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    原発問題 -The Truth is Out There-

      : 

    東電福島原発事故の真実 放射能汚染の真実 食物汚染の真実 正しい情報を求めて

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    IWJ特報!第55号「オスプレイ配備の欺瞞 〜米中間のパワーゲームに翻弄される日本」 

    IWJ特報!第55号「オスプレイ配備の欺瞞 〜米中間のパワーゲームに翻弄される日本」

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              岩上安身のIWJ特報!
    オスプレイ配備の欺瞞 ─米中間のパワーゲームに翻弄される日本─
           真喜志好一氏インタビュー
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    増税、原発、TPP、オスプレイ…この国は、いったいどうしてしまったのか。
    この夏を振り返ると、民意がことごとく政治の厚い壁にはね返され続けてきたことに、改めて暗然となる。

    立ち止まって振り返り、整理してみよう。

    相変わらず収束のメドの立たない福島第一原発事故。放射性物質の拡散を伝える知らせが、全国各地からもたらされる。
    にもかかわらず野田内閣は6月16日に大飯原発再稼働に踏み切り、さらには建設途中になっていた島根原発と大間原発の建設再開を容認、原発の新規建設まで事実上認めてしまった。

    また、これまで原子力行政を根本的に見直し、規制を厳しくして安全性を高めるとの触れ込みでスタートするはずだった原子力規制委員会。ところがその人事は、心ある多くの人々の反対にもかかわらず、元日本原子力学会 会長の田中俊一氏を委員長にすえ、5人中3人が原子力利権に深いかかわりのある、いわゆる「原子力ムラ」の住人で占められた。
    この委員達は、今後原子力行政の行方に絶大なな権限をふるうことになる。
    にもかかわらず、国会の同意も取りつけず、国会閉会後に、首相一任での決定。民主主義の意思決定プロセスは、踏みにじられ続けてきた。

     振り返ると、官邸前抗議行動は6月、7月をピークに毎週数万人を超える人々を集め続けたが、野田政権がそうした「脱原発」への人々への思い「民意」を汲み取ることは一切なかった。
    野田総理は、8月22日に首都圏反原発連合のメンバーと面会したが、結局のところそれは国民と「対話」する素振りを見せただけのポーズにすぎなかった。

    さらに、その野田氏が9月21日における民主党代表選において、対立候補に圧勝し、再選を果たしたことで、野田氏を信任した民主党そのものが「脱原発」を熱望する人々の声を聞き届ける政党ではなくなったことが明らかになった。

     野田佳彦氏の得票数818に対し、「原発ゼロを掲げた原口一博氏が154票、同じく「原発ゼロ社会の実現」を訴えた赤松広隆氏が123票。鹿野道彦氏が113票。3人の対立候補の数字を合わせても、野田氏の得票数に遠く及ばない。

     税と社会保障一体改革法案が可決され、消費税の増税が決まったのが8月11日。
    その際の消費税増税政局で小沢グループらが大量離党したあと、残留を決めた民主党議員の大半は、公約破りの「消費税増税・原発再稼働・TPP参加」を政権の三大アジェンダとして掲げる野田内閣を事実上信任したのである。

     この夏はまた、原発をめぐる議論にかぶさるかのようにオスプレイ配備問題が急浮上してきた夏でもあった。

    日頃、沖縄の米軍基地問題に冷ややかな大手メディアも、7月23日岩国基地にオスプレイ12機が搬入された際はその事実を大きく報道した。墜落事故の多発してきた欠陥機オスプレイが、日本全土を縦横に飛んで飛行訓練を行うことが明らかになったためだろう。
     我々は、岩国へオスプレイが搬入された日の現地の模様を中継でお伝えし、その後、沖縄の普天間基地に舞台を移した配備反対の様子も報じ続けた。

     9月9日に行われたオスプレイ配備反対の沖縄県民大会は11万人1千人(主催者発表)という空前の規模に膨れ上がった。
     また、9月30日の普天間基地へのオスプレイ飛来に際しては、反対派市民が普天間基地のゲート5箇所すべてを封鎖し、これを沖縄県警が実力で排除するという異常事態に陥った。
    マスメディアがほとんど報じることのなかったこの一部始終も、我々IWJは中継し続けた。

    住民の反対を強行に押し切ってまでオスプレイは何のために日本に、あるいは沖縄に配備されなくてはならないのか。
    その問いに対する回答として、これまで繰り返されてきたのは、「尖閣諸島を狙う中国軍に対する抑止力として」というものだった。

    その中国との間の領土問題が急にクローズアップされ、一般の日本国民の目にも視覚化されるようになったのも、このひと夏の出来事である。

    きっかけは4月16日、石原慎太郎都知事の「尖閣諸島購入」発言だった。中国との領土問題が急にクローズアップされ、7月に日本政府が尖閣の国有化を発表すると中国が猛反発、中国全土で大規模な反日デモが吹き荒れるまでになった。

    オスプレイ配備推進側は、尖閣諸島と沖縄を中国から守るには、オスプレイ配備が必要だ不可欠であるかのように主張する。

    原発再稼働にもTPP参加にも最も熱心な読売新聞は10月10日付の社説で、「重要なのは、オスプレイ配備が日米同盟を強化し、アジアの安定にも寄与することだ。中国が、沖縄県・尖閣諸島周辺を含む東シナ海で海空軍の活動を活発化させている。今後も、国防費の大幅な伸びを背景に、艦船や航空機の増強と近代化を中長期的に続けると見るべきだ」と、中国の脅威を強調し、オスプレイが尖閣諸島の防衛に寄与するかのように書いている。

    中国の軍備が強化されていることも、日中間に領土問題が横たわっていることも間違いなく事実である。しかし、なぜ「中国の脅威」とオスプレイが直接的に結びつくのか。オスプレイは機銃やミサイルなど装備していない、兵員を運ぶだけのただの輸送機である。
    人員輸送に役立つとしても、平らな土地がまったくない岩礁の尖閣諸島には、そもそも着陸もできず、島の防衛にも、奪われたあとの奪還にも、ほとんど役に立たない。
    役に立たないオスプレイの配備を推進する側が謳い文句にする「日米同盟の深化」とは、一体誰のためのものなのか。


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    ■日経・CSISシンポジウムでの日米同盟讃歌
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    10月26日。都内で「指導者交代と日米中トライアングルの行方」と題するシンポジウムが開かれた。
    主催は、日本経済新聞社と、アメリカの保守系シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)。パネリストは、アメリカ側から、米国務次官補カート・キャンベル、元米国務副長官リチャード・アーミテージ、ハーバード大教授ジョセフ・ナイ、CSIS所長ジョン・ハムレ、CSIS上級副所長マイケル・グリーン、
    そして日本側からは、前原誠司国家戦略担当相、玄葉光一郎外務大臣、石破茂自民党幹事長、林芳正元防衛大臣、北岡伸一政策研究大学院大学教授、藪中三十二元外務事務次官。アメリカの「知日派」と、日本の「親米派」が、一同に会したシンポジウムとなった。

    このシンポジウムでは、対中脅威論を前提に、日米同盟の深化の必要性が、繰り返し説かれた。アーミテージとナイは、「日本の原発ゼロ方針は受け入れがたい」と明言。尖閣問題に関しても、アーミテージは「尖閣諸島に侵略したり、威嚇したりすれば、米国は中立ではない」と発言し、グリーンは「日本が攻撃されたら反応する受動的な条項ではない。計画立案、準備、相手を抑止し攻撃をやめるよう働きかけることを含んでいる」と述べた。

    このような、アメリカ側の、「日本人の背中を押す」かのような発言の連続に、「親米的」な政治家は次々と呼応。自民党の石破茂幹事長は、日米同盟の維持、島嶼防衛強化のための日本版海兵隊の創設、集団的自衛権の行使容認を、課題として挙げた。前原誠司国家戦略担当相は、「同盟深化のためには、外交安保だけでなくはなく経済貿易関係も重要だ。TPPが有効な手段になる。交渉参加に向けて、協議を進展させたい」とした。

    構図はこうだ。尖閣問題とその後の中国国内の暴動に見られるように、中国は日本とアメリカにとって、安全保障上、共通の敵である。この敵に対峙するために、日米同盟をよりいっそう深化させなければならない。そのためには、原発を維持し、集団的自衛権の行使を容認し、TPPも推進するーー。

