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    原発問題 -The Truth is Out There-

      : 

    東電福島原発事故の真実 放射能汚染の真実 食物汚染の真実 正しい情報を求めて

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    福島第一原子力発電所の現状を見た今、あらためて聞くー京都大学小出裕章氏インタビューー vol.3 

    IWJ特報!第28号
    岩上安身のIWJ特報
    福島第一原子力発電所の現状を見た今、あらためて聞く
    ー京都大学小出裕章氏インタビューー vol.3
    (IWJ許可済み転載)

    (前号の続き)

    ===================================
    ◆なぜ、原発は続くのか?─核武装、核保有のための原子力
    ===================================

    岩上「原発は、そもそも絶対にだめなんだ、無理なんだという論は、小出先生から、去年の4月からずっとうかがっているんです」

    小出「はい」

    岩上「そのとおりだなと思っていたわけですけれども、おっしゃられていた2点ですね、一つは電力は足りている。そして、原発のコストは、まったく経済的ではないと」

    小出「はい」

    岩上「とくに、原発のコスト問題に関しては、大島堅一先生を紹介していただいて、大島さんにお話をうかがい、資料もいただきました。大島さんは、今、政府の方の委員もやられていますけれども、原発は非常にコストが高い。まったく経済的ではない。国民経済にとって非常に大きな負担になる、と。これは止めるべきだ、ということも非常によく理解できました。だけど、続いて行くんですね、原発というのは。なぜ、原発は続くのでしょうか?」

    小出「政治家と経済人が、馬鹿だからです」

    岩上「(笑) その政治家と経済人が馬鹿な理由は何なんでしょうか。やっぱり、これはですね、導入時にあった、やはり原発というものが核兵器という、将来の核兵器、核武装、そこを目指して行く。そのために必要なんだということがやっぱり動機として強くあるからでしょうか?」

    小出「政治の場にいる方々の中には、そういう動機が始めからあったし、今でも強くあると私は思います。

     2年程前にNHKが『核を求めた日本』という番組を放送しました。ご覧になった方々も多いと思いますけれども、その番組が示したものは、先の戦争で負けて二等国になってしまった、この日本という国が何とか世界の一等国になるためには核兵器を持てる力を蓄えなければいけない。

     そのために、『原子力の平和利用』を標榜しながら、原子力発電を進め、その力を手に入れようとしたということを、60年代の外交文書、外交官の発言を集めて構成した番組だったのですね。私自身は、前から外交文書等を知っていましたので、日本が、原子力発電をやった一番根本の理由は、核兵器の保有能力を持ちたいという、そのことだということを知っていました。

     すでに、NHKという国営、国策放送会社までが、それを言わざるを得なくなるほどに、実際は原子力と核が深く結び付いたものなんだという状況を、もう隠せなくなっているということだと思うんですね。ですから、みなさんも、
    しっかりとそのことは認識しなければいけないのです」

    岩上「隠してきたものが、あらわになったといことですね」

    小出「そうです。むしろ、積極的にあらわにして、日本が核武装にいった方が世論を誘導しようとしているのかなと、私は疑ったほどです」

    岩上「ああ、このNHKの番組が?」

    小出「はい」

    岩上「ああ、なるほど。メディアがはたしてきた役割というのは、非常に大きかったと思うんですけれども、とりわけ、この核の導入ということに関して言えば、重大な責任があるのは読売ですね」

    小出「そうですね」

    岩上「正力松太郎という人が、この原子力委員長、初代の委員長であり、科学技術庁の委員長であり、その読売新聞の社主としてですね、世論誘導の旗も振り、とにかく、ありとあらゆることをやり、中曽根さんと一緒になって、この原子力の平和利用という名のもとに原発を導入しました」

    小出「そうです」

    岩上「で、この読売が、今回の事故以降、小出さんの主張していることと正反対のようなことをずっと言い続けてきて、まあその前からもそうでしょうけれども、『原子力は必要なんだ』と。ときには、どう聞いてもデマみたいな話もあるわけですよ。読売に限りませんけどね、大停電になるなどの大嘘、あれだけのデマ・キャンペーンをやりましたが、大停電になどなりませんでした。

