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    原発問題 -The Truth is Out There-

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    東電福島原発事故の真実 放射能汚染の真実 食物汚染の真実 正しい情報を求めて

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    岩上安身のIWJ特報 第70-71号「不正選挙『疑惑』を徹底検証!~ネット上で取り沙汰される『8つの疑問』を精査する」 

    岩上安身のIWJ特報 第70-71号
    「不正選挙『疑惑』を徹底検証!~ネット上で取り沙汰される『8つの疑問』を精査する」
    (IWJ転載許可済)

    ===================================
    ◆「不正があった」「不正はなかった」という先入観の排除
    ===================================

     最初にお断りしておくが、我々は、「不正選挙」が行われたと決め付けているわけではない。結論をあらかじめ設定しておいて、その都合のよい証拠や主張だけを収集しているのではない、ということを述べておく。

     他方、選挙について不正行為の紛れ込む余地など微塵もない、などと確信しているわけでもない。日本の民主主義の具現化プロセスである選挙は「清廉」であり、あやまちや操作の入り込む隙はなく、不正は「ありえない」、と信じてきた人は多いだろうと思う。私も漠然とそう楽観してきた人間の一人である。その程度に素朴な信頼を日本の政治や公権力システムに対して寄せてきた、といっていい。

    が、近年の検察権力乱用による政治への介入や、3.11以降の政・官・財・学、そしてメディアの腐敗ぶりを目の当たりにするとき、「ありえない」ことも「ありうる」ことがあるのだと、実はそう疑う健全な懐疑心は失ってはならないと思い知らされてきた。

     「選挙に不正があった」「まったくなかった」という両極の予断を二つながら排して、私たちは検証の作業をすすめてきた。このことは御理解いただきたいと思う。その上で、我々の元に寄せられた情報、ネット上で議論されている疑惑についての情報を整理すると、現段階では、主に以下の8つに分類されると考えられる。

     これらの様々な疑惑について、多くの「反論」も寄せられている。本号ではその「疑惑」と「反論」をどちらも参照しながら、検証していきたい。ほとんどの疑惑は、未だ「状況証拠」の域を出ず、取材と検証の途中であるが、本号は、選挙後1ヶ月を迎えた時点での中間報告としたい。当然のことながら、新事実の発掘によっては、ここに書かれた暫定的な検証が大きく塗り替えられることもありうる。

    1.行列ができた投票所があったのに、投票率が過去最低
    2.多くの投票所で、投票の終了時間が繰り上げられた
    3.「過去最高」となった無効票
    4.大手マスコミによる世論誘導が行われたのではないか
    5.開票の終盤で、特定候補者の得票が急激に伸びている
    6.すべての民主党候補が前回より得票数を減らすなか、野田前首相のみ得票数が増加
    7.日本未来の党への比例票が、小選挙区候補への個人票に対して異様に少ない
    8.株式会社ムサシにまつわる疑惑
    (この分類がすべてではなく、ほかにも項目が立つかもしれない。もし、建設的な批判や意見をお持ちの方がいたら、皆さまからご提案をいただきたいと思います)


    ===================================
    ◇1.行列ができた投票所があったのに、投票率が過去最低
    ===================================

     最初に検証するのは、投票率についてである。

     12月16日の昼過ぎから、「投票所に行列ができて、外の道路にまで並んでいる」「こんな行列見たことない」などといった意見が、多くの写真とともに次々とツイッター上にアップされ、話題となった(※1)。しかし、総務省が発表した投票率は59.32%で、戦後最低記録を更新した(※2)。

    (※1)選挙当日の投票所の様子まとめ:http://matome.naver.jp/odai/2135563104794158401
    (※2)2012年12月17日 毎日新聞:http://senkyo.mainichi.jp/news/20121217dde001010027000c.html

     投票所の行列を見た人、また実際に並んだ人たちの中には「これはおかしい」と思った人も多かった。また、福島第一原発事故後、初の国政選挙であるのに、「こんなに関心が低いのはおかしい」という声も数多く寄せられている。実際、この投票率の低さが、前回の衆院選よりも得票数を減らしたにも関わらず自民党が圧勝、という結果に一役買っている。ネット上では「日本未来の党の票が廃棄されたのではないか」という声まであがっている。

     こうした疑問については、ネット上で反論があがっている。それは、「もともと冬の選挙は投票率は低くなりがちにも関わらず、統計をみると都市部では投票率は決して低くない。そんな中、日中の暖かい時間に投票に行こうという人で行列ができたのではないか」というものである。まずは、投票所の混雑に端を発する投票率への疑問とそれに対する反論から検証してみようと思う。1996年から小選挙区比例代表並立制(※3)が採用されてからの、衆院選における投票率は以下のとおりである。

    (※3)小選挙区比例代表並立制とは、衆議院議員総選挙で、1996年から行われている選挙制度で、1つの選挙区から1人を選出する小選挙区選(定数300)と、全国を11ブロックに分けた比例選(定数180)を組み合わせたもの。

    1996年59.65%、2000年62.49%、2003年59.86%
    2005年67.51%、2009年69.28%、2012年59.32%
    (総務省HPより http://www.soumu.go.jp/main_content/000153570.pdf

     次に、これを都市圏と地方の都府県別で見てみる(数値は「http://blogos.com/article/52832/」より引用した)。確かに、都市部では過去の衆院選に比べて、決して低くない。東京都では、1996年、2000年、2003年の値を上回っている。都市部の有権者が目撃した投票所の混雑は、実感として間違ってはいなかったということになる

     まずは、都市部の投票率。

    ・東京都
    1996年56.54%、2000年60.46%、2003年58.35%
    2005年65.59%、2009年66.37%、2012年62.20%

    ・埼玉県
    1996年53.44%、2000年58.49%、2003年53.98%
    2005年64.88%、2009年66.25%、2012年57.40%