    原発推進、TPP推進、オスプレイ配備、日米同盟の深化。アーミテージらが主張するこれらの政策セットは、この夏に発表された「第3次アーミテージレポート」にもとづいている。8月15日、よりによって終戦記念日に発表されたこのレポートについては、稿を改めて詳しく紹介し、論ずることにする。

    本号ではまず、沖縄の建築家であり、沖縄平和市民連絡会の運営委員として、オスプレイの危険性を指摘している、論客・真喜志好一氏へのインタビューを紹介する。


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    ■オスプレイ構造上の欠陥と沖縄配備の意味
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    岩上「ジャーナリストの岩上安身です。尖閣を巡る問題が大変緊迫と混迷の度合いを深めております。日本、中国、アメリカ、それぞれどのような役割と交渉を今展開しているのか、それを国民にきちんとした形でメディアは報じているのか。いろいろな疑念があります。

     アメリカのパネッタ国防総省長官が来日し、その後訪中致しました。このパネッタさんの中国の国防大臣との会談内容も、当初日本では、アメリカ側が中国に冷静さを求めるというような形で報じられたのですけれども、これは先日私が自由報道協会の記者会見の時に明らかにしたように、ロイターの英語版では、その時点で既に『地上最強の二カ国が手を組んでいこう』と、そして『軍同士が交流して互いの同盟関係を深め合おう』と報じられております。

     米中同盟(G2)が、意思確認のため、アメリカがわざわざ中国まで出向いて是非よろしくと、手を結び合ってきた。尖閣問題では、他方ではアメリカは『やれやれ』と日本にけしかけておきながら、中国とはこの問題に関しては『干渉しないよ』というサインを送っているわけです。こうした二枚舌外交が我々の国で展開され、その二枚舌ぶりを日本の既製大手メディアは、ろくろく報じることはないという状況になっているわけです。この問題、これからもあらゆる角度から追求していきたいと思います。

     その尖閣と並んで同時期に、安全保障絡みの分野で問題となっているのがオスプレイ配備問題です。政府はオスプレイの配備を『安全である』と『確認した』と称して決定しました。
    これについて、9月19日水曜日12時から『オスプレイ配備を巡る現局面─配備の危険性・構造と外交的問題』として、参議院議員会館で沖縄の平和市民連絡会の真喜志(まきし)さん、その他の方々による記者会見が行われました。また、同日18時30分、『オスプレイ配備の危険性を皆で考える9.19集会』が連合会館で行われました。こちらにも真喜志さんお出になられました。

     そして9月20日、12時緊急院内集会・記者会見、『辺野古アセス・防衛省『有識者研究会』へのNGOによる意見書および要請』という集会が衆議院第一議員会館で行われたのですけども、こちらにも真喜志好一さんがお出になられました。この3つの集会、記者会見、IWJは全て中継でお伝えしてきました。そして本日、その全ての集会にお出になられて、スピーカーをお務めになられました真喜志好一さんに、今日は、単独のインタビューでお話をうかがいたいと思います。

     真喜志さんは、本当は建築家なのですね。その『建築家であるがゆえに』と多分言えるのだと思うんですけども、このオスプレイの危険性について、合理的に説明されていて、我々は、大変わかりやすくお聞きしました。
    このオスプレイ問題、その背景にある日米同盟の深化の問題。さらにその時に強調されている中国の脅威の問題。しかし米中は同時に手を握り合っていて、まるで日本はピエロのように弄ばれていると言ってもいい。この非常に愚かしくも嘆かわしい状態について、お話願えればと思っております。

     まずはオスプレイの話なのですけれども、昨日防衛省と外務省が出したMV-22、これがオスプレイの正式な名称なのですけど『MV-22オスプレイの沖縄配備について』という文書があります。(※)その一方、米軍が出した『環境レビュー』という文書がある。それの一部を、僕らもダウンロードしました。大変な分量の、しかし、しっかりした文書です。これダウンロード全部やってたら大変なので、今日、持参したのは、こういう表紙だけですけど。それと日本政府の出した文書を照合すると、おかしなことがずいぶんあるとわかる。


    ※MV-22オスプレイの沖縄配備について防衛省HP【URL】(http://www.mod.go.jp/j/approach/anpo/index.html#osprey

    ※MV-22の普天間飛行場配備及び日本での運用に関する環境レビュー最終版沖縄防衛局企画部HP【URL】(http://www.mod.go.jp/rdb/okinawa/07oshirase/kikaku/kankyourebyu.html


    真喜志「これも付属文書ですね」

    岩上「付属文書ですね。これがA,B,C,Dとあります。ダウンロードすることが誰でもできます。早い話が開示されていながら、さっきのロイターの報道と同じですけれど、日本においては、ネットと外国の文書が、まるでこの世にないかのように政府も大手メディアも振る舞うことがある。この文書をこちらの文書と照らし合わせてみると、日本の外務省、それから防衛省が出した文書というのは、おかしい。欺瞞だらけだと。この話を是非聞かせていただければと思います」

    真喜志「昨日防衛省が発表した書面がありますね。この概要文書でお話します。まず沖縄にオスプレイを配備するに当たって、『米軍施設区域周辺における飛行経路について、可能な限り学校や病院を含む人口密集所地域上空を避けるように設定する』と書いてあります。『可能な限り』。それから『可能な限り海上を飛行する』と、こんなふうに書いてあるわけですよ。

     ここに大変な言葉のまやかしがあります。普天間飛行場は、もともと人が住んでいた場所を、戦争中にブルドーザーで敷きならして作った飛行場で、戦争が終わって住民が帰ってきたら金網の傍に住まざるを得なかった。そうすると必然的に飛行場は人口密集地の中になるわけです。だから普天間飛行場を飛び立ったオスプレイは、可能な限り学校や住宅などを避けられないんですよ」

    岩上「避けようがない。そもそも住宅密集地の中にあるわけですから、飛び出した途端、それは住宅密集地。だから『可能な限り』どころか必ず通っていまうということですね」

    真喜志「そういうことです。それから昨日発表した文書の中に、オスプレイのエンジンが止まった時にどうするか、という緊急着陸の状態が書かれているんですが」

    岩上「これですね。『オートローテーション』という言葉をよく聞きますけど、どういう意味ですか?」

    真喜志「自動回転と言えばいいんですかね。エンジンが止まったときに、ヘリコプターのローター(※)とエンジンの間をニュートラルにして落下してゆく。すると落下する時に、ローターが下からの風圧によってクルクル回る」

    ※ ローター=回転翼

    岩上「風車のように?」

    真喜志「そう、風車のように。竹とんぼのように。楓の種のように、という言葉で言い表わせますね。そうやって落下の速度を緩やかにし、辛うじて着陸することになっている。そのオートローテーション機能が、オスプレイにはないに等しい。例えばローターが全部吹っ飛んでしまったとなると、重たい機体がドスンと墜落する。乗員は即死です。だけれどもオートローテーションが機能すると、即死じゃなくて、重症程度で済むわけです。

     そういうオートローテーション機能がないと、ヘリコプターは飛ぶことが許されないわけですが、オスプレイについてはオートローテーション機能をアメリカ側が既に断念している。にもかかわらず、日本政府は『オートローテーション機能がある』ということを言い続けている」

    岩上「アメリカが、オートローテーション機能について断念しているというのは、どういうことですか?」

    真喜志「これは、アメリカの会計検査院(GAO)(※)の2009年のレポートなんですが、そのオスプレイ自体に求める機能について、こういうことを書いているんです。オートローテーション機能と核、それから生物化学兵器に対する『防御機能を断念する』と。『これはもう盛り込まない』と。そういうふうに書いているわけです。アメリカの公的な文書です」


    ※アメリカ会計検査院(GAO)政府支出の会計原則の決定と確認としての財務報告だけでなく、政府活動の合法性の検査、有効性の評価を行う。緊急の政策課題について議会が助言を求めることも多く、政策分析としてのプログラム評価を行う専門家集団となっている。GAOの報告書では改善のための勧告がなされるが、政策の施行の現状を調査報告するだけの場合もある。

    会計検査院HP(会計検査院によるプログラム評価 アメリカGAOから何を学ぶか 金本 良嗣 東京大学経済学部助教授、会計検査院特別研究官)(【URL】http://www.jbaudit.go.jp/effort/study/mag/2-2.html