     そして、読売は、原発が、どれだけ経済的に効率のよいものであるかについて、あいかわらず、実績値じゃない数値を出して、世論誘導をし続けているわけです」

    小出「そうです」

    岩上「いまだにし続けている。信じ難いことに」

    小出「はい」

    ===================================
    ◆アメリカの属国としての日本──戦後の世界構造の非対称性と核
    ===================================

    岩上「そういう中で、この核武装の話というものもチラチラと見せてはいるとは思います。そもそも、なぜ、核保有を目的とした原子力開発をしなくてはいけないのか。政治家の一部だけではなく、財界も、メディアの人間も含めてですね、日本の主たるエスタブリッシュメントというのは、どうしてそこまで思わなきゃいけないのか。

     もっと言うと、日本は、はっきり言ってアメリカの属国です。アメリカの言うとおりに何でもやってきた。ということは、アメリカが許可しないことなんてやっているわけがないし、アメリカが押しつけてないことはやらないわけで、日本が独立したいという強い意志を持って、本当に核武装に向かって行っているのか、アメリカに都合よく押しつけられて、都合よく飴玉のようにそれをしゃぶらされているのか、ちょっとそこがはっきりと分からないところがあります。どんなふうにお考えですか?」

    小出「分かりませんけれども、今、岩上さんが、日本は米国の属国だとおっしゃったけど、私は、そのとおりだと思います。

     これまで、そういうことで歴史が動いてきたわけで、米国の都合のいいようにこれまでも使われてきたわけですね。今だって、イランが核武装をしようとしていると言って、それに協力しなければ痛い目に遭わせるぞ、と脅かされて、そっちに引っ張って行かれるということだってあるわけです。たしかに、属国であると私は思います。

     ただし、属国から何とか抜け出して一等国の仲間入りをしたいと思っていた人はいたと思いますし、そういう人にとっては、米国に単に押しつけられるのではなくて、自分から積極的に核武装能力を身につけるということが、一等国の仲間入りするための条件だと考えた人たちはいたと思います。

     ですから、原子力をやってきた理由には、さまざまな思惑が絡み合ってきたのだと思いますが、属国として押しつけられた米国の原子力産業の物を買わされたということもあったはずですが、それを受け入れながら、一方で、独自に一等国になりたいと思っていた人もいたと思います」

    岩上「うんうん、そうですね。NPT体制があって、戦勝国で核保有国、ごく一部の国々が、核を持つことが認められ、他方、核を持ってはいけない国、持とうとすると叩きのめされる国々がある。そういう戦後世界、不条理な、非対称な世界があるわけですけれども、日本は持てない国の方に属しているはずです。敗戦国ですから、国連の中に敵国条項があり、世界の中で、いまだに仮想敵にされているわけですね」

    小出「そうです、はい」

    ===================================
    ◆米国にとって、日本がプルトニウムを保有し続けることは、メリットがあるのか?─米国が日本に期待していること
    ===================================

    岩上「そんな位置づけの国が、プルトニウムを保有し続けてこれた。『し続けてきた』と嬉しそうに言うべきではないのかな。いずれにせよ、ウランの濃縮なり、プルトニウムを持つことが許されてきた、ということは、これは、アメリカにとって何らかのメリットがあったんでしょうか?」

    小出「米国の属国である限りは、米国の原子力産業の顧客となったわけですし、米国から見て、日本は、アジアの共産主義に対する防波堤の役割を負っているわけですから、日本というこの国が防波堤になっている限りは、それなりの軍事力を持って共産主義と対抗する力になるということは、米国から見てもメリットがあると思ったのではないかと、私は、思います」

    岩上「しかし、もう共産主義の脅威というのはほとんど消え去って、冷戦は終わってしまって、今日、その意味というものは大きく変わったと思うんですけれども…」

    小出「そうですね。でも、米国から見るとそうではないと思います。要するに、中国がますます巨大になってきて、これから米国の地位を脅かす存在にどんどんなっていきそうなわけで、むしろ、米国にとっては、その中国と正面から対峙するよりは、日本というような国を使って、防壁にするということもあり得ると思います」

    岩上「そうですね。ブッシュ政権当時のチェイニー副大統領なども、日本に核武装させたらどうか、と言っていた。つまり、ニュークリア・シェアリング、核の共有ですね。核兵器を共有させる。

