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    原発問題 -The Truth is Out There-

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    岩上安身のIWJ特報 第65号「今回の衆院選は憲法違反!選挙に投じた清き1票は実は0.2票だった(中編)」 

    第65号
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                岩上安身のIWJ特報
      今回の衆院選は憲法違反!選挙に投じた清き1票は、実は0.2票だった
               升永英俊弁護士インタビュー(中編)
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    2012/12/27
    (IWJ転載許可済み)

    (前号の続き)

    =============================================
    ◆2012年最高裁判決の意味するところ
    =============================================

    岩上「日本の風土では、とりあえず、目の前にいる人との、ちょっとしたいさかいを避ける。政治の話をするだけで、いさかいになるから」

    升永「それはなりますよ。当たり前ですよ、それは。『権力闘争』なんだから」

    岩上「そうですね。だから、かわしてかわして、かわしていって、請願運動だけが広がっていく。だけれども、本当の権力は掌握しようとしない。

     例えば、原発なら原発を止めようと言う──何度も何度も原発の話ばっかりしていますけども、これは一例ですから──しかし実現できない。こういうやり方じゃ、ダメだなというふうに思われているわけですね。

     そういう只中に、今こそ『一人一票の格差』を覆せるかもしれない、勝機がやってきたとおっしゃられているんですね。

     その1つのきっかけが、今年出た最高裁の判決であるというふうにお聞きしているんですけれども。これまで、こうした『一票の格差』に対して、違憲であるとか、違憲状態であるとか、色々言われてきた。

     今回の最高裁の判決というのは、どのようなものであって、何がこれまでと違うのか、そこをお話願えますか?」

    升永「そうですね。たぶん、このインタビューを見ていただいている人も、『一票の差別』ということは薄々分かっても、どうも歴史もよう分からんと。というのが圧倒的に多いだろうと。そこら辺りを、ちょっと私なりに話してみますと。

     元々、この『一票の差別』に対する裁判というのは、越山先生(*4)という弁護士さんが、まだ弁護士になる前の20代、司法試験に受かっているけども、司法研修中、学生みたいな身分で、過ごしているときに、50年前に始めて、2009年にお亡くなりになった。

    *4:越山康(こしやまやすし)氏は、1962年に、参議院選挙での「一票の格差」を日本で初めて裁判所に訴え、その後も、20件以上の定数訴訟を起こしてきた弁護士。2009年11月27日死去。(http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009113001000846.html

     50年間、彼は弁護士として、この運動をやって来られて、彼のおかげで、『清き0.5票』になった。彼がいなきゃ、もっともっとひどいことになっていたんです。私の運動も、彼の最後の3年間に、シッポにくっついて始めた運動なんですね。彼の成果に乗っかっているだけなんです」

    岩上「大先達がいらっしゃったんですね」

    升永「大先達がおられて、そのおかげなんですね。どういう歴史かというと、違憲判決には3分類ありまして、いちばん決定的なのが『違憲無効』。代議士さんたちが、判決と同時に失職するというのが『違憲無効』。国会議員の資格を奪う、選挙無効だというのが『違憲無効』判決です」

    岩上「その選挙が無効になってしまうということですね」

    升永「そういうことです。だから、もう1回やり直せというやつ。2番目が『違憲違法』判決。ステップ2があるわけです。これは『違憲無効』と同じなんだけども、『違憲無効』というふうに判決を出しちゃうと、次の選挙があるまで、その選挙区の有権者は、国会に対して誰も代表がいなくなると。それは、その選挙区の人にとってはかえって公共の利益に害することになるから、『違憲無効』とまでいわなくて、『違憲違法』判決にとどめる。聞いたことがあるかもしれないけど、これを『事情判決の法理』という。

    『事情』により、公共の利益を害する。何が公共かというと、その選挙区の何十万人の人たちにとっては『選挙無効』だというと、国会に誰もいなくなるので、かえって損でしょと。

     だったら、そういう『事情』があるんだから、あえて無効にしないで、その代議士さんは、まだ代議士の地位を保持しながら、だけど、この選挙は違法でしたと言いましょう、というのが『違憲違法』判決。こういう判決は、25、6年前に2つ出た例があります。歴史上。

     だけどそれ以外は、全部3番目のレベルの判決。もっと軽い『違憲状態』判決というもの」

    岩上「これはよく聞きますよね。『違憲状態』って」

    升永「それでも、過去50年間で出た例は7つぐらいじゃないかね。これですら。

     『違憲状態』判決というのは、3番目のレベルだから、ずいぶん軽いんでしょと、ニュアンスとしては思うけども、『憲法違反』という重さ、軽さからいうと、3つとも『憲法違反』で、まったく同レベルで、重罪なんです」