    岩上「核兵器や生物化学機能兵器に対しては、防御できないから、防御機能があるとは言い張らない。そしてオートローテーション機能も、実際には機能しないので、『機能する』とは言い張らないと。要するに落ちる時には、このプロペラが風車のようにうまく回って着陸を緩和するということはない。『ないものと考える』ということなのですね」

    真喜志「風車を作ってきたので、それで説明しましょう」

    岩上「これがオスプレイの模型なのですね、後でちょっとその模型の説明をしていただくとして、まず落下について」

    真喜志「落下について。これは、羽根も吹っ飛んだような状態のものです

    岩上「ただの固形物になっちゃって」

    真喜志「ただの固形物。そしてこれはCH-46というヘリコプターの」

    岩上「前の機種、普通のヘリコプターの形をしたもの。そしてこれが、羽根がなくなった機体をイメージしたもの。同じ重さですね」

    真喜志「それ。落下します」

    岩上「ああ、なるほど」

    真喜志「わかりますね」

    岩上「わかります」

    真喜志「羽根がない方はドスンと墜落してしまいます」

    岩上「もう一回やっていただけますか? はい。なるほど。片方は、もうとにかく羽根がないんでストーンと落ちてしまう」

    真喜志「こちらは、即死です」

    岩上「羽根のある方は、ゆるやかに羽根が回って、着陸までの時間を稼ぎ、衝撃を和らげるわけですね」

    真喜志「今のヘリコプターが墜落したようなモードで墜落したのが、2004年の沖縄国際大学にヘリが墜落した事件です(※)。大学に落ちたヘリがこのモードで降りていった。それでもパイロットは重症を負いました」

    岩上「このオートローテーションのモードで降りていた。あの事件の場合はただ単に突っ込んだんではなくて、ヘリのこの羽根が回転して、緩やかに落ちていったわけですね」

    真喜志「緩やかではありましたが、重症」

    岩上「それでも重症だったと」

    真喜志「そうですね。これまでのヘリに比べてオスプレイは、プロペラの寸法が75%にとどまります」

    岩上「羽根は75%。なのに重りは2つですね」

    真喜志「重りは、この機体そのものが2倍重いということで、模型化しているわけです」

    岩上「なるほど」

    真喜志「従来のヘリと、オスプレイ」

    岩上「ああ、もう一回やってもらいましょうか。速いですね」

    真喜志「良いですか?」

    岩上「ああ、速い。これはオートローテーション機能が機能して両方とも綺麗な風車のように回ってますから」

    真喜志「機能していると言えば機能しているわけだが、速いわけです。これまでのヘリコプターが定常的に降りて、落ちていく時の時速は50キロぐらいのスピード」

    岩上「落下速度が時速50キロ」

    真喜志「こちらの落下速度は、森本防衛大臣も国会で言ってますが1分間5000フィート。5000フィートというと0.3掛けて1500メートル。1分間1500メートルのスピードで落ちていく。降りていくのじゃなくて落ちていく。それに60分掛けると、時速に直すわけですから1.5x60=90。時速90キロ。高速道路を突っ走っているような速さで激突するわけです。だから軟着陸なんていうものではない。実際のオスプレイではオートローテーションの訓練をしてない」

    岩上「してない? こんなこと、訓練のしようがないですね」

    真喜志「やれば、死んじゃうから。それで訓練所の中のシミュレーターと呼んでいる操縦席を模したゲームマシンで、オートローテーションモードをやってみるだけなんです。ですから普天間飛行場という、街の真ん中にある飛行場─周辺は全部街ですから-そこに配備されたオスプレイが、不具合が生じた時に、オートローテーションモードで人の密集地を避け、落ち場所を探すとか、そんなことはできっこない」

    岩上「この速度では、全くできない」

    真喜志「コントロールできない」

    岩上「飛行機は、また違うんですね。これ紙飛行機ですけど」

    真喜志「これは防衛省が今度発表したものですけれども」

    岩上「これ模型ですね」

    真喜志「模型です。プロペラの向きが、0度にすると、飛行機状態。60度にしたらこうなる。『60度よりももっと小さければ、前向きであれば、飛行機モードになって滑空する』と書いてあるんですよ。グライダーのように滑空する、というわけですが、スピードがなければ滑空どころじゃないんですね。飛行機にならない」

    岩上「速度がないと滑空しない...」

    真喜志「前向きに飛ぶための一定の速度があって、はじめて滑空するわけです」

    岩上「これ以外にエンジン機能はないわけですね、推進機能は。何かジェットエンジンが付いているわけでもない。ということは、あくまでこのプロペラが高速回転して直線の推進機能を発揮している時でなければ滑空もできないということですね」

    真喜志「そうです。これで飛行機の状態ですね。それで飛行機の状態で空に浮くことができるのはスピードがあって羽根が空気の流れをコントロールして、揚力を持っているわけです。スピードがないといけない。防衛省が言うには、プロペラのこれ0度、60度の時には、60よりも少ない時は、飛行機の状態になって滑空すると言っている。さっき言ったようにスピードがなけりゃ滑空しないわけです」

    岩上「落ちてしまうんですね」

    真喜志「それで60度よりももっと上向きであれば」

    岩上「これはヘリの形ですね」

    真喜志「ヘリの形にしてひらひらと風車のように降りると言っているんですが、そのスピードたるや時速90キロなわけです。そういうとんでもないものを作り、配備しようとしている」

    岩上「今、ヘリの形をしています。そして前を向いてる形に変えられる。通常のヘリの形にもすることができる。通常のヘリとこのオスプレイの構造上のバランスの違い、その不安定性についてご説明いただけますか? 便利な模型ですね。さすが建築家。木でこれ作ったのですね?」

    真喜志「2晩かかりましたけど。これはあのCH-46と呼んでる双発のヘリコプターの形です」

    岩上「双発とは、2つのプロペラのあるヘリ」

    真喜志「重心の前後でこう吊っているわけです」

    岩上「バランスは、この縦のバランスになるわけですね。他方、オスプレイの形は、こういう形になるわけですね」

    真喜志「そうですね。まあ尾翼も付いているということですが、この状態でオスプレイは飛んでいるわけですが、左右のバランスがさらに加わる。前後のバランスも取らなければいけない。ということで、そもそもメカニズム的に、構造的にヘリコプターとも違う、飛行機とも違う」

    岩上「ものすごく不安定なのですね、もともと。この回転翼が飛行の途中でこういうふうに開いていくっていう、この時が極めて不安定ですよね。止まっていることもできないし、かつ前へも推進していない状態。ここですね、危険なのは」

    真喜志「そうなのですね。まあとりあえずヘリコプター状態で空中に浮いているとしましょう。前進速度をゼロとしますね。
    そうするとものを持ち上げる力『揚力』というのは、このペラの回転によっているわけです。それが飛行機モードに変わっていくと、飛行機モードになるには、一定のスピードが必要。その一定のスピードで揚力を取る。揚力を取るためには、翼が広くなければいけない。ところが翼を広くすると、自分のプロペラが巻き起こした風を自分の翼で受けて上にいけない」

    岩上「翼を上から、自らの起こした風で押さえつけていくような構造になってしまうわけですね。なるほど」

    真喜志「ですから、この翼は大きくできない」

    岩上「ああ、なるほど。面積を大きくすることができないわけだ」

    真喜志「翼が小さくなっているため、揚力があまりないので、飛行機モードに変化してゆく時には、一定の速度が必要。そういう速度まで達していない時にやばい。モロッコでは、空中に浮いている状態からエンジンを前に向け始めた。その時に追い風が10メーターぐらい吹いて、落っこちたわけですよ。つまりこの状態では、飛行機なのか、ヘリコプターなのか、機体自身がわからない。オスプレイ自身がわからない、おんな時に追い風が吹いて落っこちた」

    岩上「追い風なら良さそうなものですけど、逆風だったら止まっちゃいますよね。止まっちゃったら落っこちるじゃないですか。追い風でも煽られたのですか? バランスが悪くなったのですかね」

    真喜志「コンピューターで制御しようとし、エンジンを改良しようとしている。右、左の間にシャフトが通っていて、どっちかのエンジンが止まっても動くらしいんですが、でも、そのような改良法を施したところで、左右のバランス、前後のバランスを同時に取らなきゃいけないというのは、直しようがない。」

