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    原発問題 -The Truth is Out There-

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    IWJ特報!第49-51号「TPPで流入するモンサントの”毒性”遺伝子組み換え食品」 

    IWJ特報!第49-51号「TPPで流入するモンサントの”毒性”遺伝子組み換え食品」

    岩上安身のIWJ特報
    TPPで流入するモンサントの“毒性”遺伝子組み換え食品
    映画「モンサントの不自然な食べ物」マリー監督インタビュー
    (IWJより転載許可済み)

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    ◆スクープ!モンサントの遺伝子組み換えトウモロコシに毒性の疑い
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     遺伝子組み換え作物を栽培している、アメリカの大手食品メーカー、モンサント。そのモンサント社製の遺伝子組み換え食品から、発がん性物質が検出されたとのスクープが、フランスから舞い込んだ。日本の大手メディアではほとんど報じられていない。

     2012年9月19日、フランス政府は、同国内のカーン大学におけるラットの実験により、モンサント社製の遺伝子組み換えトウモロコシ「NK603」系統に、発がん性物質が含まれている可能性が示されたと発表。食品環境労働衛生安全庁(ANSES)に調査を要請した。

     これをうけ、農業、環境、保健の各担当大臣は、共同声明を発表。「ANSESの見解によっては、当該トウモロコシの欧州への輸入の緊急停止も含む、人間および動物の健康を守るために必要なあらゆる措置を講じるよう、政府からEU当局に要請する」とした。

     仏カーン大学の研究チームが行ったラットの実験の結果はこうだ。専門誌「Food and Chemical Toxicology(食品と化学毒性の意)」で発表された論文によると、ラット200匹を用いて行った実験で、「NK603」を食べる、もしくは除草剤「ラウンドアップ」と接触したラットのグループに、腫瘍が確認されたのだ。

     がんの発生はメスに多く確認され、寿命の短縮もみられた。

     一方オスでも、肝臓や皮膚に腫瘍が発生。また腎臓障害など消化管の異常、寿命の短縮がみられた。研究を率いた同大のジル・エリック・セラリーニ氏は「GM(遺伝子組み換え)作物と除草剤による健康への長期的な影響が初めて、しかも政府や業界の調査よりも徹底的に調査された。この結果は警戒すべきものだ」と述べている。

     この調査に対し、モンサントの仏法人は「このたびの研究結果について現時点ではコメントはできない」と言葉を濁した。

     今回のカーン大学の実験は、2年間にわたる、長期の、世界で初めて試みられた慢性毒実験であり、遺伝子組み換え作物の危険性が実証されたと言える。

     日本でこの研究結果が真摯に受け止められるか、余談を許さない。

     欧州食品安全機関(European Food Safety Agency、EFSA)所属のGM作物に関する委員会は、2009年、90日間のマウス実験に基づき、「NK603」は「従来のトウモロコシと同様に安全」との判断を下した。現在、欧州への輸出は可能となっているが、域内での栽培は禁止されている。

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    ◆日本でもモンサントの遺伝子組み換え作物が…
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     日本モンサントは、茨城県河内町の隔離圃場において、遺伝子組み換えダイズ、ワタ、ナタネ、トウモロコシを、栃木県那須塩原市の畜産草地研究所隔離圃場で低リグニンGMアルファルファを試験栽培している。

     IWJは、8月23日に行われたシンポジウム「TPPを通して『日本』を考える」を中継した。そこで、主催者のひとりであるにゃんとま~氏から、茨城県河内町のモンサント農場に関する報告が行われた。

    【動画URL】http://iwj.co.jp/wj/open/archives/27522

     にゃんとま~氏によれば、日本モンサント社は、一般公開向けに、この農場の見学ツアーを実施している。しかし、遺伝子組み換え作物を栽培しているエリアでは、写真撮影はおろか、その様子の記述をブログに残すことさえ禁止されているという。異様とも言える厳戒態勢が敷かれているのだ。

     2012年9月25日現在、日本で食品として承認されている遺伝子組み換え作物は、189品種(じゃがいも8、大豆10、てんさい3、トウモロコシ119、なたね18、わた27、アルファルファ3、パパイヤ1)にのぼる。納豆、豆腐などの健康食の材料となる大豆は、約50%が遺伝子組み換え作物によって占められている。慢性毒を持った遺伝子組み換え食品は、私たち日本人の食卓に、すでにのぼっているのである。

    【参考:安全性審査の手続を経た旨の公表がなされた遺伝子組換え食品及び添加物一覧】http://www.mhlw.go.jp/topics/idenshi/dl/list.pdf#page=16

     食品の189品種ほどではないが、2012年9月27日現在、承認されている遺伝子組み換え飼料は、65品種(なたね15、トウモロコシ21、大豆8、わた16、てんさい3、アルファルファ2)である。

    【参考:安全性審査の手続を経た旨の公表がなされた遺伝子組換え飼料一覧】
    http://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/siryo/pdf/gmfeed_120927.pdf

     内閣府食品安全委員会は、2012年7月24日、日本モンサントが申請した、ラウンドアップ耐性遺伝子組み換えトウモロコシ(MON87427)の食品健康影響評価に関する審議結果(案)について、パブリックコメントを募集し、8月22日に締め切られた。

     食品安全委員会が公表した遺伝子組換え食品等評価書(案)によれば、MON87427について、「遺伝子組換え食品(種子植物)の安全性評価基準」にもとづき、ヒトの健康を損なうおそれはないと判断している。

     この安全性審査で問題がないと評価されれば、当該遺伝子組み換え食品等を製造・輸入・販売することができるようになる。

    【参考:MON87427系統に係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)について】
    http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=095120920&Mode=1

     農水省は2012年9月4日、カルタヘナ法による遺伝子組み換え作物7品種の屋外栽培を承認した。

    (注:カルタヘナ法
    「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」のことを指し、遺伝子組換え生物等が野生動植物等へ影響を与えないよう管理するための法律。カルタヘナ法では、遺伝子組換え生物の使用を、一般圃場での栽培や食品原料としての流通等の「環境中への拡散を防止しないで行う使用 (第一種使用等)」と、実験室内での研究等の「環境中への拡散を防止する意図をもって行う使用(第二種使用等)」とに区分し、その使用を規制している。
    http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/c_about/index.html)

