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    原発問題 -The Truth is Out There-

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    東電福島原発事故の真実 放射能汚染の真実 食物汚染の真実 正しい情報を求めて

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    岩上安身のIWJ特報 第76号「時代錯誤な言論弾圧」を体験した当事者が指摘する、自民党改憲草案の危険性~下地真樹氏インタビュー(前編) 

    第76号
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               岩上安身のIWJ特報!
    「時代錯誤な言論弾圧」を体験した当事者が指摘する、自民党改憲草案の危険性
    2012.12.30下地真樹・阪南大学准教授インタビュー(前編)
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    (IWJより転載許可済み)

     結局は、言いがかり同然の、「不当逮捕」だったと言わざるをえない。

     2012年12月28日、阪南大学准教授の下地真樹氏が大阪府警曽根崎警察署から釈放された。20日ぶりの拘留からの解放だった。自宅に踏み込まれ逮捕されたのは、昨年12月9日朝のこと。家宅捜索も受けた。

     10月17日にJR大阪駅構内で街宣行為を行ったとして、「威力業務妨害罪」と「不退去罪」の容疑がかけられたのだが、下地氏らは、そもそも街宣行為すら行なっていないと主張、大阪府警は「違法行為」があったという事実も立証できず、結局は起訴できず、不起訴、釈放に至った。

     仮に駅構内で街宣活動をしていたとしても、(下地氏らはその事実はないと否定している)それだけのことで、逮捕拘留は明らかに行き過ぎである。まして下地氏らの主張通り、駅構内を歩いて通過しただけならば、大阪府警は公権力を濫用して、下地氏が熱心に取り組んでいた、震災がれき広域処理反対運動に対する弾圧を行ったのではないかと批判されても、これでは反論のしようがあるまい。

     警察権力がそこまでムキになって反対運動を抑えこもうとするのはなぜなのか、逆に疑問がわく。そもそもがれきの広域処理とは何だったのか。振り返ってみよう。

     2011年4月に環境省が各都道府県知事に対し、災害廃棄物の受け入れを要請したことから始まった「震災がれきの広域処理問題」。先陣を切って受け入れを表明した東京都では、順次、住民説明会を開催された。

     廃棄物に放射性物質が付着しているのではないか、焼却処理により濃縮されるのではないかという不安、処理施設を巡る利権疑惑など、説明会は毎回紛糾したが、IWJではその模様をあますところなく中継し続けた。

     東京都に続き、受け入れを表明した自治体でそれぞれ住民説明会が開かれ、2012年2月には静岡県島田市で試験焼却が実施された。

     4月には環境省が「みんなの力でがれき処理」プロジェクトを開始し、40億円の広告費を費やし"絆"を掲げて広域処理を押し進めようとするも、福島第一原発事故以前は100bq/kg以上を放射性廃棄物としていた基準値が8000bq/kgに引き上げられた点、焼却方法への疑問、見え隠れする金銭の流れへの不審などから、反対の声はあがり続けた。

     2012年5月23日には、北九州市で始まる試験焼却を止めようと集まった市民を機動隊が排除、二人が逮捕された(のち釈放)。http://togetter.com/li/308772

     2012年8月30日には、大阪市中央公会堂にて開催された「東日本大震災廃棄物広域処理に関する住民説明会」で、下地真樹氏が、がれきの広域焼却処理の"不備"について橋下大阪市長を厳しく追求。説明会は中断され、機動隊が出動するなど紛糾した。

    【動画記事】http://iwj.co.jp/wj/open/archives/28423


     その後も大阪では「震災がれきの広域・焼却処理」への反対運動は続き、平行して、日本で現在唯一稼働している大飯原発を擁する関西電力への抗議行動も継続。そういう状況下で、2012年10月5日、関西電力本店前で原発反対の声をあげていた男性が公務執行妨害で逮捕されるという事件が起きた。IWJのカメラはこの逮捕の瞬間をとらえていた。

     男性が警察官を押し倒したとされているが、映像では、転んだ警官が男性の袖をつかんでいたため、男性が引込まれたようにも見える。

     この「逮捕」に対して、「不当逮捕」であるという批判の声が、大阪市民の間から湧き上がった。男性を逮捕した天満署に対して、連日のように抗議行動が行われた。

    【動画記事】http://iwj.co.jp/wj/open/archives/34561


     この事件の後、私は大阪へ向かい、がれき問題、原発問題、天満署への抗議行動を積極的に行っている下地氏へのインタビューを行った。

    【2012.10.21 下地真樹阪南大学准教授インタビュー】
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/36821


     こうした事件が積み重なった上で、12月9日、下地真樹氏ほか1名が逮捕(後日、さらに1名逮捕)されるに至ったのである。

     下地氏らの逮捕に憲法学者らも異議をとなえる声明を発し、「表現の自由」の重要性を訴えた。下地氏と直接面識のない知識人でも、今回の逮捕に抗議の声を上げた人は少なくない。武田邦彦氏もその一人である。

     折しも、下地氏らの逮捕の一週間後、12月16日に行われた衆院選では自民・公明・維新が圧勝し、自民党の掲げる「改憲草案」の発議がにわかに現実味を帯び始めた。

     自民党の改憲草案には、表現の自由への制約が盛り込まれている。言論への弾圧が「違憲」でも「違法」でもなくなる可能性が、一歩、近づいたのである。

     12月30日、釈放された直後の下地氏に話を聞くべく、再び私は大阪へ向かった。

     「いま日本に暮らしている1億3千万人の生きている人すべて、その人の人生のなかで、この半年がもっとも重要な半年になると思う」と下地氏は語った。今年7月の参院選を念頭においての発言だった。「時代錯誤」な「言論弾圧」を体験した当事者として、下地氏は、はっきりと自民党の改憲草案の危険性を認識していた。未曾有の時代に生きるひとりひとりに、ぜひとも自覚していただきたい内容を、下地氏の明快な話を通し、お伝えする。


    ==================================
    ◆20121230 下地真樹氏(阪南大准教授)インタビュー
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/47230
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    岩上安身「いま大阪に来ております。今日は、下地真樹さんに、出所後初のインタビューを行いたいと思います。下地さん、お帰りなさい。お元気で?」

    下地真樹氏「ありがとうございます。すこぶる元気です」

    岩上「おつとめ、ご苦労さまでした(笑)」

    下地「どうも(笑)。ですが、同じ事件で勾留されたうちの一人が起訴されていますので(※)、そういう意味では、完全勝利ではないんです。ただ、二人を出さざるを得なかったというのは、こちらの成果だと思うので、今後に活きるかなと思っています」

    ※後出の「10.17JR大阪駅前街宣弾圧」で、下地氏と同じ被疑事実でN氏、H氏が逮捕された。H氏は、「11.13住民説明会弾圧」(後出)ですでに逮捕、勾留中の再逮捕。下地氏、N氏は12月28日に処分保留で釈放されたにもかかわらず、H氏のみ、起訴。これはどう考えてもおかしいと、憲法研究者が二度目の声明を公表(一度目の声明は後出)

    【起訴の取り消しを求める憲法研究者の声明(1.21)】

    http://blog.goo.ne.jp/kansai-dan/e/cff0b1df43ece11cb6dd4cf959199b0c


    ==================================
    ◆事件の経緯 ~ 威力業務妨害と不退去罪などありえない
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    岩上「なるほど。何のことかわからない人もいると思いますので、ここであらためて、いったい何が起こったのか、なぜ捕まることになったのかを説明したいと思います。

     下地さんは、阪南大学准教授でいらして、大阪府警本部に逮捕され、留置場に勾留されていました。容疑は、2012年10月17日午後2時40分から1時間半、JR大阪駅内で拡声器を使い『がれき反対』の声を上げながら、40人の参加者とともに250メートルにわたりデモをし、ビラを配布した、ということです。その際、駅員の警告に応じず、駅側の業務を妨害したと言われています。逮捕されたのが12月9日。勾留されていたのは何日間ですか」