     つまり、完全に日本独自の核ではない。完全に核を持たせてしまったら、今度はその核というのは、アメリカに向けても撃たれる可能性がありますから、認めない。アメリカが認める共有された核とは、アメリカのコントロール下にある核ということになります。そのように手綱を握りながら、表面的には日本の核として、それも核のボタンを押すのは、日本の責任ということになると、例えば、中国と日本の間で何か起こっても、その責任というのは、アメリカは免れて漁父の利を得られることになる。

     これは、ヨーロッパとソ連で戦術核兵器、あるいは中距離ミサイル、パーシングとSS20がそれぞれ、配備されて、ヨーロッパとソ連が向き合ったのと同じようなシチュエーションになる可能性がありますよね。そういうような核戦略まで含めて、何が何でも核と、そして、核の開発体制を維持し続けなくてはならない国策が、今も国民に説明されずに存在しているんだということですね」

    小出「そうですね」

    ===================================
    ◆日本のプルトニウムはどこにあるのか?─知らされることのない軍事機密
    ===================================

    岩上「プルトニウムは、今、一体どこにあるんでしょうか。これは、どういう形で保管されているんでしょうか?」

    小出「もちろん、六ヶ所村にあったり、もんじゅにあったり、一部は東海村の再処理工場にもあるし、まだ分離されていないものは、原子力発電所の使用済み燃料の中に沢山あるわけだし、分離されたものの何割と言うか、半分以上のものは、いまだにイギリスとフランスの再処理工場に留め置かれているわけですね。まあ、いずれにしても、それは戻ってくるわけですが、最終的にどこにあるかということは、高度な軍事機密になりますので、国民は多分知り得ないと思います」

    岩上「なるほど。知り得ないんですね」

    小出「それを知らせてしまったら、プルトニウムというものは取り扱えないんですね」

    岩上「取り扱えない?」

    小出「例えば、この原子炉実験所にも、ウランはありますよ。原爆にできるようなウランもあるわけですけれども、そういう物が、どの場所に、
    どれだけあるかということは、実験所の所員でも正確に知っている所員は、ほんの数人しかいない」

    岩上「それは、やっぱり、盗まれたりとか、攻撃の対象になったりとかいうことを避けるためでしょうか?」

    小出「そうです。まあ、今は盗まれるということを一番に心配しているわけです。盗まれないようにするために、物理的に防護をしなければいけない。ですから、この実験所の中でもフェンスに囲まれた場所とかいうのはあるわけだし、四六時中、監視カメラが動いている場所だってあるわけだし、厳重に鍵が何重にも着いているという、そういう場所だってあるわけです。

     そのうえで、たんなる物理的な防護だけではなくて、情報の管理というのをますます強化するという方向で、今、動いているのです。

     ですから、プルトニウムが一体どこにあるのか、それがどうやって、いつ移動するのかというようなことは、完璧な機密事項になってくるわけだし、その情報が漏れないように、国家としては、一層、情報統制をするということになるのですね」

    岩上「それは間違いなく日本という国家が所有している状態にあるんですか。私は、先程、『日本は属国である』と言いました。それは、そうした証しは随所に見られます。で、原子力政策でも、今回の事故に際しても現われました。

     日本政府は、日本の国民に対してSPEEDIの情報を公開しなかった。ところが、あの事故直後に米軍にSPEEDIの情報を渡していたんですね。これが明らかになった。この間、文科省の会見で、私は質問しました。

     『主権者は誰なんですか?  米軍なんですか?』、そうしたら、『もちろん、日本の国家の主権者は日本国民です』。一応、平野博文文部科学大臣はそう答えるんですけど、真に受けられないですよね。主権者は米国にしか見えない。(【URL】http://bit.ly/z9NJ8A)

     米国は同盟国とはいえ、一応、外国ですよ。外国にそんな重大な情報を流しておいて、国民には開示しない。こういうところを見ていても、例えば、軍事機密上のプルトニウムの所在について、軍事機密に相当する国家機密なんだとしても、アメリカはその情報を掌握していて、コントロールもできるんじゃないか?」

    小出「もちろんそうです」

    岩上「そうなんですか!?」

    小出「もちろんです」

    岩上「もちろん、ですか(笑)」

    ===================================
    ◆IAEAは、アメリカの傀儡組織!?
    ===================================

