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    原発問題 -The Truth is Out There-

      : 

    東電福島原発事故の真実 放射能汚染の真実 食物汚染の真実 正しい情報を求めて

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    福島第一原子力発電所の現状を見た今、あらためて聞くー京都大学小出裕章氏インタビューー vol.2 

    IWJ特報!第27号
    岩上安身のIWJ特報
    福島第一原子力発電所の現状を見た今、あらためて聞く
    ー京都大学小出裕章氏インタビューー vol.2
    (IWJ許可済み転載)

    (前号の続き)

    ===================================
    ◆子どもたちの被曝を避けるための、瓦礫処理でなければならない
    ===================================

    岩上「まず、瓦礫処理の話をお訊きます。この問題は、今、話題の渦中にあるわけですけど」

    小出「はい」

    岩上「維新の会の集会と言うんでしょうか。その場で小出先生がお話をなさって、どのように瓦礫を受け入れたり、あるいは焼却していったりしたら良いのか、ということについてのお考えを述べられた。

     それがいろいろ反響を呼んでいるようですけれども、これは、どういうことなのか、順序立ててお話していただきたいと思います。

     そもそも、現地で焼却できる方がよい。けれども、現地で焼却しきれないというのであれば、そのままむざむざと、その現地の子どもたちが被曝するようなことがあってはならないから、できるだけ広域で分かち合おうとした方がよい、ということなんですよね?」

    小出「岩上さんの理解も、私の言っていることとちょっと違うと思います」

    岩上「分かりました。では、順番に、是非、お話していただけたらと思います」

    小出「はい。放射能というものの取り扱いの原則というものがあるのですが、それは拡散させないということなんですよね。できるだけ、閉じ込める。薄めて広げるのではなくて、閉じ込めるということが原則です。

     ですから、その原則を守ろうとするのであれば、全国にバラまくなんてことは絶対やってはいけないことなのです。

     そして、今、日本の政府がやろうとしていることは、全国にバラまくということがまずあるわけですね。それで、既存の焼却施設で燃やせということになっている。そして、その既存の焼却施設で燃やした焼却灰は全国の自治体で勝手に処分しろ、と言うんですね。それ、二つとも間違えている。

     ですから、私は、今、国がやろうとしていることには、明確に反対です。私の一番の要求は、汚染した瓦礫は現地に焼却施設を造って、そこで燃やすのが原則だということです。それをどうして日本政府が、いつまで経ってもやらないのかということに、私はまず抗議をしているわけですね。まずは、それをやらなければいけない。

     ただし、今現在、膨大な瓦礫があって、それが環境にあるという状況をこのまま放置しておくことは、私はできないと思うのです。

     私は、事故後ずっと言い続けていますけれども、私が今やりたいことは、
    子どもを被曝から守るということなのですね。その子どもというのは、大阪の子どもも含まれるし、東京の子ども、全国の自治体の子どもも含まれる。そして、当然のことながら、汚染地域の子どもも含まれます。

     子どもたちの被曝をトータルとして減らせるかどうか。どうすればトータルとして減らせるかということが私の唯一の関心事なのです。このまま放置をしてしまうということは、汚染地の子どもたちに被曝をさせ続けるということになってしまうわけです。ですから、私は、それが許せないから『専用の焼却施設を造れ』と言っているのです。そして、『それが間に合わないのであれば、やはり全国が引き受けるしかない』と言っているのです。

     それで、みなさんから、私は怒られているわけですが、私が、瓦礫を全国で引き受けざるを得ないと発言している時には、条件があるのです。

     それは、先にも述べたように、政府がやろうとしている既存の焼却施設で燃やすということも間違えているし、出てきた焼却灰を勝手に埋めろというのも間違えていると私は言っているわけで、その二つをクリアできない限りはやってはいけないと私は言っているんですね。

     それでは、どういうことをやれば受け入れることができるかということですが、現在ある焼却施設は、放射性物質に対応できるものではまったくありません。ですから、現段階では、放射性物質を取り除けるという確証がないのです。