    ・神奈川県
    1996年55.49%、2000年59.64%、2003年57.78%
    2005年67.08%、2009年68.26%、2012年59.87%

    ・愛知県
    1996年56.37%、2000年60.63%、2003年59.30%
    2005年66.48%、2009年69.60%、2012年59.07%

    ・大阪府
    1996年54.81%、2000年55.69%、2003年54.92%
    2005年65.37%、2009年66.79%、2012年58.37%

     続いて、地方の投票率。

    ・青森県
    1996年63.40%、2000年61.04%、2003年57.51%
    2005年65.04%、2009年68.52%、2012年54.20%

    ・新潟県
    1996年68.85%、2000年70.96%、2003年66.08%
    2005年71.57%、2009年73.41%、2012年59.66%

    ・鳥取県
    1996年67.45%、2000年73.53%、2003年66.94%
    2005年72.86%、2009年75.30%、2012年62.92%

    ・高知県
    1996年58.48%、2000年60.46%、2003年56.92%
    2005年64.12%、2009年67.64%、2012年53.89%

    ・佐賀県
    1996年66.07%、2000年68.95%、2003年64.47%
    2005年72.25%、2009年74.15%、2012年61.86%

     健闘している都市部に比べ、地方では、今回の投票率が過去最低の値になっている。つまり、今回の選挙では、地方の投票率が大きく下がったことによって、全体の投票率が押し下げられた結果、過去最低の値となったということである。今回の選挙では、投票行動に、大都市と地方の差が出たということだ。

     次に「冬の選挙は投票率が下がる」という部分も検証する。

     先に紹介した衆院選の投票率に、投票日となった日付を付け加えると次のようになる。

    1996年【10月20日】59.65%、2000年【6月25日】62.49%、2003年【11月9日】59.86%
    2005年【9月11日】67.51%、2009年【8月30日】69.28%、2012年【12月16日】59.32%

     これを見ると、夏に行われた選挙よりも、冬に行われた選挙のほうが、投票率が低くなっていることがわかる。しかも、今回の選挙は、小選挙区比例代表並立制を取り入れてから初めて、冬の寒い時期に行われたものだ。ネット上に投稿された行列の写真をまとめているサイト(※1)によると、行列は正午前後に発生している。この日の東京の天気は晴れであったことから、『「昼の暖かい時間に投票に行こう」という心理が働き、正午前後に投票所に有権者が多く詰めかけ、行列ができたのではないか』という反論には確かに妥当性があると思われる。

     しかし、今回選挙が、「過去最低」の投票率となった大きな要因がもう一つある。全国の投票所の約3割で、投票時間の終了が繰り上げられたことだ。なぜ、そのようなことが起きたのか。


    ===================================
    ◇2.多くの投票所で、投票の終了時間が繰り上げられた
    ===================================

     今回の選挙では、16日に投票が行われた全国49,133カ所のうち、なんと約3割にあたる16,000カ所で、開始時間の繰り下げ、終了時間の繰り上げが行われた(※4)。福島県では、県内1,312カ所で、驚くべきことに全ての投票所で、群馬県でも、99%の投票所で終了時間の繰り上げが行われた(※5)(※6)。

     この理由として、時間の繰り上げを行った自治体の選挙管理委員会は、「午後6時以降の投票率が低いこと」「期日前投票が浸透していること」「選挙経費の削減」「開票時間を早めること」「街灯の復旧しきれていない被災地では、冬の夜間の出歩きは危険」などを理由に挙げている。

     また、IWJが直接取材を行ったところ、特に繰り上げが多かった群馬県前橋市の選管は「実数調査を行ってきた結果、午後6時以降の投票率が低いため」と回答した。同様に、福島県福島市の選管は「過去に行った市議選や県議選でも繰り上げたため、その時間に合わせた」「町内会へのアンケート結果に基づいた」などと、我々の取材に対して回答した。

     公職選挙法第四十条には「投票所は、午前七時に開き、午後八時に閉じる。ただし、市町村の選挙管理委員会は、選挙人の投票の便宜のため必要があると認められる特別の事情のある場合又は選挙人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情のある場合に限り、投票所を開く時刻を二時間以内の範囲内において繰り上げ若しくは繰り下げ、又は投票所を閉じる時刻を四時間以内の範囲内において繰り上げることができる」と記されており、「特別の事情がある場合」に、終了時間を繰り上げること自体は違法ではない。

     投票開始時間と終了時間は、各自治体の選挙管理委員会が協議を行って決定される。決定事項については、県へ報告を行うが、投票時間を決める決定権を持つのはあくまで自治体である。2009年8月30日に行われた衆院選では、全投票所50,891カ所のうち、15,414カ所で終了時間の繰り上げが行われた(※7)。過去の衆院選で、投票時間を縮めた投票所の数が全投票所に占める割合をみてみると、2003年が19.7%、2005年が24.4%、2009年が29.4%、2012年が32.6%となり、選挙の回を重ねるごとに増加傾向にある(※8)。

     繰り上げは、公職選挙法違反ではない。しかし、違反でないからといって、繰上げの判断が「正しい」とは言い切れない。「午後6時以降の投票率が低い」「期日前投票が浸透している」からといって、投票時間を繰り上げなくてはならない、差し迫った必要性の説明にはならない。事情で当日の遅い時間にしか投票所に行けない人も、少なからずいるだろう。

     もし、「遅い時間にしか来ることができないのであれば、期日前投票をしてください」と言うのであれば、当日終了時間を繰り上げするということを、投票日までに何度も何度も告知し、徹底的に周知させるべきである。果たして、全国の16,000カ所の投票所の何割が、事前に投票時間の繰り上げを周知したか疑問である。現にネット上では「投票所に行ったら閉まっていて投票できなかった」という声があがっている。投票意思のある人間を、結果として閉め出してしまったのならば、国民の投票の権利の制約につながったと批判されても仕方がない。

