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    原発問題 -The Truth is Out There-

      : 

    東電福島原発事故の真実 放射能汚染の真実 食物汚染の真実 正しい情報を求めて

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    IWJ特報!第48号「『幻の講演』全邦訳!〜野田政権の『勝手に決める政治』の裏に米国の露骨な要求」 

    IWJ特報!第48号「『幻の講演』全邦訳!〜野田政権の『勝手に決める政治』の裏に米国の露骨な要求」
    岩上安身のIWJ特報!2012年9月13日

    「幻の講演」全邦訳!
    〜ACTA強行採決、原子力規制委人事案決定、野田政権の「勝手に決める政治」の裏に米国の露骨な要求。「第三次アーミテージレポート」を読み解く
    (IWJ より転載許可済み)


     8月29日、参議院本会議で野田首相の問責決議が可決された。これにより、国会は休眠状態となった。しかし、政府・民主党はこの問責を受け止めるどころか、より強硬に、自らのアジェンダを加速させている。

     9月6日、ACTA批准が衆議院本会議の採決で可決され、日本は世界で唯一の批准国となった。この条約は、「違法ダウンロード刑罰化」(※)などが含まれ、新たなネット規制につながるとして、世界中で反対運動が起きている。欧州では、今年の2月に250万人の抗議デモが起こり、欧州議会において、圧倒的多数で批准が否決された。米国でも、激しい反対の声により、批准は難しい状況になっている。日本でも、急速に反対の声が広がっている(※)。
    そんな中、野田政権は、中身を十分に論じ合うことなく、駆け込みで採決を行い、可決させた。

    本メルマガ第47号で論じたとおり、ACTAはTPPの前哨戦となる、非常に危険な条約である。

    その前日の9月5日には、政府は、原子力規制員会の人事案を、国会を通さず、野田佳彦首相が首相権限で原案のまま任命する方針を固めた。そして9月11日の午前中の閣議で、正式に19日に発足させることを決定した。

     この人事案については、5人の委員候補のうち、委員長候補の田中俊一氏を含む3人が、原子力を推進してきた「原子力ムラ」の当事者であることから、多くの市民や、民主党内部からも、反対の声があがっているのは、本メルマガ第46号で論じたとおり。

     細野豪志原発事故担当大臣は、11日の閣議後の記者会見で、「秋の臨時国会でも事後同意を求めないこともあり得る」との姿勢をあらわにした。原子力規制を一元的に担う重要な組織を、野田政権は、国会のお墨付きがないまま発足させようとしている。「暴挙」という他に言葉がない。野田政権は「決める政治」、「決められる政治」を標榜しているが、国民は野田総理に「勝手に決めてしまう政治」を許した覚えなどない。

    休眠国会の中、政府はなぜこんなにも危険な法案や人事案を、遮二無二通そうとしたのか。実は、「ACTA-TPP推進」と「原発推進」という、一見バラバラにみえるこれらの動きの裏に、アメリカの圧力があるのではないか、との指摘がある。それを証明するキーになる報告書が、今年の8月15日に発表された。「第三次アーミテージレポート」(※)である。


    (※)第三次アーミテージレポートの原文URL
    http://csis.org/files/publication/120810_Armitage_USJapanAlliance_Web.pdf


     「アーミテージレポート」とは、ジョージ・ブッシュ政権下で国務副長官を務めたリチャード・アーミテージ氏が、対日外交の指針として、ジョセフ・ナイ氏らと超党派で作成した政策提言報告書である。2000年に発表されたこの報告書は、2001年に発足するブッシュ政権の対日政策の青写真となった。

     その後、2007年にはCSIS(※)より「第二次アーミテージ・レポート」を発表。そして今年の8月15日に、同じくCSISIから「第三次アーミテージレポート」が発表された。その内容は、「原発を推進せよ」、「TPPに参加せよ」、「安定的なLNG供給の見返りに、最高2000億ドルを米国の新エネルギー開発に投資せよ」、「憲法第9条を改正せよ」、「中国を警戒せよ」というものである。バラバラに見えていた「ACTA-TPP推進」と「原発推進」という野田政権の政策が、ひとつの線分で結ばれる。どちらもこの報告書の要求に合致するのである。

    アーミテージ氏自身は、2005年に国務副長官を退いてから、米国における、また日本における影響力は低下したとする指摘もある。しかし現在、財界・経済界・政界では、まさにこのレポートの提言(要求)に呼応する動きを見せている。