    岩上「重罪。大変なことなんですね」

    升永「大変なこと。『憲法違反』だからということで、3つに差があるわけじゃない。みんなレッドカードなんですよ」

    岩上「この意見広告の文、先生がお書きになったのかもしれませんけれども、厳しいことが書いてありますよね。

    『そもそも、日々、違憲状態の法律に従って国家権力が行使されている。よって、国家権力(課税権を含む)は実質的に正当性を欠いている』

    税金を納めているのにっていう話ですよね。

    『そして、その意味において、日本は法治国家ではない。ことは深刻である』

     このくらい、違憲ということは、それが『違憲状態』であれ…」

    升永「深刻なんだよと。違憲なんです」

    岩上「違法であれ、無効であれ、大変深刻である……」

    升永「同じものなんです。レッドカードなんです」

    岩上「レッドカードなんですね。ことの深刻さとしては」

    升永「同じなんです。だから、イエローカードとレッドカードの差じゃないんです。レッドカードなんです」

    岩上「なるほど。本来だったら、退場だよってことなんですね」

    升永「退場なんです。それが、なぜ『違憲状態』と言われているかというと、裁判所は、これは『憲法違反』だと、もうすでに言っちゃっているんですよ。2か月前に。

     ただ、国会にも猶予期間を与えましょうと。裁判所は『この法律を変える猶予期間は、もう終わった』とは言いませんと。だから、猶予期間の間に、直す余裕をあげましょうと。だから『違憲状態』と言っているわけです」

    岩上「なるほど。2012年最高裁判決。(さっき話題に上った新聞広告を示しながら、)今おっしゃっているのは、これの件ですね。

    『“参議院議員の選挙であること自体から、直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出しがたい”と判断した。平たく言えば、投票価値の平等の要請の点では、参院選の選挙権は、衆院選の選挙権と同じであると判断した』と。

    同じであるのは当たり前のような気がするんですけど、改めて、同じであるということをここで言ったと。

     そして、『同判決は“参院選の一票の価値は、参院の独自性を理由に、衆院選の一票の価値より票の格差が大きくて当然である”としてきた』

    これまで、当然であるとしてきたわけですね。『一票の格差』は大きくてもいいんだと。受け入れてきた」

    升永「参議院は、衆議院よりは一票の住所差別がひどくてもいいと、ずっと言ってきた」

    岩上「ずっと言ってきた。

     『過去40年あまり続いてきた“国家の仕組み”を根本的に変える“革命的な判決”である』と。『一人一票実現国民会議は、国民のためにこの歴史的な判決を下した最高裁判所裁判官を心の底から深く、深く尊敬する』と。

     これは、先に読んだ人は、このあいだの国民審査で、バツつけなかったかもしれませんけれども。ということなんですね。今回は、ここが非常に重要だと。参院は『一票の格差』があってもいいよと。そういう容認が今までなされて来ていた」

    升永「戦後、ずっと言ってきたんですよ。参院は良識の府だと。衆院と同じであってはいけないと。参院は、やはり良識の府で、地方の意見を代表するようなしっかりした良識の府でなきゃいかんと。

     だから、地方の議員に厚く、地方の人たちに厚く投票価値を与えて、平等でないレベルを参院は厚くして当然だと。それが、むしろ正しいんだという議論が、日本では2カ月前まで行われてきた。ずっとそういう哲学で、そういう判決が出て、憲法の教授もそう教えていた。

     ところが、2カ月前の最高裁判例で『いや、違うよ』と。『衆議院と参議院は、同じ国民が選ぶ。国民という主権者が選ぶんだから、主権者の投票価値は、参議院も衆議院も同じだ』と。

     ところが、今ですら、さっき言った北海道が0.2。これは参議院なんですね。衆議院はどうなっているかというと、清き0.4票なんです。違うでしょ、0.2と0.4で。まだ、最高裁判決通りに法案が修正されていませんけれども、最高裁判決は『差をつけちゃいかん』というから、参院については、0.2票だったものが0.6票まで上がったんですよ。この2カ月前の判決1つで。衆院も2011年、1年半前に判決が出た。『一人別枠制』が違憲だという判決が」