    下地「中にいた期間は20日間になります。9日に入って28日に出ていますから」

    岩上「20日ということは、勾留期限(※)の切れるとともに釈放、ということですね。改めて、容疑について実際はどうだったのか。そこから順序立ててお聞かせください」

    (※)逮捕後48時間以内に被疑者の身柄は警察から検察へ送致され、検察官は24時間以内に勾留すべきか否かを判断(勾留理由は、住居不定、罪障隠滅のおそれ、逃亡のおそれがある場合)、勾留の必要ありと判断し勾留請求をした日から10日間が勾留期間となる。検察官が勾留期間の延長を請求し、裁判官がやむを得ない事由があると認めた場合、最長10日間を限度に勾留延長できる。

    つまり、”容疑”だけで、計23日間勾留される可能性がある。ちなみに23日という逮捕・勾留期間は、世界でもずば抜けて長い。

    下地「はい。10月17日に、僕がずっと関わってきたがれきの問題に関して、大阪駅の北側のスペースでアピールしたいということだったので、それに協力する形で現地に行きました。僕はしゃべる担当だったので、駅の敷地のそばの歩道ーーちなみに歩道上は基本的に街宣のできる場所ですが、だいたい15時過ぎから16時くらいまでの小一時間、しゃべりました。

    その後、(大阪)市役所までみんなで歩いていくという話でした。当然、駅の構内を通り抜けることになりますが、わりと普通に歩いて通り抜けていたと思います。隊列を組んでシュプレヒコールを上げるとか、そんなことは特にしていません」

    岩上「シュプレヒコールは上げていなかったと」

    下地「もともと、市役所までは電車を使う距離でもないし、ベビーカーの人もいるし、お散歩でいいんじゃない?ということで、みんなで一緒に行くということではなく、バラバラに行くという感じでした。僕は主催ではないので、そんなふうな印象を受けていました。

    JR(大阪駅)からそのまま帰りますという方などもいたり、道がわからない人もいましたから、僕自身は挨拶をしたりしていて、だいぶ遅れて出発したんです。たくさんの人が行き交っている駅の構内(※)に、合計すれば30人ぐらいの人たちが、何人かずつのグループで歩いていたという感じです」

    (※)この場所は広い通路(コンコース)のようになっていて、たとえば阪神タイガースが勝った日などは、ファンの方たちが勝利を声をあげながらまとまって歩いているような所。

    岩上「普通の移動だったんですか?」

    下地「そうですね。団体旅行者のほうがよほど『隊列』という感じですよ。僕自身は遅れて行ったということもありますが、駅員に止められたということもありませんでした」

    岩上「『駅員の警告に応じず』などと言われていますが、それは事実ではない?」

    下地「少なくとも、僕はないですね。僕がアピールしている間も止められていませんし。よくわからない男性ががれきのことで話しかけてきて『ちょっとごめん。今忙しいので』ということはありましたが、駅員に止められることはなかった」

    岩上「そうですか。では、『威力業務妨害』というのはそもそも違うと?」

    下地「そうですね。まず、被疑事実が最初からでたらめだったんです。裁判官に、おそらく逮捕状に記載されている以外のことも含めて勾留の理由などをいろいろ耳に入れるのでしょう。それで、いろいろ話が変わっていくのでしょうね。デモ行為のようなことを駅構内でやったと。あるいは、禁止されている場所でビラを配っていた人がいるという話になっていた。僕は見ていないから知らないのですが、知っていて止めなかったのでこれは共謀である、と」

    岩上「止めなかったというのは、下地さんの立場としてですか。リーダーとして、ということですか?」

    下地「みたいですね。あちらで想像力を働かせて、ものすごく補ったというか」

    岩上「つまり、下地さん自身は駅員の制止を振り切って、示威行動や演説を行ったというようなことはなかった。公道に立ち止まって話し続けるのは、合法の範囲である。また、隊列を組んでデモ行為やチラシを撒きながら、拡声器を使って駅の中を邪魔して歩いたという行為もない」

    下地「そうですね」

    岩上「伝えられていることとぜんぜん違いますね」

    下地「違います」

    岩上「ひどいですね。メディアは適当な伝え方をするし(※)、言いがかりだったわけですね。これはたいへん問題です。威力業務妨害罪と不退去罪ということになってるんですよ」

    (※)産經新聞(2012.12.9)「『がれき反対』無許可デモで大阪駅業務妨害 阪南大准教授ら逮捕」
    http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/121209/waf12120917040015-n1.htm

    下地「最初は、『鉄道営業法違反』というのもついていましたね」

    岩上「それはどの段階で言われたんですか?」

    下地「どこだったかな。僕以外の人についてたのだったかな。いずれにしても、勾留理由開示裁判(※)のときには消えていました。勾留の理由には入っていなかった」

    (※)勾留理由開示:裁判所の勾留決定に対し不服がある場合、公開の法廷で裁判官に対し勾留理由の開示を求める権利が被疑者にある。参考「ご家族が逮捕されてしまった方へ」
    http://www.taiho-keijibengo.com/keijitetsuzukiyougo/46-ka/66-25.html

    【勾留理由開示公判の際の、下地氏の意見書】
    http://blog.goo.ne.jp/kansai-dan/e/c9b321682682e6bcb63f15ddd13f0e17

    岩上「そうすると、何かしら注意されてもめたということすらなかったと?」

    下地「そうですね。2カ月前のことなので僕もよく覚えていないのですが、もしかしたら『やめてください』と言われて、『でもここは公道ですよね』ぐらいのやり取りはあったかもしれません。ただ、街宣をやるときに、警備員や警察が権限もないのにやめさせようとすることはよくあります。だからもし何か言われたとすれば、『ここは公道だから大丈夫ですよね』という確認を必ずとる。

    そういうやりとりが(10月17日にも)あったか、やりとりすらなかったか、です。けれど、そのあと僕がしゃべっている間は何も言われていませんから、その意味ではアピール行為自体が止めろという警告を受けたということはないですね」

    岩上「なるほど。では不退去罪という、退去を求められたのに退去しなかったというようなこともなかったと」

    下地「不退去というのは、最初のアピールをしているときのことですね。逮捕状に書かれていたのは、駅の敷地のことでした。でも駅の敷地内なのか、駅の構内なのかということがときどき変わるし、向こう(警察)も非常に曖昧で、いいかげんでした。駅の敷地内で座り込みしているとか、街宣アピールとか、大声でしゃべっているとか。ビラまきを行ない、それを再三静止されたにもかかわらずとか。最初はそういう話でした」

    岩上「『再三制止されたにもかかわらず』、というのがまず事実無根なんですね」

    下地「僕に関してはそうです。途中から、僕が『他の人が静止されているのを見ていたのに止めなかった』みたいな話になっていたのですが」

    岩上「見ていたのですか?」

    下地「見えませんよ。僕はいつも原稿なしでだいたいしゃべります。原稿メモ的なものを頭の中に書いてしゃべっているので、正直なところ、周囲はあまり見えていないんです。ビラはどこかで配るのだろうなとは思っていましたが、止められたらやめるでしょうし、それは現場の判断でやるでしょう。僕はしゃべる担当ですから、そこは関係ない。ただ、僕が見ている範囲で誰かがさかんに制止されているのに強引にやっているとか、そういうことは知らないということです」

    岩上「なるほど。少なくともそんなものは見ていないと。そういうことから言うと、かなり警察の言いがかりっぽいですね」

    下地「それはすごくありますね。たぶん基本的な前提として、警察の市民運動に対する認識の貧しさがあるんですね。というのも彼ら警察は、上の命令に従って動くという人間関係しか知らないので、個人が自発的に来て、個人の考えでできることをやって、物事ができていくということを知らないわけですよ」