    この「第三次アーミテージレポート」が発表された6日後の8月21日、このレポートを作成したメンバーである、ランドール・シュライバー氏が、東京の日本財団ビルで、笹川平和財団主催で講演会を行った。シュライバー氏は、「アーミテージ・インターナショナル」の共同設立者であり、まさにアーミテージ氏の右腕・後継者ともいわれる人物である。講演会では、このレポートの内容を解説しながら、日米関係の強化の必要性を強調した。

    この講演は、米国が日本に対して何を押しつけようとしているか、その本音がむき出しとなった重要な講演である。IWJは、この講演会を中継したが、シュライバー氏の許可が降りなかったため、アーカイブに残すことができなかった。「幻の講演」となってしまったわけである。

    しかし、IWJ以外に、シュライバー講演のすべてを報じたメディアは皆無であり、このまま重要な手がかりとなるこの講演を、「幻」のままに終わらせてしまうわけにはいかない。そこで、この全編英語で行われた講演会の模様を、すべて邦訳し、分析を加えながら、本メルマガで紹介することとしたい。


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    ◆「アーミテージ報告書」は、米国次期政権の対日政策の青写真
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    【講演:日米のパートナーシップ強化に向けて:「アーミテージ・ナイ報告書(2012)」から】
    (講演会詳細)http://www.spf.org/event/article_8109.html

    シュライバー氏「笹川平和財団に感謝。当財団はアジア太平洋地域、日米関係に多大なる貢献をしている。まずはこの報告書の内容と背景から説明します。

    先週のワシントンにおける講演で、(日本の)プレスが熱心に聴講して記事にしてくれるなど、(報告書が)注目を集めているが、偶発的な事件が(北東アジアで)突発するこのタイミングで、安全保障など詳細な議論の機会にしたい。

    また日本の報道では、一部誤解されている部分があるので、それも説明したい。まずは背景から。なぜこのタイミングで出されたのか。

    アーミテージとナイが、過去3年〜4年前には予想不可能だった事態が、現在、進展している。3.11震災後に展開されたトモダチ作戦は、米国の好感度が上がったと思うが、この事はあまり報道されず、米国の支援により、本来なら日米関係がもっと強化されてもよかったはずである。

    しかし、われわれはこの機会をうまく活用できなかった。18ヶ月後の現在、本来なら政治的リーダーシップのもとに同盟の構造改革が進み、政治システムが機能していたなら、さらなる『ポジティヴ・アジェンダ(肯定的・前向きな議題)』が議論されてもよかったはずなのである。

    米国では大統領選がもうすぐ始まる。1回目のアーミテージ・ナイ報告書が出されたのは、選挙直前の2000年だった。それに続いて、2001年に前回の政権交代があった。ジム・ケリー、マイケル・グリーンなどはこの時、政府高官や双方の権利代理人などと共に、レポート作成に参加し、政権に参加した。

    マイケル・グリーンは『この報告書はブッシュ政権の青写真であった』と語っていた。今回の選挙で、オバマ第2期になるのか、政権交代となるかはわからないが、いずれにせよ本レポートを、次期政権の青写真としたい。

    この報告書は、将来の権利擁護人や賢人たち、次世代の人へ、政策提言を出したいというアーミテージの意志がある。『私は身を引くから、後の日米関係は任せた』と。

    次に内容について説明したい。一番重要なのは、このレポートを書いたのは、日米同盟を誰よりも強化したいと考えている人達であるということだ。かなり率直な、コーナーストーン的な事が書かれているという指摘があるが、われわれはまさにそれが必要と考えている」


    ==================================
    ◆「日本のエネルギーポテンシャルを最大限引き出すための、原子力」
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    シュライバー氏「まず、前回レポートと比較しても明白なように、今回のレポートは、防衛問題から始めなかった。エネルギーが最も重要と考え、資源問題と経済・貿易問題を冒頭にもってきた。原子力についての言及もあるが、日本のエネルギーポテンシャルを最大限引き出してほしいという意図での言及である。

    日米同盟は今や、『エネルギー・資源同盟』を締結すべき時で、『エネルギー同盟』、『資源同盟』が目指すべき未来である。日本のエネルギーポテンシャルに原子力も含まれるだろうが、それは日本が決める事。あくまで我々の意見は中立である」


    ──シュライバー氏は、「あくまで我々の意見は中立である」と釈明しているが、レポートでは、「(再稼働は)責任ある正しい措置である」、「安全な原子炉設計と堅実な規制の実施を促進するための指導的役割を再開すべきである」など、とても「中立」とは言いがたい、かなり原発推進に踏み込んだ提言を行なっている。

    以下、アーミテージレポートからその該当部分を抜粋する。

    (引用開始)
    「日本は、原子炉の徹底的な調査と原子力保安規定の改定を行なっている。原子力に対する一般市民の強い反対にも関わらず、野田佳彦首相の政府は、2基の原子炉の再稼動を開始した。さらなる再稼動は、安全性の確認と地元の合意に依存する。我々の見解では、このような状況において原子力発電を慎重に再開することは責任ある正しい措置である。(中略)