    岩上「『一人別枠制』というのは、各都道府県に1議席というのをまず先に与えるということですね」

    升永「都道府県は47ありますから、都道府県は、人口1,000万人の東京も1議席しかないし、鳥取県みたいに60万人ぐらいしかいない県も1議席と。すいぶん差がありますよね。1,000万人に1。

     そういうふうに、300議席の内、まず47議席を優先的に取り上げて、残りの253議席を、都道府県単位で、人口比例で分配しなさいと、法律はなっている。つい1カ月前ぐらいに法律改正になっちゃいましたけども、1カ月前ぐらいの法律では、そうなっている」

    岩上「そうすると、当然のことながら、人口が多い地域でも一票。人口の少ないところでもまず一票というのを先に持ってきていますから、あとで、人口比例で分配したところで、最初のところで歪みが出ているので、実際問題として、正確な人口比、それにぴったり当てはまるような議席数の配分ということは、なされようがなかったんですね。制度的に元々…」

    升永「無理」

    岩上「無理だったわけなんですね。あるエリアに一票を与えようという思想がそこにまずあった。それが公平だったり、公正だったり、平等だったりするだろうという、とりあえずの考え方があった。まず、人口よりもエリアに、ということだったわけですね。

     それはそれで公平だろうと、当時はそう考えていた。そういう考えが長く続いてきたけれども、これを改めようということになっているわけですね」

    升永「そういうことですね。それが、1年半前の大法廷判決。衆議院で『一人別枠制』をとった」

    岩上「なるほど。1年半前に」

    升永「それで、2カ月前の参議院の大法廷判決は、今度は、都道府県単位に選挙区割りをしちゃいけませんというふうに断言しちゃったわけです」

    岩上「断言した。これは大きい」

    升永「大きいんだよ。これは、都道府県というのがものすごく癌だったわけなんだよ」

    岩上「『一人別枠制』というのがね」

    升永「『一人別枠制』じゃない。『一人別枠制』は、まだ都道府県があるんだよ。『一人別枠制』をとったとしても、まだ人口で割りつけるという都道府県単位という制約があるから、『一人一票』にならない。ところが、参議院では、都道府県を取っちゃったんだから、あとはもう『一人一票』だよ」

    岩上「『一人一票』になる?」

    升永「僕はなると思いますね」

    =============================================
    ◆衆院選の翌日に訴訟を起こす
    =============================================

    岩上「今回、選挙が行われましたけれども、行われたあと直ちに、『これは違憲である。違憲状態のまま行われた選挙である』ということで、『今回の選挙は無効だ』ということを訴えて、訴訟が行われた。これは、先生も含めて、しかも1ヶ所ではなくて、全国で何カ所も同時に行われたというふうに聞いているんですけど、どういう狙いがあって、何カ所も行われているんですか?」

    升永「全国で裁判を起こした1つの理由は、この選挙無効訴訟というのは、高等裁判所は、どこでも起こせるわけです。日本の高等裁判所は、支部も入れますと14あるんですね。南は、福岡高裁・那覇支部というのがあって、北は北海道の札幌高裁というのがある。その中間にも、東京高裁とか、大阪高裁とかありますから」

    岩上「高裁自体は8つ。そこに6つ支部があって」

    升永「合計で14。それに、例えば、福岡高裁でも部というのがありまして。部というのは裁判所ですよ。福岡高裁も1つの裁判所じゃなくて、裁判所が区分けされていて、計5つの裁判所がある。福岡高裁と名乗って判決を書けるところが5つ。だから、そういうところも勘定すると27。ここで起こしました。全国の裁判所に一斉に、投票日の翌日に、裁判を全国で起こした、17日に。

    なぜ17日に起こしたかというと、今までは、選挙から1ヶ月後に訴えを起こしていたんです。以前、私は衆議院選挙のときの裁判を3年前にやりまして、それから、参議院選挙のときの裁判をおよそ2年前に始めた。いずれも、選挙が終わってから1ヶ月経つ直前ぐらいに訴えたわけ。今回は、もう1ヶ月も無駄にしたくないので、翌日に全部やっちゃったと。

     なぜかというと、この選挙無効裁判ということの本質を、私は誤解していたんです。選挙無効裁判というのは、憲法違反の判決を、最高裁に出してもらわなきゃいけないわけだから、これは、最高裁判決までに、10年かかってもしょうがないよなと思い込んでいた。大事件だから。もう歴史上、これ以上ないというような大裁判が、この選挙無効訴訟なんだと。しかも、最高裁の大法廷での判決は、歴史的にほとんどあり得ない。