    岩上「なるほどね。これは致命的な欠陥ですね。これはどうやったって、プロペラが回ることによって翼に対して自分で下へ下方圧力をかけてしまうんですから。」

    真喜志「フロリダでの事故がありました。今年の6月なのですがね。フロリダでは空軍のオスプレイが2機飛んでいた。2機飛んでいて、この転換モードと言っている斜めのプロペラが向いた状態で飛んでいた。そうしたところ、前の飛行機が後ろに気流を起こしますから、その気流の乱気流に後ろの飛行機が取り込まれて墜落した」

    岩上「脆いんですね」

    真喜志「まあ、『飛行機の良いとこ取り、狭いところに離発着できるヘリコプターの良いとこ取りをした』と宣伝してますが、飛行機の危険な悪いとこ取り、ヘリコプターの悪いとこ取りもしている。だから操縦する条件が極めて難しい。いわば素人がレーシングカーを運転するようなものですよね、車で言えば」

    岩上「なるほど。こういうものを、沖縄に配備し、そして沖縄を含め日本中の、山間部を中心にとは言ってますけれども、普通に人が生活しているようなルートを縦断すると。そういう計画になっているわけですね。これは何のためにやるんですか?」

    真喜志「山の地形、山脈とかの地形に沿って飛行するのは、米軍自身がこの『環境レビュー』などで言っていることです。『敵から見つかりにくい』『レーダーに探知されにくい』と。それから『敵からの攻撃を受けにくい』と、そして『パイロットの生存率を高める』と。『そのために地形に沿って低空飛行していく』ということを、彼ら自身が言ってますね。ですから兵隊の生き残りのための訓練をしているわけであって、地上の生きものや人の安全については、何ら配慮していない。兵隊の生き残りのための、そういう訓練です」

    岩上「オスプレイは、いろいろなところで事故を起こしていて、アメリカ国内でもこのオスプレイの配備や、訓練計画というものに対して住民の反対の声が上がったりしている。それに対してアメリカ政府が、自国では『配慮』をして訓練飛行を中止したりしている。
    ところが日本、あるいは、沖縄では『配慮』をせず、訓練飛行を強行する。米国から圧力をかけられた日本政府は、それに唯々諾々と従って国民よりもアメリカからの要請に従う。こういう構図になってると聞きます。アメリカ国内の、反対運動に対するアメリカ政府の反応というのは、どういうものなのでしょうか」

    真喜志「アメリカのハワイの事例を申し上げます。ハワイに海兵隊の飛行場があって、そこの海兵隊の飛行場を飛び立ったオスプレイが森の中を飛び回る。そうすると森の中にハワイの先住民たちのお墓があったり、文化的な遺跡がある。そこに風を当てると困るということで住民たちが反対運動をした。そうしたところ米軍は、そこの上空を飛ばないという決定をしてるんです。

     アメリカ国民が自分達の文化生活を守るために、オスプレイの訓練に反対する。アメリカ政府はそうした運動に従っているわけです。ところが、沖縄の森を飛ぶとか、沖縄の生きものたちや、沖縄で暮らす我々の生活に影響を与えるから、飛ぶなと言っても、アメリカはやる。アメリカ国内と違い、我々が言っていることをアメリカ政府は聞かない。そういう二重基準に見えますが、ちょっとそこには僕疑いを持っているんです。

     我々が『飛ぶな、沖縄に持ってくるな』と言っているのをアメリカも聞いてるはずです。聞こえているはずです、当然。10万人の大集会をしているということもわかっているはずです。それは当然彼等は知っている。
    ところが日本政府が『沖縄の人達はオスプレイの配備に反対しているから配備してくれるな』とアメリカ政府に言っているか、そこは疑問ですね。岩国の人達が反対をしている、それから飛行ルートに当たるところが反対している。だから演習をやめてくれということを、日本政府がアメリカに言っているかどうか疑問なんです。言ってないと思います。『反対がある』とは言ってる。『反対があるからやめてくれ』とは言ってない、そんな感じだと思いますね」

    岩上「ここでこの『反対がある』しかし『やめてくれ』とは言っていない。この間に挟まれてくるのが『日米安保』(※)『日米同盟』という言葉であり、概念であり、政治であると思うんです。必ず、このオスプレイの問題であれ、普天間の問題であれ、あるいは、岩国の問題であれ、問題になる時に『しかしそれは抑止力として必要だ』という話になる。そして、こうしたオスプレイが、仮に尖閣が有事になった時に、中国海軍に対して、抑止力として機能するんだというような説明が行われる。こんなことを政府も言い、評論家も言う。


    ※外務省HP日米安全保障体制【URL】(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/index.html


     当時評論家だった森本防衛大臣(※)と僕はテレビでご一緒してますけれど、議論になったこともあります。政治家とも何度も議論をしました。尖閣という具体的な話になりますから『じゃあ2005年の日米同盟は何だ』という話になる。2005年の『日米同盟~変革と再編』(※)という文書があります。
    日米間でツープラスツー(※)によって締結された文書です。これは岡田さんが外務大臣の時も前原さんが外務大臣の時も質問しました。この2005年の『日米同盟~変革と再編』の中には、尖閣で有事になった時に『それはまず自衛隊がやること』と書かれている。米軍はいざという時に出動しないのです。私の質問に、岡田外相も前原外相も、二代続けてこのことを認めました。


    ※森本敏もりもと さとし 現防衛大臣1941年3月15日生まれ。防衛大学校理工学部電気工学科を卒業後、航空自衛隊を経て昭和52年外務省アメリカ局安全保障課に出向。
    1979年外務省入省、在米日本国大使館一等書記官、情報調査局安全保障政策室長 (公式HPより引用)1992年-2001年野村総合研究所主席研究員、多くの大学で教鞭をとる。2009年初代防衛大臣補佐官。

    ※外務省HP日米同盟:未来のための変革と再編(仮訳)
    【URL】(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/henkaku_saihen.html

    ※ツープラスツー 2+2、日米安全保障協議委員会 日本の外務大臣と防衛大臣、米国の国務長官と国防長官、計4名により、日米関係や国際関係などについて話し合う。主なトピックとして、米軍の普天間基地の移設問題などがある。2005年より不定期に開催されている。


     ということは、尖閣で中国軍の侵攻を前提としてオスプレイを配備し、海兵隊の常駐を認めても、いざ有事という時に米軍が出動しないとわかっているのであれば、それが抑止力として機能するのか。何の役にも立たないじゃないかと思うわけです。外相にも聞きました。しかし、公式に『まず第一義的にやるのは日本の自衛隊である』と『米軍は出ない』と答えが返ってくる。でも『抑止力として必要だ』と言い張る。
    実際にはオスプレイの配備が、尖閣を守るためにいかにも必要のように言いますが、尖閣には何の関係もありません。

    このオスプレイという機械、飛行機と言って良いんでしょうか、ヘリと言って良いんでしょうか。これは尖閣への上陸阻止、あるいは、尖閣に上陸された後の奪還という作戦を具体的に考えた時に、構造上役に立つものじゃありませんね」

    真喜志「全く役に立たないと思いますね。仮に尖閣にオスプレイを出撃させるとしましょう。出撃するけれども、このオスプレイは、ミサイルなんか積めるような状態じゃないですね」

    岩上「ミサイル積めないんですね、これは?」

    真喜志「積めないですね。それで海兵隊のオスプレイは、最初は、先頭に大きな機関銃を付けたりしたらしいんですけど、重たいし、金がかかるから、それやめたっていうんですよ。だからオスプレイって攻撃力がないんですよ」

    岩上「攻撃力がない?」

    真喜志「輸送機なんです」

    岩上「単なる輸送機?」

    真喜志「はい。後ろにこういうハッチがあって兵隊が24人乗れるの。それから小さなトラックとか、ジープとか、そういうのを積めると。ものを運ぶんですよ」

    岩上「戦闘力、ないんですね」

    真喜志「ないですね」

    岩上「よく海兵隊は、攻撃力があるから、抑止力になるなどと説明されてきた。盾と矛の関係だと説明されてきたのです。外務大臣が堂々と記者会見でそんなことを言っていた。日本は矛は持てないけど、アメリカの攻撃力、海兵隊の攻撃力があることは、中国海軍に対して、これは抑止力になると言うのです。しかし、そもそも現代の戦争では、必ず空中戦になります。制空権を取らなきゃいけないですからね。制空権を取れる機械じゃないんですね?」