    日本に対する提言:
    原子力発電の慎重な続行は、日本にとって正しく責任のあるステップである。
    2020年までに二酸化炭素(CO2) の排出量を25パーセントカットする意欲的な目標は、原子力発電所の再開なしでは成し遂げることはできない。また、エネルギーコストの高騰は円の高騰を伴うため、エネルギー依存の高い産業の国外流出を食い止めるためには原子力発電の再開は賢明である。福島を教訓に、東京は、安全な原子炉設計と堅実な規制の実施を促進するための指導的役割を再開すべきである。(中略)

    米日同盟に対する提言:
    福島の教訓を生かし、東京とワシントンは原子力エネルギー研究と開発協力を再活性化させ、安全な原子炉設計と、堅実な規制の実施を地球規模で促進させるべきである」
    (引用終了)


    ==================================
    ◆「今後の日米エネルギー同盟のためには、TPPではもはや不十分である」
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    シュライバー氏「 次に、日米のエネルギー補完をどうするかについて、解説したい。

    米国のエネルギーポテンシャルを考えると、シェールガス・LNGの運搬・流通において、戦略的同盟関係を強化すべきだと考える。この分野でのFTAが、日米間に締結されていないのはおかしい。米国が最大の生産者となり輸出者となった場合、3.11以降代替エネルギーを探す日本へ、最大限供給する。経済かつエネルギー分野での同盟こそ、今や必要なパートナーシップである。

    特に、3.11原発震災事故後の日本は、安全・安心なエネルギー生産と供給に向かうべきであり、(日本近海に埋蔵されているという)メタンハイドレードの日米合同調査・開発・管理を含む、総合的『新エネルギー流通』政策へ舵取りすべきである。言い換えると、今後、日米を新しいエネルギー同盟関係へと発展させる、『総合的エネルギー・貿易・経済協定』が必要とされている。これが「新・日米同盟」なのである。そして、日米エネルギー同盟という事を考える時に、海上交通路、シーレーンをどうやって日米で保護していくかが重要になってくる。

    そして、TPPについて。我々は、メキシコ・カナダ・韓国・中国が、経済・貿易・エネルギー分野において次々と(FTAなど)個別協定を締結する中にあって、TPPでは不十分で、日米FTAでも不十分と考えている。早くテーブルにのせて議論すべき。日本はなぜメキシコとFTAを結んでいるのに、米国と結ばないでグズグズしているのか、という批判はある。『日本が米国とFTAを結ばないのはおかしい』という声がある」


    ──前出の原子力のくだりでは、奥歯に物がはさまったような言い方をしていたシュライバー氏であるが、このTPPのくだりでは、「(FTAを)米国と結ばないでグズグズしているのか」とはっきり日本の姿勢を批判した。さらに、驚くべきことに「TPPでは不十分」とまで言いきっており、この点については、シュライバー講演だけでなく、アーミテージレポートの中でも言及されている(日米FTAを締結せよと迫るくだりなど)。米国が、日本に対して、TPPへ交渉参加するように圧力をかけていることは、もはや明白である。

    以下、アーミテージレポートから該当部分を抜粋する。

    (引用開始)
    「2011年11月、野田首相は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)加入のための事前協議に日本が参加することを発表した。TPPは、完全に実現すると、世界貿易の40パーセントを占め、大西洋から太平洋をまたいで少なくとも11か国が加入する。さらに、他の地域的なFTAとは異なり、TPPは、包括的かつハイレベルな、法的拘束力をもつ自由貿易協定として際立っている。昨年の発表以来、日本のTPP加入への歩みは遅い。争点の幅広さや交渉関係者の数のため、時間がかかり、細部への配慮も必要となる。
    しかし、交渉への参加を遅らせないことが、日本の経済安全保障上の利益になる。また、日本が最も重要な同盟国とFTAを締結していないことは不条理であり、日本が交渉に参加することを我々は強く奨励する。米国側としては、交渉プロセスと協定案にもっと光を当て、透明性を増すべきである。(中略)

    米日同盟に対する提言:
    安全保障関係の一環として、米国と日本は天然資源同盟国であるべきである。日本と米国は、メタンハイドレートの研究と開発においての協力を強化し、代替エネルギー技術の開発に専念すべきである」
    (引用終了)


    ==================================
    ◆「中国の台頭に対し、日米韓の結びつきを強化すべき」
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    シュライバー氏「次に、防衛問題について解説したい。

