで原子炉をもっていけないんだ。俺
    たちだって再処理もっていいだろうって、そういうことになってしまう。

     米国としては、今6カ国協議をやっているわけですね。なんか6カ国協議の目
    的というのは、日本の人たちから見ると、朝鮮民主主義人民共和国に核を放棄
    させると、そういうことになっている。マスコミもなんだかんだそんなことを
    言っているわけですけど」

    岩上「そうですね。北朝鮮だけが問題があって、それを周りの国があの不良を
    何とかしようみたいな」

    小出「でしょ?」

    岩上「そういう話になっていますけど」

    小出「日本のマスコミが言っているわけですけれども、6カ国協議の目的とい
    うのは朝鮮半島の非核化(※27)なんですよね」

    岩上「南北の非核化」

    小出「南北とも非核化なわけですから」

    岩上「だから、韓国が持ってしまったら、話にならないと」

    小出「そうです」

    岩上「なるほど」
    ----------------------------------------------------------------------
    (※24)六ヶ所再処理工場は、青森県にある、日本原燃が所有する核燃料の再
    処理施設。1993年から建設が進められている。再処理工場は、原発で発電を終
    えた使用済み核燃料を化学的に処理して、プルトニウムとウランを取り出す施
    設。(原子力資料情報室のホームページ参照【URL】http://bit.ly/1fPVQiW)

    (※25)1988年に日米間で締結された「原子力の平和的利用に関する協力のた
    めの日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」(日米原子力協力協定)
    に、再処理について書かれている。「この協定に基つ?いて移転された核物質及
    ひ?この協定に基つ?いて移転された資材、核物質若しくは設備において使用され
    又はその使用を通し?て生産された特 殊核分裂性物質は、両当事国政府か?合意す
    る場合には、再処理することか?て?きる」(【URL】http://bit.ly/Oxufgy)

    (※26)第二次世界大戦後、朝鮮半島は北緯38度戦を境として北部をソ連、南
    部をアメリカに分割占領され、1948年に大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国が
    成立した。朝鮮戦争は、米ソの対立を背景として、1950年6月25日に、北朝鮮
    軍が38度戦を超えて南下していったことによって始まった。韓国はアメリカ軍
    を主体とする国連軍、北朝鮮は中国人民義勇軍による支援を受け、一進一退を
    繰り返し、38度線付近で紅茶状態となった。1953年に休戦協定が成立。(デジ
    タル大辞泉、大辞林第三版より【URL】http://bit.ly/1fDgWEY)

    (※27)六ヶ国会議(六者会合、六者協議)とは、主に北朝鮮の核開発問題を
    解決するために、アメリカ・韓国・北朝鮮・中国・ロシア・日本の6ヶ国の外
    交当局が直接協議を行う会議。2003年から始まり、これまで6回開催されてい
    る。2013年11月25日の日米の高官協議で、北朝鮮が非核化に向けた具体的な行
    動をとるまでは六ヶ国協議の再開はしない方針が確認された。(2013/11/25日
    本経済新聞記事「北朝鮮に非核化への行動を要求 日米高官、6カ国協議巡
    り」参照【URL】http://s.nikkei.com/1jxTsBJ)

    ===================================
    ◆東アジアの非核化に向けて、「攻める平和主義」を◆
    ===================================

    小出「ですから、米国としては、まあ日本と韓国はやはりちょっと違うという
    ふうに思っている。まあ自分が支配をするためにやりやすいやり方として、い
    ま韓国には許さないけれども、日本は許しておくということだと思います。

     でも、安倍さんのような政治家が出てくると、米国としてもこのままでは済
    ませられなくなるかもしれません」

    岩上「この南北朝鮮半島の非核化と、日本の非核化はつながっていますね。実
    際そうなるかどうかは別として、小出さんは、自分が正しいと思うあるべき姿
    というのは、憲法のもとの絶対平和主義を、核技術を含めて実現することだと
    おっしゃっている。