    1年間のうちに、大法廷判決というのは1回あるかないとか。何年か前は、何年にもわたって大法廷判決がゼロだったというぐらい、大法廷判決というのは、なかなか日本では数少ない。そういうことをやるわけだから、これは一年半かけても、じっくり取り組んでいただいて、判決をいただきたいというふうに思って、私はやっていた。急がせちゃ、かえって不利な判決もあるかもと。不利益になるし、というふうに、何の躊躇もなく、そう思っていたわけ。

     ところが、たぶん40日ぐらい前だったと思うな。ふとしたところから、公職選挙法213条の一項と二項を見てみたら…。普通の人は、弁護士だから、法律のことは知っていると思うだろうけど、残念ながら、少なくとも私はそういう人間じゃないし、正直言って、日本中誰ひとり、裁判官も知らないし、気がついていないし、法学部の憲法の教授も気がついてない」

    岩上「隅から隅まで頭に入っているわけないですもんね」

    升永「だから弁護団も、誰も気がつかない。私も気がつかない」

    岩上「そうですか」

    升永「専門家なんて、そんなもんなんですよ。法律学だけじゃないと思いますよ。原子力発電のなんかやっている連中も。だから、みんなそんなもんなんですよ。専門家っていうのは、むちゃくちゃなもんなんですよ。現に私もそうで、213条の二項をたまたま見たら、一項には『事件を受理してから100日以内に判決を下すように裁判所は“努力”しないといけない』と書かれている。

     これ、私は裁判を起こした後、担当裁判官から『これは100日裁判だ』という話を聞いていた。100日裁判って、どこかに規定があるんだな、ぐらいに聞き流していた。『努力』という規定だから、『努力した』って言われりゃ、それでしょうがないと思っていたんですよ。

     100日ということに、そんなにしゃかりきにならなかったんですね。それよりはもっと、200日かかってもいいから、いい判決が欲しいという事ばかり考えていた。

     ところが、40日前に、となりの二項というのを見ますと、これはとんでもない事が書いてあるわけです。どういうことが書いてあるかというと、『選挙無効裁判においては、他の訴訟の順序に関わらず、裁判所は、速やかに裁判を行わなければならない』と。ここに『努力』という言葉は一つもない。しかも、『他の訴訟の順序に関わらず』というのは、大変重たい言葉です」

    岩上「他の訴訟の順序。色んな裁判が並んでいるわけですね。たくさん先客があるものを飛ばしてでも、ある日数で答えを出さなきゃいけませんよと、かなり厳しい規定ですね?しかも『努力』でもない」

    升永「努力でもない。だから、むちゃくちゃ厳しい規定なんですよ。それに気がついたのが40日前。これは大変なことだと。それで、その時に思ったのは、高裁が100日でやらなきゃいかんと。最高裁も100日でやらなきゃいけないと。だから、合計200日間だろうと思ったわけです。

    ところが、1週間前ぐらいに、『いや、そうじゃないんじゃないか』と思ったんですよね。なぜ思ったかというと、これは私が発明したんじゃなくて、本当のことを言うと、元最高裁判事が教えてくれたんです」

    岩上「そうなんですか? 元最高裁判事は、今弁護士かなんかやられている方ですか?」

    升永「何も言いませんけども」

    岩上「そうですか(笑) 耳打ちしてくださったわけですね。これは、実は、別々の話じゃなくて、合計で100日だと…」

    升永「言ってくれたわけですよ。それ以上はヒントがないけど、そのあと僕が考えたんだよね。なぜかというと、213条というのは元々、こういう規定なんですよね。選挙法が憲法違反だということを争うような裁判の制度として、法律は作られていなかった。

     たぶん、これは元々古い法律なんですよ。50年か、60年ぐらい前にできた法律でしょ。だから、予定したのは、選挙違反で通った人がいましたと。

    例えば、汚職をやって選挙運動をやって通っちゃったと。そういうことを証明すると、汚職をやって通った人を代議士にするわけにはいかんから、これは無効にすると。それで、選挙をやり直すと。そのために100日、やり直してやれということで作った法律なんです。その後、最高裁はすごくて、『選挙無効』というのは、何も選挙違反で汚職だけじゃないでしょと。憲法違反で、選挙に傷がつくこともあるでしょ、ということで、越山先生が裁判所を説得したんです。

     裁判所も偉いと思いますけども、越山先生の言ったこと─さっき言った50年前からおやりになっていたという方─が、裁判所を感動させて、裁判所も感動して、これを受け付けないと憲法違反の選挙を正す方法が、日本国民は誰も持たないと。これはあっちゃいかん、司法がそれを救済しなきゃいかんということで、この制度を公職選挙法で認めたんですよ。

