11« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»01

    原発問題 -The Truth is Out There-

      : 

    東電福島原発事故の真実 放射能汚染の真実 食物汚染の真実 正しい情報を求めて

    スポンサーサイト 

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。
    スポンサー広告  /  tb: --  /  cm: --  /  △top

    岩上安身のIWJ特報 第75号「『第3次アーミテージレポート』全文翻訳・完全注解(1)」 

    第75号
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
               岩上安身のIWJ特報!    
    「第3次アーミテージレポート」全文翻訳・完全注解   
    ~属国・日本への米国からの命令書を徹底的に読み解く(1)      
    「日本は二流国家に成り下がるのか!?」
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    (IWJより転載許可済)

    これまで我々は、本メルマガ第48号(2012年9月13日発行)で、「野田政権の『勝手に決める政治』の裏に米国の露骨な要求」と題して、「第3次アーミテージレポート」を通し、米国の、日本に対する無茶苦茶ともいえる要求の中身を報じてきた。2012年12月16日の衆議院総選挙において、自民党が圧勝した後、米国はさらに要求を強めている。

    【レポート原文はこちら(英文)】
    http://csis.org/files/publication/120810_Armitage_USJapanAlliance_Web.pdf


     奇観というべきは、日本の政官財各界が、このレポートに書かれた米国からのアジェンダを、忠実に遂行しようとしている姿である。民主党から自民党へ政権が交代してからも、そうした従属的姿勢は変わらない。これに新聞・テレビなどの既存大手メディアが後押しをして、対米従属の列に加わる。

    本メルマガ第61号~63号、72~74号で何度も論考した「改憲・憲法第9条の改正(集団的自衛権の行使)」の問題をはじめ、「原発の推進」、「TPP交渉参加推進」、「中国との緊張の維持」など・・・、現実に起こりつつあるこれらの政策の裏に、米国の要求があるのは明らかである。

     このレポートが発表されたのは、今から5ヶ月半前、2012年8月15日、67回目の終戦記念日だった。尖閣問題で、民主党野田政権が翻弄されていた時期である。現時点で本レポートを読み返すと、改めて驚かざるをえない。本レポートに書かれていることは、今の自民党政権が進めようとしている政策と、見事に合致しているのだ。

    原発の維持推進、オスプレイ配備、TPPの交渉参加、そして改憲と集団的自衛権の行使の容認。即ち日米の軍事的一体化への前のめりの姿勢において、とりわけ顕著である。衆院選において、自民党が多くの得票数を得たのは、大手メディアの報道によれば、「民主党野田政権に対する失望から」であったはずである。しかしその自民党政権が、民主党野田政権に比べ、より米国への従属性を深めていることに、驚きを禁じえない。

     2012年9月22日付の東京新聞のスクープによって、「2030年代に原発ゼロめざす」という野田民主党野田内閣の方針が、米国の圧力で閣議決定が見送りになったことが明らかになった。野田政権は、「今後原発をどうするのか」という国家の進路にかかわる最重要課題ですら、自ら決めることができず、米国の言いなりとなってしまったのである。

     原発の維持に関して、米国の言いなりとなる従属的な姿勢は、民主党政権だけの話ではない。自民党政権もまた同じである。総選挙で圧勝し、政権与党に返り咲いた自民党の安倍晋三総裁は、12月26日に国会で首班指名され、第二次安倍内閣を発足。その3日後の29日には、福島第一原発を視察に訪れ、民主党が打ち出した「2030年代の原発ゼロ」を見直す考えを示した。「原発を維持せよ」という米国の「要求」の丸のみは、より加速した。

     TPPについては、自民党は衆院選以前から「『聖域なき関税撤廃』を前提とした交渉参加には反対」との姿勢を示しており、交渉参加を推進していた民主党政権よりも、慎重な立場をとっている。自民党内の議員連盟「TPP参加の即時撤回を求める会」は1月末の時点で209人に膨れ上がり、自民党の国会議員(377人)の過半数に達している。しかし、米国と、日本の経団連の強烈な推進圧力のなか、早くも自民党内部にほころびが見え始めている。

     政権交代後の公明党の連立合意文書では「(TPPについて)国益にかなう最善の道を求める」と、交渉参加に含みを持たせた表現に変質している。また、1月6日には高市早苗政調会長がテレビ番組で「交渉に参加しながら条件が合わなかったら脱退する選択肢もゼロではない」とコメントし、2月1日には、甘利明経済再生相が記者会見で「(米国が関税撤廃の例外品目を認めるなど)かたくなな前提条件が変わる可能性はゼロではないと思っている」と述べるなど、政権内部から前向きな発言が出始めている。