     大豆とアルファルファの2品種が隔離圃場での栽培、トウモロコシ3品種(モンサント)が栽培・食用・飼料用としての承認。

     7月19日に食品としての承認手続きが終わったシンジェンタ・ジャパン(株)の害虫抵抗性遺伝子組み換えわた2品種(COT67B系統、COT102系統)も、食用・飼料用の輸入と流通について承認された。

     9月4日現在、カルタヘナ法による第一種使用規程が承認された食用遺伝子組み換え作物は、食用・飼料用あわせて105品種にものぼる。

     そのうち屋外での栽培を認められたものは72品種。

    【参考:2012年9月4日付けでカルタヘナ法に基づき承認した遺伝子組換え農作物(第一種使用規程)】
    http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/c_list/pdf/list01_20120904.pdf

    【参考:カルタヘナ法に基づく第一種使用規程が承認された遺伝子組換え農作物一覧(作物別、承認順)】
    http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/c_list/pdf/list02_20120904.pdf

    一般圃場(屋外栽培)での栽培は、モンサントの乾燥耐性遺伝子組み換えトウモロコシ(MON87460)をベースとした除草剤耐性と害虫抵抗性の複合品種3品種。

    【参考:遺伝子組換えアルファルファ、ダイズ及びトウモロコシの第一種使用等に関する審査結果について】
    http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/120706_1.html
    http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550001587&Mode=0
    http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550001587&Mode=2

     この3品種のトウモロコシについては、すでに食品安全委員会での評価が終わり、2011年9月6日付けで安全性審査が完了している。

     一般圃場において商業栽培されれば、これらの品種が市場に流通することになる。

     トウモロコシ3品種のうち2品種の中には、冒頭でも取り上げた、問題のモンサント製「NK603」系統が含まれている。

     ラットの実験において、がん発生率が急上昇したモンサント社製遺伝子組み換えトウモロコシが、日本の食卓に出回るのだ。

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    ◆TPP推進により遺伝子組み換え食品が食卓を脅かす
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     前号では、モンサントの遺伝子組み換え食品の危険性についてお知らせした。

     日本におけるモンサントのパートナーは住友化学であり、会長の米倉弘昌氏は経団連のトップでもある。

     2010年10月20日に、モンサントと住友化学は長期的協力関係を結んでおり、経団連はTPPを推進している。

     日本がTPPに加盟すれば、非関税障壁の撤廃要求によって、遺伝子組み換え食品の表示義務制度がなくなる恐れがある。そうなれば遺伝子組み換え食品が市場に大量流入することが懸念される。

     遺伝子組み換え作物の種の世界シェア90%を占める巨大企業モンサントと経団連に代表される財界との癒着は、日本の市場を席巻しかねない一大勢力をなしえつつあり、「原子力ムラ」ならぬ「GMムラ」の存在を示唆している。

     しかし、市民がこの事態に黙っていたわけではない。9月18日、日本モンサント社前、そして首相官邸前で、市民による抗議行動「モンサントにNO!ストップTPPアクション」が、日本モンサント社前、そして首相官邸前で行われた。IWJは、その一部始終を中継した。

    【動画URL】http://iwj.co.jp/wj/open/archives/31343

     危険極まりない遺伝子組み換えトウモロコシを日本の食卓に出回せるTPP。このTPPに対して、与野党はどのような姿勢で臨んでいるのか。

     野田総理は、2011年11月11日の総理会見で、「TPP交渉参加に向け、関係国との協議に入る」と述べ、TPP交渉参加に一定の留保を付けた。それ以降、IWJと日本農業新聞を除き、既存メディアは、TPPに関する報道を一切しなくなってしまった。しかし、水面下では、TPP参加に向けた交渉は、着々と進んでいたのである。

     TPP交渉参加の是非をめぐり、数十回にもわたり議論を積み重ねてきた民主党の経済連携PTは、政府に対し、「慎重な対応を求める」という報告書を提出した。しかし、民主党執行部のTPPへの前のめり姿勢は変わらない。

     最近では、前原誠司政調会長が、ワシントンで9月13日に行った講演で、「TPPへの早期参加が必要だ」と発言した。また、「TPPを慎重に考える会」会長で「TPPを考える国民会議」副代表世話人の山田正彦前農水相は、TPP慎重派により構成される「民主党復活会議」から、民主党代表選候補者として選出されたが、必要な推薦人を集めることが出来ず、立候補には至らなかった。経団連、そしてアメリカと蜜月関係にある野田総理をはじめとする民主党執行部のもと、TPP交渉参加は自明の前提とされている感がある。

     他方、最大野党の自民党はどうか。先日、新総裁に就任した安倍晋三議員は、総裁選へ出馬した段階では、他候補と足並みを揃え、”「聖域なき関税撤廃」などの国益に反する形では”という条件つきで、TPPへの交渉参加に反対していた。しかし、安倍新総裁本人の口から、その後明確な政策は示されていない。

     安倍新総裁の推薦人となった議員20名のうち、12名が「TPP参加の即時撤廃を求める会」のメンバーであり、所属しない稲田朋美議員も、自身のホームページでTPP反対を明言している。一方で、推薦人代表の下村博文議員、選挙責任者となった甘利明議員は、TPPについては積極的に交渉に参加するべきであるとしてきた経過がある。TPPに関して、民主党同様、自民党も一枚岩ではない。アメリカからの要求次第で、安倍新総裁の態度は、いくらでも豹変する可能性を秘めていると言ってよいだろう。

     消費税増税法案に反対し、民主党から離党した小沢一郎代表が率いる「国民の生活が第一」はどうだろうか。9月7日に発表された基本政策検討案(【URL】 http://www.seikatsu1.jp/images/user_files)では、TPPへの反対が明示されていた。その後、9月18日に定例会見で、IWJの質問に対し小沢代表は、「TPPについて、僕らは反対と決めているわけではない。現在ネットで大変多くの意見が寄せられているので、それを聞きながら、10月に最終政策として決める」と述べ、現段階での明言を避けた。
    【動画URL】 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/31360

