県外移設が最適解だ。沖縄保守の真価を見せよ!
2013.11.30 Sat 10:27 -edit-
佐藤 優のウチナー評論<305>
県外移設が最適解だ
沖縄保守の真価
2013年11月30日 琉球新報

佐藤 優のウチナー評論<305>
県外移設が最適解だ
沖縄保守の真価
2013年11月30日 琉球新報
25日、東京の自民党本部で、石破茂幹事長と件を地盤とする同党所属国会議員5人が会談し、米海兵隊普天間飛行場の移設問題について、「全ての可能性を排除すべきでない」という点で合意した。
東京の政治エリート(国会議員、官僚)が、これで辺野古移設の流れができたと思っているとすれば、それは完全な勘違いだ。沖縄の現実を考えた場合、辺野古移設が非現実的であることは、問題に通暁した政治家、外務官僚、防衛官僚もわかっている。
このタイミングで沖縄に対する圧力を強めているのは、「政権党、中央政府としてここまでやったんだ」という姿勢を米国に見せるためだ。
「沖縄の政治エリートで中央政府に過剰同化する分子にてこ入れし、沖縄人によって、沖縄人に圧力を加えることで、万に一つの確率で辺野古移設が実現すればラッキーだ」くらいの気持ちで、東京の自民党は沖縄自民党に接している。
そもそも県関係国会議員をマスメディアのさらし者にして、「踏み絵」を踏ませるというような手法自体が屈辱的である。
今後、生じ得る事態を予測する事は難しくない。埋め立て承認の圧力を仲井眞弘多知事にかけ、県外移設方針を堅持する翁長雄志那覇市長をたたきつぶし、最終的に機動隊を導入し、流血を前提に力によって辺野古移設を強行する「道具」として県関係自民党国会議員を活用することだ。植民地支配を絵に描いたような分断政治だ。
もっともわれわれ沖縄人は、このような陳腐な手法で分断されるほど愚かではない。沖縄人は日本人の恣意的な命令に従う歴史の客体ではない。われわれの歴史はわれわれが創る。普天間飛行場の県外移設が、われわれの歴史なのである。
今回の自民党中央の強権的手法に対して、沖縄人は「これが日本の権力者の沖縄観なのか」と警戒心を一層高めた。東京の政治エリートの強圧的で差別的な沖縄政策に対して、われわれは沖縄人のネットワーク)それには死者の記憶も含まれる)を最大限に活用して、目に見える形でも、目に見えない形でも抵抗する。
日本の総人口の約1パーセントにすぎない沖縄人は、圧倒的な少数派だ。物理的な力も弱い。ただし、知恵において沖縄人は日本人に負けない。
全国紙は東京の政治エリートの視座で沖縄について報じるので、大多数の日本人は沖縄の現実について知らない。「沖縄は口先だけでは抵抗しても、最後はカネで転ぶ」というような差別的認識を表明する日本人記者が少なからずいる。このような状況で、沖縄人は文化と生活に政治を埋め込んだしたたかな闘いを続ける。このしたたかさが、沖縄の主権を保全してきたのである。
言うまでもないことであるが、保守とは、故郷の土地、文化、歴史、伝統と結びついた政治勢力だ。県関係国会議員も選挙区を回って、民意がとのような状況にあるか熟知しているはずだ。保守の原点に立ち返り、今後起きる出来事の相互連関を考え、日本の国家統合を維持し、日米安保体制の実効性を担保するシナリオを考えることが重要だ。
その場合、県外移設が沖縄、日本、米国のいずれの利益にとっても最適解になる。
「全ての可能性」には県外移設も含まれる。県外移設の公約を撤回してない衆議院議員は、断固、どの方針を堅持し、政治生命を賭してその実現に努力してほしい。それ以外の国会議員も、もう一度、冷静に事態を分析し、県外移設に立ち返り、沖縄保守の真価を示してほしい。
(作家、元外務省主任分析官)
原発 放射能 水道 食品汚染 TPP
県外移設が最適解だ
沖縄保守の真価
2013年11月30日 琉球新報

佐藤 優のウチナー評論<305>
県外移設が最適解だ
沖縄保守の真価
2013年11月30日 琉球新報
25日、東京の自民党本部で、石破茂幹事長と件を地盤とする同党所属国会議員5人が会談し、米海兵隊普天間飛行場の移設問題について、「全ての可能性を排除すべきでない」という点で合意した。
東京の政治エリート(国会議員、官僚)が、これで辺野古移設の流れができたと思っているとすれば、それは完全な勘違いだ。沖縄の現実を考えた場合、辺野古移設が非現実的であることは、問題に通暁した政治家、外務官僚、防衛官僚もわかっている。
このタイミングで沖縄に対する圧力を強めているのは、「政権党、中央政府としてここまでやったんだ」という姿勢を米国に見せるためだ。
「沖縄の政治エリートで中央政府に過剰同化する分子にてこ入れし、沖縄人によって、沖縄人に圧力を加えることで、万に一つの確率で辺野古移設が実現すればラッキーだ」くらいの気持ちで、東京の自民党は沖縄自民党に接している。