     日本の政府や自治体は、現在の焼却施設にもバグフィルターが付いていて、それが99パーセントか、99.何パーセントかの効率で捕まえることができるからいいんだ、というようなことを言っているそうですが、私は冗談を言うな、と思っています。

     そんなものはやってみなければ分からないし、放射性物質を考慮しないまま造られた焼却施設で、本当にそういう効率でできるかどうか分からない。そのフィルターの管理の方が、どうやって現場で管理されているかということのほうが、物理的なフィルターの性能より重要なのであって、現場でそれを確認しなければいけないと言っているのです。

     私の言っていることは、簡単なことなのです。つまり、現場である程度燃やしてみて、フィルターに入る前の空気中にどれだけセシウムが含まれていて、そのフィルターを通った後の空気中にどれだけセシウムが含まれているということさえ測定すれば確実にわかると言っているのです。それをやってみて、本当に取れるというならよいと思います。取れないというなら、セラミック・フィルターであるとか、高性能フィルターというものを、放射能を捕まえるためのフィルターを新たに設置して、それが整ってはじめてそこで燃やしていいというのが私の主張です」

    ===================================
    ◆焼却処理は、全国の各自治体も引受けるべき?─全体の被曝を減らすために
    ===================================

    岩上「それはどのくらいの設備投資になるのでしょうか?」

    小出「おそらく、かなりの費用がかかるでしょうね」

    岩上「フィルターというのは、どの程度のどういう物なのか分からないんですけど、たんに膜をポンと付けるような物ではおそらくないでしょう」

    小出「ないです」

    岩上「どういう規模の物で、そして、それを設置するために、どのくらいの時間がかかるんでしょう?」

    小出「それは、規模は焼却施設の規模によっているわけですね。小さな焼却施設なら小さなフィルターでいいでしょうし、大きな焼却施設なら大型のフィルター装置を付ける必要があると思います。ただ、そのフィルターだけを追加すればいいというのであれば、そんなに時間はかからないと私は思います」

    岩上「時間はかからない」

    小出「まあ、一ヶ月はかかるかもしれないけれども、要するに、沿道から分岐というか、沿道の構造を変えて、そのフィルターを設置した場所に導いて、またその煙の出口をスタックにつなげばいいわけですから、できると思いますし、全国の自治体で無制限に燃やすなんてことは、もちろん、やってはいけない。

     例えば、大阪府で引き受けるとしても、どこか1箇所、あるいは2箇所か分かりませんが、専用の場所を決めて、そこでやるしかないと思います」

    岩上「ただですね、ここのお話は非常によく分かったんですが、この行政の計画自体にクエスチョン・マークが付くところがあるんです。というのは、今回広域処理をしようとしている対象になる瓦礫は福島ではない、宮城、岩手ですよね。そして、宮城、岩手の瓦礫は合計で2,000万トン、岩手で440万トン、宮城で1,590万トンです。

     これらのうち、広域処理、つまり県外でやってくれと言っているのはそれぞれ2割程度なんですね。2割を手伝ってくれという、ちょっとそこが分からないんです。

     自分たちの地域で、自分たちだけで処理をやっていくとなると、岩手で11年、宮城で19年かかってしまう。『だから、手伝ってくれ』と言うんなら、この数字が逆でですね、1,2割は地元がやって、9割を広域でやってくれ、と。そして、1年とか半年で全部片付けてしまおう。そうすれば、復興が早く進むという、そういう話ならばまあ少しは分かるんですね。

     ところが、2割を東京や大阪やその他の他府県でやってもらいたいとなると、何のために?  という疑問が起こります。残りの8割、9割は地元でやるんですね。そして、地元の処理能力からいうと、やっぱり時間がかかるんですよ。

     これでは、地元の子どもたちを汚染させないようにするためには引き受けるしかないという、小出先生のロジックが、崩れちゃうんですよ。前提から言ってね」

    小出「どんどん引き受けたらいいんです」

    岩上「どんどん引き受けたらいい?」

    小出「全国の自治体で。ただし、その場合には、今、言ったような条件があって、普通の焼却施設で燃やしてはいけない。岩手でも、宮城でも、普通の焼却施設で燃やそうとしているわけですよね。あるいは、野焼きもされているかもしれないし、もっと杜撰なやりかたで、民間の産廃業者がどんどんあちこちで燃やしているかもしれないんですね。そんなことをやれば、子どもたちが被曝をしてしまうわけです。