    日米韓で強固な土台を基にした協力関係、前向きなアジェンダを作るべきである。朝鮮の脅威、中国の台頭、核不拡散についても、3カ国間で協力していく必要がある。

    状況は、米・日・韓の3国とも選挙が近い政情の渦中にある。日韓という、この3カ国トライアングルで弱い部分(結びつき)を強固にしていく必要がある。竹島の問題など、感情的な高ぶりが起こす問題があるが、日韓の障害を取り除くために、米国が協力する。

    次に、中国の再台頭について。実は、日米同盟は中国にとってもプラスだった。アジア太平洋に平和をもたらし、中国の発展に寄与してきた。共通の土台を持つ日米が協力して、歴史問題を解決する必要がある。米国は必ずしも中国と敵対したいわけではない。中国とは、良好な経済・貿易関係を築きたいという願望もある。よって我々は『関与政策』をとる。

    人権問題と民主化要求では、われわれ米政府はブッシュ政権当時から、『うるさい。強権だ』との批判を(国際社会から)常に浴びてきたが、中国の問題にも積極的に関与してきた。今後、中国の発展が滞るのを避ける為の『関与』。平和のための『関与』である」


    ──シュライバー氏は中国の再台頭についてのくだりで、「日米同盟は中国にとってもプラスであり、米国は必ずしも中国と敵対したいわけではない」と述べている。これは「日米安保は(日本に対する)ビンのフタ論」(※)とも読みとれる。


    (※)「ビンのフタ論」とは:
    ニクソン政権時代、大統領補佐官として権力を誇ったヘンリー・キッシンジャーが、1971年に極秘訪中した際、周恩来との会談で、「日米安全保障条約に基づく在日米軍の駐留が、日本の『軍国主義』回帰を抑えており、同盟関係を解消すれば日本は手に負えない行動を取り始める」と警戒感を示した。これがいわゆる「ビンのフタ論」である。つまり、米軍の存在がビンのフタであり、ビンの中に日本があるとする考え方。

    他方で、アーミテージ氏と、ジョゼフ・ナイ氏は、共著「日米同盟vs.中国・北朝鮮」(2010/12/15)http://amzn.to/fKci71 の中でこの「ビンのフタ論」について、「確かにそうした考えはあったが、1981年1月(のレーガン政権発足)の時点で消え去った。もはや古い考え方」、「日本の再軍備を恐れているのは米国ではなく、中国だった」と語っている。

    「ビンのフタ論」が「本音」かどうかの当否はさておき、彼らの主要な目的が、日本を自由にはさせず、制約を課しながら中国市場の利権にありつくことであることは間違いない。

    以下、アーミテージレポートから該当部分を抜粋する。

    (引用開始)
    「日米韓関係を強固に:
    日米同盟、ならびにこの地域の安定と繁栄のために極めて重要なのは、日米韓関係の強化である。この3国のアジアにおける民主主義同盟は、価値観と戦略上の利害を共有するものである。日米韓政府はこのような関係を土台として、外交資源を出し合い、連帯して北朝鮮の核兵器開発を抑止すること、また中国の再興(re-rise)に対応する最適な地域環境を整えるために助力することが必要である。(中略)

    米国政府は、慎重な取扱いを要する歴史問題について判断を下す立場にないが、緊張を緩和し、再び同盟国の注意を国家の安全保障上の利害、および将来に向けさせるべく、十分に外交的な努力を払わなければならない。同盟国がその潜在能力を十分に発揮するためには、日本が、韓国との関係を悪化させ続けている歴史問題に向き合うことが不可欠である。
    米国はこのような問題に関する感情と内政の複雑な力学について理解しているが、個人賠償を求める訴訟について審理することを認める最近の韓国の大法院(最高裁)の判決、あるいは米国地方公務員に対して慰安婦の記念碑を建立しないよう働きかける日本政府のロビー活動のような政治的な動きは、感情を刺激するばかりで、日韓の指導者や国民が共有し、行動の基準としなければならないより大きな戦略的優先事項に目が向かなくなるだけである。(中略)

    中国の再興
    過去30年の中国の経済力、軍事力、および政治的影響力の急速な伸びは、世界で最も人口の多い国を劇的に刷新してきただけでなく、東アジアの冷戦後の地政学的環境を決定してきたことは明らかである。堅固な日米同盟は、決して中国の再興に対する制約となるわけではなく、安定的で予見可能な安全な環境の提供に一役買うことによって、これに貢献してきたのであり、その環境の中で、中国は繁栄してきたのである。我々の同盟が中国の成功の一翼を担っているのだ。(中略)