     「選挙経費の削減」「開票時間を早めるため」という説明は、むろん言語道断である。議会制民主主義の日本において、我々有権者が選挙で投じる一票というのは、何よりも重みを持つ。それに対して、終了時間を1~4時間早めることで、一体どれほどの手間の解消・経費の削減(=特別の事情)になるというのだろうか。この選挙の経費というのは、我々国民の税金である。

     この繰り上げの問題について、納得のいく回答は未だにどこからも発表されていない。「投票率を低くするためだ」という疑惑の声があがっても、致し方ないだろう。この件については、引き続き取材を重ねていくつもりだ。

    (※4)2012年12月15日 読売新聞:http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2012/news2/20121215-OYT1T00686.htm
    (※5)2012年12月15日 福島民報:http://www.minpo.jp/news/detail/201212155477
    (※6)2012年12月8日 産経ニュース:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121208/elc12120802170039-n1.htm
    (※7)2009年8月25日 朝日新聞:http://www.asahi.com/senkyo2009/news/TKY200908250358.html
    (※8)総務省作成『衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果調』の2003年版と2005年版によると、2003年は全投票所53,386カ所のうち、10,530カ所の投票所で、2005年は全投票所53,021カ所のうち、12,958カ所の投票所で、投票開始時間・終了時間の繰り上げ・繰り下げが行われた。


    ===================================
    ◇3.「過去最高」となった無効票
    ===================================

     さらに今回の選挙の不可解な点として、「無効票」の異様な多さがあげられる。小選挙区において、白票や候補者以外の名前が書かれた「無効票」が約204万票(全体の3.31%)に上り、「過去最高」であったことが、朝日新聞の集計(※9)で判明した。投票率が過去最低だったにもかかわらず、無効票の割合が高いことも、自民党の得票率を相対的に引き上げた要因となっている。

     朝日新聞12月18日付に、明治学院大学の川上和久教授の分析が掲載されている。「誰に入れたらいいか分からないが、棄権はしたくないと悩んだ結果、白票を選択した有権者が多かったのではないか。今回は政党が乱立したが、政策に共感できる政党があっても、その党の候補者が選挙区にいないケースがあったことも影響した可能性がある」というものだ。

     しかしネット上では、「過去最低の投票率のなか選挙に行くような投票意識の高い人が、わざわざ白票を投じるだろうか」という指摘もある。そうした疑念から出発して、「自民党の得票率を上げるために、投票率を低くし、白票を増やしたのではないか」という疑惑を述べる者もいる。ただし、白票を増やすために、現実にどんな手段が用いられたのか、という点については曖昧で、想像の域を出ない。何が原因であるかはさておくとして、無効票が過去最高であったという事実は忘れるわけにはいかない。

    (※9)2012年12月18日 朝日新聞:http://www.asahi.com/politics/update/1218/TKY201212170931.html


    ===================================
    ◇4.大手マスコミによる世論誘導が行われたのではないか
    ===================================

     続いて、「大手マスコミによる世論誘導が行われたのではないか」という疑惑である。これは本メルマガでも何度も言及している通り、「世論誘導はあった」と言わざるをえない。陸山会事件について、2009年の小沢一郎氏の第一秘書の逮捕以来、マスコミは「小沢バッシング」を繰り返し、時には「石川元秘書の裏献金5,000万円授受シーン」なる、事実無根の捏造ビデオまで作成し、小沢氏を「クロ」と印象づけてきた。

     マスコミによる、執拗な「小沢叩き」は、2010年の民主党代表選や、その後の民主党の政権運営に常に影響を与え、日本の政治は大きく混乱した。2012年11月12日に小沢氏の「無罪」が確定したあと、本来であれば、マスコミは自己検証と反省を真っ先に行うべきであったが、未だになされていない。それどころか、野党第2党であったはずの「国民の生活が第一」の扱いは異様なほど小さくなり、テレビや新聞では、民主党、自民党、日本維新の会(橋下徹大阪市長)が連日大きく報道された。「小沢隠し」「生活隠し」が足並みそろえて行われたのである。

     他方、大手マスコミが主導する世論調査では、「政党支持率で自民党は1位」という各社横並びの結果が発表され続け、本来第3極であるはずの「国民の生活が第一」(後に「日本未来の党」)は、「数%の支持率」であり「大敗するだろう」とのネガティブな予測が繰り返された(※10)。明確な「世論誘導」といえる。

     世論調査が公正に行われている限り、「生活」「未来」の支持率の低いことをもってして、世論調査自体がネガティブキャンペーンであると指弾することはできない。調査にあらわれるような低支持率・低認知を招いたのが、メディアによる小沢バッシングから、「生活隠し」のような黙殺ネグレクトへ至る一連のキャンペーンの結果であることは疑いがない。

     もっとも、こうした既存メディアが発表する「世論調査」自体にも、「本当に民意を反映させたものなのか」、「恣意的な調査が行われているのではないか」との疑念の声も多い。その論拠の一つとなっているのが、大手メディアの世論調査とネット上の世論調査結果の著しい乖離である。

     大手ポータルサイトの「YAHOO! JAPAN」が行ったアンケートでは、政党支持率で1位なのは、日本未来の党であり、新聞各紙が行った調査結果とは、あまりにもかけ離れている(※11)。また、ロイター通信が行ったオンライン調査でも、政党支持率で1位は自民党であるものの、日本未来の党が2位という結果になっている(※12)。

    (※10)以下、各世論調査における「次の選挙では、比例でその政党に投票しますか?」という質問に対しての答え。

    ○報道ステーション世論調査(2012年11月17日-18日)
    1. 自民党…23%、2. 民主党…12%、3. 日本維新の会・太陽の党…10%、4. 公明党…4%

    ○読売新聞(2012年11月23日-25日)
    1. 自民党…25%、2. 日本維新の会…14%、3. 民主党…10%、4. 公明党…6%、5. 共産党…3%