     でもこれは、日本一国平和主義というよりは、隣接する南北朝鮮両方を非核
    化するということと連動しているんじゃないですか?」

    小出「そうです」

    岩上「それが実現しないと、日本もしづらい。日本と、この両国とがともに非
    核化する。東アジアの非核化ということで進んでいくなら可能性があるかもし
    れませんけれども、そのどこか一箇所でもほころびが出ると、逆に核武装の誘
    惑が高まると」

    小出「そうですね。ですから、日本国憲法のことを、ある人達は、一国平和主
    義でけしからんというようなことを言うわけですけれども、そうじゃないんで
    すよね。

     一国だけ平和国家が成り立つわけがないのであって、要するに全世界を平和
    的に解決できるようにしなければいけないと。そのために、日本は軍隊を放棄
    して、諸国民の公正と信義に信頼して守るという国にするんだと宣言してるわ
    けですから、それをどんどんどんどん、地理的にも、東南アジアの非核化を含
    めて、広げていくという方向でやらなければ、もちろん日本一国だけで国は守
    れない」

    岩上「じゃあ、攻める平和主義ってことですね? 安倍さんが言ってる積極的
    平和主義(※28)と全く意味が違いますけれども」

    小出「はい。そうです。ですから、平和というのは別に簡単に作れるわけでは
    ないわけですから、どんどん世界にそういう考え方、あるいは体制を積極的に
    広めていくという、その努力がなければ、もちろんできない」
    ----------------------------------------------------------------------
    (※28)「積極的平和主義」とは安倍政権が外交・安全保障政策の柱として掲
    げ始めたスローガンである。新しい防衛大綱に組み込むことが議論されている。
    (参照【URL】http://bit.ly/1fDk5oj)
     安倍政権の言う「積極的平和主義」は集団安全保障に積極的に参加していくこ
    とを意味しているが、「積極的平和」という概念はもともとノルウェーの平和
    学者ヨハン・ガルトゥングが提唱したものであり、本来の意味は安倍政権の使
    っている意味とはまったく異なる。180度違うと言ってもいい。ガルトゥング
    の言う「積極的平和」とは、人々が紛争を起こさずに平和に暮らしていけるよ
    うに関係の修復や社会システムの構築を行うこと、つまり、紛争の理由になり
    うる貧困や搾取や差別をなくしていこうとするものである。

    ===================================
    ◆「宇都宮さんに都知事になってほしい」◆
    ===================================

    岩上「今回の都知事選の候補について、どう思いますか?」

    小出「私は、政治は嫌いだし、政治に関わらないとずっと言ってきましたが、
    わたしは宇都宮さんに賛同します。彼に都知事になってほしいと思います。

     ただし、選挙というのは勝つか負けるかということが決定的に重要なことで
    す。私は舛添さんだけには勝たせたくないと思っています」

    岩上「田母神さんでもいいわけではないでしょう?」

    小出「もちろん、田母神さんは論外ですけれども(笑)。ただ、舛添さんにな
    ってほしいとは思わないので、とても難しい選択だと思います。

     原子力に反対してきた私の仲間がたくさんいますが、宇都宮さん支持の人も、
    細川さん支持の人もいます。

     お互いにお互いを非難する関係になってしまっていて、私は大変残念です。
    できれば一本化してほしかったのですが、もうここまでくれば、できないだろ
    うと思います。こうなれば、自分の信ずる道で戦うしかないと思いますので、
    宇都宮さんにもきっちりと戦って欲しいし、細川さんもきっちりと戦ってほし
    いと思います。

     でも、原子力の問題は原子力だけの問題ではないので、全体を議論できるよ
    うな形のやり方が正しいですし、全体という意味で言えば、私は宇都宮さんが
    正しいと思います。