    米日同盟に対する提言:
    同盟は中国の再興に対する能力と政策を発展させなければならない。平和で繁栄している中国から同盟が得られるものは非常に多いが、中国の高度経済成長と政治的安定に確実性はない。共同政策と能力には、中国の起こりうる核心的利益の拡大、弾道の変更、そして広範囲において起こりうる将来に対する適応性がなければならない」
    (引用終了)


    ==================================
    ◆「日本は9条を改正し、ホルムズ海峡へ掃海艇を派遣すべき」
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    シュライバー氏「われわれはこれまで、日本の憲法9条について言及してきた。9条が、我々が軍事協力する際の、防衛産業上の障害となってきた。あくまで最後は日本が決めることだが、日米同盟の強化のために、日米防衛を考えた時に、忌憚のない議論を行い、われわれの報告書に賛同するなら、ぜひ取り除いてもらいたい。

    また、平和維持について。日本がいかに優れた国際市民であるか、南スーダン、ハイチ、ゴラン高原などを見ればわかるが、さらなる柔軟性が必要。柔軟なPKOが必要である」


    ──「あくまで日本が決めること」とは、日米外交において、必ず米国が用いる常套句である。米国の意を汲み取って、日本が自主的に選択した体裁をとれ、ということに他ならない。しかしシュライバー氏は、憲法9条に関して、そうした「忖度」の押しつけにとどまらず、「ぜひ、取り除いてもらいたい」と断言した。内政干渉もいいところである。

    以下、アーミテージレポートから該当部分を抜粋する。米国が9条を「取りのぞけ」と言い、集団的自衛権を締結せよというのは、米国に自国の国家意志を押しつけられている唯一の「同盟国」であるイスラエルのために、対イラン戦争を行うので、ホルムズ海峡まで来てとっとと下働きをしろ、という意味であることがあからさまによくわかる。

    (引用開始)
    「同盟防衛協力の潜在力が増加した2つの追加地域は、ペルシャ湾での掃海作業と南シナ海の共同監視である。ペルシャ湾は極めて重要なグローバル貿易とエネルギー輸送の中核である。ホルムズ海峡を閉鎖するというイランの言葉巧みな意思表示に対して、日本はこの国際的に違法な動きに対抗する為に単独で掃海艇をこの地域に派遣すべきである。
    南シナ海における平和と安定は、特に日本にとって大変重要な、もう一つの極めて重要な同盟利害である。重要なエネルギー資源を含む、日本へ供給される88%のものが南シナ海を経て輸送されるのであるから、安定と航行の自由を確保する為に米国と協力して監視を増強することは日本が関心を示すところである。

    日本に対する提言:
    東京はイランの核開発などによってもたらされた、海賊行為に対する戦闘、ペルシャ湾の海運業の保護、シーレーンの確保や地域の平和の脅威への対処といった、多国籍の取り組みに積極的に参加すべきである。

    ホルムズ海峡を閉鎖するというイランの言葉巧みな意思表示に対して、すぐさま日本はその地域に掃海艇を一方的に派遣すべきである。日本は、航行の自由を保証するために、米国と協力して南シナ海の監視も増やすべきである。

    米国への提言
    米国は、「武器輸出の3原則」の緩和を利用し、日本の防衛産業の技術の輸出を、米国だけでなくオーストラリアなどの同盟国にも促すべきである。米国は自国の時代おくれで妨害にもなっている対外有償軍事援助(FMS)の過程を見直す必要がある」
    (引用終了)


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    ◆「普天間は『Fワード』」という差別
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    シュライバー氏「次に普天間問題について。われわれはこのレポートの作成時、冗談で『Fワードを使うときは慎重に』と言っていた。『普天間』という言葉を発すると、不快になるケースが多い。普天間に関する部分は、このレポートではあえて数行にした。

    普天間の対立、またオスプレイの対立に、日米同盟の議論は基づくべきではない。なので、この普天間の問題は短く数行にしたのだ。

    最後に提言を書いたが、ぜひ読んでいただきたい。実現不可能な提言、様々な提言が含まれている」


    ──無礼きわまりない。Fワードとは、「FUCK」を意味する。即ち「普天間」という言葉は「FUCK」と口にするに等しい、というのだ。何という下品で差別的な表現!