     高市政調会長が言うような「中途離脱」はありえない。TPPは徹底した秘密交渉である(その秘密ぶりもおかしいのだが)。「密室」に招き入れられた者が、秘密を知った後に中途退室するなど、よほどの覚悟がなければできるものではない。そもそも誰が離脱すべきか否か判断を下すのか。TPP交渉の内容は、国民はおろか、各国の国会議員にすら交渉の内容は開示されていない。正確な情報の開示なくして「判断」のしようがないではないか。「離脱可能」という高市政調会長の発言は、途方もない無知にもとづくか、さもなくば、国民を騙す虚偽である。

     TPPへの加盟は、日本国内の農業に壊滅的な打撃をもたらす。それだけでなく、本メルマガ第49~51号で報じたように、モンサント社の遺伝子組み換え作物の流通や、その表示義務の撤廃なども行われてしまうだろう。

     オスプレイの配備問題についても、同じ疑問がわく。推進側は「尖閣諸島と沖縄を中国から守るには、オスプレイが必要だ」などと主張する。読売新聞は2012年10月10日付の社説で、「重要なのは、オスプレイ配備が日米同盟を強化し、アジアの安定にも寄与することだ。中国が、沖縄県・尖閣諸島周辺を含む東シナ海で海空軍の活動を活発化させている。今後も、国防費の大幅な伸びを背景に、艦船や航空機の増強と近代化を中長期的に続けると見るべきだ」と、中国の脅威を強調し、オスプレイが尖閣諸島の防衛に寄与するかのように書いている。

     しかし、オスプレイは機銃などを装備していない、ただの輸送機である。人員輸送に役立つとしても、発着場のない尖閣諸島の防衛には、ほとんど意味がない。役に立たないオスプレイの配備を推進する側が謳い文句にする「日米同盟の深化」とは、一体誰のためのものなのか。

     自民党政権となり、防衛省は2013年度予算の概算要求に、このオスプレイの開発・運用に関する調査研究費約1000万円を盛り込んだ。今後、米国からオスプレイを購入し、自衛隊に配備する事を検討するのだという。島嶼防衛には全く役立たずのオスプレイを、一体どのような目的で配備するのかといぶかしんでいたら、米国からの押しつけに従って渋々購入するも、使い道は決まっていないのだという。しかも1機50億円のオスプレイを、1機100億円で買わされるのだというから、空いた口がふさがらない。

     防衛省はさらに、1000億円超の予算を上積みし、防衛費の11年ぶりの増額を目指している。これは自衛隊の人員・装備拡充を掲げている自民党の後押しを受けてのものだが、その背景には、同党が何よりも前のめりに進めている「集団的自衛権の行使の容認」と、「9条改正」つまり「改憲」がある。

     安倍首相は1月13日、NHKの討論番組で、集団的自衛権の行使容認について、「安倍政権の大きな方針の一つだ」と発言し、2月に予定されている日米首脳会談で議題とする考えを示した。そして、この集団的自衛権の行使容認を含む「改憲」については、「民主党にも賛成の方がいる。より広い支持基盤を作る」と言及した。

     本メルマガ第61号・62号、63号、73号・74号で論じたように、自民党が押し進めようとしている「憲法改正草案」には、「集団的自衛権の行使の容認」「9条改正」以外にも、基本的人権の制限や表現の自由の制約、緊急事態における内閣の大権と国会の軽視など、様々な問題が含まれている。

     なぜ、こうした首を傾げたくなる政策が、次々と実行されていくのか。その答えを導きだすためには、「アメリカの要求」を徹底的に知る必要がある。そのためには、昨年の夏に発表されたこの「第3次アーミテージレポート」を改めて読み解く必要がある。

     我々は、このレポートを全文完全邦訳し、詳細な注と分析を加えて、本メルマガで公開することにした。レポートは「はじめに」「エネルギー安全保障」「経済と貿易」「近隣諸国との関係」「新しい安全保障戦略に向けて」「結論」「提言」と、7つのカテゴリに分かれている。

     本号ではまず、「はじめに」「エネルギー安全保障」の部分を、分析と指摘を交え紹介したい。  「はじめに」では、「日本は一流国であり続けたいのか? 二流国に成り下がって構わないのか?」という挑発的な問いが投げかけられている。この問いには「主権国家か、否か」という問いが、そもそも含まれていない。

     「エネルギー安全保障」は、冒頭から「野田政権による原発再稼働は責任ある正しい措置」と書かれている。「原発ゼロ」の閣議決定に圧力をかけ見送らせた、米国の意志が露骨にあらわれている。

    ※なお、本号の発行後に「号外」として、「第3次アーミテージレポート邦訳全文」(注釈なし)を発行する。今後、本号のように注釈付きの解説板を数度にわたって発行していくので、まずは「号外」の全文邦訳にざっと目を通していただければ、より理解が深まるだろう。

    (邦訳全文は、サイトのブログ記事
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/56226 にも掲載しています)


    ==================================
    ◆「第3次アーミテージレポート」全文邦訳(1)「はじめに」
    ==================================
    http://csis.org/files/publication/120810_Armitage_USJapanAlliance_Web.pdf