     ただし、選挙に負けられないので、細川さんを支持するという人たちがいる
    ことも私には分かります。みなさん一人ひとりがどうするかを考えていただく
    しかないと思います」

    岩上「そうですね。選挙というのは一人ひとりが自分の判断で一票を投じるわ
    けですから、自分で考えて判断を下すことが大事だと思います。

     ただし、その前に、情報をできるだけ有権者に開示してほしいですね。つま
    り、判断するための情報が必要です。脱原発以外は何も語らないというのは、
    ちょっとあまりに幅が狭いと思います。

     安全保障の問題も語ってもらいたい。緊急出版された池上彰さんの本のなか
    で、細川さんは池上さんのインタビューに答えて、核兵器の保有について語っ
    ていました。『核兵器の保有を考えている人がいると言われるけれども、これ
    は非常に時代遅れな考えで、私はそのような考えはありません』と、細川さん
    ははっきりと言っています。

     こういうことをきちんと言ってもらいたい。安全保障や日米原子力協定をど
    うするのかということも含めて、包括的に語ってもらいたい。さらに、田母神
    さんや舛添さんとも討論会をやってもらいたいです」

    小出「そのとおりです。議論はちゃんとしなければいけないです。やまほど議
    論をして、一人ひとり投票する人がきちっと判断できるようにするべきです。
    様々なことがもちろん判断の基準に入ってくるでしょうから、最後は一人ひと
    りだと思います。

     ただ、私としては原子力にこれまでずっと反対してきたわけですし、舛添さ
    んのような人だけには入れて欲しくないし、この選挙戦を通じて、原子力に反
    対してきた人たちのあいだに亀裂が入ったりすることは避けてほしいと思って
    います」

    岩上「また、田母神さんのことを忘れてましたね」

    小出「まあ、田母神さんが入るなんて可能性はないですよ」

    岩上「でも、田母神さんは街頭演説では意外な人気で、自民党の支持者のなか
    では、舛添さんを担ぐぐらいだったら、田母神さんを支持するという人もいま
    す」

    小出「舛添さんは自民党を除名されたのですから、自民党が舛添さん担ぐなん
    てありえない話ですからね」

    岩上「そういう意味では自民党も非常にねじれた状態にありますね。だからこ
    そ、きちんと話し合わなければいけない。国家としての運命の分かれ道みたい
    なところですから、重要な問題として話し合うべきですよね」

    ===================================
    ◆今回の選挙が「最後のチャンス」ではない◆
    ===================================

    岩上「最後にまとめたいのですが、それでも今の細川さん、小泉さんの動きは
    やはりとてもエポックメイキングであり、人の関心を呼ぶ動きではあることは
    事実です。

     リタイヤしていた元首相がカムバックしてくるということも一つのドラマで
    す。小泉さんは自民党で細川さん日本新党で、違う立場に立つ人にも見えてい
    ましたが、実は行政改革研究会を一緒にやっていて、規制緩和にすごく熱心で
    した。

     さらに、小沢一郎さんの生活の党が支援してるわけです。小沢一郎さんと小
    泉純一郎さんは、かつてぶつかり合ってたのではないかと思います。だから、
    不思議だと思っている方も多いと思いますが、これを『疑わしい』と思う人と
    『期待できる』『こんな組み合わせはない、奇跡だ』と思う人がいます。

     小沢一郎さんが原発をやめようと表明されました。私のインタビューでも
    『私は核兵器の保有なんて絶対に考えない』ということをはっきり言っていま
    す。小沢さんが細川・小泉連合に合流したというのは、それなりに真剣な選択
    だったのかもしれません。左を切って、中道のところに戻ったというところで
    しょうか。

     こうした小泉さん・細川さん・小沢さんの動きをどう評価していますか?」

    小出「私は小沢さんと対談もして、私の話も聞いてくださいました。対談のあ
    とに、記者団を前に、原子力に反対だと明言しました。私の言うことを聞いて
    くださったうえで原発反対と表明してくださったことを、ありがたいと思いま
    す。