    岩上「これは組織で、過激派で、というイメージしかもたない」

    下地「そうなんです。だからリーダーがいて、そいつが指示をするとみんながその通りに動く。そういう集まりだと思っているんです。…バカ言うなって思いますよね」

    岩上「そういう話になったことがあるんですか?」

    下地「ええ。取調べでいろいろなことを聞かれる中に、そういう話もありましたね。市民運動で自発的に来ている人は、これをしましょうと言ったときに、ああ、それは必要だと思えばみんな動くけど、『そんなことするの?』とか『そんなの意味ないじゃん』とか思ったら、『私やらない』となる。だけど警察官というのは、上司がAと言えばAをするし、Bと言えばBをするわけです。ですから、ひとりひとりが自発的に参加して作っている場というのがまずイメージできないみたいです。

     これも取り調べの中で聞いたことですけど、引退した警察官が、あらためて地域社会に関わり出したらうまくコミュニケーションが取れなくてすごく困っているという体験談を先輩から聞いたとか。そうなりますよ、当然」

    岩上「(笑)。警察の引退後の人生相談ですか」

    下地「警察官は政治活動も禁止されているので、政治的な話題が出るかもしれない場所から距離をとるのは、ある意味、確かにしょうがないことではあるかもしれない。ただ、そのことで彼らは非常に重要な社会体験から構造的に疎外されている。これは本当にかわいそうだと思いました。それがゆえの貧困さというのがあって、その貧困さゆえに、こうした幼稚な理由で暴力的な権力発動をしてしまうという構図に思えますね。シャレにならない話なわけですけど」

    (※)取り調べ中のことなどの詳細
    「2012.12.29【大阪】下地真樹氏 釈放会見」
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/47149

    内容の書き出し「みんな楽しくHappyがいい♪」
    http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2676.html


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    ◆10月17日以前からはじまっていた弾圧
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    岩上「なるほど。話は少し戻りますが、10月17日、そのようなことがあったと。しかしさらにその前の10月5日に、関西電力本店前で(原子力発電に対する)抗議に参加していた市民の方が不当に逮捕されるということがありました。この不当逮捕以降、みなさんも不当逮捕に対する抗議されていたわけですが、全国各地からも『(警察は)やりすぎだ』と抗議や非難の声が大阪府警に集まったと思います。

    にもかかわらず、(大阪府警は)それらを反省するどころか、より圧力をかける方向に行った。それが今回の下地さんの逮捕であり、お仲間の逮捕であったと思います。そういう流れについては、どう思われますか」

    下地「実は、10月5日の前から始まっていたんです。(2012年)2月、ホームヘルパーの方が、運転免許証に記載されている住所に、実際には寝泊まりしていないという理由で逮捕されました。微罪逮捕ですね」

    岩上「現行犯ではないんですね」

    下地「令状逮捕です。この件は、裁判も終わって有罪にされています」

    岩上「免許証に記載されている住所に寝泊まりしていないことが、なぜ犯罪になるのでしょう」

    下地「『住所不実記載』であると。免許証に実際には寝泊まりしていない住所を記載して、その免許証を行使したと。虚偽の内容が書かれている免許証を行使したと」

    岩上「その方は、この市民運動に参加していた人の一人なんですよね」

    下地「そうです。福島県に出かけて(野菜の配達をし)たりしている人です(※1)。つまり、(警察が)ひっかけたければひっかけられるわけですよ。これは明らかに(職権)乱用であって、こんなことが罷り通るなら、形式的に要件が整えば何でも犯罪で立件していいということになる。さらに、裁判官がこれを有罪にしている。僕はそのことに非常に驚きました。

    その後、9月にも(京都で)非常に微罪で逮捕され起訴されているという話を知人から聞きました(※)。また、大飯でも逮捕者が出たという話がありましたね。やはり、警察というのはそういう無茶をするところだなという印象がありますね」

    (※)自転車が撤去されそうになるのを止めようとして、逮捕、起訴、有罪判決。現在、控訴中。「ピクニック打ちこわし事件」
    http://d.hatena.ne.jp/kaesepicnic/

    岩上「あまり知られていませんが、こういうことがけっこう起こっているんですね」

    下地「ええ。そして10月5日関電前の不当逮捕は、まさに僕のところに差し迫った場所で起きたことでした。警察の不当行為をみんなで協力してやめさせようと、実際に行動を積み重ねてきたところでしたから。

     岩上さんに取材してもらったころ、去年の8月はリボン闘争(※)などをやっていました。警察はやめさせようとして介入してきたのですが、法律論をやると、彼らはデタラメですから介入できない。

    『(警察が)介入する根拠はないじゃないか』ということをみんなの前で暴露して、その場面を中継していたし、僕らも撮影したりして、みんなも『警察がおかしい』ということで、(警察)帰れコールまで始まって…という流れがあったんです。それで9月には、関電前には警察はぜんぜん来なくなったんですよ」

    ※リボン闘争:黄色いリボンを関電正面玄関ゲートの柵に無数に結びつけるという抗議行動。ただ固く結びつけるので、関電側としては取り外す手間が非常にかかる。「リボンなどを結びつけないでください」などという注意書きが貼りつけられたことも。

    岩上「一時、引いたんですね」

    下地「ちょっと離れたところに警察のバスが一台停まっているみたいな感じで、でも現場にはぜんぜん来れないという状態が一ヶ月続きました。その直後に、反撃というような意味合いがたぶんあっての、10.5の不当逮捕だったのだと思います」

    岩上「それで10月5日になって急に、ということですね。あの日は、警察官が多数動員されていたのでしょうか」


    ==================================
    ◆10月5日、警察は最初から明らかに狙っていた
    ==================================

    下地「そうですね。動員数自体は同じくらいかもしれませんが、それまでは関電前からけっこう離れたところで数人がみているという感じで、ほとんど姿を消していました。10月5日は、僕は遅れて(逮捕後に関電前に)到着したんですが、(警察が)市民に対して非常に乱暴に恫喝的に声をかけてきたと聞きました」

    岩上「どんなことを言うんですか」

    下地「まず、仕込みじゃないかと思われる”通りがかりの市民”風の人が難癖をつけてくるんです。『原発いるやんか』みたいなことを。そういう人はよくいるのですが、関電前では、そのあとに『通報があった』と言って、警察官が来るんですよ。だから怪しいんですよね。こういうケースが2回ぐらいあったと聞いています。また、たとえば3人ぐらいの警察官に職質のように迫られたら、誰でも怖いですよね。そういうこともあったような状況でした。

     普段はたとえばカメラの前で、『あなたがやっていることはおかしいじゃないか』と言えば、警察もちょっとひるむんですけど、10月5日は、そういう不適切な場面を撮られていても『引かないぞ』という雰囲気がありました」

    岩上「その日は多少乱暴なことをやっても行けと。もしくは、カメラに撮られてもいいぞと」

    下地「そうですね。警察には獲得目標があるわけです」

    岩上「あるんですね。警察官は公務員だから、たとえば自分がいき過ぎた行為をして、上長から怒られたらたまったものじゃない。だから上長の許可した範囲の中でしか、行動しません。これは日本の警察だけではなく、世界中の警察、軍隊も同じです。軍事組織や警察組織は、上長の許可範囲を超えたら、個人として責任をとらなくてはならなず、それは避けたいという意識がある。つまり、10月5日は明らかに警官個人の判断による行動ではなく、(警察)全体の判断による行動だったというわけですね」