     ですから、全国の自治体でちゃんとした施設を造って燃やすということは、むしろ、私はよいことだと思います。全体の被曝を減らすという意味で」

    岩上「ちゃんとした施設をあまり移動させずに、災害立地につくり、汚染した瓦礫はそこでできるだけ処理したほうがよいのではないか、という声もある。先生は、もともと放射性物質は拡散しないほうがいいとお考えだったはずです」

    小出「そうです」

    岩上「原理・原則にもとづけば、そこで急いで焼却施設を建てる、あるいは既存の焼却施設を高性能のフィルターを付けてですね、絶対安全なものにする。そうして処理するっていうのが、先決ではないかと思うのです」

    小出「そうです。そうです。ですから、本来であれば、まず一刻も早く、福島県内の一番の汚染地域に放置されている瓦礫が、環境に散らばらないような状態にしなければいけない。

     そのために焼却というやりかたは、私は、ある程度有効だと思っていますので、福島県内の汚染地に専用の焼却施設を造って、そこで焼くということを早くやらなければいけないと思います。そして、宮城にしても、岩手にしても、汚染している瓦礫はありますので、そういう瓦礫を燃やすための焼却施設を岩手とか宮城で造って、そこで焼くということもやらなければいけないと思います。

     でも、今、岩上さんがおっしゃったように、とにかく、膨大な瓦礫があって、それを全部始末をしようと思うと、ものすごく長い時間がかかってしまうという条件があるわけです。その期間も汚染地の子どもたちは、被曝をし続けるというようなことを、私は望みませんので、できる限り早く始末をするという意味で全国で引き受けるべきだと言っているのです。

     ただし、何度も言うけれども、それには条件があって、普通の焼却施設で燃やすようなことはしてはいけないということを言っているわけです」

    岩上「なるほど。そうすると、辻褄が合うのは、現地で1年くらいで処理できるというと、今ある瓦礫の1割程度、そして、残りの9割は全国に拡散し、とにかく、全国で猛スピードで瓦礫処理をするということになります。ただし、何度も言うように、専用フィルターを付けるなどをしたうえで、ですね。そうすると、環境中に放置された状態というのは、これ、被曝していってしまうわけですから、1年くらいで、スピーディーに処理してしまうということの方が望ましいという話になりますよね。これだと、一応、理屈が合うんですね」

    小出「はい」

    岩上「でも、今、行政がやろうとしているのは8割が地元で、2割を広げよう。これは、うがった見方かもしれませんが、実際には、現地でやろうと思えばできるものを、広域に広げて、放射能に対するアレルギーのようなもの、心理的な抵抗感のようなものを奪いたいだけなんではないかとも思えるのです。1割程度の処理だったらば、その程度の意味しかないのではないか。こういううがったものの見方も一応あるわけです。これについては、どういうふうにお考えですか?」

    小出「ははは(笑)。みなさん、ちゃんと考えてください、としか私には、言いようがないけれども、自分の町に放射能で汚れた瓦礫が来るということになれば、どうしても考えざるを得ないわけじゃないですか」

    岩上「そうですね」

    小出「それをどうしても受け入れたくないという方もいるだろうし、でも、私が言っているように、子どもたちの被曝をトータルに減らすためには、それしかないというふうに考えてくださる方がもし生まれてくださるなら、私はよいと思います。こんな事故が起きてしまっているのが現実なわけですから、すべての人に、この問題を自分のものとして真剣に考えて欲しいんですね。ですから、1割をバラまくことによって、人びとが、きちっとそれに向き合ってくれるというのが、私は一番よいと思います」

    岩上「1割の瓦礫が行くことによって、向き合うことになる、ということですね。まあ、関心を持たざるを得ないということですよね」

    小出「はい」

    岩上「なるほど。分かりました」

    小出「もう一つ言いたいんだけど…」

    岩上「ああ、どうぞどうぞ」

    ===================================
    ◆焼却灰の処理は、各自治体で受け入れてはならない。一か所にまとめるべき
    ===================================