     小泉さんについては、小泉構造改革ということをやって社会的弱者をどんど
    ん切り捨てるということをやった張本人ですから、私は小泉さんが嫌いです。

     ただし、小泉さんがオンカロ(※29)まで見に行って、これはダメだという
    ことを理解して、原発に反対すると言いました。それは正しいことだと思いま
    す。細川さんについては、よく分かりません。

     細川さんは、たぶん、日本のエネルギー政策全体に異議を言いたいのだろう
    と思います。細川さんも原発反対と言っていて、細川・小泉連合は、原発反対
    のシングルイシューでいくと言ってるわけですよね。それに小沢さんが今乗っ
    て、原発反対でその三者が連合を組んでいるわけですね。

     ですから、私は、そのシングルイシューでいえば、彼らの言っていることは
    正しいと思います」

    岩上「彼らの言ってることは正しいんですけれども、彼らの言っていないこと
    がどうなのか、ですよね」

    小出「そうです。その裏にたくさんのことがあるわけで、本当なら議論をしな
    ければいけないのです。だから私の友人たちも、引き裂かれてしまっているわ
    けです。

     だから、とても難しいことだと思います。歴史は流れているわけですし、選
    挙が終わったら世界がなくなってしまうわけでもないし、やはり原子力に抵抗
    するということは続けなければいけないと思います。こんなことで、仲間割れ
    をしたり、お互いに傷つけ合うようなことだけはしないでくださいと頼んでい
    ます」

    岩上「『最後のチャンス』論が唱えられていますよね。これが最後で、もう二
    度とチャンスは来ないから、他のことには一切目をつむって、今回は一点だけ
    にしようということが言われました。僕はそれにすごく強い抵抗を感じました。
    最後のチャンスなんてことはありえないですよ」

    小出「もちろん、『最後のチャンス』なんていうことはありません。歴史はず
    っと流れているので、昨日も今も明日も闘いが続きます。もちろん戦いには負
    けたくありません。わたしはもう原子力をやってる連中には負けたくないので、
    どうすれば勝てるかということを長いスパンで考えなければいけないと思いま
    す。

     ただ、今回の都知事選で、舛添さんが勝つのか、あるいは彼を負けさせるこ
    とができるかということは、運動にとってかなり重要だと思います。もちろん
    最後ではないですよ。でも、かなり重要だと思うので、一人ひとりやはり考え
    ていただくしかないと思います」

    ------------------------------------------------------------------(※
    (※29)オンカロはフィンランドにある、原発の使用済み核燃料を高レベル放射性
    廃棄物として地層処分する施設を建設するにあたって、精密な現地調査を行う
    ために建設される地下特性調査施設。将来は処分施設の一部として利用される。
    2020年に運用開始予定の最終処分施設は、地下約500メートルの施設に埋没し、
    約10万年閉じ込める。(デジタル大辞泉より【URL】http://bit.ly/1clIp9C)
     小泉元首相は、2013年8月にオンカロを訪問し、原発ゼロにしなければならな
    いと考えたという。(電子書籍『原発ゼロへ!小泉純一郎脱原発宣言全文』に
    オンカロ訪問について書かれている。【URL】http://bit.ly/1jyRtx2)

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    ◆負け続けても戦いは続く◆
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    岩上「今回、『最後のチャンス論』と同時に言われたのは、負けたら一切無意
    味ということでした。勝たなければいけないというのは正論ですが、負けたら
    全部が無意味なのでしょうか。小出さんは、『私はずっと敗北し続けた』とお
    書きになりましたね。

     これは非常に心を動かされた一節でした。どういう意味で、『私は負け続け
    てきた』と言ったのでしょうか」

    小出「私は、1970年に原子力をやめさせたいと思いました。そのとき、日本国
    内の原子力発電所は三つしか動いていませんでした。東海原発、敦賀、美浜で
    す。それ以降、一つも作らせたくないと思ったのですが、何をやっても勝てま
    せんでした。