     TPP参加へひた走る現政権。はたして、発がん性のあるモンサント製の遺伝子組み換えトウモロコシなどが、遺伝子組み換え食品との表示義務もなく、日本の食卓に並ぶ日が来るのか。

     私はいま、映画『モンサントの不自然な食べ物』を全国で上映する、「シネマトークカフェ」を続けている。既存メディアでは決して取り上げられない、モンサントの食料支配と種子支配の実態を伝えるためである。

     映画『モンサントの不自然な食べ物』の監督、マリー・モニク=ロバン氏に、モンサントの実態について、話を聞いた。

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    ◆金儲け主義に徹するモンサントの実態
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    岩上「ジャーナリストの岩上安身です。今回は、『モンサントの不自然な食べ物』というドキュメンタリーをお作りになられた、ジャーナリストで映画監督でもあり、主演女優もつとめるマリー=モニク・ロバンさんにお話をうかがいます。  

    マリー=モニク・ロバンさん、よろしくお願いします。これは16ヶ国語に翻訳されて上映されているのですよね?」

    マリー=モニク・ロバン(以下マリー)「だいたい42カ国で上映されているので、42ヶ国語に訳されています。これを元にした本が同時に発売されていて、それが16ヶ国語です」

    岩上「42ヶ国語で上映されているというのは、凄いですね。言いかえると、それだけマリーさんの取り上げたモンサント(※)という企業が抱える問題、そして、モンサントが世界中に進出しているその広がりを、反映している事にもなりますね」

    ※モンサント社(MONSANTO):1901年アメリカに設立され、世界46カ国に進出している多国籍バイオ科学メーカー。ポリ塩化ビフェニル(PCB)、枯葉剤、牛成長ホルモン、除草剤ラウンドアップ、遺伝子組み換え作物の開発企業として知られている。(同映画日本語サイト http://www.uplink.co.jp/monsanto/)

    マリー「20世紀では農薬のメーカーとしてはトップ中のトップです。今となっては、遺伝子組み換え分野でも世界のトップです。『ラウンドアップ』(※)という除草剤をご存知でしょうか?

    ※ラウンドアップ:モンサントの主力商品のひとつ、除草剤「グリホサート」の商品名。「生分解性で、環境に優しい」がキャッチコピーだが、過去に虚偽広告により、ニューヨーク(1996)とフランス(2007)で有罪判決を受けている。モンサントの社内研究でも、生分解は2%のみと結果が出ていたという。冒頭で二人の農家がラベル表記について話しているのがラウンドアップだ。世界でもっとも売れた除草剤。(同映画日本語サイト)  

     この世界で一番売れた除草剤を作っているのが、モンサントです。残念ながら、日本で庭を持っている方々は、自分たちの庭でこの『ラウンドアップ』を使っていると思います。そして、それを知らないだけだと思います。非常に健康に危険な除草剤という事を、知らないで使っていると思うのです」

    岩上「これは『ラウンドアップ』という商標じゃなくて、別のものに衣替えされ、使われていることはありますか?」 マリー「すでに特許が解禁になっています。だから同じような除草剤を作っているメーカーが、他にも数企業あるのです。グリホサートという成分ですけど、これが含まれている殺虫剤というのが、恐らく作られています。ラウンドアップに似たような除草剤は、農家とか庭で絶対に使っています。だから調べてみてください」 岩上「モンサントの本当の目的は何なのでしょうか?」

    マリー「儲けです。稼ぐ事。何をおいても稼ぐ事です」

    岩上「あなたの映画の中で『1ドルも儲けを損なわない』という言葉が出てきました」

    マリー「それは開示された内部資料に、そういう事が書かれていたのです。PCB(※)は、ご存知でしょうか?これは電気の変圧器に使われていた材料です。PCBというのは非常に毒性が高くて、もう30年前ぐらいから禁止されている。あなたの脂質の中や地中に、PCBはすでに入っているはずです」

    ※PCB:ポリ塩化ビフェニール(polychlorinated biphenyl)。電気絶縁性が高く、耐薬品性に優れている。加熱や冷却用熱媒体、変圧器やコンデンサといった電気機器の絶縁油、可塑剤、塗料、ノンカーボン紙の溶剤など、非常に幅広い分野に用いられた。一方、生体に対する毒性が高く、脂肪組織に蓄積しやすい。発癌性があり、また皮膚障害、内臓障害、ホルモン異常を引き起こすことが分かっている。(【URL】http://bit.ly/h8yJCg)

    マリー「脂質、つまり脂肪の中に癒着とか固着してしまう。それが食物連鎖の中で消えずに、ずっと蓄積されてしまうのです。大きい魚の脂にも蓄積されていて、私たちがその魚を食べると、自分達の脂肪の中に蓄積されていきます。それが人間のホルモンを狂わせます。また、注意力がなくなったりとか、子供によく見られる集中力の低下も、PCBのせいとも言われています。モンサントはPCBがそれだけ危険な物質だと知っていたはずです。知っていたにも関わらず、できるだけ市場に残り続けるように仕組んだのです。  

     情報開示された内部資料の中に『1ドルも失ってはいけない』というのがあったように、まさにその通り、1ドルたりとも我々はビジネスで損してはいけない、と書かれていたわけです」

    岩上「日本では半世紀ぐらい前に『カネミ油症事件』(※)という事件がありました。これはまさにPCBの事件でした」

    ※カネミ油症事件:1968年、PCBなどが混入した食用油を摂取した人々に障害等が発生。主に福岡県を中心とした西日本一帯の健康被害事件に発展。全国でおよそ1万4,000人が被害を訴えたが、認定患者数は2006年末現在で1,906人と少なかった。うち、相当数がすでに死亡している。(【URL】http://bit.ly/beF6eX)

    マリー「その通りです」

    岩上「今の日本の若い人たちは忘れてしまっているのです。僕らぐらいよりも上の年代は、PCBと言えば『カネミの事件だ』と覚えています。でもまさかモンサントがこのPCBを作っていたメーカーだとは・・・」