    小出「はい(笑)。ですから、日本のプルトニウムがどこにあるかということは、
    IAEAという国際的な組織に届け出ることになっているんです。IAEAというのは、米国が自由に扱っている機関です。ですから、米国は、もちろん、日本の国内のどこにどれだけのプルトニウムがあるということをIAEAを通じて十分に承知しているはずです」

    岩上「IAEAは、アメリカの傀儡の組織なんだ、と」

    小出「私はそう思います」

    岩上「なるほど」

    小出「というか、現在の世界は国連が支配しているんですね。United Nations、連合国ですよね。日本は、もちろん、連合国じゃなかったわけだから、国連の中でも敵国として規定されているという、そういう組織が世界を支配している。その国連の中で常任理事国になっているのは米国、英国、フランス、ロシア、中国。

     なぜ、その連合国といった国の中から、その5カ国だけが常任理事国になれるのかと言えば、核兵器を持っているからです。核兵器を持つということは、現在の世界を支配するという意味で徹底的に重要な条件なのですね。

     ですから、核兵器を持っている国から見ると、他の国には絶対持たせないということをやろうとしてIAEAを作ったのですね。ですから、今、核兵器を持っている国々にとって、IAEAは、共同の支配の道具と言ってもいいと思います。

     その中でも、核兵器を一番初めに作ったのは米国なわけだし、これまで最大の原子力発電をやってきた国だって米国で、米国が基本的にはIAEAを握っていると私は思います」

    ===================================
    ◆パワーポリティクスを乗り越えられるか
    ===================================

    岩上「こういう政治、このようなパワーポリティクスというのがあって、そのもとに我々はいて、国内の論理だけでは、どうにも自分たちで何も決められないのが現実なんでしょうか?

     それとも、小出さんは理想主義者だと思いますけれども、自分たちのこの草の根の、下からの突き上げによって、自分たちの運命を変えていくことができるとお考えでしょうか?」

    小出「私は変えたいと思うし、現在の厳しいパワーポリティクスの下で、私のような意見が通るとは、なかなか期待はできないけれども、でも、絶望した時が最後の負けになってしまうわけですから、何とか変えたいと思っています。
    私が願う限りは、その変えるための道を一つひとつ歩みたいと思っています」

    岩上「先ほど、NHKの番組を観てですね、少しうがった見方で、『これはむし
    ろこうしたことが広まるにつれ、『やっぱり、そうだよね。核って必要だね』と思う人が増えてくるのではないか』と。『そのための布石ではないかとすら思えた』とおっしゃってました」

    小出「そうです、そうです」

    岩上「でも、今、言ったように米・英・露・中・仏ですね、この5カ国が握っている体制を、そんなやすやすと、日本が『核を持ちたいから持てました』なんていうことは、そうそうあるわけもない」

    小出「ならないです」

    岩上「日本が、プルトニウムを持たされているのが不思議な感じもするわけです。例えば、イランやイラクがどういう目に遭わされたか。核兵器を製造する可能性があるというだけで、国を崩壊させられるわけですね、軍事的な攻撃によって」

    小出「そうです、そうです」

    岩上「日本人は、他人事だと本当に思っていますけれども、今、
    3・11と同時並行して起こっているイランへの圧迫や、あるいはこれまでのイラク戦争のことを考えていくと、極端に言えば、これは我が身にも起きる話であって…」

    小出「そうですね」

    岩上「自前で核兵器を持って、すぐに政治的な独立を果たすというのは、そんなに簡単なことではないというか、ほとんどできないことであると思われる。実際問題として、そのあたり、小出先生は、どういうふうに思っていらっしゃるんですか? どうあるべきだと思っていらっしゃるんですか?」

    ===================================
    ◆パワーポリティクスを乗り越える鍵は、日本国憲法にある
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    小出「私は、現在のようなパワーポリティクスが支配している社会を全部引っくり返したいと思っているのですね。私が、生きている間にできるとは思わないし、当然、途方もなく難しいことなのですが、でも、こういう社会を認めたくないのです。でも、その実現の鍵というのは、私は、日本国憲法にあると思っているのです。

     例えば、憲法九条なんていうのは、『国際紛争を解決する手段としては武力の行使を使わない』、と明確に書いてあるし、『陸海空三軍はこれを保有しない、保持しない』、と書いてあるんですね。