    下地「そうですね。僕自身は、その日教授会があり、(逮捕の)現場にいなかったのですが、あとで聞いたら警察の様子がぜんぜん違うぞと。9月に関電前に1、2回来ていた人なら、10月5日は明らかに様子が違うとわかったと思います。僕が現場に向かう地下鉄の中で、そういう連絡が何人かから入り、『一人取られた』という連絡を受け取りました。やっぱり…という感じでした。あの日18時ぐらいから逮捕のころまで周辺にいた数十人の方たちは、みんな『今日は最初から狙ってきていた』と思っていました」

    岩上「なるほど。我々が断片的に撮った、いわゆる転び公妨ですね(※)。(警官が、後に逮捕する男性の)袖口を持ったまま、後ろに倒れている。押されてとっさに袖口を持ったんだという解釈も成り立つかもしれませんが、いずれにしても、警官が後ろに倒れ、そして手を持たれたまま、その市民の方もつんのめるようにして、倒れ込んでいる。そういう図が映っていた。あの日ですよね」

    下地「そうです。その日です」

    岩上「あの方はどうなったんですか?」

    下地「いまも勾留中です。起訴されていますから、起訴後の公判前の勾留中ですね」

    岩上「これは公務執行妨害ですか?」

    下地「公務執行妨害と傷害がついています」

    岩上「傷害も?」

    下地「そうです。警察も公妨だけでというより、いろいろつけたほうが裁判官が勾留許可を出しやすいと思っているのでしょう。彼らは『軽微な事案でないから』とかよく言うんですね。重大な事案であれば、勾留の必要性がより強く出るとか、そういう比較考慮の考え方があるので、つけられるものは何でもつけます。

     その傷害罪というのも、根拠になっているのは警察病院の診断書です。3週間の怪我を負ったというその警察官は、翌日、天満署にいましたけどね」

    岩上「ひどいな。これはまだ公判が始まっていないんですか?」

    下地「ええ」

    岩上「じゃあ、これからですね。この件は」

    下地「そうですね」

    岩上「下地さんが不起訴ということで外に出ることができても、それで喜ぶわけにはいかないわけですね。先に入っている方もいるし」

    下地「そうですね。僕ともうひとりが(処分保留で)今回不起訴になって、3人まとめて起訴されるよりは糸口というか、前進というか、若干の成果ではあります。僕自身、起訴されているかいないかでは、しんどさが変わってきますので、それはありがたいんですが、ただ、ぜんぜん終わっていないし、僕自身もまだ狙われていると思うので、油断はできません」

    岩上「このあたりを一応見回してみますけど……とりあえずいないですね(笑)。それはともかくとして、この10月5日の不当逮捕があり、それに抗議を行った。そこから目を付けられたんだなと思われますか」


    ==================================
    ◆逮捕されると前からわかっていた
    ==================================

    下地「まあ関電前でも、警察を追っ払うときに僕もけっこう関わって追っ払いましたからね。8月ごろから、威嚇の意味で(警官が)僕の名前や職業を呼ぶことがときどきあったんです」

    岩上「それは、『下地さん』と呼ぶんですか」

    下地「『先生、やめてください』とか、『下地さん、やめなさい』とか」

    岩上「名刺交換したわけでもないのに」

    下地「『インターネットに載ってんじゃん』とか言うんですよ。あの『ざこば』(※)とかが。あいかわらず、あちらは僕に名前を名乗っていないのですが。そういう感じで、警察が『こっちはお前の名前も知っているぞ』ということをアピールするようになったのは、10.5の不当逮捕に対する天満署への抗議より、けっこう前からですね」

    (※)上方落語の桂ざこば師匠に似ていることから、あだ名された天満署署員。後に大阪府警公安課所属と判明。
    参考動画:「お笑い天満署劇場」
    http://www.youtube.com/watch?v=WaMCTpBuMqk

    岩上「逮捕される前、ご自分で『逮捕される可能性がある』とおっしゃっていました。『内部文書で、リストに挙がっているのを見た』ということを我々のインタビュー(※)でお答えになっていましたね」

    (※)http://iwj.co.jp/wj/open/archives/43724

    下地「ええ。内部文書というほどのものでもないのですが。彼らはデモの状況の報告書みたいなものを出すんですよ。その中に、彼らが目を付けている人間は誰と誰と……みたいなことを書いているんです。それをちらっと見たことがあって、ああこんなことを書くんだなと」

    岩上「それは、逮捕リストと呼べるほどのものではなかった?」

    下地「そうですね」

    岩上「自分はもうすぐだと思われたのは、ほかにも何かあったのでしょうか」

    下地「少なくとも10月5日の件というのは、彼らは絶対に負けられないわけです。絶対に有罪にして終わらなければならない。ですから10月5日の件で、警察側に不正があるということを世間に知られるのは困る。そのことを取り上げて騒いでいる人間は早く黙らせたいというのは、もちろんあったでしょう。でも我々はいっこうに黙る様子がない。むしろどんどん広がっていっている。それで、『何をしても止めたい』と、少なくとも10月中には考えたと思います」

    岩上「10月中に行動を起こそうと。しかし、止めたいから逮捕するというのは最悪です。たとえが悪いかもしれませんが、ひとつの犯罪を起こして、それを知っている人間がいたら(口封じに)こっちもやって(殺して)しまえと。連続殺人犯みたいなものですよね」

    下地「そうですね」


    ==================================
    ◆これは公安の職権濫用罪だ
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    岩上「犯罪を重ねていくというのはそういうようなことですが、もしもこれが権力の濫用だとしたら、犯罪です。事実を公にされたくない、世間に周知されたくないがゆえに、こうしたことを行なおうとしていたなら、口封じですよ。それは大変な問題だと思います。この10月5日の件とご自身の逮捕が連関していると、そしてこれは公務員の職権濫用罪に相当するようなものであると、下地さんはお考えですか」

    下地「僕自身の件については、たとえば逮捕状に書かれている被疑事実はまずウソである(※)。かつ、あの現場には警察官がいた。ですから僕は、僕に対する逮捕状を見たときに、はっきりと答えは得られたという感じです。これを第三者に証明することは難しいかもしれませんが、僕自身が警察に抗議をしてきたことは間違っていないんだ、やるべきことをやっていたんだと、そういう意味では腑に落ちました。

     これは本当に警察組織、特に公安三課の職権濫用であると、僕は思っています。それが公的な事実として認知されていくのは難しいと思いますが、そう考えてはいます」

    (※)参考【モジモジ先生の抗議文。みたいな。】より、「学生のみなさんへ」http://mojimojiinjail.tumblr.com/post/41398465265

    岩上「なるほど。特別公務員職権濫用罪ですね。これは非常に重い話です。しかも組織的であるということですね」

    下地「そうですね。あれは少なくとも、公安三課の長が責任を取るべきですね」

    岩上「そうですか」

    下地「課の責任者が関わらなければできないことですから」

    岩上「どのくらい上から命令がきていることだと思いますか?」

    下地「わかりません。一番低いレベルだと、公安三課のトップ。それより上からきているのだとすれば、わからないですね」

    岩上「これは一番上の責任者というのは、府知事ということになるのでしょうか?」

    下地「うーん、府知事から出るかなぁ…。それは本当に、上を考えるとどこまでなのかはよくわかりませんね」


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    ◆逮捕された日のようす
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    岩上「ここで、逮捕された日の流れをどんな感じだったのか、教えてください」