    米日同盟
    アジアに安定を定着させる

    CSIS 国際戦略研究所
    日本講座 報告書
    執筆者 リチャード・L・アーミテージ(※1) ジョセフ・S・ナイ(※2)

    2012年 夏

    ■目次
    研究班 参与者
    研究班 署名

    はじめに1
    エネルギー安全保障2
    経済と貿易6
    近隣諸国との関係7
    新しい安全保障戦略に向けて11
    結論15
    提言16
    執筆者について19

    「はじめに

    この日米同盟報告書は、日米関係が漂流している時期に発表される。日米両国の指導者たちが無数の他の課題に直面しているとき、世界で最も重要な同盟の1つの健全性が危機に瀕しているのである。米国務次官補カート・キャンベル(※3)と、両政府内の彼の同僚たちによって、同盟の安定は大方保たれてきたが、同盟地域内外における今日の課題と機会に対処するには、それ以上のことが必要である。

    日米双方は、中国の再台頭とそれに伴う不安定要素、核能力と敵対的意図をもつ北朝鮮、そしてアジアのダイナミズムの兆しに直面している。他にも、グローバル化した世界とますます複雑化する安全保障環境には多数の困難な課題が存在する。このような今日の大問題に適切に対処するには、より強力でより平等な同盟が必要である。

    上記のような同盟が存在するためには、米国と日本が一流国家の視点をもち、一流国家として振舞うことが必要であろう。我々の見解では、一流国家とは、経済力、軍事力、グローバルな視野、そして国際的な懸念に関して実証された指導力をもつ国家である。同盟の支援に関して米国側に改善点はあるが、米国が一流国家であり続けることには寸分の疑いもない。

    しかしながら、日本には決定しなければならないことがある。つまり、日本は一流国家であり続けたいのか、それとも二流国家に成り下がって構わないのか? 日本の国民と政府が二流のステータスに甘んじるなら、この報告書は不要であろう。この同盟に関する我々の評価と推奨事項は、日本が大きな貢献を果たせる世界の舞台で完全なパートナーであることに依拠している。

    我々は、今日の世界における日本の影響と役割を混乱させている諸問題を認識した上で、上記の質問を投げかけた。日本の人口は劇的に老齢化し、出生率は低下している。日本の債務対GDP比は、200パーセントである(※4)。日本では、6年間に6人の首相が交代した。そして、多数の若い日本人の間に厭世観と内向性が増大している(※5)。しかし、日本の重要性の低下は運命ではない。日本は、一流国家であり続ける十分な能力がある。要は日本がどのような傾向をもつかという問題にすぎない。

    日本は多数の課題に直面しているが、日本の国力と影響力には、同様に多くの過小評価され十分に活用されていない側面が存在する。日本は世界第三位の経済圏であり、中国の2倍の消費者セクターをもつ(※6)。日本は、改革と競争によって解き放たれる可能性のある巨大な経済的潜在力をもち続けている。自由貿易と移民に対する開放性と女性の職場進出が増大すれば、日本の国内総生産(GDP)は著しく成長するだろう。日本のソフトパワーも注目に値する。

    日本は、国際的に尊敬される国としてトップ3にランクされ、「国家ブランド」としては世界第一位である(※7)。日本の自衛隊(JSDF)は、現在の日本で最も信頼されている機関であるが、時代錯誤の制約を軽減できれば、日本の安全保障と評判の向上により大きな役割を果たせる態勢にある。

    日本は、世界の平穏な地域に位置する、取るに足りない国ではない。アジア太平洋地域の安定した戦略的平衡のための海の要、国連(UN)と国際通貨基金(IMF)など主要多国籍機関に対する2番目に大きな貢献者、世界で最もダイナミックな半球のためにシーレーンをオープンに保つ米軍のホストとして、米国とその他の国々は日本に頼っている。

    日本が強い米国を必要とするに劣らず、米国は強い日本を必要とする。そして、この観点から、我々は日米同盟とそのスチュワードシップの問題を取り上げる。日本が米国と肩を並べ続けていくには、米国と共に前進する必要がある。日本は、今までアジアのリーダーであったが、今後もそうあり続けることができるのである。

    以下の報告は、日米同盟に関する超党派研究グループのメンバーの大多数の見解を示すものである。この報告では、特に、エネルギー、経済、世界貿易、隣国との関係、そして安全保障に関する問題を取り上げる。これらの分野において、研究グループは、日本と米国に対して、短期および長期に渡る政策の推奨事項を提言する。これらの推奨事項は、アジア太平洋地域およびそれ以外での平和、安定、繁栄のための力としての日米同盟を支えることを目的としている」