     原発推進派は、国家権力を後ろ盾に巨大産業が関わっていて、マスコミもグ
    ルになっています。学者は、どうしようもない連中ばかりです。私の力など、
    ほとんど何の意味もないような形で、負け続けてきたんですね。

     それでも、負けても負けてもやっぱり戦わなければいけないということはあ
    ると私は思ってきましたし、負け続けながらも自分のできることをやろうと思
    って今日まできたんです。

     私は選挙や政治が嫌いだったので、あまり積極的に投票に行きませんでした。
    でも、私が投票した時に、必ず、私の投票した人は負けるのです。でもまあ、
    それでも仕方がないと思うときには、それもやりました」

    岩上「死に票だと思っても投じると」

    小出「そういうこともありました。もちろん負けることはあるし、負けたから
    といって終わりでもありません。

     昨日、大阪で集会をやったのですが、その集会の主催者が最後に挨拶すると
    きに『自分たちは微力だけれども、無力ではない』と言いました。確かに私の
    力なんて本当に微々たるものだけれども、でも無力ではないはずです。昨日も
    今日も、また明日も無力ではないはずなので、できることを担おうと思いま
    す」

    岩上「人間というのは一人ひとりの人生に限りがあるわけですね。人間みんな
    自分の晩年が近づいてくれば、自分にとって最後のチャンスだと思うのは当然
    のことです。ですが、大事なことは自分の代で終わりではなくて、次の世界、
    次の代というのがあるはずということではないでしょうか。

     沖縄で、名護市長選(※30)があり、奇跡的な勝ち方をしました。あんな絶
    望的なところまで、崖っぷちまで追い込まれながら、誰も最後のチャンスだと
    か、これでおしまいだということは言わないんですよ。

     おじいおばあがみんな、次の代に引き継がれていくのが当たり前のように思
    っています。

     次の代に引き継いでいくということの重要性について、どのようにお考えで
    しょう」

    小出「名護の選挙のことに関していえば、沖縄の人たちずっとこれまで戦って
    きたし、1回選挙に負けたからといって、戦いをやめるわけではないのですよ
    ね。『最後の戦い』という言葉はきっと彼らからは出てこないと思います。1
    人の人間が終わったとしても、引き継がれていきます。

     だから歴史は流れているわけだし、運動だって流れているわけです。ここに
    田中正造(※31)さんの像があります。正造さんは亡くなって100年経ちまし
    たが、でも、正造さんがいたという事実はあるわけだし、歴史のなかに正造さ
    んの足跡が残ってるわけですから、ありがたいと思うし、1人の人間なんかど
    うでもいいことだと、私は思います。大切なのは、歴史ですね」

    岩上「自分が去るけれども、世界は残り、歴史が続く。そこにどれだけ影響を
    残せるか。あとに託すことができるかという考えを持ってないといけません
    ね」

    小出「個人の力は本当に微力だと思いますけれども、でも、生きているわけだ
    し、私という命は、いま、世界の広がりのなかのここに生きています。

     私以外だれでもない私なわけですから、それが微力だろうとなんだろうと、
    私らしく生きるのが一番いいのであって、そうしなければ、損だと思います。
    私の足跡がどれだけ残るかということはどうでもいいです。できることだけや
    りたいと思います」

    岩上「それは、無意味ではないということですよね」

    小出「無意味ではないですよ。すべての人の命は無意味ではないです。でも、
    仮に無意味だとしたって、生きたいように生きればいいと思いますよ」

    岩上「負けたら一切無意味だという議論もありますね」

    小出「選挙に関する限りは、51%と49%の間に、猛烈な違いが生じてしまいます
    ね。だから、私は選挙は嫌いなんですけれども、仕方がないですよね。こうい
    う間接民主主義を選んでる国なわけですから、選挙をするしかないでしょうし、
    できることなら勝ちたいと、みなさん思うだろうし。でも、これで終わりでは
    ないので、負けてもいいという選択はやはりあると思います」