    真喜志「ないですね。輸送っていうのはとにかく運ぶもの、運ぶ飛行機です。それでちょっと話が混乱すると思うので、アメリカの戦争の仕方というのをちょっとこう点検しておく必要があると思うんです。海兵隊は『敵前上陸する殴りこみ部隊だ』というふうに日本では錯覚されている。これは全く錯覚です」

    岩上「錯覚ですか?」

    真喜志「これは、戦争を進める立場の評論家も、戦争をしちゃいけないという立場の評論家も錯覚しています。テレビで見ていると両方『海兵隊は、殴りこみ部隊でヘリコプターに乗って飛行機に乗って敵前上陸する。パラシュートで上陸する』などと言っていますが、全く違う。

     ここ10数年、20年のアメリカの戦争を振り返ってみてください。戦争準備に半年ぐらいかけていますでしょ。アメリカが攻撃する相手国の防備体制を、衛星などを使って丁寧に見て、そして無人の偵察機を飛ばして、とにかく丁寧に調べますね。

     それで調べた上で、レーダーであったりミサイルであったりという攻撃目標を決めて、相手国から攻撃のミサイルが飛んでこない遠い距離から、砲撃をしかけて、相手の防空網というか、レーダー網を徹底的に破壊して、空に対する抵抗力を奪った上で、有人の飛行機が飛んでいって爆撃をして、地上の戦闘能力を全部奪う。全部奪って、アメリカ兵が誰も死なない状態になってから海兵隊は上陸する。どこで殴りこみですか?」

    岩上「まったく安全になってから、地上に展開する」

    真喜志「そうです。そういう戦争しかしてない。にも関わらず、あたかも海兵隊は殴りこみ部隊で、従って極東の安全のために、極東のもしかすると火種の場所になりかねない沖縄に置いておかなきゃいけない。そんなの嘘、アホかっていうんですよ」

    岩上「ノルマンディーの上陸作戦(※)とか、朝鮮戦争の時の、仁川(インチョン)上陸作戦(※)であるとか、そうしたはるか昔の記憶を、今になぞらえて貼り付けて言っているわけですね。もう時代が全然違う。ピンポイントでミサイルが攻撃して、全て焼き払った上で部隊が地上に侵攻するというような時代なわけですよね」


    (ウィキぺディアより引用)
    ※ノルマンディー上陸作戦は、第二次世界大戦中の1944年6月6日に連合軍によって行われたナチス・ドイツ占領下の西ヨーロッパへの侵攻作戦。最終的に300万人近い兵員がドーバー海峡を渡ってフランスコタンタン半島のノルマンディーに上陸した、現在に至るまで史上最大規模の上陸作戦である。6年後に勃発した朝鮮戦争に於いてはこのノルマンディー上陸作戦をモデルとして、仁川上陸作戦が立案された。

    ※仁川(インチョン)上陸作戦は、朝鮮戦争中の1950年9月15日に国連軍が大韓民国(韓国)のソウル西方約20キロメートル付近の仁川へ上陸し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)よりソウルを奪還した一連の作戦・戦闘である。


    真喜志「そうです。ですから『極東の安全のために』とか、抑止力として、海兵隊が沖縄にあったり、海兵隊を運ぶためのオスプレイがあったり、船があったりなどというのは、毛頭必要ない。海兵隊がアメリカ本国にいて、一向にアメリカは困らない。では、なぜ沖縄にいるか。安上がりだからです。日本政府が思いやり予算で兵舎を作ってくれる。土地代もただで提供している。我が身だけ持ってくれば良い。兵隊の給料だけアメリカ政府は払えば良い。安上がり」

    岩上「おまけに、じゃあ日本が無人島とか提供するといっても『嫌だ』という。なぜか? 沖縄はリゾート地であるから。そこが本当にリゾート地だからこそ、そこに居るんですよ。酒もあれば、女の子もいて、娯楽施設もあって、ショッピングもできる。家族も楽しめる。何しに来てるんだっていう話ですよね」

    真喜志「海兵隊がいなくなれば『沖縄は、どうやって守るんだ』と言ってますけどね、海兵隊は守る施設を持ってないんですよ。爆弾が落ちてきた先に防空壕があれば助かりますよね。沖縄の海兵隊の基地には防空壕が一つもないんです。というよりも沖縄にいる米軍は防空壕なんぞ持っていない。だから守ろうとも思ってないわけです。とんでもない錯覚をしている」

    岩上「要するに、沖縄に駐留する米軍、海兵隊というのは、沖縄を攻撃される時ということを前提としていない。また、沖縄を自国の領土だと思ったならば、死守しなければいけないですから、防空壕をつくります。ところが死守するべき領土ではないから、いつでも後方基地が必ず用意されていて逃げるわけですね。退避するわけですよね。

    つまりは、沖縄を出撃拠点にして攻撃しているのは現実には、かつてはベトナム、今だったらずっと中東なのです。だからオスプレイが山岳地帯を低空飛行訓練するというのも、これは尖閣を、想定しているわけではない。ただぽかっとした岩山ですから、その辺りをグルグル回るわけでもない。

     低空飛行訓練は、アフガニスタンの山岳地帯を飛ぶために行われている。山々が延々と連なっている、山と谷、渓谷が連なっているところを、低空飛行していく。こういう作戦のための訓練なのであって、中東を前提としているから、中東からこの沖縄が、攻撃されるわけがない。だから何もそこは仮想敵として、目の前の中国軍などを仮想していない。中東がここを攻撃できないから、防空施設もない。こういうことですね」

    真喜志「そうです」

    岩上「あくまで中東に対して攻撃をかける。あるいは、これからホルムズ海峡に向かう。つまりイランに攻め入ろうということです。もう本当に対イラン戦争が着々と準備中なのですけれども、イランが、沖縄に攻撃を仕掛けてくることは、絶対ない。そうした戦争に日本を巻き込もうとアメリカはしているわけです。

     アメリカは日本に対して、集団的自衛権(※)を結べと言っているわけですけど..となったら維新の橋下さん、前原さん、そして自民党の総裁選候補者、皆『集団的自衛権をやれ』と言っている。尖閣ではないんです。相手は中国軍ではないんです。この集団的自衛権を結んだ後『ホルムズ海峡へ行け』とアメリカは言っているわけです。アーミテージは第3次レポートではっきり書いている。この無茶苦茶さですね」


    ※(ウィキぺディアより引用)集団的自衛権は、他の国家が武力攻撃を受けた場合に、直接に攻撃を受けていない第三国がこれを援助し、攻撃に対して共同で防衛を行う国際法上の権利である。米国は日本に対し、憲法九条を改正し、米国との間で集団的自衛権を結ぶよう、圧力を強めている。


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    ◆尖閣をオスプレイが守れるか
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    真喜志「そもそも尖閣の話なんですがね、今のもう一度オスプレイが持っている性能と尖閣っていうことを考えてみましょう。仮に尖閣で何か実力行使を中国が行い、日本とやりあったとして、アメリカも介入するとして、アメリカがオスプレイ持ってるから尖閣守れるはずないんですよ。オスプレイが尖閣に飛んでいったとして、着陸する場所がないですからね」

    岩上「なるほど。まずこれは、平坦な場所があること、ヘリポートを前提としなければいけないんだけど、あの岩山の尖閣には、そんな場所はない」

    真喜志「着陸のためには、最小限でも、30メートル角の平坦な場所が必要です。尖閣のどこにもないです、そんな場所。これから出かけて行って、ブルドーザーで平坦な場所を作った上でトラブル起こすなら、わかるんだけど。」

    岩上「今はない」

    真喜志「ないので、しかもオスプレイは輸送機ですから、人を運ぶ、兵器を運ぶとかはできる。まあ、人を運んだとしましょう。24名乗れます。それを沖縄に今回12機配備すると言っています。それに12x24、300人ぐらい。300人ぐらいを連れていきます。それで300人着陸できませんからパラシュートで降ります。そこに敵なる者がいたとして、ライフルで撃たれます」