    下地「2012年12月9日、日曜日の朝ですから寝ていました。前日、軽く忘年会みたいなものがありましたし。と言っても、僕は最近酒を飲んでいないのですが」

    岩上「気をつけているんですか」

    下地「隙がないほうがいいだろうから気を付けているというのもありますが、11月13日に4人逮捕(※)されたときに、彼らを取り返すまで断酒をしようと決めました」

    (※)大阪市「東日本大震災により生じた廃棄物の試験処理説明会を開催しました」(動画もあり)
    http://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000184812.html#shikensetumei
    この日、住民説明会前に区民センターのロビーで「がれきの焼却処理反対」の声をあげていた20名近い市民のうち、3名が「建造物侵入」、1名が「公務執行妨害」で逮捕。12月4日「公務執行妨害」のひとりは処分保留で釈放、残る3人は被疑事実を「威力業務妨害」に変更されての起訴。現在、勾留中。

    岩上「11月13日にも4人も逮捕があったんですね。これはデモ中ですね、たしか」

    下地「そうですね。(僕が)逮捕された12月9日の朝は、普通に寝ていて、玄関でドンドンという音がして、僕より妻が先に目が覚めたのですが、外を覗いて『警察官がいっぱいいるよ』と。これは逮捕だなと。でも何で逮捕しに来たんだろうなという感じでした。正直、予想外ではあったので」

    岩上「予想外だったのですか? その2日前に、『いずれやられるんじゃないか』と言っていたとは言え、やっぱり来たら、びっくりしたと」

    下地「そうですね。来るとしたら、何か僕に明らかに非があるようなことで逮捕しないとダメじゃないですか。だから何で来たんだろうなと思いました。それでドア開けたら警察官が並んでいて、偉そうに逮捕状を出してくるんですけど」

    岩上「どんな感じなんですか? 『オラー!』みたいな感じなのでしょうか」

    下地「そうです、令状を出して。なんて言ったか忘れましたが、容疑の罪名とか、被疑事実の内容を読み上げて『執行するぞ』みたいなことを言うので、『ちょっと待て』と。『ちょっと読ませろ』みたいなことで、逮捕状を読んだのですが、最初は意味がわかりませんしたね。

     一体、何に対する被疑事実なのか。読んでいると、どうやら10月17日の件らしいと。『10月17日? あれか? あれをどうやったら犯罪にできるんだ?』と思いました。よく読むと、はっきりウソなんです。僕を逮捕したいというのは知っていたけど、一生懸命探して、一番使えそうなのがこれだったのかと思ったら、あんまり笑える状況ではないんですが、ちょっと笑ってしまいました。

     いずれにせよ、令状を持って逮捕しに来ている状況ですから、こちらとしては手も足も出ません。逆らう気もありませんし、行きますと。妻には『大丈夫だから』というような感じで言ってました。もちろん僕もそれなりにドキドキしてますよ。それで着の身着のまま連れて行こうとするぐらいの勢いなんですけど、『着替えるから待て』と言って。『行くという意思を示しているのだから、別に時間稼ぎをしているわけでもないから』『うんこもしたいし』と。で、うんこもしてたんですけど(笑)。そういう普通の準備をして、着替えて出たという感じです」

    岩上「何人ぐらい来てましたか」

    下地「10人弱ぐらいですかね」

    岩上「10人弱。かなり大捕り物な感じですね」

    下地「僕と一緒に出たのは3人だったと思います。あとの7~8人は、4時間ぐらいかけて、僕の部屋の家宅捜索をしたみたいですね」

    岩上「相当持っていかれたんですよね、いろいろなものを」

    下地「そんなのどうするんだ?というような細々としたものを持っていかれました。チラシとかレジュメみたいなものとか」

    岩上「パソコンや手帳も持っていかれたと」

    下地「パソコンも持っていってますね。パスポートも持っていっています。何するんだという感じですが。あと、僕が街宣で使っていたスピーカー」

    岩上「(笑)証拠物件ですね」

    下地「彼らからすると、にっくきスピーカーなのだろうと思いますが。タンバリンとかも持っていってます。でも家宅捜索は紳士的にやっていたとは聞きました。関係のないところを乱暴に散らかしたりとか、そういうのではなくて」

    岩上「それは配偶者の方の話ですね。ツイッターなどでは、大学側が(逮捕を)予期していたけれど下地さんには伝えなかったなどという話がまことしやかに飛んでいますが」

    下地「事前に知っていたというのは事実のようです」

    岩上「逮捕ということまで?」

    下地「そうです。『逮捕するが』ということで、連絡があったようです。警察が『逮捕する』と大学に言ってきた場合、『やめてくれ』と言って止まるかどうかというのは、また別の話ですが」

    岩上「そうですね。ただ下地さんに教えなかった」

    下地「それは、警察も『本人に言うな』と言うとは思うんですよ。それに対し、大学の対応がどうだったのかというのは、今の段階では……。実は、大学がすでに年末の仕事納めをしてしまっているので、今、報告もできていないんです。メールを出したぐらいです。そういう状態ですから、丁寧に話をしてから、そこのところを聞きたいと思っています。僕自身は悪いことをして捕まったわけではないし、大学側にもいろいろお騒がせはしますが、職権濫用の不当逮捕なので協力してほしいということで、いろいろ話はしていきたいなと思っています」

    岩上「なるほど、わかりました。それで連れていかれたときは、護送車か何かに乗せられたのですか?」

    下地「普通の車でした」

    岩上「覆面のパトカーということですね」

    下地「そうですね」

    岩上「まず、どこへ連れていかれたのでしょう」

    下地「曽根崎署でした。そこで写真を撮ったり、指紋を採ったりして、最初に弁明を録取するんです。一応、弁明があったら聞くぞと。それで1分ぐらいしゃべったら、違うことを書いている。被疑事実を認めたかのような書き方だったので、『いいかげんにしろ』『俺が言ったこと以外書くな』と文句を言って、『破棄しろ』と言った。破棄させた後は、『弁護士を呼ぶ。弁護士が来るまでしゃべらない。他のことは書くな』と言って。

    それでも報告書の形式上、書かなきゃいけないのかもしれませんが、なにか書いているので『そんなもん要らんから書くな』と言って怒って、『最後、どう書いたか確認させろ』と言ったら、『話が進まんから、確認させんでええ』とか言って。そんなようなやりとりでした。それで弁明録取みたいなのをやって、そのあと大阪府警本部に行きました。本当に段取り通りに話が進んでいるという感じでした。それで、留置場に入ってからしばらくして取り調べがありました。2時間ぐらいの」

    岩上「家まで来て、運んでいく段階、弁明録取などの手続き、さらに大阪府警本部への護送。そういうときの警官の態度はどんな感じですか。たとえば、呼びかけ方とか」

    下地「逮捕に来たときは、僕はまったく話さないし、あまり話しかけられてもいないんじゃないかな」

    岩上「無言で連れていくよと言って、車内でも無言で?」

    下地「そうですね」

    岩上「最小限の、『これからこれをやるから』と言われるみたいな感じですか」

    下地「そんな感じです。僕自身は、まず観察をしようと思っていました。ある段階までは、基本的にものを言わない。録取で少ししゃべってますけど、そのときも、何を書くのか見たいから1分ぐらいしゃべって、様子を見て、破棄させて、とかやってました。とりあえず慎重にふるまわないといかんなという感じでしたね。『鬼に飲み込まれた一寸法師』みたいな気分ですね」

    岩上「なるほど(笑)。鬼に飲み込まれた一寸法師」

    下地「こんなごつい、太めでは飲み込めないでしょうけど(笑)。とにかく落ち着こうというか、それなりに高揚してるに決まってますから。確信が持てないことはやらないという方針でいきました」


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    ◆留置場での生活
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    岩上「府警本部に連れて行かれてからはどうしたんですか?」

    下地「基本的には、連れて行かれてすぐ留置場に入るんですね。留置場も警察の一部なので、入るとき、僕としては不服従的な態度だったのですが、留置場は様子が違うなとすぐ感じました。