    ──(ここまで仮訳)──────


    (※1)リチャード・L・アーミテージ:
     海軍兵学校卒業後、ベトナム戦争に出征。1983年に、38歳という若さで、レーガン政権下の国務次官補に就任する。それ以来、日本の外交当局と強いパイプを形成し、日米関係の問題に深く関わるようになる。2001年からのブッシュ政権時代は、アーミテージ率いる共和党知日派グループから積極的に人材を登用し、自身も国務副長官を務めた( http://urx.nu/3c0d )。


    (※2)ジョセフ・S・ナイ:
     ハーバード大学教授であり、米民主党内で大きな発言力を持つ。カーター政権下の1977年から79年には国務次官補を務め、95年には、対日関係で強硬姿勢をとるクリントン大統領の下、国防次官補として「ナイ・イニシアチブ」と呼ばれる「東アジア戦略報告」を作成し、日米同盟を見直すきっかけをつくった。これは、96年の「日米安保共同宣言」、97年の「日米防衛協力のための指針」作成に大きな影響を与えた( http://urx.nu/3c0b )。

     アーミテージとナイの2人は、共和党と民主党という党派を超えて交流を深めていき、1999年には、超党派グループを結成、日米関係に関する政策指南書の作成を開始する。そして、2000年10月11日に「アーミテージ=ナイ・レポート」第1号を発表し、日本に対して、集団的自衛権の行使や有事法制の整備などを要請した。

     その後、2007年2月16日には「アーミテージ=ナイ・レポート」第2号を発表。これは、中国とインドを強く意識したものになっており、アジアの安定のために、日米中の3カ国の連携が重要であると強調しながら、日米自由貿易協定(FTA)の早期締結や、日本の防衛費の増額などを求めてきた。日米同盟に対して、アーミテージとナイの両氏は、軍事力や経済力の面から見て、対等なものではなく、不平等なパートナーシップであることを認めている(参考:文春新書『日米同盟vs中国・北朝鮮 アーミテージ・ナイ緊急提言』)。

     また、両氏は、2012年10月26日に東京都内で、日本経済新聞社と米戦略国際問題研究所(CSIS)の共催のシンポジウムを開き、さまざまな日米問題に言及した。例えば、日本の原発政策について、アーミテージ氏は「代替エネルギー(への転換)がもくろみ通りにいっていないのに、原子力を放棄して自らの手足をさらに縛る必要があるのか」と述べ、一方のナイ氏も「日本の原発ゼロ方針は受け入れがたい」と原発ゼロに反対する姿勢を強調した(参考:『2012年10月26日 日本経済新聞』http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM26058_W2A021C1000000/)。


    (※3)米国務次官補カート・キャンベル:
     クリントン政権ではアジア・太平洋担当国防副次官補、国家安全保障会議事務局長、北米自由貿易協定大統領特別顧問代理、財務省ホワイトハウス特別研究員を歴任。2009年6月26日、カート・キャンベルは東アジア・太平洋担当国務次官補に就任した。

     キャンベル氏は、「クリントン政権時代に、東アジア担当国防事務次官補代理として、沖縄特別行動委員会や、日米安保のガイドラインなど、日米同盟強化に活躍した」とされている。

     「CSISによる宇宙空間における日米協力への提言」(2003年8月26日掲載)より http://pranj.org/papers/nabe-keizai082603.htm

     また、2011年5月24日付の琉球新報によると、「1955年の少女乱暴事件の後、県民の激しい怒りが日米安保体制の根幹を揺るがした際、キャンベル氏は普天間返還を決めたSACO(日米特別行動委員会)の最終報告策定に関わった。

    誰もが驚いた返還合意は、沖縄の民意を重く見た決断だった。その半面、キャンベル氏は、日米安保共同宣言や有事関連法制定などを通し、日米の危険な軍事一体化の新段階を刻んだ『解釈改安保』の先頭に立つ役回りを担った。沖縄に向き合う『SACO第一世代』とも言われたキャンベル氏は2004年に来沖した際、『県外に移す選択肢を考える時期だ』と明言していた」と報じられている。

     (※4)日本の債務対GDP比は、200パーセント
     財務省HPの「日本の債務残高の国際比較(対GDP比)」には、日本の債務残高は2012年で、219.1%とあり、米国61.3%、イギリス43.8%、ドイツ69.3%と比較して、財政が逼迫していることを強調している。しかし日本の場合、この債務(借金)の9割以上は、国内の保険会社や金融機関が保有している。この1000兆円近い借金の利払いは現在年1%で、約10兆円。金利負担額は過去20年間ほとんど変わっていないのだ。

     そして、日本は世界最大の債権国でもある。財務省HPの「本邦対外資産負債残高」によれば、2011年末の日本の対外純資産は253兆円(GDP比では54%)である。2位の中国の対外純資産でも138兆円である。

     日本が財政危機に陥っているというのはまやかしであり、にもかかわらず、そうした危機感を煽るのは消費税増税をもくろむ財務省と、法人税を引き下げさせ、その減収分を消費税で穴埋めさせたい経団連ら財界と、背後からその後押しをしている米国の思惑による。
     