    ものすごい歴史があるわけですよ。長い、長い歴史が。ずっとずっと、50年間、やり続けたわけだ。50年間の歴史がガチガチに固まって、やれることになったわけですよ。ところが、越山先生も含めて、誰も100日のルールが『選挙無効』裁判でも同じように適用される発想がなかった。私も誰も気がつかなかった。

     だから、越山先生も100日でやれと一言も言わなかったんですよ。だけど、高裁だけだって100日でやるとは私も思わなかったし、誰も思わなかった。高裁でやれというのは40日と思ったけど、最高裁も含めて、トータルで100日でやらなきゃいかんという法律だと気がついたのは、10日ぐらい前なんですよ」

    岩上「今から10日ぐらい前? 最高裁も含めて?」

    升永「だから、今まで2年4カ月ぐらいかけてやっていたものを、100日でやれと。これはえらい大変。しかも、それは再選挙を狙っているわけですよ。

     だから、そんなキズものの国会議員が、国会議員面して法律を勝手に作って、総理大臣を勝手に選んで。国会議員の資格のない人間が、本来なるべきでないのに、総理大臣だというようなことを言って、あれこれ国家権力を行使するようなことをしちゃいかんと。いかんかどうかを100日で判断しなさいと。それで、いかんとなったら再選挙しなさいと」

    岩上「今回は、最高裁判決が出たあとの最初の選挙なんですよね。その上で、今回の訴訟が行われて、今度は100日以内にやらなきゃいけないんだということを、裁判所側も、そして訴えを起こした側も、はっきり意識している」

    升永「(裁判所側は)意識しています」

    岩上「何か、裁判所側も意識していたという兆しを感じられているのですか?」

    升永「是非お伝えしたいのは、だいたい裁判所は、口頭弁論期日という、裁判を開く期日というのを何回かやるわけです。それで、判決言い渡しが行われるというのが通常の裁判の手続き。今回、我々が言っているのは、口頭弁論は1回」

    岩上「1回?」

    升永「1回。もう2回要らない。たった1回でいい。もう全部証拠も出しましたと。書証も、国側も、我々はもう50年間、同じことを言っているわけですからね」

    岩上「なるほど。それだけ積み重ねがあるし…」

    升永「もうなに言っているか、決まっちゃっているわけですよね」

    岩上「そして、その前に最高裁の判決がそもそも出ているわけですし、これを参照して、早く答えを出せと」

    升永「やればいいだけの話。そういうことです。だから、もう我々は、口頭弁論も1回以上要りませんと。だから、1回開いて、あとは判決言い渡しを何日と指定して、判決を言い渡してくれれば結構ですと訴状にも書いて、証拠も全部出して、これ以上、反論しませんと。国が何を言おうが、選挙管理委員会が何を言おうが、もう反論しませんと。我々は、新たな主張をしません、ということで、訴状も証拠も全部出した。

     『形式的に口頭弁論を1回だけ開いて、もう判決を出してください』という130ページを超える訴状と証拠をドンと出したのが17日ですよ」

    岩上「しかも、27の部に」

    升永「出した」

    岩上「これは事実上、全国をカバーしているということですよね?」

    升永「全部カバーしている。ところが、過去そういうふうにやっても、第1回口頭弁論期日が入るのは、過去の例からいうと──例外的に早いところは、実はあるんですけれども──それを除けば、だいたい30日後とか、40日後とか」

    岩上「スケジュールが決まるのがのんびりしているんですね。そう言っちゃなんですけど」

    升永「そうそう。ところが、17日に訴状を出して、もう18日、翌日に、裁判所から弁護士に連絡があって…」

    岩上「翌日?」

    升永「翌日。これはもう、びっくりしました」

    岩上「18日ということですね?」

    升永「18日に連絡があって、『1月の中旬に口頭弁論の期日を調整したいので、あなたの都合の悪い時間はどうですか?』というふうに裁判所から直接、弁護士にコンタクトがあった。それが、札幌高裁と仙台高裁」

    岩上「複数の裁判所で、そういうふうに言ってきたわけですね」

    升永「それで、現に弁護士だけでは決められませんから、国側の選挙管理委員会の日にちも決めて、もう1月15日って決まっちゃった。14時30分」

    岩上「もう決まったんですか? それは、各地でだいたい同時刻ということですか?」

    升永「札幌だけです。仙台は1月23日に、これも確定。相手方の訴訟代理人も法廷に出てきて。1回結審で終わるかは分かりませんが、私は1回結審で終わるつもりで、裁判官も考えておられるんじゃないかと思います」