    マリー「PCBを製造していた一番のビッグメーカーです」 岩上「もっと驚いたのは、ベトナム戦争でまかれ、大変な被害を出した枯葉剤(※)のメーカーでもある!」

    ※枯葉剤:ベトナム戦争中、アメリカ軍と南ベトナム軍によって散布。名目上はマラリアを媒介するマラリア蚊や蛭を退治するためとされたが、実際はベトコンの隠れ場となる森林の枯死、およびゲリラ支配地域の農業基盤である耕作地域の破壊が目的であったといわれる。(【URL】http://bit.ly/lC2GkN)

    マリー「枯葉剤は、2つの除草剤をミックスしたものです。2.4-Dという除草剤と、もう一つは2.4.5-T。フランスの田舎やアメリカ、そして日本でも、この2つの除草剤は普通に使われています。
    それも凄く長い間、使われていたのです。でも毒性がとても高い。2.4.5-T、これは非常に毒性が高い。なぜならばダイオキシン(※)が含まれているからです。ベトナムに行きましたけれど、今でも奇形児の子供たちがいるのです。また食物連鎖の中にダイオキシンは、残っているのです。PCBと同様に、ダイオキシンというのも自分たちの中に蓄積して、それが伝達されてしまうのです」

    ※ダイオキシン:ダイオキシン類(Dioxins and dioxin-like compounds)は、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン (PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン (PCDF)、ダイオキシン様ポリ塩化ビフェニール (DL-PCB) の総称。毒性は一般毒性、発癌性、生殖毒性、免疫毒性など多岐にわたる。

    岩上「日本では『ベトちゃんドクちゃん』(※)という先天性の障害をもった子供が非常に有名になりました。体がくっついてしまっている。彼ら二人の切り離しの手術を日本の医師が関わって行った。ところがその一つのケースだけではなくて、物凄い数の障害児が産まれている。気の毒な事です。でもなぜこんな危険な物質を生産する企業が、非合法化されずに今日まで生き残り続けているのが不思議です」

    ※ベトちゃんドクちゃん:ベトナム戦争で投下された枯葉剤の被害で、1981年、下半身がつながった結合双生児の状態で生まれた。特に日本ではベトナム戦争被害のシンボルとなり、1988年、日本赤十字社が支援、日本からも医師が派遣され大手術が行われた。その後、兄のベトは1988年病死した。(【URL】http://bit.ly/b3ivzA、【写真URL】http://bit.ly/Uac1CR)

    マリー「それは基本的で、一番重要な問題です。こういうモンサントのような企業のトップは、刑事責任を追及されないという、そういう法体制があって大きな欠陥だと、私は考えています。そのモンサントの被害者や犠牲者の方々は、私の映画でもご覧になっているように損害賠償という形で、賠償をもらえるかもしれません。が、それだって簡単ではないのです。  

     アニストンという村で、『クラスアクション』(※)とアメリカでは言うんですけども、約2万人のアニストンの村人達が集まってムーブメントを起こしたわけです。水俣病の犠牲者の方々がそういうムーブメントを起こしていますけれども、凄く時間がかかっています。

    ※クラスアクション:集団訴訟のひとつの形態。アメリカでの民事訴訟の一種で、集団訴訟に関する手続き。日本にはない訴訟形態。個々の利益帰属主体が個々に訴訟手続きをしなくても、その代表者による訴訟を提起し、消費者の権利を一括して行使する権限が認められている。(【URL】http://bit.ly/SCUHjl)  

     ようやくモンサントは、その訴訟に負けたのですが、7億ドルの損害賠償です。でもこの7億ドルの損害賠償なんてモンサントが、50年間、PCBを世に送り出して得た儲けに比べれば、なんてことのない金額なのです。だからやっぱり法体制を変えないといけないと思います。そういう多国籍企業のトップの人達が、刑事的な責任というものを負わなければいけない。それは自分たちがやってきたことに対して、責任を取らなければならない、ということです。

     こういう言うなれば『環境犯罪』を起こした企業のトップは、刑事的に罰せられるべきだと思いますね。ヨーロッパでは今、新しいコンセプトというか共通認識が生まれてきていて、これは『汚染する者、払う者』という、汚染するなら(損害賠償を)支払え、という新しいコンセプトが生まれてきています」

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    ◆核兵器開発にも関わったモンサントと政治の癒着
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    岩上「なぜこのようにモンサントが、のうのうと野放しになっているのか? その秘密の一つは、あなたの映画で描いているように政治との癒着だと思います。そこで登場してくるのは『回転ドア』という問題です。モンサントと政府の役人が行ったり来たりする。それについて少しお話ください」

    マリー「本当にそれは圧倒されますよ。モンサントという会社の歴史の中で、つねに政府の団体当局と親密な関係を持ち続けていたのです。例えば、モンサントの管理職だった人がアメリカの食品医薬品局というFDA(※)に送り込まれる。逆にFDAにいた人が、また企業に戻ってきたりとか、往復運動がある。アメリカ政府も大体トップクラスの100人ぐらいのレベルでモンサントと関わりのある政治家になりますね。でもそれはアメリカに限らずヨーロッパでも同じです。日本もあると思います。ちょっと調べればすぐ出てくると思います」

    ※FDA:Food and Drug Administration。食品や医薬品、化粧品、医療機器、動物薬、玩具など消費者が通常の生活を行うに当たって接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行うアメリカ合衆国の政府機関。(【URL】http://bit.ly/hEjja6)

    岩上「モンサントの日本における代理人というか、パートナーは住友化学。そのトップの人物が経団連のトップですから。日本の経済界の最高のトップがモンサントの仲間なんです」

    マリー「だからもうそういう風なシステムができあがっているわけですね。それも情報も開示されないで、鍵がかかって開けられない感じですよね」 岩上「米倉という人物はあなたの格好の標的ですから、ぜひ、ターゲットにしてください。エネミーとは言ってません。ラブコールをしてください。今回の映画の最後、モンサント社に電話したみたいに」

