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    原発問題 -The Truth is Out There-

      : 

    東電福島原発事故の真実 放射能汚染の真実 食物汚染の真実 正しい情報を求めて

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    IWJ特報第126号「自衛隊が米軍の下請けになる日~山口大学副学長・纐纈厚氏インタビュー(その4)」 

    第126号
    ───────────────────────────────────
                岩上安身のIWJ特報!
            自衛隊が米軍の「下請け」になる日
       特定秘密保護法と集団的自衛権行使容認の先にあるものとは何か
           山口大学副学長・纐纈厚氏インタビュー(その4)
    ───────────────────────────────────
    (IWJより転載許可済み)


    ================================
    ◆日本は憲法の原点に立ち戻る必要がある◆
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    岩上「安倍政権は、日米同盟を延命させるだけではなく、深化させようとしています。そして、中国とは対立し、そのことによって、 国内では、 反中国、反アジア感情を高めることによって、自分たちの政権を安定させる路線を選択していますよね。政治家だけではなく、官僚もそうです。

     むしろ、官僚が主体で、政治家はその上に乗っかっているだけとも言えると思うのですが、外務省などはそういう方向にひたすら行っています。これはギャンブルのようなもので、間違えると、たいへんな失敗をするかもしれない。

     米中が仲良くなれば、日本にとっては不都合ですが、逆に対立し、その結果、中国が覇権を握るようなことがあったら、これもたいへん不都合です。

     米中が戦っているようで握り合っている状況。これは第二次大戦以前の時代のドイツとソ連の関係に似ています。ドイツとソ連が戦っているようでありながら、裏で秘密協定を結び、ポーランドを分割してしまった。同じようなことが、起きるということはないでしょうか」

    纐纈「日本が将来政治の選択を誤った場合に、日本が沈没するということはありうると思います。中国からも食われ、アメリカからも食われ、そして、ついでに韓国からもロシアからも食われるという状況が起こる可能性が非常に強い。つまり、日本という国の国際社会におけるポジションがなくなってしまう。その方向に梶切りしているようにしか思えないんですね。

     安倍さんの今回の選択、あるいは自民党の最近の選択を含めて見ますと、日本を、憲法の前文が示したように、名誉ある地位ある国として、国際社会できちっと信頼と尊敬を受けるような国にしていこうという方向性とはまったく真逆の選択をしているようにしか思えないです。

     日本が軍備を拡充することよって得るものはひとつもありません。そして、安倍さんのような歴史認識を持つ人を首相にすることによって、日本がますます国際社会から孤立してしまうということは、簡単に想像できると思います。


     なので、私はやはり、憲法の原点に立ち戻る必要があると思います。戦後出発したときの、1945年のあの段階に立ち戻って、もう一度、二度目の戦後出発をしなければいけない。

     本当に1951年段階までもう一回戻らないと。これは言ってみれば、本当の意味での再生日本です。あるいは、国際社会に一定の地位を得るということ。そのことは、ひいては、成熟した市民社会を作るということにつながっていきます。二度と刃をアジア、世界に向けないという、そのことの誓いをどうやって示していくのか。そういうところに立ち戻る準備を今しないと、どんどん破局への道に行ってしまいます

    岩上「その一歩が、この秘密保護法かもしれない

    纐纈「そうなのです。だから、『今日は破局への始まりの日』と先ほども言いました。やや過剰な表現をすると、そう思わざるを得ないような今日なんですね」

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    ◆戦争は最大の公共事業◆
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    岩上「ドイツは、ヒットラーの時代、アウトバーンを作るという公共事業をやり、インフレを抑えました。実はレニ・リーフェンシュタール(※60)にインタビューしたことがあります」

    オフトークになったときに、レニ・リーフェンシュタールが『ナチスも良いことやったのよ。公共事業でインフレを抑えたのよ』と言いました。彼女はやっぱり、ヒットラーやナチに対してシンパシーがあったのだと思いますが。公共事業でインフレを抑えたというのは、確かにそうなのですよね」

    纐纈「事実です」

    岩上「しかし、その最大の公共事業というのは戦争です。

     ルーズベルトのニューディールを考えてみても、実際にはすぐに効果が現れず、対日戦を決意して軍備に猛烈にお金をかけて肯定していきました。その時に救われたのがボーイング社でした。アメリカは、戦略爆撃機を作るためだけに日本の当時の国家予算の三分の二ぐらいの国費を投入し、景気を浮揚させたのです。
    ボーイングの爆撃機を実戦で投入し、日本を焼き払い、勝利した。