    シュライバー氏の言うように、レポートでは「普天間」の項はほんの数行で片づけられている。以下、アーミテージレポートから該当部分を抜粋する。


    (引用開始)
    「普天間:
    日本における米国軍の存在は、共同関係には留まらない。同盟は長年にわたり沖縄の米軍再編の詳細について非常に高い注意を払っている。結果として、三次的問題の普天間の海兵隊飛行場は、今後のための最適な軍編成計画に投資できたであろう時間と政治資金を使い果たしてしまった。過去の再編から生じる問題は、それがどのようなものであれ、我々が堅く未来に照準を合わせればより容易に解決できるものと考えている」
    (引用終了)


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    ◆質疑:日米のサイバーセキュリティ協力について
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    シュライバー氏の講演が終了し、質疑応答開始。まずはモデレーターを務めるエリック・セイヤーズ氏から質問──。

    セイヤーズ氏「ワシントン(政権内部)からの視点は?日米関係への予算を削ぐという話もあるが?」

    シュライバー氏「前・共和党政権でのスタッフである私は、現民主党政権では失業中の身ですが...(苦笑)、近い将来の政権スタッフ復帰を狙っています。現在のオバマ政権の政策は、持続性はないと考えている。どちらの政権であれ、米国にとって、アジア太平洋地域の重要性は変わらない」

    次に、宇宙利用のNPO法人の方からの質問──。

    質問「日米関係はずっと同床異夢ではなかったか? 1989年の冷戦終結以降、ずっと日本は米国に、『普通の(戦争ができる)国になれ!』と言われ、日本の軍事化推進を期待され続けてきた。日本は最近、中韓によって生じた軋轢で、強い日本になる必要性をにわかに迫られている。
    米国が求める『対等な強いパートナーシップ』というのは、日本にとっては難しい。そうではなく、日本が得意な分野での対等なパートナーシップというのは可能か?」

    シュライバー氏「可能だと考える」

    次の質問者──。

    「米国では広いネットワークを使って、日米関係を構成していくという話もある。レポートでは台湾について触れていないが、台湾など、韓国以外の第三国を含めた日米同盟はありうるか?」

    シュライバー氏「台湾問題に、全く触れていないわけではない。台中問題は、平和的解決法がある。確かに、日本にインドやオーストラリアなど加えた、トライラテラルやミニラテラルなどといった多角的(軍事・防衛)同盟はありうるが、緊急性を要するのは、なんといっても日米同盟の強化だ。『日米が連携して、日中韓の諸問題に対処すべきである』と、事態の緊急性を喚起したい」

    ジャパンタイムスのレポーターの方からの質問──。

    質問「サイバーセキュリティについて。レポートでは、日本にはNSAにような諜報機関がないというのが制限だと指摘しているが、他に日本の制約要因は?」

    シュライバー氏「日米サイバーセキュリティ協力について、同盟の将来には肝要だが、既に2国間協議の場で討論されている。キャパシティの構築などが必要と考えるが、公的・私的パートナーシップや、同盟関係の中でコラボするかなど、幅広い分野での共有が可能な分野といえる」


    ちなみに、アーミテージレポートでは、日本のサイバーセキュリティーの脆弱性を指摘し、今後米国との協力強化のためには、日米が情報セキュリティを共有すべきと説いている。情報の共有化とは言うが、平等で公正で互換的に行われるとは到底思われない。日本が丸裸にされ、日本側の情報は、米国側に筒抜けになるが、米国側は肝心な部分は隠して、見せない、という結果になりわしないか。以下、レポートから該当部分を抜粋する。

    (引用開始)
    「サイバーセキュリティー:
    サイバーセキュリティーは、米国と日本の役割と規範の明確化を必要とする新たな戦略分野である。全ての防衛作戦、共同や連携は、情報保証対策の信用性と能力に強く付随している。近年サイバー攻撃、サイバーハッキングの数は増えており、特に政府機関や防衛産業企業を対象としたものが多く、繊細なデータのセキュリティーを脅かし、テロリストや敵対分子の手に秘密情報が渡ってしまうリスクを新たにしている。
    情報保証における共通の安全装置と標準を持たずしては、米国と日本の通信経路は外界からの侵入に対して大変脆弱である。米国は国家安全保障局(NSA)と共にサイバー対策を運用する一方、日本は同等のレベルを満たしていない。この不均衡を軽減するために、米国と日本は共通の情報保証標準の研究と導入に向けた共同サイバーセキュリティーセンターを設立すべきである。
    そのような開始は日本の脆弱なサイバーセキュリティー基盤を強化し日本の国防を援護するだろう。サイバーへの理解と協議なしには、安全保障上の問題に関する同盟のより強大な連携は制限されるだろう」
    (引用終了)


    ==================================
    ◆質疑:「TPPよりさらに野心的な『CEESA』を提言する」
    ==================================


    次の質問者──。

    質問「結局、TPP交渉による経済協力が良いのか、日米2国間のFTA交渉が良いのか?」

    シュライバー氏「どちらが良いかという議論はしなかった。が、我々報告書を書いたメンバーは全員TPPを意欲的に支持している。しかし、今回のレポートでは、2007年版レポートでFTA支持したよりも、さらに野心的であるべきだと考えるFTA以上に、TPPを支持する。今回、さらに野心的な『CEESA』を、提案することとなった。TPPが高い水準の協定なら良いのだが」