    ○日本経済新聞(2012年11月26日-28日)
    1. 自民党…23%、2. 日本維新の会…15%、3. 民主党…13%

    ○ニコニコ動画アンケート(2012年11月27日-30日)
    1. 自民党…35.6%、2. 日本維新の会…10.4%、3. 民主党…5.8%、4. みんなの党…3.5%、5. 共産党…3.1%

    ○読売新聞(2012年11月30日-12月2日)
    1. 自民党…19%、2. 民主党…13%、2. 日本維新の会…13%、4. 日本未来の党…5%、4. みんなの党…5%

    ○日本経済新聞(2012年12月4日-5日)
    1. 自民党…29%、2. 民主党…17%、3. 日本維新の会…11%、4. 公明党…5%、5. 日本未来の党…4%、5. みんなの党…4%

    ○時事通信(2012年12月7日-10日)
    1. 自民党…19.7%、2. 日本維新の会…9.2%、3. 民主党…9.0%、4. 公明党…5.2%、5. みんなの党…3.6%

    ○報道ステーション世論調査(2012年12月8日-9日)
    1. 自民党…24.0%、2. 民主党…10.7%、3. 日本維新の会…8.3%、4. 公明党…4.1%、5. 日本未来の党…3.7%

    ○読売新聞(2012年12月7日-9日)
    1. 自民党…29%、2. 民主党…12%、3. 日本維新の会…11%、4. 公明党…6%、5. みんなの党…5%

    ○共同通信社(2012年12月12日-13日)
    1. 自民党…22.9%、2. 民主党…11.3%、3. 日本維新の会…10.1%

    (※11)YAHOO! JAPANが行った政治に関するアンケート結果
    ○実施期間:2012年12月9日-16日
    「12月16日に衆議院選挙が行われます。あなたは投票に行きますか?」という質問に答えた回答者の支持政党の割合
    1. 日本未来の党…42%、2. 自民党…20%、3. みんなの党…4%、4. 日本維新の会…3%、4. 共産党…3%

    (※12)ロイターオンライン調査(12月16日14時)
    総選挙で誕生する新政権の中心となるべき政党は?
    民主党4758票 (2%)
    自民党100475票 (52%)
    日本未来の党68729票 (36%)
    公明党1091票 (1%)
    共産党3687票 (2%)
    社民党614票 (0%)
    みんなの党3751票 (2%)
    日本維新の会7938票 (4%)
    その他1117票 (1%)


    ===================================
    ◇5.開票の終盤で、特定候補者の得票が急激に伸びている
    ===================================

     この現象は、民主党の野田佳彦前首相の地盤であり、日本未来の党から三宅雪子元議員が対立候補として出馬したことで話題となった、千葉4区で顕著であり、不可解である。千葉県の選挙区に関しては、「おちゃのこSAISAI(http://saisai25.blog.fc2.com/)」というサイトが、開票時間・開票率・得票率を分かりやすいグラフにして分析を行っている。このサイトによると、千葉4区の開票率と得票率の変化は以下のようになる。

    <開票率47.21%時>
    ・得票率 民主党43.2%、自民党25.9%、日本未来の党18.0%、共産党12.9%

    <開票率100%時>
    ・得票率 民主党57.3%、自民党25.3%、日本未来の党9.9%、共産党7.5%

     開票の前半と後半を見比べると、自民党は同じような得票率で推移しているのに対し、民主党は後半に大きく票を伸ばしている。その一方で、日本未来の党と共産党の票は、終盤にかなり落ち込んだ。結果、千葉4区では野田佳彦前首相が圧勝した。こうした結果に対し、「おちゃのこSAISAI」サイドでは、「不可解極まりない」と述べている。

     この指摘に対し、Webマーケティングを行っている坂本英樹氏は、自身のブログ(http://blogs.itmedia.co.jp/sakamoto/2013/01/myth-election-93cc.html)の中で「開票は、票の仕分け後、チェックして数えるため、得票が多い候補が最後に伸びるのが通例。下位候補は先に数え尽くし、疑問票分などわずかしか伸びない」と述べている。

     千葉4区の選挙管理委員会に、開票作業の流れをIWJが直接取材したところ、「まず投票箱から出された投票用紙を、台の上に積み、小選挙区は候補者別に手で分類し、比例区は政党別に分類機を使用して分類する。次に、どちらの票に対しても、きちんと正しい分類が行われたかを人の目で2度確認し、その後、機械を使って100枚毎の束にする。
     そして最後に、それらを10束ごとに集計する、という流れになっている」との回答が返ってきた。確認のため、総務省にも問い合わせたところ、開票作業のやり方は各自治体に任せており、場所によって多少異なるとのことである。

     つまり、千葉4区のやり方では、絶対的に票数が多い候補は、開票が終盤に向かうにつれ、得票率が上がる傾向にあり、その逆に、票を多く取れなかった候補は、得票率が下がる傾向が見られるということだ。しかし、他の選挙区と比べてみると、千葉4区の開票結果の特徴が際立つ。例として、東京8区の開票率と得票率の変化は以下のとおり。

    <開票率51.73%時>
    ・得票率 自民党 石原伸晃43.8%、無所属 山本太郎28.3%、民主党 円より子19.4%、共産党 上保匡勇8.6%

    <開票率100%時>
    ・得票率 自民党 石原伸晃46.9%、無所属 山本太郎25.2%、民主党 円より子19.4%、共産党 上保匡勇8.5%

     ここでは、前出の坂本氏が指摘するように、開票が進むにつれて、得票の多い候補が得票率を伸ばし、それ以外の候補の得票率は下がっている。しかし、千葉4区と比べると、その増減の幅は非常に小さい。次に、もう1つ、神奈川1区を見てみる。

    <開票率46.22%時>
    ・得票率 自民党 松本純31.3%、民主党 中林美恵子25.8%、日本維新の会 松本孝一18.9%、みんなの党 山下頼行18.5%、共産党 明石行夫5.6%