     そのボーイングの飛行機が今回、防空識別圏に入っていく。まさにシンボリックな話ですよね。いま、アメリカは経済的な不況です。そうなると、戦争公共事業という観点から重武装をしようと考える人が出てくるでしょう。中東が落ち着くと、今後は東アジアで、と考えるかもしれない」

    纐纈「ドイツの政治学者のゼングハース(※61)という人が、軍拡の利益構造というキーワードを提供しました。軍拡によって一定の利益が恒常化、常態化していくというものです。そこにいろんな利権が発生し、そしてその利権にたむろする政治家や資本家や国民が出てくる

    岩上「労働者も労働組合もね」

    纐纈「労働組合もです。そういう意味で言うと、戦争というのは最大級の危険な公共土木事業に匹敵するということですよね。その結果、大きく儲ける人がいたり、さらにパワーエリートがパワーアップする実態もあるかもしれないけれども、しかし一番肝心なのは、それによって被害を受ける人たちも、またそれ以上にあまた存在するということですよ。

     一部の利益獲得、確保、拡充のために、あまたの人々が犠牲を強いられ、抑圧され、そして、その人々の人権を含めた生命が危機に脅かされる


    ------------------------------------------------------------------
    (※60)レニ・リーフェンシュタール:ドイツの映画監督。ベルリンオリンピックの記録映画『オリンピア』、1934年のナチス党大会の記録映画『意志の勝利』などを監督。『オリンピア』『意志の勝利』は、ナチによる独裁を正当化するプロパガンダ映画と批判された。(【URL】http://bit.ly/1aGSz9A)

    (※61)ディーター・ゼングハース『軍事化の構造と平和』中央大学出版部、1986年(【URL】http://bit.ly/1d6zlVt)

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    ◆ 軍産複合体の利益 ◆
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    纐纈「日本だって、いま、軍産複合体Military-industrial complex(※62)が今、非常に大きくなっています。アメリカは言うまでもなく。現在のオバマ政権の閣僚にも、軍産複合体に関わっている人たちがたくさんいますよね。

    つまりアメリカは、軍産複合内閣をずっと続けているわけです。
    それのヘッドはオバマで、彼を支えてきた人たちはやっぱり軍産複合体のなんらかの形での利益を被っているパワーエリートです。なので、オバマが軍事抑制というのは、一苦労、二苦労するわけです。

     一方では軍拡によって巨大な利益を持ち、権力を深めていくという人たちがたくさんいる。アメリカでは、軍事研究者も含めて、約500万人いるとされています。そういう人たちが、アメリカの政策決定に深く関与や、決定をしているのではないかという議論がありますね。

     日本では防衛庁が2007年に防衛省に昇格をし、単独予算権を持つお役所になりました。24万の軍隊を抱え、5兆円の軍事費、防衛費を使い、そして三菱重工業や日本鋼管を筆頭に、あまたの軍需生産で安定的な利益を獲得している企業があちこちにある。そういう側面が構造的に根を張ってしまっている中で『戦争反対』はなかなか言いにくい。

     ですが、逆に言うと、そういう構造を担保するために、いつでも戦争ができる体制を整えることが主目的です。そういう軍産複合体は、実際の戦争になったときに、果たして持つのでしょうか。だから、アメリカにとっては、アメリカ本土から遠く離れたところで戦争が時折起きるから準備をするということが不可欠になってきますね。

     それから、中東はいま落ち着き始めてきた。アフガニスタンも大局的に見たら小康状態になってきた。というときに、今度はどこが第二、第三の紛争地域かというと、ターゲットは東南アジアか東アジアか分かりませんけども、広大なアジアのどこかになるだろうという話になってきた。そのときに、アメリカが軍事プレゼンスを常時展開することによって、あるいは日米同盟強化することによって、アメリカ国内の軍産複合体および日本の軍産複合体に恒常的な利益を用意するという戦略があることは間違いないと思いますね


    岩上「何らかの形で戦闘が起きないと、その威力を見せつけることもできないわけですから、そのときに日本が巻き込まれるのではないかという不安があります」

    ------------------------------------------------------------------
    (※62)軍産複合体:軍部とある産業とが結びつき、国内の産業経済に大きな影響を及ぼしている体制のこと。(デジタル大辞泉より【URL】http://bit.ly/1evIDv8)

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    ◆日本の軍備の実態◆
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    岩上「先ほど空母の話がありました。遼寧は、役立たずのボロボロの古いものだという話を聞いたことがあります」