    「さらに野心的」との表現は、「もっと欲深な」、「もっと強欲な」と読み替えても、大きく外れはしないであろう。この「CEESA」とは、「日本は米国のLNGの安定供給の見返りに、2000億ドルを米国の新エネルギー開発に投資せよ」という提案である。以下、レポートから該当部分を抜粋する。

    (引用開始)
    「日米経済関係の活性化と確保
    TPPの審議に加えて、我々は、大胆で革新的な多国間自由貿易協定を提案する。日本は、メキシコとFTAを締結しており、カナダとのFTAを検討中である。これら2か国は、米国の最も重要な取引相手であり、世界最大のFTAである北米自由貿易協定(NAFTA)の参加国である。米国、日本、カナダ、メキシコが包括的経済・エネルギー・安全保障協定(CEESA)に参加すれば、経済、安全保障、戦略的エネルギーにおける日米関係を大幅に拡大し、深めることだろう。
    日本には、重大なエネルギー安全保障上のニーズがあり、投資する資本に事欠かない。日本は、内部の経済および人口統計上の課題を相殺するため、対外投資の財務収益を増加させる必要がある。一方、米国(大きな構図では北米)は、天然ガスの開発機会に溢れているが、インフラ投資の資本が不足している。

    CEESAには、次の3つの柱がある。

    1. 日本は、メキシコとの既存FTAに加えて、カナダおよび米国とFTAを交渉し、NAFTAとのパートナーシップ確立を目指す。各NAFTAメンバーとのFTA調印国として、日本は、北米のエネルギーに自由なアクセスを許可され、北米のインフラと戦略的エネルギーへの投資機会を利用するための確固とした地位を築くだろう。

    2. 米国は、日米安全保障同盟の一環として、日本への輸出に関して、LNGなどの形による「戦略的エネルギー」の流れを守ることを誓う。

    3. 日本は、北米に1000億ドルから2000億ドル投資して、次の10年間における天然ガス、石油、石炭、風力、太陽エネルギー、原子力などのエネルギー・オプションの開発を促進する。

    CEESAは現在の貿易政策の進化と一致するものであり、その政策からの逸脱ではないと、我々は確信する。日本は、すでにメキシコとFTAを締結し、カナダとFTAを交渉する意図を発表した。したがって、次のステップは、日本の最も重要な同盟相手であり、最大の取引および投資のパートナーである米国との交渉に向け邁進することである。
    カナダ、メキシコ、そして米国とのFTAは、日本の経済、エネルギー、および金融の安全保障において、我々が思いつける他のどの手段より役立つだろう。これら3つのFTAは、日本のエネルギー供給を保護するだけでなく、米国、カナダ、およびメキシコの農業製品への自由貿易アクセスも日本に付与し、結果として安定した食物供給を確保することになる。
    日本の農業人口は急速に減少しており、日本の人口は老齢化し、農民の平均年齢は66歳を超えた。このような展望では、日本は農業貿易政策の調整を延期する余裕がない。すべての関係者が、持続不能な防衛的貿易戦略ではなく、真の経済と食物の安全保障という観点で考察すれば、FTAを妨害する残りの農業障壁は容易に克服できる。大韓民国(ROK)が米国とのFTA交渉で成功できるなら、日本もできる。

    CEESAに調印すれば、日本は、高度な工業化社会の急速に成長する部分と根本的に統合され、TPPによって具体化される先進経済と新興経済の架橋を支援し、世界最大の自由貿易圏を構築することで世界的な経済成長を促進することになる」
    (引用終了)


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    ◆質疑:中国の今後、日米エネルギー連携、太平洋戦争の再評価について
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    次の質問者──。

    質問「中国の将来についてはどう考える?」

    シュライバー氏「中国には、競争力の低下や輸出減少、国内消費問題など将来の懸念がある。南シナ海においては攻撃的な行動に出たり、不安材料も多々ある。個人的な意見はあるが、本レポートをまとめたグループのメンバーとして、私が言えるのは、日米同盟の強化こそが(引き続き)対中政策の要である点だ。中国の存在というのは、日米関係の全ての背景にある。大事なのは、中国の将来がどうなろうと、日米同盟として対応、関係強化をしていかなければならない、ということだ」

    読売新聞イイヅカ記者の質問──。

    質問「米国とのエネルギー連携について、日本にとっては、アメリカに融通してもらうのはメリットがあるが、米国にとっては日本とのエネルギー連携にメリットはあるのか? 従来の、防衛産業界の連携はどうなるのか?」