    <開票率100%時>
    ・得票率 自民党 松本純41.2%、民主党 中林美恵子20.7%、日本維新の会 松本孝一16.8%、みんなの党 山下頼行14.9%、共産党 明石行夫6.4%

     神奈川1区では、自民党松本氏の得票率が大きく上昇しているが、得票数の最も少ない共産党の明石氏の得票率は微増となっている。先述の仮説でいけば、明石氏の得票率は、大きく減少するはずである。つまり、千葉4区における民主党野田元首相の得票率の上昇幅と、日本未来の党の三宅氏、共産党の斉藤氏の得票率の減少幅は、非常に大きな値を示しており、「特異」なケースではあるのだ。


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    ◇6.すべての民主党候補が前回より得票数を減らすなか、野田前首相のみ得票数が増加
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     ◇5で検証した、千葉4区の「特異さ」はもう一つある。民主党候補192人のうち、191人が前回の衆院選より平均で54%も得票数を減らすなか、たった一人、この選挙区で当選した野田前首相のみが、得票数を1%増やしているのだ。この点については、市民のブログ「みんな楽しくHappyがいい♪」で市民の調査結果として詳細が紹介されているので、ご参照いただきたい。(http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2719.html

     「たった1%ではないか」「地元の支持が盤石だったのだろう」との反論があるかもしれない。しかし、今回の衆院選での自民党圧勝について、朝日新聞と読売新聞が12月17~18日に行った「衆院選結果の緊急全国世論調査」によると、「民主党に失望したから」という回答をした人が、「朝日」81%、「読売」55%にのぼっているのだ。「民主党に失望した」という人が大半を占めるなか、その「民主党の総理大臣だった人物」が唯一得票数を増やすという結果には得心がいかない、という人は少なくない。

     この千葉4区については、ネット上では「公明党が野田元首相に創価学会を通じて票を回した」などとまことしやかに指摘する声もあるが、現段階では直接の証拠や証言は示されておらず、あくまで噂話の域にとどまる。この千葉4区の不可解な選挙結果については、今後も詳細な取材が必要である。


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    ◇7. 日本未来の党への比例票が、小選挙区候補への個人票に対して少ない
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     2012年12月21日、宮城県2区に日本未来の党から立候補した前衆議院議員斎藤やすのり氏が、自身の得票数よりも、宮城2区における日本未来の党の得票数がかなり少ないこと、またその数が、宮城2区の泉区、宮城野区、若林区それぞれにおいて「比例区の得票数÷小選挙区の得票数≒0.6」となっていることをツイートし、一部で話題となった(※1)。

    (※1)以下、斎藤やすのり氏のツイート
    「宮城2区の選挙区での私・斎藤やすのりへの投票に対し、比例の未来の党への投票が6割しかなかった件。昨日、私は『様々な団体から党でなく個人への推薦を頂いているから、あり得る』と述べましたが、泉区、宮城野区、若林区が3つとも綺麗に×0.6に。しかも新潟など他でも同じパターン。なにこれ。」(2012年12月21日13時26分 @saitoyasunori)

     宮城県2区における、各候補者の得票数と、その候補者の所属政党の得票数を比較してみると、斎藤氏の得票数は、小選挙区に対しての比例区の割合が、他の候補者の得票数と比べて、最も少ない(※2)。また、3つの区内を比べたときの得票数の差(最高得票数-最低得票数)も、斎藤候補が最も少なく、「人工的に工作されたのではないか」という疑惑を生む要因となっている。

     「数字が0.6で奇麗に並んでいて不可解である」という指摘もある。確かに、みんなの党のきくち氏、共産党の福島氏については、区ごとに割合開きがある。しかし、自民党の秋葉氏、民主党の今野氏、維新の会の中野氏については、区ごとにさほど差異がないように見える。ただ気になるのは、この自民党の秋葉氏、民主党の今野氏、維新の会の中野氏は、いずれも得票数で斉藤氏を上回っている。つまり、斉藤氏より得票数の多い候補は区ごとに開きがなく、斎藤氏より得票率の少ない候補はくごとに開きがあるのである。

     果たしてこの現象が人為的な介入によるものかどうかは、現段階で結論を出すことはできない。統計学上不可解なのか、という点を専門家に取材し、他の選挙区と過去のデータをつきあわせたうえで、さらに詳細な分析と検証が必要である。

    (※2)宮城県2区における、各候補者の得票数と、その候補者の所属政党の得票数は以下のとおり(数値は、「比例/小選挙区」の順)。

    ○日本未来の党 斎藤やすのり
    宮城野区:6,307票/10,466票=0.6026…、若林区:4,623票/7,697票=0.6006…、泉区:9,488票/16,185票=0.5862…

    ○自民党 秋葉けんや
    宮城野区:18,989票/25,027票=0.7587…、若林区:13,382票/17,398票=0.7691…、泉区:24,480票/34,170票=0.7164…

    ○民主党 今野東
    宮城野区:10,733票/10,792票=0.9945…、若林区:8,304票/8,157票=1.0180…、泉区:16,582票/16,136票=1.0276…

    ○みんなの党 きくち文博
    宮城野区:9,024票/9,661票=0.9340…、若林区:5,533票/4,788票=1.1555…、泉区:10,518票/8,689票=1.2104…

    ○日本維新の会 中野正志
    宮城野区:15,597票/15,923票=0.9795…、若林区:10,690票/10,545票=1.0137…、泉区:20,407票/18,848票=1.0827…

    ○日本共産党 福島かずえ
    宮城野区:4,168票/4,023票=1.0360…、若林区:3,874票/5,345票=0.7247…、泉区:5,466票/5,126票=1.0663…


    ===================================
    ◇8.株式会社ムサシの問題点
    ===================================