    小出「私は、焼却灰についての、国のやり方が二つとも間違えていると言いました。焼却灰を、それぞれの自治体で勝手に埋めろなんていうことはとんでもないことなのであって、放射性物質は、普通のゴミと一緒にしてどこかに埋めてはいけないというのが、これまでもずっと原則だったわけです。当然のことなんですね。ですから、私は、焼却灰は各地の自治体が引き受けてはいけない、と考えています」

    岩上「焼却灰は引き受けてはいけない」

    小出「いけない」

    岩上「焼却はいいけれども」

    小出「焼却はいいと言うのも、きちっとした施設でなければ焼却してはいけないんです」

    岩上「もちろん」

    小出「まず、そこをクリアして焼却していいということになっても、焼却灰は引き受けてはいけない。その焼却灰は、もともと、福島第一原子力発電所の原子炉の中にあったものなんですね。ウランが燃えてできた核分裂生成物、セシウム137が含まれたゴミなわけです。

     それは、福島第一原子力発電所に返すのが筋だと、私は思っているわけです。これから、福島第一原子力発電所では、壊れてしまった原子炉を、たぶん石棺と呼ぶような構造物で覆わなければいけなくなるし、汚染水が拡散するのを防ぐために、地下に膨大な遮水壁、バリアーを張る必要がある、と私は思います。

     そうすると、膨大なコンクリートが必要になってきますので、焼却灰はこれまでもコンクリートの母材に使われていたので、コンクリートとして東京電力福島第一原子力発電所で事故収束作業に使うというのが私はよいと思います。ですから、焼却灰は全国の自治体が引き受けてはいけない」

    岩上「なるほど。焼却と焼却灰は、まず分けて考えなきゃいけない。で、焼却についても厳しい条件は付けなきゃいけないけれども、これは被災立地であろうが、全国のどこであろうが、それによって微量の放射能が環境中に出る可能性はあるけれど、それをできるだけ低減して、そして、できるだけ速やかに分かち合うということですね」

    小出「そうです」

    岩上「速度というのが重要だってことですね」

    小出「そうです、そうです」

    岩上「速度が、これが10年も20年も放置していたら、環境中にどんどん放出してしまう。被曝も増える、と。そこはよくわかりました。後は、今度は焼却灰を1箇所に集めるということですね」

    小出「そうです」

    ===================================
    ◆とにかく、放射能を閉じ込めなければならない
    ===================================

    岩上「これは、コンクリートにするってことですけれども、これ、高濃度に汚染されたコンクリートになりませんか?」

    小出「そうです、そうです」

    岩上「非常に危険な物になりますよね」

    小出「そうですけれども、非常に危険どころではない、もう非常に非常に、猛烈に猛烈に危険な物が今そこにあって、それを何とか閉じ込めようとしているわけですから、非常に危険なコンクリートくらいは何でもないと」

    岩上「そうですか。 これを、例えば石棺で覆うと。石棺というと、ちょっと誤解している人も多くて、原子炉ごとですね、何かセメント詰めにしてしまうようなイメージを持っていると思うんですけれども、実は大きな建屋のような物で、要するに、建物で覆うということだと思うんですね」

    小出「チェルノブイリの時にはそうでしたね」

    岩上「そうですね」

    小出「はい。ですから、今回の福島の場合には、どうしたらいいのか、実は私自身も分かりません。本当に建屋ごと全部コンクリートで固めてしまうということもあり得るかもしれない」

    岩上「そんなことができるんですか? 建屋ごとと言うのは、原子炉ごとということですよ」

    小出「はい」

    岩上「格納容器とか、そういった物をコンクリートで…」

    小出「全部コンクリートを流し込んで固めてしまうということもあり得ると私は思いますが…」

    岩上「そうなんですか・・・。技術的に可能なのですか? できるんですか?」

    小出「分かりません。問題は、溶けてしまった原子炉の炉心が、どこにあるかということが、まずわからなければいけないのですね。それがわかるまでに、おそらく10年という時間がかかると思います。