    岩上「そうですね」

    真喜志「役に立たない。ほとんど自殺行為ですよ。ですから尖閣でのトラブルが起きることに対して、オスプレイが抑止力になっているとか言うのは、全くの嘘です」

    岩上「戦端が開かれるとしたらば、中国軍が押し寄せてきて、そしてあの無人島にまずは上陸してしまうと。それに対して日本の自衛隊がドンパチ始めて、そこへ今度オスプレイが行くというと、まず空戦となる。ところがオスプレイ自身には戦闘力がないから落とされる。まあ、それを保護する戦闘機も出るんでしょうけど。

     何とか空中戦を乗り切っても、今度は尖閣に着陸ができない。艦砲射撃も食らう。そしてパラシュートで降りた兵士は、そこに上陸しているのが先にいるわけですから、当然そこで撃たれてしまうと。まあ何重にもそれは不可能だという話ですよね。だから、これが役に立つ場面が仮にあるとしたら、この一大戦闘の終盤の話であって、空中戦、そして海戦その他で決着がついて、もうほぼ安全だとなった状態の時に、象徴的にそこに誰かが降りることはあるかもしれない」

    真喜志「ゴムボートを降ろして乗っている人達が、海の中にドブンドブン飛び込んでゴムボートに乗って、漕いで上陸する。その時ぐらいですよ」

    岩上「だとしたら今だって船で近づけるはずですから、船で行って上陸すればいい。象徴的な意味合いしかない。そもそも尖閣の岩山に守るべき、守護すべき施設もないんですから。だから全く何て言うかナンセンスですよね

    真喜志「まあ、あの尖閣を巡るトラブルの抑止力という時には、その抑止力は、もう武力じゃあないですよね。対話ですよね。徹底的に対話することですよね」

    岩上「外交がまずありきですよね。はい」

    真喜志「外交が抑止力であって、その外交が失われた時に衝突すると。衝突すると相手国もこっちの国もそれぞれの兵隊が死ぬことになるわけですから。死ぬことを避けるための抑止力というのは徹底した話合いでしょう」

    岩上「そういうことですね。仮に、いざ喧嘩になったら『俺にはこれだけの武器があるぞ』とひけらかしながら『じゃあ死にたくないから話をしよう』と交渉したりしているときに、オスプレイのようなものを持ってきて『これ抑止力でござい』と言ったら、なめられるだけ、笑われるだけ。だからこれは中国軍もわかっていて、オスプレイは尖閣と何の関係もない。中東に対してアメリカが行う作戦のためのものだろうっていうのは、よくよく知ってるわけですね」

    真喜志「何の脅威でもないですよね」

    岩上「言い換えると日本の国内だけで、日本政府が日本の国民に向かってアメリカの基地をここにずっと維持し続けるためのデマと言いますか、嘘を言い続けている状態。馬鹿にされているのは、日本国民ですよね。非常に残念なことだなと思うんですけれども。今回、パネッタ国防長官が来て、訪日後、中国に行って梁光烈国防大臣に会い、日本の報道では、『中国に冷静さを求めた』とされている。

     中国に脅され、日本は震え上がり、そして自分の親分のアメリカが出てきて中国相手に話をつけてくれた...かのようなストーリーになっているんですけど、実際には『この米中両国の軍同士で手を結ぼう』と、言ったのだそうです。ロイター英語版では、パネッタの記者会見の発言としてそう報じられていました。この話を聞いて、どんなふうに思われますか?」

    真喜志「そもそも尖閣を、日本と中国が領土問題として、きちっと話合いしてないところに問題がある。そしてさらに深く言えばですね、僕の方の気持ちを言えば、尖閣って日本のものじゃない、沖縄のものなんです。私達が漁場とした場所。あるいは、もっと言うと私達以上に、あそこを住処としてきたのが、アホウドリ。要するに昔から人が住んでない場所なんですね。

     それがその後、カツオ漁船の溜まり場になったりとかっていうふうに、沖縄の者たちが使い始めていくわけですが、沖縄を置いておいて、日本が自国の領土だと言っているのがおかしい。それで自国の領土だと思っていて東京都が買うと言ったり、日本政府が買うと言ったり。それは沖縄を忘れていないか? 使ってきたのは沖縄の人達ですよと言いたい」

    岩上「これは、もともときっかけは石原都知事です。国が乗り出すというのであれば、国全体の防衛に関わる話だし、外交も国がやることです。国と国とのトラブルの収拾も、政府の責任ですから政府が動くというのは、まだわかるけど、東京都が沖縄の土地を買うっていうのは、これ失礼極まりない話じゃないですか」

    真喜志「失礼ですよ。不動産屋かいと。石原不動産か、東京不動産か」

    岩上「これは、どう考えても、都知事としての権限を超えていて、沖縄に対して随分無礼な話ではないかと思うんですよね。この点について沖縄の方々は怒ってるんですか? どんなふうな捉え方ですか? あの石原さんの一連の発言で」

    真喜志「まあ全員に聞いているわけじゃないが、呆れたり、怒ったりですよね。『よく言ってくれた、賛成』などという人は、これまで一人も聞いてないですね」

    岩上「わざわざこれだけ火を点けてまわったけれど、もともと実行支配しているところじゃないですか。実効支配している時には、領土問題なんて存在しないといって、落ち着いて守るというのが、常識だと思うんです。北方領土については日本は騒ぎますけど、ロシアは騒ぎません。実効支配しているから。『領土問題なんてないよ』って態度をとるわけです。

     自ら火を点けて、そして自ら係争地のようにして、アメリカの介入を前提として助けて貰わなければ話にならないような道筋を作り出す。これは、愛国的なようで、実は全然愛国的ではない。極めて売国的な態度だと思うんです。どうお考えですか? 既に実効支配しているところです。だからこそ、波風立てない工夫もされているわけです。お互いに合意もあったわけじゃないですか。棚上げ論という。それをこう火を点けていくっていう」

    真喜志「石原さん、何を考えたか、無責任ですね」


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    ◆沖縄の住民運動と返還後の日本政府のアメリカよりの対応
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    岩上「沖縄の施政権が日本に返還されたのが72年ですけれども、沖縄とアメリカとの関係は、いろいろなことがありました。県民が抗議行動したところでどれだけ変わるのか、と冷ややかに言う人もいるんですけど、沖縄県の県民が、アメリカに直接向き合って抗議行動を行うことで、いろいろなことが変わってきたという歴史が、実はあるんですね」

    真喜志「あるんです」

    岩上「この事実については、日本の本土では、十二分に伝えられていません。だからこの間の県民集会のようなもの、あれを冷ややかに言う人もいるけど、意味があるんですね。直接地元の人間が声を上げて、巨大なアメリカという相手、しかも武力を持ってる米軍を相手に話合いを続け、そして変えてきたという歴史。これについてちょっとお話願いたいんですけど」

    真喜志「1970年ベトナム戦争の最中に、沖縄のヤンバルと呼んでいる北の方の亜熱帯の森に、米軍は砲撃演習所を作るんです。山のてっぺんを削って、そこに大砲をヘリコプターで運び込んで、発射地点を作る。それから4キロほど離れたところに、着弾地点を作るということをやったわけです。それで森の中での仕事ですから誰も住民は気がつかない、まあ完成していった。

     それに気がついた住人が山に登ってみて『大変なことだ』と、『山中が焼けてしまう』ということで反対運動が起きるんですよ。それで反対運動が起きて1970年の12月31日に、その近くの集落の人達、おばちゃん達も炊き出しに出るとか、それから那覇から応援の者が行くとかですね、そういうふうに大晦日に大砲の発射地点を占拠して座り込んで、着弾地点にも座り込んで、米軍の演習を完全に止めるんですよ。完全に止めて米軍は諦めるんです。演習をやめることにしたんですよ。

     そういうこととかですね、1966年に天願桟橋という米軍が使っている桟橋があります。タンカーが付いて油を積み混んだりしますけどね。その天願桟橋の陸上部に軍用地を広げようとするんです。その通告があった後、その天願桟橋周辺の人達は、座り込みをずっと継続して、71年の8月になって米軍が諦めたんです。
    5年間かけて座り込んで非暴力直接行動で座り込んで工事をさせない、広げさせないという抵抗を目の前にして、米軍は『じゃあもうやめます』となっているわけです。それと同じことが今起きている、沖縄で。

     東村高江では、既に座り込んで5年、ヘリパッドを作らせないための運動ですね。5年続けてます。それで辺野古の海では、最初の座り込みから数えるともう15年、おばあちゃん達から、今の若い人達まで数えて15年で、工事をさせないことをやっているわけです。

    1972年5月12日の施政権返還。アメリカから日本に施政権が移った。それ以前は、我々は米軍とアメリカ政府と直接対峙して、基地の拡張や演習の拡張をさせなかった。今、それができない。日本政府がどうも盾になっている、アメリカの。我々の盾になるんだったら、我々と一緒に『アメリカに新しい基地を作らないで、そのまま撤退しようよ』ということを言えば良いが、そうじゃなくてアメリカの使い走りで、我々の目の前に日本政府が立つ」

    岩上「いつぐらいから、そういう傾向が明らかになったのですか?