    留置をする場所と、取り調べをする場所というのは基本的に別なんです。ここで突っ張るのもひとつのやり方だけど、ここは生活する場所だということなので、それならある程度気を許して、たとえば事件に関係することをしゃべったりはしませんが、生活する場所として必要なコミュニケーションは丁寧にやっておいたほうがいいなとすぐに思いました」

    岩上「場所はどんな感じでしたか。ここに見取り図を書いてもらえませんか」

    下地「留置のスペースに行くまでの廊下が、こんな感じで。このへんでだいたい受け渡しとかするんです。ここに、接見室、ここに警察の内側の事務所……。このへんはあまり覚えてないんですが、長い廊下があって、少年房とかいろいろな房がある。たぶん府警本部の、東側の通りに面しているところ。あと、洗面のスペース、監視のスペース……」

    岩上「監視として何人か常駐しているのですね」

    下地「何人かいます。このへんにロッカーとか布団を置く部屋があって、ここに入口。ここにベランダみたいなところがある。ここは、壁があって、ガラスなんですが、すりガラスで外は見えません。格子があります。上は網みたいな感じで上に出られません。府警本部ではありませんが、上から逃げるという事件がどこかの留置場であったらしくて、上は網が張ってあります。つまり、10個の檻があり、監視のスペースがあり、ロッカーとか布団部屋があり、運動所と。こんな感じです」

    岩上「なるほど。それで、房のなかのどれかに入ったのですね」

    下地「そうです。僕は最初、9房だったんですけど、あとで5房に入りました。どちらも面白い人がいたのでよく覚えています」

    岩上「もうひとつ、入口があるんですか?」

    下地「そうですね。たぶん女子房です。このへんに入口があって、取り調べ警察官が来ると、留置係と刑事が受け渡しをするんです」

    岩上「この房の一つ一つには、カギがかかってますよね。この途中にゲートのようなものはあるのでしょうか」

    下地「ここにはないですね。ドアは普通にどこかあったと思いますけど」

    岩上「ガチャッとそこから遮断されるというのはないんですね」

    下地「ないですね」

    岩上「なるほど。この房というのはどのぐらいの広さですか?」

    下地「小さめな畳で8畳ぐらいでしょうか。4畳分ぐらいのスペースがここにあり、半分ぐらいはトイレ。だいたい入口がここで、一人房もあるんですけど、一人房はひとりにしたらちょっと広いですね。8畳分ぐらいあって。すぐ畳で、ここはフローリングです。トイレには窓がついていて、トイレの中にいると見えるようになっている」

    岩上「和式の便所なんですか?」

    下地「はい。でも、非常に衛生的でした。汚れにくい感じで。非常に合理的に作られていると思いました。手洗いがあって、ボタンを押せば、便器の水が流れると同時に、手洗いの水が出る」

    岩上「布団はどこにあるんですか?」

    下地「布団は、外にあります。夜になると『検室』と言って、その部屋に禁止物がないか、持ちこんでいないかを全部チェックするんです。『検室開始!』という感じで始まると、僕らは出て、部屋の自分の私物を全部預ける。主に衣料ですが。

     そのあと、布団を取りに行きます。布団を取りに行って部屋に戻ってくると、中で看守の人たちが、毛布をバサバサやって、何か挟んでいないかとか、一通り見ます。その上に僕らが持ってきた布団を渡すと、置いて出てくる。外では僕らの私物の衣料の検査を淡々とやって、あとは身体検査をやって、それが終わると部屋に入って、鍵を閉めて、『○号房、終了!』といって、次の房に行く。そういう感じで、毎晩決まった時間に布団を敷くのと部屋の検査を一体でやっていました」

    岩上「中での生活を内部からツイッターなどで発信してましたね。あれはどのようにして伝えたんですか? 接見で来る人に、口頭で伝えたとか」

    下地「いや、中で書いていました。ペンと紙を買って」

    岩上「買えるんんですね、購買部みたいなので。お金を持っていらした」

    下地「お金は、最初僕は無一文で行ったんです。逮捕されるとき、荷物を持っていけるという発想がなかったので、何も持っていかなかった。いろんなものを持っていけばよかったなと思ったんですが、それはちょっと反省点です。今後に活かして(笑)」

    岩上「今後に活かして(笑)」

    下地「あんまり活かしたくないですけど(笑)」

    岩上「代用監獄ではあるけれども、刑務所じゃないですものね。基本、私服ですよね」

    下地「そうですね。でも貸出の服もあって、僕は結構、借りてました」

    岩上「囚人服みたいなのを着せられるわけじゃないですよね」

    下地「ではないです。普通の私服みたいな服。たくさんストックがあって、サイズを言うと、足りなかったら貸してくれる。『官』と書いてある」

    岩上「そういう状態の中、紙と鉛筆を買って、書いていたと。そして接見してくださる方に渡していた」


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    ◆手紙の検閲を逆に利用しよう!?
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    下地「そうですね。手紙も出せます。僕は接見禁止がつかなかったんですね。何のさじ加減でつかなかったのかわかりませんが、接見禁止がつかなければ、親書を出すことができる。それと一般の手紙を書いて出すこともできる。親書といっても、一日一通とか制限はありますが」

    岩上「なるほど。手紙はどのぐらい書きましたか」

    下地「親書は、平日に一日一通で、便箋7枚と決まっています。裏は書いてはダメ。便箋の枚数は、留置場によって違うみたいです。書いて封筒に入れて『出したいんです』と言うと、切手も買える。それを貼って出してくれるんですが、監視の人がぜんぶ、検閲をします。

     朝にもう一回、もう少し偉い人が見るのがあって、そこでもう一回チェックをしたあと、一回戻されて、封をしてくれと。そのとき、僕はたとえばどこか抜かれていないか、消されていないか、一通り見てから、封をしていた。そうすると、そのあと出してくれます」

    岩上「検閲って、許されるんですか?」

    下地「内容についてはほぼ自由です。おそらく想定されているのは、『外にこういうヤバいものがあるから処分してくれ』とかそういうことなんでしょう」

    岩上「証拠隠滅に関することはいけないと」

    下地「罪証隠滅を防ぐというのが勾留の重要な目的のひとつですから。その人の罪証に関わることを外に連絡する手段としては使わせない、という趣旨なのでしょう」

    岩上「そこに警察の悪口や取り調べのことを書いたらどうなるのでしょうね」

    下地「ぜんぜん問題ありません。むしろ、僕は検閲する人に読ませようとして書いてますから(笑)」

    岩上「(笑)そうなんですか。これはおかしいと」

    下地「どれだけひどいかということを検閲してる人が読んだら納得するように書こうと思っていました」

    岩上「教化の手段として、ですね」

    下地「はい。ですから外から手紙を送ってくれる人も、検閲をもっと意図的に使ってもいいと思います」

    岩上「下地さんにとっては当たり前のことだけど、検閲する人に読ませるために、『これはおかしい』とか『間違っている』とかをどんどん送ると」

    下地「そうです。単純にたくさんハガキが来るだけで、なんかこいつは違うなということにもなりますから」

    岩上「どのぐらい来ましたか」

    下地「たくさん来たら面白いだろうなと思ったので、じゃんじゃんくれと発信していいと言ったら、本当に全国いろいろなところから来ました。北海道、九州、関東など。面白かったです。知らない人からも来ました。全部お返事しますのでということで、本当にたくさん来ました」

    岩上「ファンレターみたいですね」

    下地「呼びかけてからは、たぶん一週間ぐらいでしたが、30通は来ていたと思います」

    岩上「なるほど。30通ぐらい来ていた。すごいですね。支援者とかそういう方々からですか」

    下地「そうですね。クリスマスカードも来ていました。そうすると、クリスマスカードの表面がざらざらしているのはヤスリみたいに使えるから、看守さんが『これ大丈夫かな、どうしようかな』みたいな感じで悩んでるんです。あと、ひもとか飾りがついているカードだと、『これは外しておかなきゃいけないんだけど』みたいな感じで、見てから保管しておくか、もしくは外すかと相談されたり。本当に大事にやってくれていて、そういうところ、看守さんたちはフェアでした」