    岩上「最後に一つ、大阪の橋下市長が大阪市長選をやり直すと言っていますが
    (※32)、これについてはどう思いますか?」

    小出「愚かすぎます。彼は、常に注目されたい、とにかくマスコミが取り上げ
    てくれればいいと思っている人です。あまりにもばかげていると思いますので、
    あんな人にはさっさと退場してほしいと思います。

     あんな人がいるのは、大阪市民の不幸ですよね。でも、対抗馬もたぶん出な
    いでしょう。いったいやり直して何になるのでしょうか」

    岩上「なるほど。大阪市民のみなさんもぜひ、そのことをお考えいただきたい
    と思います。市長を選ぶということは、白紙委任するわではないですからね」

    小出「そうです。『私はもう市長になったんだから、何やってもいいんだ』と
    いうのは間違った考え方だと思います」

    岩上「今日は、東京都知事選も見据えながら、脱原発についてお話頂き、そし
    て、原発は核戦略と不可分だということをお話頂きました。

     核燃サイクルは、プルトニウムを保持するためのいいわけであり、核兵器保
    有という目的以外にはまったく無駄なものだということを、皆さんにご理解い
    ただけたのではないかと思います。このあとの政治情勢次第では、この問題がど
    んどん大きくなる可能性があると思います」

    (了)

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    (※30)2014年1月19日、沖縄県名護市の市長選の投開票が行われた。選挙の
    争点となったのは、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移転だった。現職の
    稲嶺進氏が19839票を得て、自民・公明推薦で移転推進派の末松文信氏の15684
    票を、4000票以上の大差で上回り、再選を果たした。(IWJ記事「2014/01/19
    【沖縄名護市長選】現職・稲嶺氏が大差で再選 / 落選した末松氏『辺野古移
    転断念すべきではない』」参照【URL】http://bit.ly/OB0KL4)

    (※31)田中正造(1841-1913)は、衆議院議員選挙に6回当選した政治家。公
    害事件である足尾銅山鉱毒事件を告発した。鉱毒について国会での質問を行っ
    たり、演説を行ったりしている。1901年に議員を辞職した後も鉱毒被害を訴え
    る活動を続け、明治天皇に直訴を行った。
    (Wikipedia参【URL】http://bit.ly/MwkgGw、
    NPO法人足尾鉱毒事件田中正造記念館【URL】http://bit.ly/MwknBM)

    (※32)2014年2月1日、橋下徹大阪市長は、市長を辞職して出直し選挙を行う
    意向を表明した。橋下氏の掲げる「大阪都構想」について他党から反対され行
    き詰まりを見せているため、民意を問うために再選挙を行うという意向だ。
    「大阪都構想」とは、大阪市と堺市の広域行政の権限と財源を大阪府に統合し
    て「大阪都」とし、両市は廃止して特別区に再編するというものだ。(2014/2
    /1朝日新聞記事「橋下氏、弱まる求心力の中『もう1回民意を』市長選へ」参
    照【URL】http://bit.ly/1fyafmE)
     橋本氏は7日に辞職届を出したが市議会が辞職を認めなかったため、地方自
    治法にもとづいて、27日に自動失職。
     市長選は3月9日告示で23日に投開票が行われることとなった。しかし、この
    出直し選挙には有権者の6割が反対している。(2014/2/24毎日新聞記事『大阪
    市長選:「出直し」反対6割 橋下氏支持率低下』参照
    【URL】http://bit.ly/1gwa8He)
     自民、民主、公明、共産の4党は候補者の擁立を見送った。スマイル党のマ
    ック赤坂氏が橋本氏の対抗馬として出馬予定。IWJではマック赤坂氏へのイン
    タビューを予定している。


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