     今回の不正選挙疑惑を調べていくと、「株式会社ムサシ(http://www.musashinet.co.jp/)」という会社に対して注目が集まっていることがわかる。この会社は、投票箱や投票用紙、投票用紙読取分類機など、選挙を行うときに使用する事務用品や機械を製作しており、製品によって多少異なるものの、選挙システム市場で大きなシェアを誇っている。

     ムサシについての分析は、先に紹介した市民ブログ「みんな楽しくHappyがいい♪」(http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2682.html)や経済学者植草一秀氏のブログ「知られざる真実」(http://uekusak.cocolog-nifty.com/)に詳しく紹介されている。

     ムサシについてネット上であがっている「疑惑」を整理すると、主に以下の4点に分類される。

    (1)「投票箱や投票用紙、投票用紙読取分類機をほぼ独占で扱い、選挙スタッフの派遣や、機器・事務用品の配送・撤収・保管まで行っており、政治的中立性の面でそもそもおかしい」
    (2)「独占的に扱っているムサシが投票用紙読取分類機に不正な操作を加えている可能性がある」
    (3)「自民党に献金を行っており、自民党に対して何らかの取り計らいがあったのではないか」
    (4)「イカサマ選挙の疑惑がある、菅直人氏が小沢一郎氏に勝利した2010年9月14日の民主党代表選に、ムサシが関わっていたのではないか」

     これらの疑惑について、1つ1つ検証を進めたい。まず1つ目の「疑惑」、「投票箱や投票用紙、投票用紙読取分類機をほぼ独占で扱い、選挙スタッフの派遣や、機器・事務用品の配送・撤収・保管まで行っている」という点についてである。IWJが直接、ムサシの広報担当者に問い合わせた結果、市場シェアについては、以下のような回答を得た。

    ・投票箱について…「把握していない。地場の小さな業者がつくっているところもある」
    ・投票記載台について…「把握していないが、台に関しては、あまり注文は出ていない」
    ・投票用紙について…「一部、普通の紙を使っているところもあるが、ほとんどムサシのシェア。いわゆる『箱に入れたら開く投票用紙』はすべてムサシが取り扱っている」

    ・選挙スタッフの派遣や、機器・事務用品の配送・撤収・保管について…「受け持つが、あまり注文はない。選挙スタッフとは、投票所の人の整理をしたり、駐車場の整理をしたりする人材も含むが、派遣会社が受け持つことがほとんど。今回の衆院選でも自治体の要請があったところには派遣しているが、ごく一部」

    ・投票用紙読取分類機…「製造しているのは、ムサシとグローリー株式会社(http://www.glory.co.jp/)の2社だけであるが、全体の8割をムサシが製造している」


     ネット上の疑惑にある、「事務用品・配送・保管まで全てムサシの独占」とまではいかないが、投票用紙と投票用紙読取分類機については、ほぼムサシの独占状態である。

     機器の受注に関しては、ムサシの広報担当者によると、「総務省から受注するのではなく、各自治体から直接注文を受け、公開の競争入札も行っている」という。この点について、総務省選挙課の担当者にも問い合わせたところ、「各自治体が選挙のときに使用するものについては、総務省としては把握しておらず、業者の紹介・斡旋も行っていない」との回答が返ってきた。つまり、選挙の際に、どこの会社の何を使うかは、それぞれの自治体の判断に委ねられているという。

     次に2つ目の「疑惑」、「独占的に扱っているムサシが投票用紙分類機に不正な操作を加えている可能性」について検証する。いくつかの自治体の選管に問い合わせたところ、衆院選で投票用紙分類機を使用しているかどうかは、自治体によってまちまちである。

     ◇5と◇6で検証した、千葉4区についても、ムサシの投票用紙分類機を使用しているのは最高裁国民審査のみで、衆院選は小選挙区と比例区いずれも、人の手で分類作業が行われている。同様に、◇7で検証した、斎藤やすのり候補の宮城2区についても、全ての開票所で、小選挙区・比例区ともに人の手で分類されている。

     また、東京都の千代田区や大田区、北区などは、小選挙区、比例区、国民審査のすべてで分類機を使用しており、杉並区や八王子市などは、比例区と国民審査で分類機を使用し、小選挙区は手で分けている。これらの点をふまえると、「投票用紙分類機自体に不正な操作を加えている可能性」は、現段階では低いと考えられる。


    【以下、全国の開票所における分類機の使用の有無】

    (東京都の開票所をランダムに10ヶ所抽出)

    ・千代田区
    【小選挙区】使用した(ムサシ)
    【比例区】使用した(グローリー)
    【国民審査】使用した(ムサシ)

    ・文京区
    【小選挙区】使用した(ムサシ)
    【比例区】使用した(ムサシ)
    【国民審査】使用した(ムサシ)

    ・品川区
    【小選挙区】使用した(ムサシ)
    【比例区】使用した(ムサシ)
    【国民審査】使用した(ムサシ)

    ・大田区(東京都第4区の開票センター)
    【小選挙区】使用した(ムサシ)
    【比例区】使用した(ムサシ)
    【国民審査】使用した(ムサシ、グローリー)

    ・渋谷区
    【小選挙区】使用していない
    【比例区】使用した(ムサシ)
    【国民審査】使用していない

    ・杉並区
    【小選挙区】使用していない
    【比例区】使用した(グローリー)
    【国民審査】使用した(グローリー)

    ・豊島区
    【小選挙区】使用した
    【比例区】使用した
    【国民審査】使用した
    ※8台の分類機を転用して使用し、そのうち6台がムサシで、2台がグローリー

    ・北区
    【小選挙区】使用した(ムサシ)
    【比例区】使用した(グローリー)
    【国民審査】使用した(ムサシ)

    ・八王子
    【小選挙区】使用していない
    【比例区】使用した
    【国民審査】使用した
    ※分類機の製造会社については、「教えられない」とのことです

    ・多摩
    【小選挙区】使用していない
    【比例区】使用した(ムサシ)
    【国民審査】使用した(ムサシ)