そもそも県関係国会議員をマスメディアのさらし者にして、「踏み絵」を踏ませるというような手法自体が屈辱的である。
今後、生じ得る事態を予測する事は難しくない。埋め立て承認の圧力を仲井眞弘多知事にかけ、県外移設方針を堅持する翁長雄志那覇市長をたたきつぶし、最終的に機動隊を導入し、流血を前提に力によって辺野古移設を強行する「道具」として県関係自民党国会議員を活用することだ。植民地支配を絵に描いたような分断政治だ。
もっともわれわれ沖縄人は、このような陳腐な手法で分断されるほど愚かではない。沖縄人は日本人の恣意的な命令に従う歴史の客体ではない。われわれの歴史はわれわれが創る。普天間飛行場の県外移設が、われわれの歴史なのである。
今回の自民党中央の強権的手法に対して、沖縄人は「これが日本の権力者の沖縄観なのか」と警戒心を一層高めた。東京の政治エリートの強圧的で差別的な沖縄政策に対して、われわれは沖縄人のネットワーク)それには死者の記憶も含まれる)を最大限に活用して、目に見える形でも、目に見えない形でも抵抗する。
日本の総人口の約1パーセントにすぎない沖縄人は、圧倒的な少数派だ。物理的な力も弱い。ただし、知恵において沖縄人は日本人に負けない。
全国紙は東京の政治エリートの視座で沖縄について報じるので、大多数の日本人は沖縄の現実について知らない。「沖縄は口先だけでは抵抗しても、最後はカネで転ぶ」というような差別的認識を表明する日本人記者が少なからずいる。このような状況で、沖縄人は文化と生活に政治を埋め込んだしたたかな闘いを続ける。このしたたかさが、沖縄の主権を保全してきたのである。
言うまでもないことであるが、保守とは、故郷の土地、文化、歴史、伝統と結びついた政治勢力だ。県関係国会議員も選挙区を回って、民意がとのような状況にあるか熟知しているはずだ。保守の原点に立ち返り、今後起きる出来事の相互連関を考え、日本の国家統合を維持し、日米安保体制の実効性を担保するシナリオを考えることが重要だ。
その場合、県外移設が沖縄、日本、米国のいずれの利益にとっても最適解になる。
「全ての可能性」には県外移設も含まれる。県外移設の公約を撤回してない衆議院議員は、断固、どの方針を堅持し、政治生命を賭してその実現に努力してほしい。それ以外の国会議員も、もう一度、冷静に事態を分析し、県外移設に立ち返り、沖縄保守の真価を示してほしい。
(作家、元外務省主任分析官)
原発 放射能 水道 食品汚染 TPP
- 関連記事
-
- 秘密法を通したかったのは自民党、警察庁官僚だけではなく、防衛省官僚も深く関わっていたことが判明した (2013/12/13)
- 有名ブログ 暗黒夜考、独りファシズム が閉鎖してしまった。。。 (2013/12/10)
- 採決記録の無い憲法違反の特定秘密保護法は成立したとは言いがたい!我々国民は反対の声を上げ続け白紙撤回させよう! (2013/12/09)
- 「琉球処分官」恫喝チンピラ石破茂を議員辞職させ失職に追い込め!! (2013/12/07)
- ファシスト安倍、恫喝チンピラ石破がトップに立つ違法自民党政権の存続を我々は絶対許さない (2013/12/07)
- 憲法違反選挙で誕生した違法自民政権の大暴走は絶対に許されない!憲法違反の秘密法は無効だ!成立は断じて認められない!! (2013/12/07)
- 我々は自民党の暴挙を絶対に許さない (2013/12/06)
- 県外移設が最適解だ。沖縄保守の真価を見せよ! (2013/11/30)
- 自民県連公約撤回 二重写しの処分劇 抵抗の精神、尊厳を放棄 (2013/11/30)
- 【もう後がありません】秘密保護法案を廃案にさせるための参議委員特別委員ファックス宛先一覧 (2013/11/28)
- 世紀の悪法 特定秘密保護法案が衆院通過 NSC法が成立してしまった (2013/11/27)
- -秘密保護法案成立を急ぐ訳- 一つの理由 映画「ショックドクトリン」DVD発売が11月25日 及び この秘密保護法案の存在意義、かなりの危険性について -秘密保護法案の審議を行う特別委員会傍聴レポート- (2013/11/19)
- 憲法をも否定し人権を蹂躙する秘密保護法案こそがナチスの手口だ!この世紀の悪法を何としても廃案にしなければならない!! (2013/11/18)
- 秘密保護法、NSC法はアメリカからの要請 成立したら暗黒時代に突入する (2013/11/17)
- 秘密保護法が成立すると我々ブロガーも逮捕されてしまう! (2013/11/16)
スポンサーサイト
トラックバック
| h o m e |