    岩上「いずれにしても、裁判所の反応というのは、これまでにないほど素早い?」

    升永「いやもう、全然違います。もう全然違う。信じられないぐらい。信じられませんね。それだけじゃなくて、東京高裁からも反応があって、1月中の21日とか、そんな日に決まるような方向の可能性がありますね」

    岩上「1月の21日あたりになりそうだと?」

    升永「『私どもは、これだったらいいです』という問い合わせがあって、答えています。それから、大阪高裁、福岡高裁もそうだということですね。全国的にものすごい、考えられないようなスピードで口頭弁論期日が決まっています」

    岩上「これは、先生の狙い通り、仮に1回で結審ということになったとしたら、いったい判決というのは、どのぐらいになる可能性があるんですか? あくまで可能性ですけど」

    升永「可能性としては、5日後に判決を言い渡したことだってありますよ」

    岩上「5日後? ということは…」

    升永「今日、東京高裁から、私たちが作った130ページを超える訴状の電子データを、東京高裁に届けるように連絡があって、もう届けました。裁判官は、我々の電子データを見て、それを判決に加工することがもう可能な状態になっている」

    岩上「訴状というものは、ちゃんと書類としての体裁を整えて出しているわけだけども、それとは別途、電子データをよこせということは、これは早い話が、それをコピペして、編集する作業に入りたいので、くださいと言っているわけですね」

    升永「そうです」

    岩上「これは、かなり事務的な話ですよね。判決書に着手しますよと言われたに等しい。色々な諸々の作業をやらなきゃいけないので、データをくださいと」

    升永「うん。裁判所は、やっぱり50日でやろうと思ったら相当それは大変だよね。判決というのは、大変な時間がかかりますからね」

    岩上「5日後にこれが出るということになると、極端なことを言うと、1月中に判決が出てしまう可能性もあるということですか?」

    升永「可能性としてはあるでしょう」

    岩上「可能性ですけどね、もちろん。それが少々延びたとしても、いずれにしても、前おっしゃったような何年もかかる裁判にはならない?」

    升永「うん。それはやっぱり、ここをぜひ、申し上げたいんだけど、なんでそんなに急ぐかというと、今大変なことが起きているわけですよ、日本の中で。

     なぜ大変なことが起きたかというと、国民の多数の意見で、多数の国会議員を選べないわけですよ。だから、現状では日本の多数意見が、国会議員の多数意見とは違うんです」

    岩上「民意と乖離しているかもしれない」

    升永「その人が『だけど、多数決だ』と言って独占するわけですよ。国会議員と称する人が、法律を全部作っちゃうし、原発を止めるか止めないかもやっちゃうわけでしょ。次の選挙までは」

    岩上「改憲もできちゃうかもしれない」

    升永「そうそう。ありとあらゆる国家権力を、国民の多数意見とは違う人たちが、やりたい放題にやっているわけですよ、今。だから、それはせいぜい100日で正さないかんというのがこの制度なのです。

     だから、今が極めて異常事態だということを、公職選挙法213条で認識した上で、ああいう100日裁判のルールができている。だからやっぱり、あのルール通りにやらないかん。

     そうなると、100日ってえらい気が狂ったような時間だけども、それよりも気が狂っていることは、むしろ、国民の多数意見とは全然違う人たちが、国家権力を行使して、原発を進めるとか、ありとあらゆる日本の法律を作っちゃうとか、税金を取っちゃうとか、こういうありとあらゆることを国家権力はやるわけでしょ。やっているわけですよ、多数派が。それは100日で、もういい加減止めてほしいというルールだから、急がなきゃいかん」

    岩上「これは、大変なことです、本当に。特に、ルールにおける一番の根幹である、一番の基本である憲法の改正。憲法を改正するというのは、これまでは、絵空事のような話に聞こえていたんですけども、今回、自民党および日本維新の会は、選挙中もはっきりと改憲を訴え、自民党改憲草案まで用意し、今回の選挙の結果、自民・維新を合わせるだけで、改憲発議ができる3分の2を超えたんですね。

     ここで毎回、下駄の雪のようにくっついていく公明党であるとか、同様に憲法改正するべきだと言っていたみんなの党や、あるいは、民主党の中にも改憲論者がかなりいますから、これらが乗っかってくるというようなことになりますと、全部合わせていくと8割ぐらいが、改憲勢力で占められているのではないかというふうに言われるんです。