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    ◆留置場での入浴、食事など
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    岩上「ツイッターで、たとえば『洗顔や風呂のチャンスは徹底的に洗う』というのを拝見しました。あとは、『意外に眠れない時間が長いので、そこの間で文章を考えていた』とか。気が狂いそうになるだろうし、大変だろうなと思ったり。ほかにも生活ぶりを教えてください」

    下地「一番困ったのは、朝早く目が覚さめることだったのですが、それも簡単な方法で改善できました。電気がついていると二度寝しにくいので、ハンドタオルを目隠しでかぶる。これだけで二度寝、三度寝ができました。10日目ぐらいからほぼ完全に順応していたと思います。

     洗顔の時間、本やペンを返してもらえる時間、あるいはそれらを取り上げられる時間というふうに、いろいろ決まっています。ですからこの時間にしかできないこと、というので優先順位を付けて、その都度やっていくことを徹底する。こんな無茶苦茶な髪をしてますが、意外ときれい好きで、入浴が冬場は週に二回なのでけっこうきついかなと思ったんですが、出歩いたりするわけじゃないのであんまり汚れない。だから注意すれば、非常に快適に過ごせます。
    僕がやっていたのは、洗顔のときは頭を流すとダメなんですが、洗えるところは全部洗おうと思って、耳のまわりまで丁寧に洗っていました」

    岩上「頭を洗っちゃいけない」

    下地「洗顔のときにはダメなんです。みんなそれをやりだすと洗顔の時間がすごく長くなるから。一回やったらダメだと言われて。ダメだと言われたことを二度三度やると、やばい。三度やったらかなりまずいと思うんですが、一回めは教えてくれますから、聞くか、一回やってみるかですね。基本的には素直に従っておくほうが簡単。完全に敵の手の内ですからね。なんていうんだろう、勝てない突っ張りはしないというか」

    岩上「いやあ、いま勉強になってますよ(笑)。予習みたいなものですよ」

    下地「基本的に自分の状態を改善しようとすることについて、邪魔とかいじめなどはなかったですね」

    岩上「いじめらる感じではない。暴言などもありませんでしたか」

    下地「ええ。僕は手洗いのところで、ハンドタオルを絞って身体をときどき拭いたりしていましたが、そういうことも別に注意されませんでしたね」

    岩上「食事はどうでした?」

    下地「食事は、ベクレてる(基準値以下とは言え放射能汚染されている状態)だろうなとは思いましたけど。気になっていましたが、ある程度はしょうがないと」

    岩上「いわゆる銀シャリではない、麦ごはんだったりするんですか?」

    下地「麦ごはんまではいってなかったと思います。ごはんは多めでした。奈良の留置場より多いと同房の人が言っていました。留置場によって違うみたいですね」

    岩上「おかずは何が出るんですか?」

    下地「おかずは毎週ほぼ決まっているみたいです。僕は3クールいましたから、この日はシャケが出るとか、メンチカツが出るとか、唐揚げが一個入ってるとか…だいたい毎週同じサイクルでした」

    岩上「普通の安い大衆食堂の定食程度と思えばいいでしょうか」

    下地「いや、おかずはかなり少ないです。ただ、けっこう腹持ちはしました。これは本当に留置場によって違うみたいです。同房の人は、奈良にいたときはごはんが少ないから自費弁当を買っていたと言っていました。よく注文していたから、すぐにお金がなくなったと。僕は野菜ジュースをつけるぐらいで、ほとんど自費は使わず、それでも足りていましたね。もっとつらいかと思ったんですけど、ぜんぜん平気でした」

    岩上「購買部のようなところで、そういうものを売っているんですか?」

    下地「大阪の拘置所はたしかあります。でも留置場だと、近くの店と提携していて、品目が決まっているようでした。大阪府警本部の場合は、食事ごとに野菜ジュース、ヨーグルト、コーヒー牛乳、オレンジジュースのどれかをつけたければお金を払ってつけられると。たぬきそば、きつねうどん、カレー、親子丼もつけられますが、これをつけると多すぎる。土日は確かパンがつけられる。あんパン、メロンパン、ジャムパンなど」

    岩上「基本的に運動もできないでしょうから、太りそうですね」

    下地「でも食事のときしか食べられない。取っておくことはできないんです」

    岩上「持っていかれちゃうんですか?」

    下地「持っていかれます。食事が終わるときに、食べ残していたら捨ててしまうんです。だから、あんまり頼みません」

    岩上「やっぱり規則正しい生活なんですね」

    下地「あと、日曜はお菓子を注文できます。オレオ、リッツ、カロリーメイトなどをつけたかったら買えるよと」

    岩上「取り調べで呼ばれている間に食べてはいけないのでしょうね」

    下地「それはだめですね。取り調べのときには、房からお茶を持っていくんです。お茶はいつでも飲める」


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    ◆「中の人たち」との交流
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    岩上「独房じゃなくて、雑居房だったんですか」

    下地「三人でした」

    岩上「中にはどんな方がいらっしゃったのでしょう」

    下地「お風呂で一緒になる人だと、刺青の人もいました。『何して入ったの?』とか聞かれますから『威力業務妨害って言われてます』と言って。『初犯?』とか『楽勝、楽勝。絶対、執行猶予つくから』とか言って。いや、執行猶予とか言う以前に、俺、冤罪なんだけど、とか思うんですが。まあ、そういう値踏みをみんなしてました。覚せい剤の人が多かったかな。あと、窃盗、詐欺。人をあやめたとかっていうのはあんまり聞かなかったですね」

    岩上「もっと大物の方もいらっしゃったとか。広域暴力団の大幹部が」

    下地「同じ房で10日ぐらい一緒にいたんですけど、どうなんだろうな」

    岩上「けっこう世の中に知られている大幹部だとか」

    下地「知られてる人だったみたいですね。僕はぜんぜん知らなかったんですよ。あんまり興味ない人種なので。ほかの部屋の人から、僕がその部屋に移動するときに『あんたの部屋におやっさんがいるから、よろしく伝えてください』とか言われて。取り調べなどで、房から出て連れて行かれるとき、そのおやっさんの部屋の前を通ると、みんな挨拶して行くんですよ」

    岩上「『あざーす』みたいな感じで?」

    下地「そうそう。すごい世界だなと思って見てましたけど」

    岩上「それは組関係の人たちとは限らず、コソ泥みたいな人でも?」

    下地「そうですね。『私らの業界では、神様みたいな人なんです』とか言ってて『ああ、そうなんですか』とか、よく話を聞いたりしてました」

    岩上「ヤクザ屋さんだけではなくて、シャブ、窃盗、詐欺などの方も、その下の領域にいらっしゃるということで、ちょっと一目も二目も置かれている」

    下地「面白かったというか、すごかったですね」

    岩上「その方はどんな方だったんですか?」

    下地「朝掃除があるんですが、まず真っ先にトイレ掃除を必ずやるという人で」

    岩上「三人のうち、自分がやらなきゃいけないわけじゃないんだけど、まずそれをやると」

    下地「非常にフェアで、みんなが一番嫌がるだろうということをまずやるという感じの人でしたね」

    岩上「偉いなあ」

    下地「非常に偉い人でした。僕も、この際なのでいろいろ質問したりしましたよ。原発の話をしたり」

    岩上「(笑)原発の話を」

    下地「だいぶ同情してもらいました」

    岩上「原発の話をしたら、なんて言うんですか?『原発、大変なの?』とか」

    下地「『電気は足りるのかな?』とか、普通に素朴な疑問をぶつけてきて。原発から出るゴミの話なんかもいろいろして」

    岩上「そういう親分さんはあんまりお詳しくなかったですか?」

    下地「本当に普通のおじさんという感じでした」

    岩上「マスコミで少し知ってるくらい? でも電気足りないんじゃないの?とか、そんな感じで」

    下地「そうですね、普通のおじさん。普段何してるかわからないけど。ただ、僕は見てないんですけども、部屋の中でたまにものすごい殺気が出ているときがあると、同房の子が言ってました」