    マリー「わかりました」

    岩上「モンサントに執拗に電話をかけて断られるところが、ラストシーンに用いられていますよね。あれが印象的です。とっても粘り強い取材をされている」

    マリー「たしかに説得するのに、時間をかけました。ミズーリ州に行ったんです。フランスから行くのは、けっこう大変なんですよ。結局、取材は断られましたけど。  

    その最後の電話の会話を録音するという行為が、非常に私にとって大切なことだったんです。いつもはモンサントは、ジャーナリストの取材を断りながら、『ああ、我々にコンタクトを取らなかったとは、よくない事だね』と言う。そういう嘘を、モンサントはつくんです。証拠が残っていないから、そういうような言い逃れをするそうなんですね。今回は証拠があります。彼らが取材を拒否したのであって、私の怠慢で取材を申し込まなかったわけではないことが、示されたわけです」

    岩上「話をちょっともとに戻します。日本にとっても、たいへん関係が深いモンサントのもう一つの秘密についてです。日本に投下された原爆の製造計画であるマンハッタン計画(※)。モンサントはこれに関わっていたという話を聞きました」

    ※マンハッタン計画:Manhattan Project。第二次世界大戦中、アメリカ、イギリス、カナダが原子爆弾開発・製造のために、科学者、技術者を総動員した計画。計画は成功し、原子爆弾が製造され、1945年7月16日世界で初めて原爆実験を実施した。その後、広島、長崎に投下されたのは周知の通り。(【URL】http://bit.ly/gkyu7b)この計画に関わっていたのは、当時モンサント社の副社長だった…。その後彼は、同社の社長、そして会長にまでのぼりつめた。

    マリー「その原爆を開発するのに、モンサントは非常に深く関わっていましたね。だからこそアメリカの国防省と密着な関係を、モンサントは築けたのです。だからこそベトナム戦争で散布された枯葉剤を製造したのも、彼らとの癒着があったからなのです」

    岩上「FDAだけではなくて、国防総省とも癒着がある?」

    マリー「(癒着があるのは)明らかです。国防省のマンハッタン計画の原爆開発に、モンサントは非常に深く関わっていました」

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    ◆GMO遺伝子組み換え種子にみるモンサントの支配戦略
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    岩上「では、本題ですが、そのラウンドアップという除草剤と、それからそのラウンドアップに耐性のあるGMO遺伝子組み換え作物の種子(※)。これをセットで全世界に売り、市場を支配しつつある。それは単なる儲けではすまなくて、種子支配を通しての世界支配だ、と、あなたは映画の中で語っている。見ていて私はあれは『戦略的兵器』だと感じました。見えない戦争が仕掛けられていると。どういう戦略なのか教えてください」

    ※GMO:genetically modified organism の略。遺伝子組み換え作物のこと。GM作物とも言う。

    マリー「なぜ、モンサントが遺伝子組み換えをするのか? というと、まず種子に関しての遺伝子組み換えが特許化されているからなのです。もちろん、この遺伝子組み換え種子というのは、産業的な製品なのですが、彼らはそれを特許化する事によって、20年間その製品に関してコントロールできるわけです。  

     ソニーも、もちろん自分たちの製品を特許化してライセンスとして売る。それはビジネスですよね。もともとは自分たちが作った製品を特許で守るシステムでした。にも関わらず、少しそれから逸脱した不自然な方向があって、最近では、それが遺伝子組み換えの分野にまで及んでいるのです。  

     モンサントは、遺伝子組み換えバクテリアから生み出した遺伝子を、大豆の中に埋め込みます。自分たちが生み出したバクテリアの遺伝子を、自然の作物である大豆に植えつけてから、『このGM大豆は、我々のインベンション、発明した物だ』と主張する。だから我々の物であるとして、私物化するわけです。  

     だから農家の方には、『これは許可なく使えません』という事になります。その種を植えて育てて、収穫して、そこからまた種ができますよね。でも『その種は私たちの特許化した種から作られたものですから、これは、もう一回、来年は使えません』、という事を言い出すわけです。  

     それは本当に信じられない事ですよね。人間の作った遺伝子組み換え作物の種を使わなくたって、種は自然に生えていくものです。ソニーが特許をとっている製品は、コピーしなければ同じ物を作れないわけですが、自然は、別に人間がコピーをしなくても自然な形で、再生していくわけです。彼らはこの再生を特許の侵害と考える。特許権の考え方を生物に適用してしまっているわけです。  

     だから、世界中の種子をコントロールする目的のためにモンサントは、そうした遺伝子組み換えを行っている、そういう気がしてなりません。結果、毎年毎年、農家の人たちにその新たな種子を買うことを押し付け、余儀なくさせているのが実態です。  

     その種子をコントロールする事は、世界中の食料をコントロールするという事につながります。日本中の稲作農家の人たちが、モンサントが作っている遺伝子組み換えの稲の種子を買わなければいけない、と想像してみたら、どうですか? アメリカではこの特許を尊重しなかった農家の人たちがどうなるか。モンサントは農家に遺伝子警察を送り込むのですよ。ほとんどSFの世界です」

    岩上「でも本当に映画の中に出てきますよね、モンサントポリスが登場してきたという話が」

    マリー「SFのような話ですが、でも真実なんです。何百人ものカナダの、あるいはアメリカの農家の方々が、収穫した種をもう一回使ったがゆえに、訴訟に負けて結局、自分たちの農園を失うとか、そうしたケースが多いのです。もっと酷いのは、自分たちは遺伝子組み換えの種子を使っていないのに、それが自然に交配する事によって、モンサントポリスに見つかってしまって、証拠になった例もあるのです」

    岩上「風で飛んできて、それが自生したために、勝手に『盗まれた』と騒ぐ。ひどい言いがかりですよね」

    マリー「そうです。でもアメリカで起こった事は、そういう事なんです。風でもし交配してしまったとしても、もし遺伝子警察があなたの農園にやってきて『GM作物の種子』ということになれば、訴訟では敗訴なんです」