     ですから、それまでに一体どういうことができるかということを、知恵を集めて考えながら進めていかなければいけません。現時点では、最終的に何ができるかということはまだまだ分かりません。

     でも、いずれにしても、放射能を閉じ込めるということは、必ずやらなければいけません。チェルノブイリの原子力発電所の事故でやったような建家そのもの全体にまた大きな覆いを掛けるという形の石棺というものになるのかもしれないし、それでは足りなくて、建屋ごと全部またコンクリートで埋め尽くすという、そういうことになるのかもしれませんし、今の段階では私にはよく分かりません。でも、いずれにしても、膨大なコンクリートが必要になる」

    岩上「必要ですか」

    小出「はい」

    岩上「除染が、大規模な予算がついて進められようとしているんですけれども、結局、その除染をこれから先もっと進めようとするときに問題になるのは、汚染した土壌、落ち葉等々、そういった物をどこに貯蔵するかということです。

     それを、やっぱり福島第一原発の近くに持って来ようという話がよく持ち上がるのですが、そうなると、このすぐ近くは、あまりに汚染が高くなります。したがって、その中間貯蔵というものにはふさわしくない、少し離れた場所にしなくてはいけないという話になっているようです。

     もちろん、これは、地元が受け入れる、受け入れないという論議があって、そんなに簡単に進む話ではありません。ここの敷地内に、コンクリートを持って来るということも、やっぱり、ここでの作業の人たちを増やすことになりますから、そこはどうなんでしょうか? 被曝労働という観点から、どの程度認められるんでしょうか?」

    小出「全国にバラまいたとしても、要するに、濃度は薄く広い範囲で人が被曝をするだけなのであって、1箇所にまとめた場合と、全国にバラまいた場合とで、どちらが取り扱い難いかと言えば、バラまいてしまった方が取り扱い難いです。将来的にも何の管理もできないということになってしまうわけです。ですから、これはしようがないのです。もう生み出してしまった放射性物質は、消えないのだし、せめて、どうすることがトータルでの被曝を減らすことにつながるかということでしか、対応できないのです」

    岩上「なるほど」

    小出「ですから、福島第一原子力発電所の敷地に持ち込めば、作業員の人たちの被曝が増えてしまうということは、もう避けようがないことです。でも、全体の被曝量を減らすということからすれば、多分、それしか道はないと思います」

    岩上「今、除染の話で中間貯蔵施設の話を私はしました。中間貯蔵施設はこの福島第一原発の近くに造るべきだとお考えですか?」

    小出「大変言い難いけれども、福島第一原子力発電所の周辺では、もう二度と人が住めないという土地は、たくさんあるのです。猛烈に汚染をしている所が双葉郡を中心にすでに、残念ながらあるんですね。

     もちろん、政府もそれを承知していて、双葉郡に中間貯蔵施設を造りたいと言って、申し入れをしたのですね。そうしたら、双葉町の町長が『嫌だ』と言って断ったというのですね。私は、ちょっと複雑な想いで聞きましたけれども、双葉町というのは、これまで『原子力発電所は絶対安全だ』と言って、町民に対してもそう言い続けて、『受け入れたら沢山の金が来るんだから』と言って豊かな町づくりをしようとした町なんですね。

     その町が、原子力発電所を受け入れたからこそ、今度のような事故だって起きたわけで、私は、双葉町の町長には重い責任があると思うのです。しかし、その双葉町の町長が、事故が起きたら、『自分のところはゴミは嫌だ』と言ったというので、私は首を傾げました。

     放射能のゴミなんて誰だって嫌なわけで、受け入れたくないというのは正直な気持ちとしてよく分かります。ですから、双葉郡あるいは双葉町、大熊町というところの人たちにとっても自分が生まれ育った土地というのは、もちろん愛着があるだろうし、誰でもそんなゴミは受け入れたくないと思うでしょう。

     しかし、そうであっても、仕方がないかもしれない、と私は思っているのです。猛烈な汚染地帯で、すでに二度と帰れない場所ができてしまったということが事実であって、その場所に、中間貯蔵施設を造らなければならなくなるかもしれないと思います。