    (その他、注目選挙区)
    ・田中康夫 兵庫8区 尼崎市
    【小選挙区】使用した(ムサシ)
    【比例区】使用した(ムサシ)
    【国民審査】使用した(ムサシ)


    ・齋藤やすのり 宮城2区 仙台市宮城野区、若林区、泉区

    宮城野区
    【小選挙区】使用していない
    【比例区】使用していない
    【国民審査】使用した(ムサシ)

    若林区
    【小選挙区】使用していない
    【比例区】使用していない
    【国民審査】使用した(ムサシ)

    泉区
    【小選挙区】使用していない
    【比例区】使用していない
    【国民審査】使用した(ムサシ)



     続いて3つ目の「疑惑」、「自民党に献金を行っており、自民党に対して何らかの取り計らいがあったのではないか」について検証する。事実として、ムサシは2年間にわたって、自民党の福田康夫元首相宛に24万円ずつ、計48万円を献金している。2010年・11年の自民党群馬県第4選挙区支部の収支報告書に、ムサシからの献金が記載されているのだ。

     この件について、2013年1月11日付の日刊ゲンダイの記事「自民党に献金する民間企業が『国政選挙』取り仕切る怪」によると、同紙の取材にムサシ広報は「(自民党への)献金に特定の意図はありません。(中略)民主党が圧勝した09年の総選挙でも弊社のシステムが使われています。不正だなんて、あり得ない話です」と語っている。

     「特定の意図はない」としても、これは大問題である。選挙システムに携わっている企業なのであるから、当然「政治的中立」を厳守するべき立場にある。「李下に冠を正さず」とのたとえもある。その点から言って、「自民党との癒着」が疑われるような政治献金はすべきではなかっただろう。

     最後に4つ目の「疑惑」、「イカサマ選挙の疑惑がある、菅直人氏が小沢一郎氏に勝利した2010年の民主党代表選に、ムサシが関わっていたのではないか」について検証する。これは、2010年9月14日に行われた民主党代表選において、「本来ならば小沢氏が勝利するはずだったのに、党員・サポーター票が改ざんされ、その結果、菅氏が勝利した」という「仮説」である。

    投票を行った党員・サポーターの数は34万2493人だったが、そのうち有効投票数は22万9030票で、棄権票・無効投票数が11万3463票にのぼっている。この棄権票・無効投票数11万票というのが、あまりにも多すぎるため、「本来ならばこの11万票は小沢氏への投票だったのではないか。それを無効にすることで、菅氏の優勢が作られたのではないか」という疑惑の声が、主として小沢支持者から上がっているのである。

     この疑惑については、2010年の民主党代表選直後から現在まで、未だにネット上で追及がなされている。この民主党代表選の党員・サポーター投票では、投票用はがきにプライバシー・シールが使用されなかった。誰でも、中身が読めるものであり、「秘密投票」の体をなしていなかった。そして投票用はがきは一旦別の場所に保管され、ブラックボックスの中、開票作業が行われたのだ。確かに状況的に、小沢氏の票だけを選別することは、理論上は容易である。

     前述した植草一秀氏のブログ「知られざる真実」に紹介されているが、総務省の「平成22年分政党交付金使途等報告書」(http://goo.gl/OzGVO )の、「民主党(その4)政治活動費(1)」(http://goo.gl/tnVvY
    )を見ると、平成22年(2010年)8月25日付で「データ処理・発送業務委託費」として7175万619円、平成22年(2010年)10月25日付で「代表選挙機材及び関係費」として8757万8156円が、ムサシに支払われている。確かにムサシは、民主党代表選に関与している。

     このムサシについての疑惑は、2010年の代表選以外にも、様々なところで指摘されている。2003年7月20日に岐阜県可児市で行われた市議選で、全国で5例目となる電子投票が行われた。このときに使われたのが、ムサシと富士通が共同開発した電子投票システムとその機械である。

     この選挙では、投票開始直後に、サーバーがダウンして投票できなくなったり、投票終了後には、投票数と開票数が食い違ったりするなどのトラブルに見舞われ、この選挙結果は、2005年7月8日の最高裁において、電子投票で世界初となる「選挙無効」の烙印を押された(※3)。実に不名誉な判決である。

    (※3)柳瀬昇「地方選挙における電子投票をめぐる訴訟」:http://www.komazawa-u.ac.jp/~noboru/works/paper13.pdf

     今回の衆院選は電子投票ではなかったが、今後日本で電子投票が利用されるようになったとき、選挙システムを総合的に運用しているムサシが、その機器の製作を担当する可能性は高い。

     そうした会社が、市場をほぼ独占している状態にあり、自民党に献金を行ったという過去があるというのは、政治的中立性に照らして明らかに不健全であり、国は早急に日本の選挙システム全体の見直しをはかるべきではないかと思われる。安倍政権は、ネット選挙解禁に向けて熱心である。であればなおのこと、現状の検証と、万が一、ミスや不正が起きたとの疑いが生じた場合、すみやかに票を再確認し、疑いを晴らすことのできる制度を構築するべきである。


    ===================================
    ◆選挙効力の無効を求めた訴訟の動き
    ===================================

     このメルマガで検証してきた8つの疑惑は、すべて状況証拠であり、「不正選挙」の明確な直接証拠と呼べるものではない。しかし、こういったネット上での疑惑の検証と並行して、今回の衆院選の結果に疑問を持つ市民たちによる訴訟の動きが広がっている。

     その代表的な動きが、衆院選において埼玉5区で日本未来の党から立候補し、民主党の枝野幸男氏に敗れ落選した、藤島利久氏による提訴である。藤島氏は、選挙直後から「不正選挙である」との声をあげ、自らのブログに訴状のひな形をアップし、広く賛同を募っていた(http://kochi53.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/01/post_49a3.html )。