     「日本の債務残高の国際比較(対GDP比)」 http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/007.htm 「本邦対外資産負債残高」 http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2011.htm


    (※5)多数の若い日本人の間に厭世観と内向性が増大している
     日本は「内向き」志向になっているという現実認識は、だから国を「聞かなくてはならない」という誘導と、実のところセットになっている。しかし、本当に日本の若い世代は「内向き」になっているのだろうか?このアーミテージらと歩調をそろえるような論説の代表として、 2011年1月10日の読売新聞の社説「新成人へ:世界に大きくはばたこう」を以下引用する。

    「気がかりなのは、今の若者の間に『内向き志向』が強まっていることだ。2008年の 日本人留学生の数は約6万7000人で、ピーク時の04年の8割に減っている」。こうした留学生数の減少を引きあいにして、日本の若者の「内向化」を論じる論説は少なくない。だが、これは根拠が相当に怪しい。このテーマを論じると長くなるので、これはまた別稿で論じるとする。


    (※6)日本は世界第三位の経済圏であり、中国の2倍の消費者セクターをもつ
    平成22年版通商白書概要 p13(アジア各国・地域の個人消費規模─日本:2.73兆ドル/中国:1.53兆ドル) http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2010/2010honbun_p/2010_00c.pdf


    (※7)日本のソフト・パワーも注目に値する。日本は、国際的に尊敬される国としてトップ3にランクされ、「国家ブランド」としては世界第一位である
     アーミテージとコンビを組むジョセフ・ナイには、そのものずばり「ソフトパワー」という題名の著書がある。ナイとアーミテージは、戦後、他国の紛争に介入せず、対外侵略を行わない平和国家であり続けた歴史が、とりもなおさず日本の「ソフトパワー」であり、かけがえのない「外交的資産」であることを知り尽くしているはずである。
     
     にもかかわらず、彼らは日本に対して、内向きになるな、集団的自衛権の行使を認めて、米国と一緒に軍事行動を行え、などとアジテーションをふるうのである。まったく矛盾している。日本を米国の従属国の地位に固定しておきながら、「一流国でありたいと思わないのか!? 二流国に成り下がっていいのか!?」などと矛盾したアジテーションを行うのと同様の御都合主義である。

     彼らのやり方は人の頭を靴底で踏みつけながら、縛りつけた鉄鎖を解きもせず、「立ち上がれ!」とあおるようなものだ。無茶を言うな、としか言いようがない。彼らの言う「一流国」とは、「一流に見える従属国」に過ぎない。「一流の、独立した主権国家」のことではない。国家に一流や二流というランク付けがあり得るのか、という考え自体、とても上品とはいいがたいが、仮にあり得るとして、経済規模が大きいだけで、自ら主体的に思考することも判断することもせず、超大国アメリカに従順につき従うだけの属国に、「一流」の資格があるはずがない。

     しかも、集団的自衛権の行使容認によって、他国に対して軍事力を行使する可能性が高まるのだ。1月16日に起きたアルジェリアの人質事件に際して、与党政府の要人からは、「海外へ自衛隊を派遣できるよう自衛隊法の改正を」「武器使用基準の緩和を」という発言が出た。集団的自衛権行使容認をみすえた発言であることは明らかだった。

     他者に「暴力」をふるったその責任は、追随者にすぎないので、免責されると思っていたら、大きな間違いである。米国に「自動的」に追随して、他者に暴力をふるうことに「自動的」に加担すれば、そのツケや責任はまぬかれないのである。

    英BBC調査「世界で最もポジティブに見られる主要国(the world’s most positively viewed major nation)」ランキング2012 p3(日本1位) http://www.globescan.com/images/images/pressreleases/bbc2012_country_ratings/2012_bbc_country%20rating%20final%20080512.pdf サムソン経済研究所(SERI)「国のブランド力(Nation Brands, 2011 Survey Results)」ランキング2011 (イメージ)日本1位 http://www.seriquarterly.com/03/qt_Section_read.html?mncd=0301&pub=20120216&Falocs=03&dep=1&pubseq=254


    ==================================
    ◆「第3次アーミテージレポート」全文邦訳(2)「エネルギー安全保障」
    ~原子力エネルギー
    ==================================

    「エネルギー安全保障 原子力エネルギー 2011年3月11日の悲劇は、未だ生々しい記憶であり、地震、津波、その後の炉心溶融によるすべての被害者に対し、謹んで哀悼の意を表明する。当然ながら、福島の原子力災害は、原子力にとって大きな躓きの石となり、その影響は、日本全国だけでなく、世界中に波及した。

    英国や中国のように原子力拡張計画を慎重に再開した国もあるが、ドイツのように原子力を段階的に全廃することを決定した国もある。 日本は、原子炉の徹底的な調査と原子力保安規定の改定を行なっている。原子力に対する一般市民の強い反対にも関わらず、野田佳彦首相の政府は、2基の原子炉の再稼動を開始した。さらなる再稼動は、安全性の確認と地元の合意に依存する。我々の見解では、このような状況において原子力発電を慎重に再開することは責任ある正しい措置である」