     でも、私は、それをやる前に、やるべきことがあると思っているのです。なぜかと言えば、さっきも聞いていただいたように、今汚染をしているという物の正体は東京電力の所有物だったわけですから、東京電力に返すのが一番の原則なのですね。

     もともと、福島第一原子力発電所にあったわけですから、福島第一原子力発電所の敷地の中に返すのが私は一番よいと思うけれども、でも、今、そこは戦場になってしまっていますので、すべてのゴミを持ち込むということはいずれにしてもできません」

    岩上「そうですよね。線量がただでさえ高い所に、これを上乗せしていくだけでは、最後には本当に必要な収束作業まで誰もできなくなってしまう」

    小出「そうです。できなくなるかもしれません。なかば私は…、冗談ではなく、本気で、このゴミは、東京電力の本社に持って行くのがよいと思っているのですね。本社の社長室から始まって、次々と放射能のゴミで埋め尽くしていくと。東京電力の本社ビルがゴミで埋め尽くされるまで入れるのが、私はよいと本気で思っているんです(笑)」

    岩上「新橋の人たち、みんな困りますよ(笑)」

    小出「はい。みなさんは、多分、それは冗談と受け取られるかもしれないけれども、私は本気でそう思っている。でも、まあそれが受け入れられないとしたら、私にはもう一つ提案があって、福島第二原子力発電所を核のゴミ捨て場にするということなんですね。

     東京電力は、いまだに、福島第二原子力発電所の再稼働を狙うというようなことをやっているわけですけれども、私から見ると冗談を言うな、という話です。これだけの災害を引き起こしておいて、まずは、事故責任をきちっと果たすというのが東京電力としての使命だと、私は、思っているのです。ですから、福島第二原子力発電所という広大な敷地があるわけですから、まずはそこを核のゴミ捨て場として埋め尽くす、と。

     それでも、ゴミの行き場がないというのであれば、もう仕方がないから双葉郡の人たちに、『置き場を造らせてくれ』とお願いするのが筋なのであって、福島第二原子力発電所をまったく温存しておいて、再稼働をさせながら、住民には犠牲を強いるなんていうのは論外だと思います」

    岩上「なるほど。大変納得いたしました」

    小出「はい」

    ===================================
    ◆ストレステストの欺瞞─再稼働させるためのストレステスト
    ===================================

    岩上「今、再稼働の話が出ました」

    小出「はい」

    岩上「再稼働については、現在、重大な問題になっています。とりわけ、福井の大飯原発、この問題が非常に差し迫った話題となっています。これについての意見聴取会も行われ、かなりの紛糾が見られました。

     後藤政志さん、あるいは井野博満さん、こうした方々が、『こんなやり方だったらば、我々はやってられない』と言って、非常に大きな声を出してくださっているという状況にあります。(【URL】http://bit.ly/wqlIU7)

     この大飯原発の再稼働をめぐっては、ストレステストの一次評価と二次評価と二つに分かれていて、二次評価というのはシビア・アクシデント、深刻な、過酷な事故の時にどう耐え得るかのテストのことです。

     その二次評価の前に、一次評価の段階でほぼ再稼働が見えてしまっていると言いますかね、再稼働ありきでことが形式的に進んで行っているのではないかと、こんなふうに見られています。現在の再稼働へ向けて進めている保安院のやり方、それから、関電の姿勢等をどういうふうにご覧になってますでしょう?」

    小出「私は、本当に不思議なんです。去年の3月11日の事故を、残念ながら防げなかったんですね。私は、本当に言葉に尽くせず無念だと思います。でも、原子力を進めてきた人たちは、『原子力発電所の事故なんか絶対起きない』と言い続けてきたのですね。そして、さまざまな指針を作って、さまざまな仮定のうえに計算を積み上げて、その指針と照らし合わせて『安全です』、『安全性を確認しました』と言い続けて、今日まで原子力発電を続けてきました。