    ===================================
    ◆生物資源を私物化する新世紀の植民地政策
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    岩上「インドでは酷い話になってますね。沢山の農民が借金のために自殺している。要するにいったん市場を制圧したら、今度は値段を吊り上げていくわけですね。最初は安いけれど、後で高くなってゆく」

    マリー「それは種子に関する特許化というストラテジー(戦略)の第一ステップで、各国の種子会社を買収する。モンサントは、この20年間に世界中の80の種子企業を買収しています。すでにアメリカでは、99%の種会社を買収してしまったので、ほとんど競争のないモノポール状態(寡占)です。  

     アメリカには、アンチトラスト法(※)という法律がありますけれども、モンサントがやってきた企業買収によって、モンサントは市場を独占し、アンチトラスト法に触れるため、その『クラスアクション』は、咎めています。

    ※アンチトラスト法:antitrust law。アメリカの法律。反トラスト法とも言う。独占資本の活動を規制することを図り、シャーマン法、クレイトン法、連邦取引委員会法の三つの法律の総称。(【URL】http://bit.ly/93alD3)  

     モンサントがそうした事を積み重ねてきたので、インド在来の綿が、もはや存在しないのです。もうほとんどの種会社を買収してしまい、GM化して、その種子を特許化しています。すこし言葉が強いかもしれませんが、インドの綿の栽培農家は、モンサントの奴隷とされている、と思います」

    岩上「そうですね。いや、本当にあれを見ていて、植民地化の再来だと思います」

    マリー「その通りです。生物の私物化です。そのような形での征服です。19世紀、フランスも植民地獲得をしようとしましたけれども、それは自分たちの領土拡大の話でした。その領土内部の資源を自分たちのものにする目論見があったのですが、今(の植民地獲得競争)は生物です。生きている物を私物化しようとしている。しかも、それは遺伝子に関わる事ですよね。そうなんです、19世紀の植民地政策よりも、よりグローバルな形での植民地化なのです」

    岩上「ひどいな、と思ったもう一つの例が、メキシコです。トウモロコシの原産国なので、沢山の多種多様なトウモロコシの種があるのに、GMのトウモロコシによって駆逐されようとしている。種の多様性が失われつつあります」

    マリー「ほんとうにひどいことが、行われています。それはモンサントの一つの戦略ですが、パラグアイとかブラジルとか、メキシコも同じ事です。それは密売が行われているわけです。トウモロコシとか大豆とかの遺伝子汚染に関わってくる問題ですが、GMのトウモロコシは増えていきますよね。『あなた達、私達の特許にお金を払わないで、使ってますね』みたいに言うわけです」

    岩上「実際、持ち込んでいるのは、彼ら自身かもしれないのに・・・」

    マリー「映画の中にパラグアイの農務長官のインタビューがあったと思うのですが、このパラグアイの大臣は、私が質問した時に『この密売の背景には、モンサントが居るんですか?』と訊いた時に、『うーん、それはちょっと他じゃないかな』と彼は慎重で、そうだとは答えませんでしたが」 岩上「麻薬みたいなものですね。最初は安く、ただで配り、依存させて・・・。メキシコの例は、非常に重要です。なぜかというと、メキシコはGMの進出を拒んでいたのですね。だけれども否応なく、従わざるを得なくなった。その背景にNAFTA(※)がある」

    ※NAFTA:北米自由貿易協定(North American Free Trade Agreement)。アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ3国で結ばれ1994年発効した自由貿易協定。

    マリー「NAFTAに関連した映画作品を一つ作っています。去年の2月に、ドイツとフランスで公開されたのですが、この北米自由貿易協定がこの20年、いや30年ぐらいどういう風に影響を及ぼしてきたのか、を総括した作品です。まだ日本バージョンは、ないのですが・・・」

    岩上「急がないと。我々にはTPP(※)が目の前に迫っています」

    ※TPP:環太平洋戦略的経済連携協定。Trans-Pacific Partnership、またはTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement。環太平洋地域の国々による「ヒト、モノ、カネ」の流れをスムーズにするための自由化を目的とした経済連携協定。原協定は、2005年にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国間で調印、発効。2011年現在、アメリカ、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、ペルーが加盟交渉国として、拡大交渉に加わる。
    9か国による交渉は、2011年11月12日に大枠合意に至り、2012年内の最終妥結を目指す。現在、日本、カナダ、メキシコ3カ国も交渉参加を表明、野田総理は、2011年11月11日に「交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と表明したが、日本の拡大交渉会合への参加は許可されず、情報共有や協議には応じない方針が明らかにされている。(【URL】http://bit.ly/9xDimR)

    マリー「日本人の方たちが、私のNAFTAのフィルムを見ることは、本当に急いだ方がいい。だって同じことなのです、TPPは。

     NAFTAは、名目では自由貿易と名乗っていますが、ではなんでメキシコは、そのGMのトウモロコシに対して、自分たちの国境を開かざるを得なかったわけですか? しかも、アメリカ政府が助成しているGMトウモロコシです。メキシコには、米国政府に助成されているがゆえに価格が非常に安くなって、入ってきてしまった。  

     メキシコの農夫たちは、そんな安いアメリカのGMトウモロコシに、太刀打ちはできないです。だからこそメキシコの農業が、完璧に破壊されてしまったのです。300万人ぐらいの小規模農家たちは、メキシコで育んできた自分たちの農業をあきらめざるを得なくなった。そして今彼らは、底辺のスラム街に移住して細々と生きている。或いはアメリカに移住してしまうとか・・・」

    岩上「トウモロコシを米、メキシコを日本に置きかえて考えると、これはまさに、日本でも起きうる、日本の未来じゃないかな、と思うのです」

    マリー「日本の皆さんは、ちゃんと自分の自国の主食であるお米を、保護政策で守ってこられましたよね。関税(※)を沢山掛けることによって、海外から入ってくるお米にブレーキをかけるという、そういう政策がありましたよね。でもTPPが入ってくると、もう国境はなくされ、その時代が終わってしまいます。そういう稲作農家の保護主義も崩壊してしまうでしょう」