    真喜志「72年5月15日の施政権返還からですよ」

    岩上「ずっと?」

    真喜志「ずっと」

    岩上「日本はサンフランシスコ講和条約の締結によって占領が解かれたとされているんですが、その同日、日米安保を結ぶわけです。以降ずっとアメリカの使い走りとして日本政府は機能しているというわけですね。沖縄の方々には、日本政府の姿がよく見える。沖縄の返還というのは、70年代ですけど、その時には既に戦後の日本政府というものは、アメリカの使い走りだったということですね」

    真喜志「そういうことですよね」

    岩上「それは沖縄にいると良く見えていると。日本政府は明らかに沖縄県民の側ではない、アメリカの側に立っているのだと。非常に深刻な問題ですよね。根本的な問題です。それが、さもそうでないかのように、見せていくためには、『いや、これは国の外に敵がいる。それに向かなわきゃいけない』。そういう外に目をそらす必要がある。そのために、いつもいつも何かフィクションを言っていなきゃいけない状態にある」

    真喜志「今回のオスプレイについても防衛省が昨日出した文書で、時速90キロで地面に叩きつけられるような降り方を『安全だ』と言っているのは、それは誰のために安全って言っているんだと。不思議ですよ」

    岩上「不思議ですね。それは米軍の乗員にとっても本来は困った話ですよね。『そんなものに乗せられたくない』と思うことでしょう。ところがアメリカ政府は、配備して使い続けたい。国内の住民の言うことであれば、これはアメリカは聞き入れる。ところが属国の住民の言うことは聞かない。その属国の総督府に一言言えば、その総督府は、何でもかんでも民意をねじ伏せていくだろうと。こういうことですよね。

     大変残念ですけど、間違いなく沖縄はとても辛い立場に置かれているんですが、日本国民も同様に、その属国の総督府みたいな政府に、民意を汲み取ってもらえず、アメリカの走狗と化した政府に、我々の願いというのは聞き届けてもらえもせず、ちょっと哀れな状態にあるわけです。必要なのは、独立。そして民主化ですね」

    真喜志「そうです。民主化です。この『民主化』という言葉が日本で使われたことがないんです」

    岩上「民主化は必要ない。すでに民主主義は実現されていると思ってますからね」

    真喜志「民主主義だと思っている。ところがその民主主義たるや、新しい憲法ができた時に当時の文部省が、新しい憲法の話を小冊子で出してる。中学生向けの副読本みたいなね。その副読本の中で、憲法九条の平和主義が丁寧に書かれているということで、その後復刻版が出たり解説本が出たりしてます。それも友人からもらって読み進めたところ、民主主義について書かれているのが、間違っている。

     こんなこと書いてある。皆さん物事を決める時どうしますか? 話し合って決めるでしょ。話し合って決まらなければどうしますか? 少数の意見が正しいこともあるかもしれないが、大方は多数の意見が正しいわけです。だから多数の意見で決めるわけです。こんなことになっているわけです。その段階、多数決、民主主義は多数決であるという定義のまま、日本の民主主義は一歩も進んでないんですよ」

    岩上「今、多数決すら取らないですよ、民主党は。全部一任主義ですから、酷いものです」

    真喜志「だから民主党も、民主党の中の民主化闘争をしなきゃいけないし、そうじゃないと『民主党』って名乗れない。それで日本人も日本が民主主義の国だとするならば、民主主義の定義を改めて問いなおす民主化闘争が必要だと。
    だって多数で決めるというだけで留まるならば、我々沖縄は、日本全国の100分の1の人口しかないわけで、私達の意見はいつも潰れます。少数の者たちの、少数の者たちの物事を決める時は、少数の人達の意見を最大、守ると。そうでなければ、少数の者の意見、人権っていうのは絶対守られない」

    岩上「そうですね。基地でも、あるいは、原発でも

    真喜志「原発でもそうです」

    岩上「そういう嫌悪施設の建設というものは、少数者のところ、過疎地帯に建設が強行されたりする。そうするとそこの少数の人達の声というものは、大多数に負けてしまうことがある。もしくは、その少数者が、脅されたり、買収されたりして、建設がまた強行されてしまう。色んな形があります。民主党の場合は、その多数決すらやっていない。増税を決めるんでも議論をすれば党内大反対。それで前原さんが『一任してください』と言って逃げちゃった。

     今、民主党にあるのは『民主主義』じゃなくて『一任主義』ですから。それで総理も、原子力規制委員会の人事を一任で決めてしまう。それはファシズムと変わらない。完全に民主主義はなくなった、ファシズムしかなくなったと言ってもいいと思うんです。もっと丁寧に民主主義のあり様というものを本来考える必要がありますね」


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    ◆オスプレイの非公開ルート
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    岩上「質問が来ているんですけど、オスプレイの日本国内でのルートっていうのは、6本公表されている。実は、もう1本あると。『7本あるはずだ』と。公表されていないルートがあるという話があるそうなのですけど、この点はいかがでしょう?」

    真喜志「ギブピースという米軍の動きを日本国内でウオッチしているチームがありますが...」

    岩上「これが、公開されている6つの...」

    真喜志「公開されている6箇所ですね。山陰地方に『ブラウンルート』というのがあると。しかもその『ブラウンルート』っていうのは、かなり頻繁に訓練に使っており、他よりも密度が濃いと。それを米軍が公表していない。日本政府もないことにしている。ですから今回の『環境レビュー』に書かれてなかった、ブラウンルートは米軍がこっそり演習したい、何か重要なものじゃないかなって僕は思います」

    岩上「なるほど」

    真喜志「公表していないところを見ますとね」

    岩上「公表しているのは、ピンク、グリーン、ブルー、オレンジ、イエロー、パープル、この6つのルート、プラス、ブラウンルートというのがあるということですね。
    先日、沖縄県民大会の取材にIWJからも記者を行かせました。沖縄県内でも、この高江のヘリパッドのことには触れない空気があると報告してきました。県民大会で高江について言及したのは、最後の最後の加藤さんという弁護士だけだったという。

     記者が高江に実際に行ってみると、住民達が風船に付けてカメラを打ち上げ撮った動画によると、もう既にヘリの発着場がほぼできている。これはどうやら『入らないよ』と言っていたメインゲートを通って、資材や人員を搬入していたのではないかと。
    こういう動画も、我々は全部公開したのですけども、沖縄の地元メディアは別として、大手メディアは充分報じませんね。どこのゲートから搬入するとか、住民の了解なく工事は進めないとか、そうしたこともすべて、話し合いをしてきたわけですよね。でも、そうした話し合いや紳士協定というものを突破して、着々と作られていきつつあるわけですね」

    真喜志「高江の問題はですね、こんなことを日本政府がやるのっていうことをやっているんですね。沖縄県の条例で『滑走路の長さ30メートル以上のヘリポートを作る場合は、環境への影響を徹底的に調べなさい』と定められているんですね。ところが高江で、既に着工しているヘリポートは、直径45メートルもあるんですよ。
    ですから、本来なら県の条例に従って、環境への影響を調べるっていうことを、きちっとしなければいけないが、してないんです。してなくて何て言っているかというと、『県の条例はヘリポートだ』と『高江に作るのは、ヘリパッドだ』と、『だからやる必要はない』と。それを国がそう言い、沖縄県もそれを認めている。とんでもない話でしょ」

    岩上「言葉の言い換えと言いますか、ヘリ発着場って言えばすむことですね」

    真喜志「当初からオスプレイの配備のことだろうというふうに我々は、推測していましたが、今度の『環境レビュー』で、それがはっきりしましたね。北部訓練場と呼んでいるジャングルの地形に沿って飛行する。その地形に沿って飛行する出発点が今工事に入ろうとしてるN4という場所なんです。