     我々は藤島氏に接触し、提訴に至る経緯をうかがった。藤島氏の提出した訴状には、「不正選挙」と断ずる理由が書かれている。藤島氏は、まずマスコミによる「世論誘導」を指摘する。「マスコミが、全国10社の電力会社が構成する政治活動組織『電気事業連合会』から入る、年間1000億円もの広告収入を失いたくないがため、また、利害を一つにする自民党を利す目的で、談合一斉偏向報道を繰り返して日本社会を『国民洗脳』の状態に陥れ、本件選挙の結果を自民党圧勝に誘引した」というものである。

     さらに訴状の中で藤島氏は、「長年失政を重ねてきた民主党・自民党など既成政党に代わる政治勢力・所謂『第3極』の台頭が予想され、国会第3勢力は『国民の生活が第一』(本件選挙直前に「日本未来の党」に合流/公示前勢力・衆議院議員62人)であった。

     ところが、マスコミは、『国民の生活が第一(日本未来の党)』が脱原発政策を掲げていた為、この台頭を阻止する目的で、原発政策を曖昧にした『日本維新の会』(公示前勢力・衆議院議員11人)を結党前から誇大に宣伝し、反対に『国民の生活が第一(日本未来の党)』についての報道を徹底的に排除して国民の意識を偏向させた」と、マスコミを強く批判している。

     そして、「本件選挙の全ての選挙区において公職選挙法205条が規定する『選挙の規定に違反することがあるとき』および『選挙の結果に異動を及ぼす虞(おそれ)』が発生する異常事態となった」と結んでいる。

     この藤島氏の動きとは別に、ネット上では市民有志による提訴の動きも生まれた。自ら立ち上げたHP上で賛同者を募り、原告団を結成。衆院選に関する提訴の期限である1月15日に、滑り込みで東京高等裁判所に訴状を提出した(※4)。

    (※4)提出した訴状と事件番号を記した紙
    http://www.tm256.biz/project-EFB/court-claim-for-public.pdf
    http://www.tm256.biz/project-EFB/case-number.jpg

     IWJは原告団に接触し、訴状提出後、高裁前で原告団のひとりにインタビューを行った。

    【インタビュー動画7分】


    (以下、インタビュー要約)

    Q,本当に一般市民の方ですよね? 今回の提訴に至った経緯は?

    A,(我々は)どこかの党に所属していたり、サポータでもありません。しかし、結果があまりにも納得のいかない点が多く、選挙のプロセスに不自然な点があった。そういった点から、この選挙は公正ではないのではないかと思い、提訴するに至りました。

    訴状は、藤島利久さんが自身のHPにアップしているテンプレートを使用しました。藤島さんが書かれていた内容に、選挙の分類機や投票用紙をほぼ独占的に販売しているムサシの疑惑などを加筆しました。最終的に原告数名全員で加筆修正して訴状を作成しました。


    Q,今回提訴するにあたって、何か直接的な証言や証拠はあるのか?

    A,今回提出した訴状の範囲では、残念ながら証拠を入れ込むことはできなかった。ただ、関係者の証言等を、直接電話でうかがったりはしている。そういう事があったので、私は不正があったと確信している。


    Q,他に訴訟の動きを把握しているか?

    A,藤島さんと我々の他に、1件か2件はある。そのうちの1件は、当初私のサイトに賛同者として投稿してきた方だが、サイトに色々不備があったため、結果的にその方は離れて、ご自身で訴訟をする、という流れになった。


    Q,原告・賛同者募集のサイトに応募してきた人数は?

    A,毎日増え続けている。わずか1週間で1500人程。そのうち、原告に参加したいという方が300人、原告には参加しないが賛同するという方が1200人程度。ただ、今回不慣れだったという事もあり、原告として実際に訴状に名を連ねた(自筆署名と捺印を集められた)のは、数名となってしまった。


    Q,原告団、関係者に法に精通している方はいる?

    A,法律関係のプロとかセミプロと呼ばれる方は皆無。基本的に皆、市民で素人。その中で一人だけ訴訟の経験がある方がいたので、その方の協力のもと、ぎりぎりで訴状提出にこぎ着けた。


    Q,今後の意気込み、展望は?

    A,まだ第一ステップ。まだ第一歩を踏み出しただけ。訴状は受理されたが、もしかしたら訴状に不備があったりして、後々却下されることがあるかもしれない。

     しかし、もしきちんとしたプロセスで、公判となり、実際に法廷で闘うということになれば、選挙機器を提供している会社や、投開票でどのようなプロセスで行われているかとか、投票時間の終了がなぜ一方的に繰り上げられたのか…、そういった疑問についても全て開示させることができれば良いと思っています。

    (インタビュー終わり)


    ===================================
    ◆選挙システムの徹底的な監視の必要性
    ===================================

     ネット上の疑惑の検証作業、市民による提訴の取材と並行して、私は水面下で、今回の衆院選の「開票立会人」数人と接触を試みていた。彼らはみな、開票所で直に開票作業をチェックし、自身も票の集計作業に携わっており、そこで「不正選挙」と疑われるものを目撃していた。

     証言をしてくれた開票立会人のひとりは、「『自民党』と書かれた投票用紙の中に、同じような字体で書かれたものが何枚もあった」と語った。中には「コンピューターでプリントされたと思われるようなもの」もあったという。この生々しい証言の全容は、また号を改めて紹介したい。

     今回の選挙を提訴した藤島利久氏は、訴状の中で、「必要に応じて投票用紙の確認調査が必要である」と述べている。実際に使われた投票用紙を調査したり、投票から開票の流れを可視化できるシステムをつくることでしか、今回検証したような疑念を完全に払拭することはできない。今後このような疑惑がうまれないためにも、選挙システムの透明化・可視化は急務であり、また、万万が一選挙において不正が行われないためにも、国民一人ひとりによる、選挙の徹底的な監視が必要である。

    (了)

    (文責:岩上安身、取材・調査協力:大西雅明、佐々木隼也)

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