    ※現在、コメの関税率は778%といわれている。

    岩上「メキシコ人の原産のトウモロコシはソウルフード(伝統食)だったように。日本人にとっても、米はソウルフードなんです」

    マリー「トウモロコシを破壊することは、彼らの主食のルーツを崩壊する。トウモロコシには、本当に色んな品種があった。そのトウモロコシのメキシコ料理のなかの、この料理には、トウモロコシが使われるというように、非常にバリエーション豊かに使われていたのです。トウモロコシにはメキシコの地方ごとの色んな多様性がある。もちろん日本のお米と同じです。米からはお酒が作られますよね。メキシコでもトウモロコシは、そういう国民の魂なんです」

    岩上「それがTPPを締結した後、日本人の農家の人たちが、自分たちで獲れたお米を翌年も種籾を蒔いて、お米を作る。そんな先祖代々、ずっと昔から続けてきたことが、できなくなる。毎年毎年モンサントから買わなきゃ、いけなくなる」

    マリー「本当に気をつけていただきたい。国連のエキスパートの方が言っているのですが、自由貿易、自由という名のもとに(関税の撤廃が)農業に適用される、ということはデタラメだと。それは食の不安定さにつながると。  

     食の安全というのが保障されるためには、自分たちだけで自給できるということ。自給できてこそ食の安全性は確保される。にも関わらず、そういった外から来るものに依存する状態が起こって、食の安全というのも保障されなくなってしまう。非常に弱体化してしまうわけです。  

     依存するということは、投機家たちにも依存してしまうわけです。特に今、国際的に経済状況は、とても危機的な状況にあるじゃないですか。地球温暖化という問題もあります。食糧生産も、気候変動によって安定がすでに脅かされていますよね。  

     だから、それを反映した相場、つまり食物に関する米相場、大豆相場などが、非常に不安定な状態に陥っています。日本人にとっては、とてもお米は大事ですよね。だから自分たちが消費しているものは、やっぱり日本人の皆さん自身が、自分たちで作り出さなきゃいけない。外から輸入すべきものじゃない。  メキシコで、どういう事が起こったかご存知ですか? そのNAFTAが締結される前までメキシコは、自給自足できる国でした。それが、2007年、メキシコの歴史始まって以来の、前代未聞の食にまつわる暴動が起きたんです。  

     なぜかわかりますか? この映画の中でも、NAFTAに関する映画の中でも語っているのですが、メキシコの食べ物に、トルティーヤってありますよね。突然、トルティーヤの価格が投機家によって、倍に跳ね上がってしまったのです。その価格高騰の理由は、トルティーヤの食材のトウモロコシのストックがなくなった、というわけではないんですよ。備蓄は充分あった。カーギル(※)というモンサントの傘下にある企業なんですけれども・・・」

    ※カーギル:Cargill。アメリカ合衆国ミネソタ州に本社を置く穀物メジャーの1つ。穀物のみならず精肉・製塩など食品全般及び金融商品や工業品、エネルギーまで手がける。第二次世界大戦後、日本で米食からパン食や肉食に食習慣を変化させ、穀物輸入を増加させた米国の対日政策にも影響を与えたといわれる。日本では2007年に中堅商社東食を買収し「カーギルジャパン」とし、配下に収める。(【URL】http://bit.ly/Jqym9h)

    岩上「食物メジャーといわれたカーギルは今、モンサントの配下にあるのですね」

    マリー「はい。カーギルとモンサントが、トウモロコシ市場を牛耳っているわけですが、トウモロコシがバイオ燃料になると言うことで、アメリカでけっこう需要が高まってきていますよね。なので『これから、ちょっと値段が上がるな』と思ってトウモロコシの備蓄を数ヶ月間、市場に出ないようにストップした。そうすると供給が減るので、値段が高くなります。それでトウモロコシを原料としたトルティーヤの値段が、バッと上がってしまったのです。  

     この北米自由貿易協定をテーマにした私の作品の中に、国連で食料の権利報告を書いているオリビア・デ・シュテールという人が出てくるのですが、彼に同行してメキシコに行って、メキシコの上院議員とそのオリビア・デ・シュテールさんの会合を撮影しました。  

     その時オリビア・デ・シュテールさんがメキシコの上院議員に言ったのは、『北米自由貿易協定から農業を切り離して、脱北米自由貿易協定にしないとダメです』という言葉でした。そういうアグリビジネスのビッグな多国籍企業の手に、そうした投機家たちにまかせておいてはダメですよ、と助言をしていました」

    ===================================
    ◆モンサントの現状とこれからの展開について
    ===================================

    岩上「聞けば聞くほど、知れば知るほど、もの凄く絶望的な気持ちになる。ただ希望もありますね。例えば、フランスではモンサントに対して損害賠償請求の裁判が起こされて、それが認められました」

    マリー「その勝訴したフランスの農家の人は、私自身も出演している作品『日常の毒』でとりあげています。モンサントの映画の上映会の時に、私はその農家の方に会ったのですが、モンサントの商品に『ラソー』という除草剤があって、彼自身その除草剤ラソーのせいで体を壊している。その除草剤の農薬のせいで、農家の皆さんが癌になっている。その農家の方々と一緒に彼もカメラに収めまして、『日常の毒』という作品の冒頭に、その映像を使っているわけです。  

     その農薬が原因で、病気になった農家の人たちが表に出て、この被害を告発する、糾弾するという事を行ったのは、ほんとうに初めてのことです。2月に勝訴されたポール・フランソワさんに、私は弁護士を紹介したのです。彼がその後、モンサントに訴訟を起こして、初めてモンサントに勝ったフランスの農民になりました。これが訴訟のひとつのケースになりましたから、これからもどんどん農民の方たちが、訴えを起こすのではないでしょうか。  

     そろそろ時間が終わる頃なので、私からちょっと一言、言いたいことがあるのですが、よろしいでしょうか。こうした状況に対して、どんな対処法があるのか、と訊かれます。今、また私は作品を作っています。そのテーマは『アグロエコロジー』。それは有機農業です。アグロエコロジーがどうやって地球に食糧を供給できるのか? 科学者とか農家の方々にたくさんインタビューをしました。これはモンサントと決着をつけるための最良の方法が、アグロエコロジー、オルタナ農業、有機農業だと思うからです」