    岩上「どういうときに出るんですか?」

    下地「どうなんですかねえ。何か考え事をしてるときなんでしょうかね。非常におだやかな人で、たまにアンパンをくれたりしました。ダメなんですけどね、『食え』とか言って」

    岩上「その方は、何か罪を犯して入ってきているのか、それとも別件なんですか?」

    下地「よくある話で、ゴルフ場に行ってプレーをしたと。そのことが暴力団排除条例にかかるということで捕まっていると」

    岩上「いま、非常にそれが厳しくなってますよね。暴力団員にはまるで生活をするなというような状態になっているらしいですね。人権無視ですよね」

    下地「ええ。公安が市民運動を言いがかりをつけてつぶすのに似ているなという感じですよね。公安の仕事が減ってきてるので、やっているわけですよ。この方も、被害者はいないわけですよね、ある意味」

    岩上「そうですよね、ゴルフをしただけだから」

    下地「そうです。お金も払っているし。しかも、『一緒に捕まってる人は組織の人間ではないんや』と言ってました」

    岩上「要するに、カタギにも迷惑をかけてしまうんですよね。だから友達もできなくなると」

    下地「『自分はええけども、一緒に連れていった女性だけでも出してやれと言うんだけど、本当にどうにもならん。ほんまに国家権力にはかなわんわ』と言ってました。その方も、非常に腹立たしいけど留置係の人には迷惑をかけたらいかんから、ということで、中では非常に紳士的にしてました」

    岩上「そこで腹を立てて暴れても、留置係は関係ないとわかっているんですね」

    下地「いらだちをぶつけるとか、そういうことはしない。非常に紳士的だったので、それは見習おうと思っていました。それから、最初に入った部屋にもけっこう気の毒な人がいました。元極道の人なんですが、どういうわけか、動物保護を4年ぐらいやっているという人で」

    岩上「犬や猫が大好きな極道?」

    下地「人間に裏切られたりとか、いろいろ経験して、極道をやめたらしいです。それでいろんなことが嫌になって、『でも動物は悪くないやん』と。それやったら動物に罪滅ぼしをしようと、動物保護の活動をやっているそうです。

    3~40頭、保護していて、資金調達をしたり、実際に世話をしたり。それを4年くらいやっていて、たしか詐欺で逮捕されたと。悪いことをやったなら、それはちゃんと罪に問うべきだとは思いますが、彼の話を聞いていて疑問に思ったのは、逮捕して勾留することの必要性ですね。


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    ◆「逮捕して勾留」の必要性
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    下地「僕も刑事訴訟法の本を差し入れてもらって勉強したんですが、『逮捕して勾留する』というのは、まず逃走のおそれがある場合です。それから、罪証隠滅のおそれ。彼は、刑事が来て、『こういう被疑事実で』と言われたときに大筋を認めて応じているわけですね。そういうことなら、逮捕しなくとも任意の取り調べでたぶん十分だと思うんです。罪証隠滅のおそれもまずないわけですから。逃走のおそれについては、彼には世話をする動物がいるわけですから、たとえば親が子供を置いて逃げるみたいな感じですよ。

     子連れのお母さんなら子どもを連れて逃げる可能性がまだあるかもしれないけど、それも考えにくいじゃないですか。彼の場合は、動物3~40頭保護していて逃げられますか、ということです。しかも刑事は、長期間その人の内偵をしているので、生活状況や誠実にやっているかというのはわかると思うんですね。それなら逮捕せずに立件することは、たぶん可能だと思います。

     逮捕とか勾留なんて、関わったことがない人がほとんどでしょう。だから一般的には、『悪いことしたら、逮捕されるのが当然』と思われていると思いますが、実は違うんですよね。逮捕して拘束する必要性があるかどうかというのは、必要性がなければ……」

    岩上「してはいけないし、するべきではない」

    下地「ええ。そうです。けれど、そういうところがかなりルーズになっているのかなと」

    岩上「それは基本的人権に関わることだと思いますね。身体的な拘束は、憲法でも『不必要にやってはならない』と出てくるわけで」

    下地「ええ。まして彼の場合、彼がいなくなれば保護されている動物の世話をする人がいなくなる。いろんな支援者やボランティアの人なども手伝ってくれているようですが、彼がいなければ成り立たない状況ではあったし、動物たちの命に直接かかわる。彼が逮捕されていなくなったあと、動物をいろいろなところに預けたり、誰かがやっているようですが、国選弁護士というのは、そんなことにはぜんぜん動いてくれないんです。

    『弁護以外のことはできません、しません』という感じですから。つまり、彼の逮捕のあと警察や行政側がどうするかによって、動物の命が左右されるわけですよね。彼も、『うちの子で腹空かして死んでるのとかおったら、ほんまにどないしよう』みたいな感じで悩んでるんですよ。『言ってもいい』と言われているので公表しますが、『日本ブログ村』というところで、『犬ブログ』をやっている、サチムラさんです(※)。

     刑事訴訟手続きのなかで、公判後のことだけでなく、公判に至るまでの手続きの部分での人権の制約、あるいは、それに伴って生じる様々な影響をもう少し考慮するべきだと思います。彼もけっこう叩かれたりしているみたいです。だから僕は彼から聞いた話をそのまま言っています。よそで言われていることと食い違う点もあるかもしれませんが、僕に関する某新聞の報道もめちゃくちゃでしたから、そういうことも含めて聞いたままを言っています」

    (※)「Lifeパーク 命のかけ橋」http://654321000.blog.fc2.com/

    岩上「新聞名をはっきり言っていただいていいと思いますよ」

    下地「産経新聞です」

    岩上「産経新聞がむちゃくちゃだったと」

    下地「逮捕時に出た記事は、僕がデモの扇動をして、大阪駅の構内を横切ったように書いてあります。それは、大ウソです(※)」

    (※)産經新聞 2012.12.9 「『がれき反対』無許可デモで大阪駅業務妨害 阪南大准教授ら逮捕」
    http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/121209/waf12120917040015-n1.htm

    岩上「名誉棄損で訴えないんですか?」

    下地「検討します」

    岩上「検討したほうがいいと思いますよ。事実無根の報道に対して、みなさん、あまりに抗議しないんですね。名誉棄損の裁判を起こされるまで、マスコミは何とも思わない。『書き得』でやるんですよ」

    下地「そうですね。彼の場合も同じです。元極道で、というのを表に出して動物保護をやっているらしいので。真実がどこにあるかをできれば誰か、志ある若手のジャーナリストさんとか、ぜひ追いかけてみたらどうでしょうか。奈良の天理で動物保護をやっている人です」

    岩上「わかりました。その方は、もう出たんですか?」

    下地「まだ中です。彼が言っていることがウソなら暴いてくれればいいし」

    岩上「詐欺事件に絡んでいるということですね。彼は冤罪だと言っているんですか?」

    下地「いや、彼はそれが犯罪になるかどうかはわからないようでした。僕は2日ぐらいしか一緒にいなかったので細かいところはわかりませんが、大筋としては、早く動物のところに戻りたいので取り調べにはかなり積極的に応じているようでした。『騙されてるんやろか、どうなんやろか』というのは悩んでいました」(続く)

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