    シュライバー氏「エネルギー協力について。我々がLNGを売ったら、我々は日本産業界から儲けを得ることになる。(日本からの)初期投資が必要なので、日米両国にメリットがある。エネルギー投資で利益を得られる日本には、資源獲得の他にも、安心安全な安定供給を受けられる上に、運搬・流通、シーレーン防衛などがもたらされるため、このエネルギー同盟には日米双方にメリットがある」

    次に、意見を披露した日本人男性の提言──。

    質問「日本はどこへ向かっているのか? 日本がアメリカにとって、人口は減るは、高齢化するは、財政破綻するはで、第一の存在でなく、日本はもはや第二の存在で、もういいからと。
    一般人はアメリカが大好きですから、平和主義がすっかり行き渡って、自分の国を自分で守る気概がない。最近もたらされた中韓危機で意識は少しづつ変わってはいるが、日本の強化は結構ですが、日本はあの悲惨な太平洋戦争を経ても、なおかつ日本人はアメリカと対等なパートナーシップはあり得ないのではないか? 太平洋戦争の再評価が必要ではないか。

    対日謀略と思われる、在米の中国人と韓国人による反日運動が展開されているが、日本人は非常に寡黙で、宣伝活動など対策を行わない。この点、米下院がどう受け止めているかをうかがいたい」

    シュライバー氏「我々は、戦後の『平和的・建設的国家としての日本』によって、日本が定義づけられていると考えている。日本は非常に前向きな国家。このレポートでは、過去の再定義には触れていない。(日中韓の)過去の歴史問題に触れることは非常にリスキーだからだ。日本が『イチバン』でいたいか、2番手に甘んじるかを論じるよりも、依然として実質(米国に次いで)2位の地位を様々な分野で維持している現実があるではないか。

    アーミーテージも、ぶっきらぼうに『日本が、第一の存在でなくて良いといったら、そこで終わり』と言っていた。我々は、『おい、しっかりしろよ』と言うときもある」


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    ◆質疑:日本の海兵隊保有、ロシアとの関係について
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    経済同友会のメンバーからの質問──。

    質問「日本も海兵隊を持つべきか? 米国は必要ないというのはなぜか? 日本はどうしたら自信を持てると思うか?」

    シュライバー氏「日本は、日本の利益を代弁し擁護してくれる味方を必要としているが、独自の海兵隊を持つべきかとの質問に対しては、さらに広い議論が必要だ。米海兵隊については、キャパシティーの問題だと思う。日米同盟に求められる議論はむしろ、アジェンダ(行動計画)設定である」

    大学講師の方からの質問──。

    質問「ロシアについてうかがいたい。ロシアは、方針がアジアにシフトしているように思うが、米国は、ロシアがどんな国になろうとしていると考えるか?

    シュライバー氏「米国とロシアは非常に複雑な、『痛しかゆし』の関係になっている。現オバマ政権は、プーチンとの関係をリセットしようと招聘したが、ロシアはこの招待状を受け取ってくれなかった。深刻な対立はないが、シリア問題で痛しかゆしの関係だ。シリアとの関係において、国連の障害となっているのはロシアと中国。イランとの同盟関係があるため、ロシアと中国とは複雑で面倒な関係になっている」


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    ◆質疑:普天間移転、オスプレイ問題について
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    最後の質問者──。

    質問「懸案の普天間基地移転問題が頓挫し、加えてオスプレイ配備問題で反対運動が盛り上がり、日米同盟(防衛面)の展望が見えないが、辺野古やグアムへの移転などで、日米政府への何か良い提言はありますか? 現状打開策があれば、お聞かせ下さい」

    シュライバー氏「2つの可能性がある。

    1つ目の可能性。日米関係の意志決定者たち、すなわち両国のトップである大統領と首相、国務省や外務省、国防省と防衛省の担当者が、膝をつき合わせて率直に語り合い、直接対話の場で解決策を話し合う。

    2つ目の可能性。日米同盟を語るとき、対話を『フテンマ』から始めると複雑化して、うまくいかないので、戦略論から始めるべきだ。懸案の中韓問題や、日中韓の衝突事案、また潜在する朝鮮半島の脅威などから始めれば、おのずと日米同盟をどうすべきかの全体像が(包括的に)見えてくる」(おわり)



    【ランドール・シュライバー氏プロフィール】
    海軍、国防総省勤務を経て、アーミテージ国務副長官(当時)の首席補佐官。
    その後アーミテージ・インターナショナル社を共同創設。シンクタンク「プロジェクト2049」所長に就任。

    原発 放射能 水道 食品汚染 TPP


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