    岩上「もう一つ重要なクエスチョンがあるのです。というのは、もう一つ希望がフランスから生まれた。それはアメリカの新自由主義にベッタリだったサルコジ政権が倒れて、オーランド政権が誕生した事です」(※)

    ※2012年5月6日、決選投票によりフランソワ・オーランド氏が、現職ニコラ・サルコジ大統領を破る。1995年に退任したミッテラン以来、17年ぶりの社会党の大統領。任期は5年。

    岩上「モンサントのようなグローバル企業の背景には新自由主義が控えている。新自由主義との巨大な戦いが、どうしても避けられません」

    マリー「確かにオーランド大統領には、大きな希望を抱いているフランス人は多いです。私自身もサルコジ大統領が失墜して、よかったと、思っている一人です」

    岩上「EUは規制を強化していくようになっていくのでしょうか? グローバリズムと決別できますか?」

    マリー「決着はつけるかどうかわかりませんが、決着はつかないかもしれない・・・難しいと思います。オーランド大統領は世界が、どういうように進化しているのか、あるいは世界で、何が一番大切な争点になっているのか、ということを、非常に敏感に察知している大統領です。  

     実際、オバマ大統領が就任した時、アメリカの人たちは、すごく希望を抱いていたわけです。でも、いま少しがっかりしてるのは、圧力団体、ロビー活動の強さのためです。しかし、色んな部門で、私たちはアクション、個人として戦うことが、できると思うのです。その役割というのは個人レベルだと思うのです。コンサンアクターっていう言葉の意味は、『自分たちが積極的に行動する者』、消費者が積極的に行動する人間でいられるという、そういういコンセプトですね」

    岩上「もしフランスが大きく変わり、そしてEUが大きく変わっていくのだったら、日本はTPPなんか入らないで、EUに入れてもらおうと(笑)、運動を起こそうかとも思っていたのですが、いかがですか? アメリカが変わらなくちゃいけないのだろうけど、アメリカに希望はちょっと持てそうにない」

    マリー「非常に困難です。20年ほど前から、アメリカには年に3、4回行ってますが、帝国ですよ。つねに大企業がコントロールしている、そういう帝国だと思います。だからそういう巨大なマシーンを動かすのは、非常に難しい。いろいろ旅をしていますが、どこでも赤信号がピーポーピーポーいってます。それはエネルギーの危機でもあるし、もう30年40年で、この石油って言うのは枯渇すると思いますし、地球温暖化も今、非常にドラマチックな状況にあります・・・」

    岩上「地球は今、冷えつつあるらしい、という話も聞きますよ」

    マリー「でも私は、いっぱい旅行をしていますが、そんなことは感じませんよ、冷えているなんて!」

    岩上「原発を世界中に薦めるための策略だったんじゃないか、という声も今はあります。原発ルネッサンスとか」

    マリー「地球温暖化は本当にリアルな問題だと思います。この何年も前から、東アフリカ、マラウイとかケニアとか、行って見ましたけれども、もう雨季がなくなっている。つまり砂漠化が凄いスピードで進行しているんです。そこだけではないのですが、ヨーロッパでも2010年には、この一世紀でこんなに暑い春があったかっていうぐらいですね。以前には、こんな氾濫はなかったような洪水もありますし。  

     メキシコにも行きましたけど、サンゴ礁すべてがなくなっているというのを、私はメキシコで目にしました。ブラジルアマゾンのジャングルにも、雨が降らない。そうすると樹木が大量に死んでいくのです。それは二酸化炭素の問題があります。二酸化炭素を吸収する樹木が減っているわけですからね。この地球温暖化はリアルな現実ですよ」

    岩上「今あなたが言ったように、水もどんどん危なくなってくる、足りなくなると聞いたことがあります。モンサントのようなグローバル企業の狙いは、種の次には水になるのではないか?。そうした事についても、今後もやっぱり追いかけていかれるおつもりですか? 次回作についてお話ください。今度のアグロエコロジーにもモンサントの・・・?」

    マリー「モンサントは『農薬と遺伝子組み換えがなかったら、人類の食の問題を解決できない』という風に言っているわけです。それが本当かどうかを、私は、このアグロエコロジーの映画を通して検証してみようという気持ちです」 岩上「楽しみにしています」 マリー「そのために世界中を廻っています」

    岩上「日本でこの映画も、まだ未翻訳の本も出るのですよね。何月に出るんですか?」

    マリー「作品社という出版社ですが、最初は6月とお聞きしたのですが、まだ6月は始まったばかりですので・・・」

    岩上「そのうち出るでしょう。楽しみにしています。どうもありがとうございました」

    <インタビュー終了>


    作家紹介(同映画公式サイトより引用)http://www.uplink.co.jp/monsanto/ マリー=モニク・ロバン Marie-Monique Robin フランス人ジャーナリスト、ドキュメンタリー映像作家。 1960年、フランスのポワトゥー=シャラント地方の農家に生まれる。ストラスブールでジャーナリズムを学んだ後、フリーランス・リポーターとして南米に渡り、コロンビア・ゲリラなどを取材。 1995年、臓器売買をテーマにした『Voleurs d'yeux(眼球の泥棒たち)』でアルベール・ロンドレ賞受賞。
    2003年、アルジェリア戦争でのフランス軍による拷問や虐殺を扱った『Escadrons de la mort, l'?cole fran?aise(死の部隊:フランスの教え)』でFIGRA(社会ニュースレポート&ドキュメンタリー国際映画祭)優秀研究賞ほか受賞。
    2008年、本作『モンサントの不自然な食べもの』でレイチェル・カーソン賞(ノルウェー)、 ドイツ環境メディア賞ほか数々の賞に輝く。
    現在、3.11以降の福島の農家を取材し、アグロエコロジー、農業を中心とした継続的な社会をテーマにした、世界のオルタナティブ農家を追った作品を制作中。
    映画『モンサントの不自然な食べもの』は日本全国で巡回上演中。詳しくはホームページの劇場案内をご覧下さい。

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