    ───(ここまで仮訳)─────────


     このように、アーミテージレポートでは、原発の再稼動は正しい、再稼働せよと、上から見下ろすように御託宣を下す。米国からすれば、「結論」は出ている、と言わんばかりである。ここには世界有数の地震国という日本の事情は一切顧みられていない。

    そんな土地にそもそも原発は可能なのか、ということも視野の外である。結果として再び事故に見舞われ、日本の国土が汚染されて、日本国民が居住不可能となったとしても、彼らが責任を問われるだろうか? とるつもりがあるだろうか? 答えはもちろん「ノー」である。彼らは一切責任を取らない。無責任きわまりない。

     国の命運にかかわる決定を下す権限は、その責任と一体でなければならない。それこそが主権である。そして、日本の主権は、日本国民にある。我々の命運は、我々が決めるべきなのである。日本に命令しておいて、責任をとらない、無責任きわまりないジャパンハンドラー達は、日本が原発を維持推進すべき理由として、CO2削減の国際公約を持ち出す。以下、再び引用する。


    ───(ここから仮訳)─────────


    「日本は、エネルギー効率の向上において非常に大きな進歩を遂げ、エネルギーの研究開発で世界的なリーダーとなっている。日本人は、エネルギー消費の削減と、エネルギー効率に関する世界最高の基準の設定において、驚異的な国民的結束を発揮してきたが、近未来における原子力エネルギーの欠如は、日本に重大な影響を及ぼすであろう。

    原子力発電所の再稼動なしでは、日本が2020年までに二酸化炭素(CO2) 排出量を25%削減する目標(※8)に向って有意義な進歩を遂げることは不可能であろう。原子力は、現在も将来も、排ガスのない基底負荷発電の唯一の実質的ソースとして残るであろう。環境省のデータによれば、日本の排出量は、原発再稼動なしでは、2020年までにせいぜい11%しか削減できないが、再稼動できれば、20%近くまで削減できるという(※9)。
    原発を永久に停止した場合は、輸入した石油、天然ガス、石炭の消費量が増大するだろう。さらに、国のエネルギー政策に関する決定の延期は、エネルギーに依存する重要な産業を日本から追い出しかねず、国家の生産性を脅かす可能性がある」


    ───(ここまで仮訳)─────────


     日本は世界に向かって公約したのだから、その公約を果たすために原発を維持せよ、と迫る米国自身は、京都議定書にも批准しなかったし、二酸化炭素の削減義務も積極的に担おうとしていない。にもかかわらず、日本は公約してしまったのだから、削減義務を果たせと詰め寄る。破廉恥なまでに無責任である。

     同時に、彼らの厚かましい要求から、逆に浮き彫りになってくるのが、地球温暖化論議への懐疑である。地球温暖化論議が原発ルネッサンスと結びついていたのは、周知の通りである。日本に原発維持政策を押し付けるための政治的テコとして、CO2削減の国際公約が利用されていることを目の当たりにするとき、温暖化問題が実は、すぐれて政治性を帯びた問題であることが明らかになる。

     地球は本当に温暖化しているのか否か、という問題と、仮に温暖化しているとして、それが主としてCO2の増加によるものなのかどうか、という問題は、科学的な議論にゆだねられるべきだが、温暖化が揺るぎない科学的真実であることを絶対的な前提として、CO2削減の義務化を各国に迫り、排出権取引を行うことなどは政治的議論の範疇である。各国の政治的な利害や打算が複雑に絡んでいないと思うのはナイーヴに過ぎるだろう。


    ───(ここから仮訳)─────────


    「また、開発途上国は原子炉の建設を続けるので、日本の原発永久停止は、責任ある国際原子力開発を妨害することにもなるだろう。フクシマ以後一年以上にわたって原子炉認可を中断していた(ただし、進行中のプロジェクトは中断しなかった)中国は、新規プロジェクトの国内建設を再開しつつあり、最終的には重要な国際ベンダーとして台頭する可能性がある。

    中国が民生用原子力発電の世界的開発のメジャー・リーグでロシア、韓国、フランスに加わろうと計画している(※10)とき、世界が効率的で信頼性の高い安全な原子炉や原子力サービスから利益を得るためには、日本が遅れをとることはできない。

    他方、米国としては、使用済核廃棄物の処理にまつわる不確実性をなくし、明確な許認可手続きを導入する必要がある。我々はフクシマから学習し、是正措置を導入する必要性を十分に認識しているが、原子力はエネルギー安全保障、経済成長、環境上のメリットなどの分野でまだ巨大な可能性を保持している。日本と米国は、国内/国外の安全かつ信頼性の高い民生用原子力を推進する上で共通の政治的、商業的利益をもっている。