     私は、それは、大変重要なことだと思うし、その考え方の根幹については、前文に書いてあるんですね。前文は、自分たちの安全をどうやって守るかという、まあ国家の安全をどう守るかということですけれども、『諸国民の公正と信義に信頼して我らの安全を守ろうと決意した』と書いてあるんですね。

     つまり、軍事力で安全を守ろうとはもうしない、と。諸国民の公正と信義に信頼すると書いたわけです。諸国民の中には、もちろん、イランもイラクも
    含まれるだろうし、公正と信義、それを守るということを国家の根本に置かなければいけません。

     私は、公正と信義を、軍事というものに置いてはいけないと思うのです。もちろん、容易なことではありません。軍隊を強化することよりも、ずっと難しいことだと思うけれども、国民がもっと賢くなって、それを背負えるような国、時代が来なければ、それも実現できないと思います。私は、それを実現させる
    ために、少しずつ前に行きたいと思っているわけだし、私が生きている間は、
    そのための仕事をしたいと思っているわけです」

    岩上「イランも含まれてるし、イラクも含まれているとおっしゃっていましたけど、それよりもよっぽど脅威なのはアメリカだと思うんです」

    小出「もちろん、そうです」

    岩上「アメリカ相手にですね、軍事以外の話し合いができますか?って言ってもできるかどうか。我々が軍事支配されている中で、まったく非対称な状況にあるから、アメリカは、穏やかな顔をして見せているけれども、彼らに対して、『あなた方も武装解除してね』と言って武装解除をしてくれるような国に到底思えないわけですね」

    小出「到底、私にも思えません。ただし、米国が、今、自分の気に入らない国は地球の裏側まで攻めて行って、武力で滅ぼせるというような、そういう世界をやはり認めてはいけないと思うのです。

     むしろ、その連帯は滅ぼされてしまう、武力によって滅ぼしてしまような国とこそ、日本は連帯すべきだと思うのですね。だから、こういう不公正な、非対称な世界を、やはり少しでも公正で対称的な世界にしていかなければいけないわけですから、まずは、米国の属国から離れるということは、日本にとっては大切なことだと思います」

    岩上「そこはまったく100パーセント同意なんですけれども、米国の属国から離れることは。しかし、核の非対称性という問題が残る。世界がこのような不公正で、非対称な世界になったのは、核というものがそこに介在しているからですよね」

    小出「はい、そうです」

    岩上「日本とドイツは同じように敗戦国で、同じような憂き目に遭ったわけですけれども、ドイツは、核廃絶の方向、原子力を止める方向へと、日本よりはよほど舵を切っていると思われます。

     これは、だんだん何となく分かってきたんですけれども、やっぱりドイツ人にとっても今の状態が面白いわけではなく、公正な世界の方がよいでしょう。でも、再度軍備を強化し、核武装して今の核保有クラブに肩を並べるのではなく、どうせだったら核を保有していない側の平等と言いますかね、それを目指そうとしているんだなと。ドイツ人の人たちと話していて、そのように感じることがありました。

     ドイツのこれはやっぱり戦略だとお思いでしょうか? イタリアもそうですけれどもね。イタリアも、脱原発を決めたのは、つい最近のことでありますけれども。『敗戦国で戦争をやった方が悪い』と言われればそれまでなんですけれども、でも、こういう非対称な世界の中で劣位に置かれている者が、『どうせだったら、そうした不公正な支配を止めようよ』と呼びかけ続けて、核廃絶の方向に持っていく。これが一つのやり方なのかもしれない。

     それとも、絶対に否定されるのは分かっていて言っているのですが、一部の保守政治家たちが、最初から目論んでいたように、今、自分たちが握っているプルトニウムを持ってして、いつか本当にアメリカからすらも自立できるような核武装を果たそうとするのか、二つ大きく道があるように思うんですね」

    小出「そうですね」

    岩上「もう答えが分かっていることを、質問しているんですけどね(笑)」

    小出「ええ、今、岩上さんがちゃんと答えまで言ってくださったようなことですよ(笑)」

    岩上「一応ね、筋道立てて言うと、公正な社会と言っても、二つの
    公正な社会があり得るのではないかと」

    小出「片っぽは公正でありません」

    岩上「すべての国が、核を持つ自由と言いますが、そういう公正さです」

    小出「すべての国が、核を持つなんていうことは、到底やってはいけないわけだし、そっちの公平さを求めるようなことすれば、それこそ生き物は破滅します。生き物が破滅から逃れるためには、すべての国が核を持たないという、そちら側に行くしかないんだし、そちら側の公正さを求めるしか選択の余地はありません」