     ところが、彼らのやってきたことが、実は、間違えていたということが去年の事故で示されたのです。彼らが、想定したという条件のもとで計算をして、彼らが、勝手に決めた指針のもとで、指針に照らし合わせて、安全だということを判断してきた。それが間違いだったわけですね。

     事故が起こってしまって、これまでの指針も崩壊してしまい、仕方がないからストレステストということを今、言い出しているわけです。しかし、ストレステストだって同じことですよ。

     要するに、ある想定した仮定のもとに、コンピューターを動かしてシミュレーションするというだけのことなのです。ストレステストをやったことによって現物の原子力発電所が1ミリでも安全に近づくことはないのです。たんに頭の中でどういうことを考えて、それがどこまで許せるのかという、もうその指針すらがない。だから、合格を判定する基準すらがもうないわけです。とにかく、何とか安全を確認するとかいうようなことを言っているわけです。そんなこと、みなさん、信じられるんだろうか?」

    岩上「あくまでも、これまでの指針をベースにしてやっているものであって、それから何も大きな変更がないということなんですよね」

    小出「ええ、そうですし、やり方自体が、彼らが想定した範囲内でやっているわけであって、今回の事故が示した最大の教訓は、想定外であっても事故は起きるということだと、私は思うわけです。そうなら、いくらその想定した条件でストレステストなんてやったって駄目だと思わなければいけないのですね。

     さらに、私が、最大の冗談だというのは、今回、これまでこの事故が起きるまで、原子力が絶対に安全だと言い続けてきた、原子力保安院、原子力安全委員会、まあ原子力委員会もそうですけれども、そういう人たちが、一切の責任をいまだに取っていないということですね。これは、不思議なことだと私は思うのです。

     私は、少なくとも、例えば福島第一原子力発電所の設置許可を与えたことに加担をした国の役人、あるいは、学者たちは、全員刑務所に入れなければいけないと思っています。ところが、そんなことは何もやらないまま、あいかわらず原子力安全・保安院が、『安全性の確認をしました』と言うのですね。何なんだと(笑)。本当なら刑務所に入っていなきゃいけない人たちが、あいかわらず、のさばっていて、いまだに『安全を確認しました』と言っているんですね。私には、とても信じ難いことです」

    岩上「まあ悪夢のような話というか、論ずるに値しないというところが、きっと小出さんの本心なんだと思うんですけれども、論ずるに値しないをものをそれでも論ずるとして…」

    小出「そうですね、はい」

    ===================================
    ◆どんな安全基準を立てても、無意味である
    ===================================

    岩上「むりやり論ずるとして、これを稼働させるのか、稼働させないのか。どのようにしたら、再稼働をしぶしぶでも、全国民が、その全国民の安全ということを考えたうえで認めるということができるのか。できないんだったら、どこの部分をもって、できないというそのハードルにするのか。

     基準は、どういうふうに見直したらいいのか。あるいは、そのストレステストというもののテストのやり方自体が、だめならば、何かそれに代わるテストのやり方があるのか。そういう具体的なところで、どんなふうにお考えでしょうか…?」

    小出「すみません、何にもありません」

    岩上「何にもない?」

    小出「はい。私は、事がここまできてしまったのであるから、一切の原子力発電所は即刻すべて止めなければいけないし、二度と動かしてはいけないと言っているのです。

     どんな安全基準を立てても無意味だと言っているのです。

     事故というのは、想定しないからこそ事故と呼ぶのであって、どんな安全基準を作ろうと、事故を防ぐことはできないということを、今回の事故から学ばなければいけないと思うし、たかが電気のために原子力発電所を動かすなんていうことが間違いだった、ということに、今、気がつかなければ、もう気が付ける機会は失われると思います」

    岩上「再稼働を1機でも認めたらば、それを一つの前例としてですね、他も同じような工程でOKが出て…」

    小出「もちろんそうですね」

    岩上「大飯が認められれば、伊方が認められ…というふうに認められていって、やがて原発の火がまたあちこちに灯るという状態になるんではないかな、と。そうなったら、おそらく、原発を止めていくこと、そういう機会というのはもう失われるだろうと」

    小出「そう思います」

    (続く)

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