     ところが、改憲に対して反対だと言っているのは──改憲賛成だと言っている人と、どちらか分からない人と、いろいろありますけれども──明白に反対だと言っているのは、少なくとも、今まだ国民の4割はいるんですね。

     しかも、改憲と言っても9条だけじゃないんですよ、問題は。今回の自民党案は、基本的人権についての第97条の条文を丸々削除するとか、びっくりするような内容が含まれているし、『非常大権』、内閣に非常時に大権を与えるという条項も入っている。ナチスか、と言いたくなるような条項が入っている。こんなものを丸々、委任した覚えもないのに、今の数だけだったら通ってしまうかもしれないのですね。

     この憲法問題、改正問題は今日のテーマではありませんから、それは深入りしないとしても、先生がおっしゃるように、現在、きちんと国民の一人一票というものが実現しない状態で、しかも最高裁がはっきりと違憲だと言っている状態で行われた選挙というものは、やはり違憲なのであり、かつ異常な状態であって、早く正常な状態に戻してやり直しをするべきである、ということですね。

     そして早ければ、1月にも、各高裁で判決が出ちゃうかもしれない。もうちょっとかかるかもしれないけれど、さらに高裁判決が出たあと…」

    升永「50日。最高裁で」

    岩上「今度、最高裁に行くことになるわけですね。すると、春には最高裁判決が…」

    升永「出る可能性もありますね。100日ってそんなもんでしょ。100日っていったら、もう3月27日ですから。大変なことでしょ?」

    岩上「27の高裁の各部へ出した判決が、それぞれ出たあと、最高裁判決というのはどういうふうになるんですか?」

    升永「いっぺんです」

    岩上「いっぺんにまとめて? 合同になるんですね。極端に早ければ判決は春先だけど、ちょっとゆっくりだとしても、ゴールデンウィークぐらいに判決が出てしまうかもしれない。そうすると、もう参議院選挙が近いんですよ。7月です」

    升永「一番いいのは、そこで再選挙を、合同選挙をやればいいじゃないですか」

    岩上「それは、現実味を帯びてきます」

    升永「現実味を帯びます」

    岩上「内閣の大事な仕事というのは、選挙を管理するということ」

    升永「そうそう、おっしゃる通り」

    岩上「現内閣が、あなた方は違法状態の、違憲状態の、異常な内閣ですよと言われても、その人たちには、次の選挙をきちんと取り仕切るという仕事が残っている。これは絶対にやらなきゃいけない」

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    ◆違憲国家を国民が訴える
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    升永「それはもう、国会議員は公務員ですから。国家から給与をもらって、国家権力を行使しているバリバリの公務員が国会議員。公務員はもちろん、国会議員はもちろん、あるいは裁判官はもちろん、憲法を尊重し、擁護する義務を、憲法99条で負っているわけです。

     だから、最高裁が今の選挙法は憲法違反であるという判決を下すと、それは憲法違反を正さなきゃいかんと。憲法尊重という擁護義務を国会議員は負っているんですから。憲法改正は今、されていませんから。されていない以上、擁護しなきゃいかん。

     そうすると、今回の選挙の選挙区、あれは憲法に違反して、人口比例選挙をやらなきゃいかんという最高裁の判決が出れば、その通り、人口比例の選挙区割りを、自民党であれ、何党であれ、全国会議員が憲法上、尊重し、擁護しなきゃいけない義務があるわけですから、それをやらなきゃいけない。

     もし、それをやらないのであれば、国民の有権者は、2つ方法があって、1つは、国家賠償法というのがあるわけです。公務員は、職務に関し、故意または過失で違法に国民に損害を与えた場合は、国家が賠償しなきゃいけないと。

     国家が賠償した場合は、違法当該公務員に対して、国家は求償権を持つという国家賠償法があるわけです。まず、国民は直接、故意過失のある公務員を訴えることはできませんと。国家しか訴えませんと。だけど、国家は訴えられた場合、故意重過失がある場合は、当該公務員を求償できますという規定があるわけ」

    岩上「お金を払いなさいよと言うことができるわけですね」

    升永「言えるわけ。だから、どうするかというと、国民はまず国家を訴える。国会議員が、人口比例にやれと最高裁判決で言われたのにやらないというのは、国家賠償だと。だから、我々は慰謝料を請求すりゃいいわけです。慰謝料を。