    ===================================
    ◆不公正な人類の歴史と向き合う─核と米国支配を視野に入れて
    ===================================

    岩上「この歪みというのは、こういう不公正な世界支配の構図というのはですね、戦後60年余り続いてきました。この後もこの原発の体制も含めてですけれども、世界にずっと続いていくものだと思いますか?  それとも、変わると思いますか?」

    小出「不公正な世界は戦後60年続いたわけではなくて、人類が生まれてからずっと続いていました」

    岩上「ずっとね(笑)。それでは、核というものを用いた、核を梃にした不公正な世界に限定しましょう」

    小出「それがまあ60年だけなのであって、それより前から人類の世界では、
    不公正な世界がずっと続いてきたのです。ですから、それをもし認めてしまうならば、人類というのは、そういう愚かな生き物だったんだという結論が一番手っ取り早く出てくるのかもしれませんね。

     しかし、それを認めてしまったら、やはり私はそこで終わりになってしまうと思うので、それを認めたくないのです。これまでずっとそういう歴史だったとしても違う歴史を作りたい」

    岩上「なるほど。壮大なビジョンなんですけれども、小出先生は原発の廃絶だけを夢に描いていた方だと思っていました(笑)」

    小出「ははは(笑)」

    岩上「人類の、この不公正な階層社会と言いますか、支配する者と支配される者とに分かれている。それも核を梃に。その構造を引っくり返して、みんな核を持たない世界に変えていきたい、とこういうことなんですね」

    小出「岩上さんが、今、私に問うから私は答えているだけなのであって、私は本来であれば、この原子力の場というところで生きている人間として、普通の
    みなさんにはできないと言うか、こういう専門の場にいる人間として私にしかできないことだけをやりたいと思ってここまで来たのであって、今日は、岩上さんの誘導尋問に、私がただ引っ掛かって、喋っただけです(笑)」

    岩上「引っ掛けたわけじゃないんです」

    小出「あまり私なんかに期待をしないで、みなさんお一人お一人に考えて欲しいことです」

    岩上「引っ掛けたわけじゃないんです。本当にあの原発の事故が起こって以降、
    なぜ、こんな事故が起きてしまったのか。原発など、論理的に考えたら不要であろう、むしろ、負荷が大きいということが明らかなものなのに、どうして原発を求め続け、推進し続けるのか分からないと思ったところから、もう少し調べ直していくと、ああ、やっぱり核の問題に行き当たらざるを得ないんだなということが見えてきた。だから、結局は原発のことだけ言っていても、原発をなくすということはそう容易ではない」

    小出「もちろん、容易じゃないです」

    岩上「核を射程に入れないと、それから、この軍事的な問題、政治の構造、とりわけ、米国による支配というような構造も視野に入れない限りはですね、そこから自由になるのは容易ではないなと」

    小出「そうですね」

    岩上「ええ」

    小出「そう思います」

    岩上「すごく思ったんです。 さて、そろそろ、先生、もうお時間ないですよね。もうお時間ないと思うんですけど、読者と言うか、視聴者からですね、このちらっと見えている『この正造カレンダーについて質問して欲しい』と言われて来ましてですね」

    小出「そうですか」

    岩上「なぜ、田中正造さん? なんか分かるんですけど、聞かなくても(笑)」

    小出「そこにもいる。正造さん」

    岩上「あっ、ここにも」

    小出「これも正造さんです(笑)」

    岩上「ああ、そうなんですか。田中正造さん。なぜ、田中正造さんのカレンダーやこういうお写真を貼ってらっしゃるんでしょう?」

    小出「正造さんみたいに生きたいなと思っているからですね」

    岩上「ああ。じゃあ、質問の仕方を変えます。小出さんにとって田中正造さんというのはどういう方なんですか?  どんなふうな方だと思っていらっしゃいますか?」

    小出「真直ぐに自分に忠実に生きた人です」

    岩上「なるほど。分かりました。そのように生きたい、と」

    小出「はい」

    岩上「宮沢賢治の詩のような締めになりましたけど(笑)」

    小出「はい」

    岩上「ありがとうございました」

    小出「ありがとうございました」

    (了)

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