     これがはっきりしたわけです。だから急いでいる。こっそり別の門、ゲートから砂利を入れる、作業員を入れるとかをやってますしね。『オスプレイの配備には反対である。けれどもヘリパッドの建設には反対しない』というのが村長の立場であり、知事の立場なんですね。だからオスプレイの配備に反対ならば、今やっている工事もストップかけろというのが、現場で座り込んで直接行動をしている人達だし、我々、応援団もまた、そうですね」

    岩上「仲井眞知事(※)が、今回10万人を超える、基地関連では過去最大とも言われる県民大会に出席しなかった。この10万人という数字は、主催者発表だから割り引く必要があるとしても、大変な人が集まったことは間違いない。その大会に、ご出席にならなかった。メッセージだけを寄せた。このことについて大変批判が、渦巻いているようですが、これはどういうことなのでしょう?」


    ※仲井眞 弘多 なかいま ひろかず 現沖縄県知事1939年8月19日生まれ。
    1961年東京大学工学部機械工学科卒業、当時の通商産業省に技官として入省。1987年沖縄電力理事1990年大田昌秀知事のもと、沖縄県副知事1995年沖縄電力代表取締役社長2006年沖縄県知事選挙に自民・公明の推薦を受け出馬。野党8党の推薦・支持を受けた糸数慶子を破り初当選。


    真喜志「僕もよく訊かれて、答えにくいことなんですが、仲井眞知事は、オスプレイ配備に反対の県民大会に参加したという事実が残って、後の彼の行動が取りにくいというふうにも考えているのかなと思います。10万人集まったことを評価しつつ、でも自分は参加しなかったよと、それによって、フリーハンドを持っているつもりなのかもしれない。よくわかりません」

    岩上「集会へ出てしまうと、建設中止、配備反対ということが鮮明になってしまうので、政治的にどちらにでも転がるような状態に身をおいておきたいということですか」

    真喜志「それで、ああいう行動になっているんだと思いますね。10万人以上集まった県民大会。その県民大会が成功したことを喜んでいるというコメントは、しますよね」

    岩上「それで配備についても基本は『反対だ』という。『安全性が確認できない限り』と。言い換えれば『安全性が確認できる』となったら、賛成ということですよね。そしてこれは国が今回出したものは『安全性が確認できた』と言い張ってるわけですから。となれば配備に反対する理由はなくなる」

    真喜志「沖縄のここ十数年の基地問題は『危険な普天間飛行場を閉鎖してくれ』という、要求からスタートしているわけですね、基本的に。その危険な普天間飛行場は放置したまま、危険だと皆が認識しているオスプレイを配備している。これはとんでもない話ですよね。オスプレイを配備しなければそれで万事めでたしなのか、というとそうじゃない。

     危険な普天間は、閉鎖させる。今度の『環境レビュー』で特徴的なことは、『環境レビュー』の中で初めて米軍が、米軍の安全基準に照らして『普天間は危険だ』ということをちゃんと書いているんですよ。クリアーゾーン滑走路の端から延長900メートル幅500メートルぐらいのエリアは、クリアーゾーンと米軍は呼んでいて、何もあってはいけない。
    人の生活や何かが、あってはいけない。要するに原っぱにしなきゃいかんと。そういうクリアーゾーンが、街の市街地にはみ出しているということを、ちゃんと地図も入れて書いてるんですよ。
    ということは、彼ら自身が普天間は安全基準に照らして『不適格』だということを自分達が言ってるんだから、だったらそれを安全であるように解消しなさい。ということは、基地がなくなるか、我々が、抜けるか。我々は引っ越すわけにはいかない。我々の土地ですもん」

    岩上「そうですね」

    真喜志「という根本のところにやっぱり戻らなきゃいかん。ですから県民大会でオスプレイ配備反対で、オスプレイの配備をしなきゃそれですむのか。すまない。すむのは、危険な基地をまず撤去せよと。そこに戻らなきゃいかん。
    それで戻っていった時に、米軍が今回出した『環境レビュー』、それを僕らはバイブルにすると。あなた方が危険だと認めてるじゃないかと、だから退きなさいと」

    岩上「アメリカの言うことを、唯々諾々として従う日本政府、そのだらしなさを見ているにつけ、よく揶揄と言いますか、自嘲気味に、『まあ日本はアメリカの51番目の州だから』みたいな、そういうことを、ジョークのように言う人がいるんですけど、51番目の州であれば、この『環境レビュー』は適応されるんですよね。そしてそのような無茶は行われない。

     日本は、アメリカの州のひとつには、ならないし、なれないし。アメリカ国民と同等の権利が与えられることはありえないからです。
    沖縄の場合は非常に長い間、アメリカの施政下にあった。ですからこの話は、リアルな話だと思いますけれども、そういう施政下にあった時に、米国の国民と同じ同等の権利が、与えられたかと。与えられないわけですよ。そういう無権利な状態、我々の権利が決して守られない状態があり得るんだということを、沖縄の方々は嫌というほどよく御存知である。
    沖縄にしわ寄せしているから日本の他府県の国民は実感がないけれども、日本国民も潜在的には、同じ状態に置かれているんだということです。

     米国という帝国の一部にされてしまっているが、米国と同等の権利を与えられない。属領の民。また、残念なことに日本政府は、そうした状態にすっかり適応して、米国の使いっ走りになってしまっている。メディアもです。財界もです。そういう非常に残念な状態になっている。
    沖縄のことは『沖縄問題』として括るべき問題では僕はないと思うんです。これは、日本の敗戦によってその後ずっと続いている問題であると思います。孫崎享さんが『戦後史の正体』という本を書きましたけど、戦後史の今も一部として沖縄があり、我々も同じような状況下にあるんだということを、何度となく思い起こす必要があるんじゃないでしょうか」


    <インタビュー終了>


    真喜志 好一(ウィキぺディアより引用)まきし よしかず1943年生まれ 建築家、構造家。沖縄県那覇市出身。ブログ沖縄・辺野古海上基地の問題を中心に maxi's_page【URL】(http://blogs.yahoo.co.jp/okinawa_maxi)沖縄はもうだまされない 辺野古の海上基地と高江のヘリパッド新設の真相 真喜志好一のHP【URL】(http://www.ryukyu.ne.jp/~maxi/)

    1968年、神戸大学大学院修士課程修了後同大学工学部助手。大学在任中は構造エンジニアとして、当時関西の著名な建築家作品の構造をいくつか担当する。1972年に沖縄に戻り、沖縄開発庁沖縄総合事務局に勤務。1976年、同庁を退職し、那覇市に建築設計事務所、有限会社建築研究室DIG and PILE(DAP)を設立。

    1981年、日本建築士連合会作品展優秀賞受賞。

    1984年から1985年まで、琉球大学非常勤講師を勤めた。
    一坪反戦地主会、白保の海と暮らしを守る会、SACO(en:Special Action Committee on Okinawa)究明委員会、意見広告を出す会、沖縄環境ネットワークなどの市民運動に深く関わる。

    1998年、第25回ピースボートに水先案内人として参加する。2003年、第41回ピースボートにて、ふたたび水先案内人を務める。

    【主な建築作品】
    沖縄大学校舎(1、2、3号館)
    沖縄キリスト教短期大学校舎:1991年度日本建築学会作品賞
    佐敷町文化センター(シュガーホール):1996年度日本建築学会作品選奨
    佐喜眞美術館
    壺屋焼物博物館
    那覇市識名児童館・老人福祉センター:『新建築』1985年9月号掲載
    大宜味村大保公民館
    真喜志邸:『新建築』1978年8月号掲載
    社会福祉法人あおぞら福祉会 あおぞら保育園

    【著作】
    『沖縄はもうだまされない 基地新設=SACO合意のからくりを撃つ』(2000年、高文研)共著:崎浜秀光、東恩納琢磨、高里鈴代、真志喜トミ、国政美恵、浦島悦子
    『沖縄の真実、ヤマトの欺瞞 米軍基地と日本外交の軛』(2010年、春秋社)共著:神保哲生、宮台真司、伊波洋一、大田昌秀、我部政明
    『「沖縄問題」とは何か 「琉球処分」から基地問題まで』(2011年、藤原書店)編:藤原書店編集部 共著:大城立裕、西里喜行ほか
    『オスプレイ配備の危険性』(2012年、七つ森書館)共著:リムピース、非核市民宣言運動・ヨコスカ

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