     慰謝料っていったって、たとえ一人5万円だって、1億人だと大変な金だよ。個人は大変だよ。5万円でも、人数だって1億人だから、そういうレベルだから。

     あともう1つは、民法で不法行為という709条がありますから、それを使って、不法行為を個人に対して、国会議員個人に対して訴えを起こすと」

    岩上「国会議員個々を訴える事ができるんですね」

    升永「個人でも訴えられる」

    岩上「違憲状態の解消に消極的だった国会議員をまとめて訴える事ができる」

    升永「訴える。これはパワーあります」

    岩上「これはすごいですね。当選された全議員の皆さん、もしかすると─」

    升永「破産しますよ、これ」

    岩上「不法行為で訴えられるかもしれないので、よくよく考えて、この違憲状態の解消に真剣に勤めていただいたほうがいいんじゃないかと。そういうふうに思いますね。でも、大変なことですね。

     最高裁はそれだけやる気である。しかも、すでに最高裁の違憲判決が出ている。今度は、3段階ある『違憲状態』の中でも、最も厳しい『違憲無効』というのが出れば、即座にやらなきゃいけなくなりませね」

    升永「いやいや『違憲無効』じゃなくたって、みんな同じですよ」

    岩上「そうですか。でも『違憲無効』を狙いたいんじゃないですか?」

    升永「それはまあ『違憲無効』が出る可能性はあると思います。だけど『違憲無効』でなきゃいかんというわけじゃない。要するに、『憲法違反』ということをしっかり言う、人口比例選挙ですということを言うことがいちばん大事なんですよ。これは『違憲状態』であれ、違憲ということは同じなんですから。

     さっき言ったように、違憲か、違憲じゃないか、しかないんで、悪い違憲、軽い違憲、重い、中ぐらいの違憲というのはないんですよ。デジタルです。1か0です」

    岩上「なるほど。『違憲無効』というのが出た場合、これは何か強制力があるんですか?」

    升永「『違憲無効』となれば、議員の資格がなくなることは間違いない。訴えられる選挙区の人の選挙は無効になるから、27の選挙区の議員さんは、瞬間、議員でなくなっちゃうんですね」

    岩上「そうですよね。『無効』なんですから、『違法』というのもかなり厳しいことで、『違憲違法』も、事情を斟酌してから、ちょっと留保があるよということだけだったわけですね」

    升永「『違憲状態』ってなんか軽そうにみえるけど、全然軽いわけじゃなくて、もう、違憲は違憲なんですと。こう裁判所は判断しちゃったわけですよ。ただ、違憲でないようにするために、法律を改正する日数を、少しまだ猶予期間がありますと言っているだけで。それだけなんです」

    岩上「執行猶予がついたみたいなものですね」

    升永「それだけなんです。有罪だってことはもう認定しちゃっているんですよ」

    岩上「だから、その作業をやらないんだったら、あなた、本当にアウトですよと。そこに居座っていたら、本当にあなた犯罪者ですよということですよね」

    升永「そういうことです」

    岩上「これは、厳しいですね」

    升永「厳しい。だから『違憲状態』は軽いもんじゃないんですよ。えらい重い」

    岩上「だんだんのみ込めてきました。これを見ている人も、事の重大性にやっと気がついてきたという人、多いと思いますよ。これは、大変ですね」

    升永「これは大変なことなんですよ。『違憲状態』というのは、国家権力が、国家権力を行使する資格のない人たちが国会議員面して、法律を勝手に作っているということ。しかし、何の権限もない人たちが、今、法律を作っているという状態が、今の日本なんですよ」

    岩上「まして、憲法というのは、最高法規じゃないですか。その憲法に照らしてアウトですよと言うのは、最高の価値判断ですよね。その、アウトですよ、と言われるような状態下でそのまま選出された人たちが、今度、その最高法規の憲法を変えようなんて言っている。とんでもない話ですよね」

    升永「そうそう」

    岩上「こうやって見ると、とんでもないことが今…」

    升永「起きている」

    岩上「起きているわけですよね」

    升永「もう、本当に信じがたいような。国家に正当性がないんですよ、今の日本は」

    岩上「うわ─、これはとんでもない話だな。だんだん大変さが分かってきた」

    升永「だから、税金を取る国家権力なんてとんでもない。増税どころか、現状の税金だって集める正当な権限がないんですよ」

    岩上「これは大変なことになっていますね」

    升永「だから、国家権力が正当性をなくして、実は国家権力が行使されている大変な国なんです」

    (後編に続く)

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