    東京とワシントンは、フクシマからの広範な経験を生かしながら、この分野で同盟関係を活性化し、安全な原子炉の設計と健全な規制業務の普及を世界的に促進することにおいて指導的役割を再び演じる必要がある。3.11の悲劇のために、経済と環境をこれ以上大きく衰退させてはならない。安全でクリーンな責任ある開発と利用によって、原子力は日本の包括的な安全保障に欠かせない要素を構成する。そしてこの点において、原子力研究開発での日米の協力は不可欠である」


    ───(仮訳ここまで)─────────


    (※8)日本が2020年までに二酸化炭素(CO2) 排出量を25%削減する目標
     CO2排出量の25%削減目標は、民主党が2009年にマニフェストに掲げ、同年9月22日に開かれた気候変動サミットにおいて、当時の鳩山由紀夫首相が、国際公約として発表したものだが、2012年1月に削減目標の下方見直しが開始された。中央環境審議会地球環境部会は、2012年6月の報告書で、地球温暖化対策の選択肢の原案として、2020年までに5%から15%の削減案をまとめた。

    「民主党の政権政策Manifesto2009」p21
    (42.地球温暖化対策を強力に推進する)
    http://www.dpj.or.jp/download/325.pdf

    2013年以降の対策・施策に関する報告書(平成24年6月)
    http://www.env.go.jp/earth/report/h24-03/main01a.pdf


    (※9)日本の排出量は、原発再稼動なしでは、2020年までにせいぜい11パーセントしか削減できないが、再稼動できれば、20パーセント近くまで削減できる

     「原発なしで11パーセントしか削減できない」というアーミテージレポートの掲げている数値は、※のソースでも示した下記資料の原案1-1を参考にしていると思われる。

    環境省中央環境審議会「2013年以降の対策・施策に関する報告書(平成24年6月)」(※8のソースと同じ) http://www.env.go.jp/earth/report/h24-03/main01a.pdf

     しかし、民間のシンクタンクからは、原発再稼働がなくても2020年までにCO2排出量25%削減可能という試算がいくつか出ている。特に、環境エネルギー政策研究所(ISEP)の飯田哲也氏は、環境税、排出量取引、再生可能エネルギーに対するFIT(固定価格買取制度)の3点を導入すれば、25%の削減は十分可能であると述べており(http://eco.goo.ne.jp/topics/globalwarming/keyperson/0202.html)、
    またISEPは、2012年の9月に発表した提言の中で「2020年においても温室効果ガス25%削減の目標は基本的に堅持すべき」と主張している(http://www.enecho.meti.go.jp/info/committee/kihonmondai/32th/32-3-2.pdf)。

     さらに飯田氏は、経済産業省総合資源エネルギー調査会基本問題委員会の委員も務めており、これは、政府機関による審議においても25%削減目標の下方修正が唯一無二のシナリオではないことを示している。そしてなにより、温室効果ガス削減目標の未達可能性が、原発再稼働を義務化するという根拠にならないことは明らかである。

     地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA) 「【CASA提言】原発全廃でも2020年25%削減可能~「CASA2020モデル(Ver.4)」の試算結果~」
    http://www.bnet.jp/casa/2020model/CASA2020Model_ver4.pdf

     そもそも、地球温暖化が、人間の排出する温室効果ガスを主な原因として引き起こされているとするIPCCの報告書に対して、異論を唱えている学者は少なくない。フランスの地質学者であるクロード・アレグレは、著書『環境問題の本質』(NTT出版、2008年)の中で、IPCC では、意見の違う科学者は追放され、科学の発展に悪影響をもたらすコンセンサスが作り出されていったことを述べている(ちなみにアレグレ氏は、原発推進論者である。反原発論者から投げかけられた懐疑ではない)。

     また、九州国際大学の中野洋一教授は、論文「『京都議定書』に関する一考察 ‐『クライメートゲート事件』と地球温暖化論‐」の中で、IPCCの設立過程には、以下のような政治的背景があったことを示している。

     「当時は、特にイギリスのサッチャー政権の強い支持と影響のもとで、地球温暖化問題が政治的課題として取り上げることが決定的となった。サッチャー政権は「新自由主義」的経済政策の実行のために、イギリス国内において最大の敵対的関係にあった炭坑・製鉄産業の労働組合との厳しい政治闘争を展開しており、特に強力な炭坑労働組合の力を弱めるために地球温暖化問題を利用し、石炭火力発電を基礎とするエネルギー政策から原子力発電を推進する政策へと切り替える必要があった」

     つまり、主要エネルギーを、火力発電から原子力発電へと移行しやすくするために、地球温暖化を手段として利用したというのである。さらに、中野教授は、「クライメートゲート事件」(*)を取り上げ、以下の読売新聞の記事を紹介している。

     「地球温暖化の科学的な信頼性が揺らぐ中、日本の科学者を代表する日本学術会議が初めて、この問題を公開の場で論議する会合を開いた。だが、会合では、専門家がそれぞれ自説を述べるだけで学術会議の見解は示されなかった」(2010年5月4日 読売新聞)

     すなわち、クライメートゲート事件が世界的に問題となり、日本でも上記のように一部のメディアで取り上げられ、「地球温暖化が、本当に温室効果ガスによって引き起こされているのか」という根本的な問題を議論するため、会合まで開かれたにもかかわらず、議論はおざなりで、結論すら発表されなかったというのである。

     3.11以降、原発そのものの危険性とともに、原発を抱え込んでいる社会体制の危険性・欺瞞性が様々な角度から告発され、問い直されてきた。ところが、チェルノブイリ事故以降、世界的に原発をクリーンエネルギーとして見直す「原発ルネッサンス」というキャンペーンと、それを背後から支えてきた温暖化論議への見直し、問い直しについては、まだ十分になされているとはいえない。1月29日に、私は中野教授にインタビューをしたが、これは、地球温暖化問題と原発ルネッサンス・キャンペーンを問い直す我々なりの第一歩である。

     これら、地球温暖化についての問題は、今後IWJとしても、より深く追求していくつもりである。

    *クライメートゲート事件:
    2009年11月に、IPCC の主要メンバーが所属するイギリスのイーストアングリア大学にある気候研究所のサーバーが何者かによってハッキングされ、暴露された書類から、研究者たちが温暖化人為説を根拠づけるために行ったさまざまな誘導や歪曲や論敵潰しが明らかになった事件(出典:中野洋一、上記論文より)。

    九州国際大学 中野洋一「『京都議定書』に関する一考察 ‐『クライメートゲート事件』と地球温暖化論‐」http://www.kiu.ac.jp/organization/library/memoir/img/pdf/kokusai6-1_2-002nakano.pdf


    (※10)中国は、新規プロジェクトの国内建設を再開しつつあり、最終的には重要な国際ベンダーとして台頭する可能性がある。中国が民生用原子力発電の世界的開発のメジャー・リーグでロシア、韓国、フランスに加わろうと計画している。

     2012年12月27日、中国の原子力企業、中国核工業集団は、江蘇省で新期原発2基の建設を開始したと発表した。中国は2030年に向けて原発開発を急ピッチで進めており、このアーミテージレポートに記されている通り、アメリカやロシア、ヨーロッパを抜いて世界最大の原発国になる見通しである。

    日経新聞「中国・江蘇省で原発2基着工 」
    http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM27049_X21C12A2FF2000/

    サーチナ「中国最大の原発プロジェクト、静かにスタートを切る」
    http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0107&f=politics_0107_005.shtml

    世界原子力協会「マーケットレポート2011」 p11, p12
    http://www.world-nuclear.org/sym/2011/presentations/chauvinppt.pdf

    ロイター「中国が原発安全性に関する報告書を発表、近く建設再開か」2012年10月27日
    http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE89G03620121017

     隣国の中国で、安全性の低い原発が大量につくられ、巨大原発事故の可能性が高まったら、それは確かに日本にとって脅威ではある。しかし、アーミテージらの懸念は、そんなことではない。彼らは日本国民の頭上に放射性プルームが降り注ぐことを心配しているわけではない。日本の原子力産業は、米国の原子力産業の一部を成している。

     日本が脱原発を果たし、日本の原子力産業が日米の原子力コンソーシアムから離脱することで、相対的に競争力が低下することを怖れての話としか思えない。米国の産業力が中国に抜きさられるという問題は、別次元の問題である。OECDは、2016年に中国のGDPが米国を抜いて世界一になるという予測を出した(http://www.oecd.org/eco/economicoutlookanalysisandforecasts/lookingto2060.htm)。2030年には、米国が18%にとどまるのに対し、中国のGDPは28%を占める。

     米国は、こうした趨勢を挽回するために、日本を従属国の地位にとどめたまま、自陣営につなぎとめようと必死になっており、そのあらわれが、日本を抱え込んだ原子力産業の維持、日米同盟の強化、TPPへの参加強制なのである。米国は焦っている。その虚勢とは裏腹に、中国に覇権交代を迫られるのをひどく怖れている、と思われる。米国という<帝国>が、圧倒的な軍事力を誇示し、暴君の如くふるまうのは、その強さゆえではなく、弱さゆえである、というエマニュエル・トッドの見方に、私は一理あると思っている。

    (続く)

    原発 放射能 水道 食品汚染 TPP


    関連記事
    スポンサーサイト

    テーマ: 許されない出来事

    ジャンル: ニュース

    真実の追求  /  tb: 0  /  cm: --  /  △top

    トラックバック

    トラックバックURL
    →http://george743.blog39.fc2.com/tb.php/1678-dfbaa330
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

    △top

    原発 放射能 食品汚染 by freeseo1
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。