    纐纈「ヘリ空母で戦闘機も飛ばすことはできますけれどもね」

    岩上「カタパルトが非常に旧式だとか言われていますけれども、遼寧を酷評する軍事評論家もいるんですが」

    纐纈「はい、そう思います」

    岩上「翻って、日本の『ひゅうが』や『いせ』というヘリ護衛艦と呼ばれている種類の船(※63)は、実態は空母なんですね

    纐纈「防衛省は日本の自衛隊の大型自衛艦と言っていますけども、8900トン標準サイズです。トン数はゆうに一万トンを超える空母がありますね。この度、フィリピンにも行きましたよね。

     いま、6隻以上持っていますね。これ、飛行甲板が左舷かどっちかに集中配備されていて、135メートルの飛行甲板を持っています。これはヘリ空母です。20機ぐらい着艦することができるんです。ジェット機はカタパルトがありませんから、飛び出すことはできませんけれども、イギリスからケアロズという技術を提供してもらって、飛行甲板が出来るんですね。

     また、エルキャック(※64)というエア・クッション型揚陸艇を持っていますよね。それから、今度くらまの新しい軍艦は、長さが250メートル前後ある巨大戦艦です。昔だったら軍艦ですよね。それをまだ護衛艦と言って、2万5千
    トン級の船を今作ろうとしていますよね。完全に日本の海上自衛隊は外征型ですよ


    岩上「外征型なんですね。専守防衛ではない」

    纐纈「専守防衛というのはもう死語です。自衛隊の幹部の人はもう、本音では専守防衛だと思っていません。それはもう、海上保安庁に任せておく。もう自衛隊は外に行って、周辺で事態に備えるという腹ですね。

    だから、海上自衛隊の幹部の人たちのほうが、非常に先行的にアメリカとの共同作戦というものを訓練もしますし、交流も非常に分厚い。陸自や空自と比べものにならないぐらい分厚いです。


    そういう意味でいうと、日本の自衛隊のほうがひょっとすると外征型の正面整備体系を中国以上に持っているとさえ、僕は言えると思うんですね」

    ------------------------------------------------------------------
    (※63)海上自衛隊のヘリコプター護衛艦
    護衛艦ひゅうが型 (DDH"HYUGA"Class):就役時点においては、海上自衛隊史上最大の護衛艦であり、初の全通甲板型護衛艦でもあった。また、より大型のヘリコプター搭載護衛艦として取得が進められているいずも型(22/24DDH)の
    ベースともなっている。基準排水量:13,950t(満載:19,000t(推定値)) 馬力:100,000PS 主機械:ガスタービン4基2軸 乗員:340名 速力:30ノット 主要サイズ:197m x 33m x 22m x 7m (全長、全幅、深さ、吃水) 
    (海上自衛隊ホームページ【URL】http://bit.ly/1bOoLHq)いずも型(DDH"IZUMO"Class):2013年8月6日進水 本艦が就役すると海上自衛隊では最大の艦となる。基準排水量:19,500t(満載:26,000t(計画値)) 馬力:100,000PS 主機械:ガスタービン4基2軸 乗員:470名 速力:30ノット 主要サイズ:248m x 38m x 23.5m x 7.5m (全長、全幅、深さ、吃水)(Wikipediaより【URL】http://bit.ly/1i8C7Ph)

    (※64)エルキャック(LCAC):エア・クッション型揚陸艇。ホバークラフトを利用した揚陸艦及び揚陸艇である。
    (Wikipediaより【URL】http://bit.ly/1f9r5rI)

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    ◆なぜ中国は航空母艦を持つのか◆
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    岩上「『ひゅうが』などの配備が行われたことに中国は本当に驚いて、遼寧を出した。つまり、遼寧は、日本の事実上の空母装備に対するカウンターとして現れてきた。これでもし戦争をやれたら一発で勝てるというんで、非常に意を強くしていると一部の人は言うんですね。

     局限された地域戦闘で仮に勝ったとしても、それは戦争全体の勝利にはつながらないことは、かつての日中戦争を見れば分かると思うのですけれど、そういう制限戦争のシナリオを考えている人たちはたくさんいるのでしょうか。そしてそれが行われる確率は、どれくらいあるのでしょうか」

    纐纈「中国が遼寧を作った理由は、2つあると思います。アジアでは、例えばインドも航空母艦を持っています。なぜインドが航空母艦を持っているかといったら、インドという国は大国であるということを軍事的に示したいからです。それから、もちろんパキスタンというライバル国があります。インドもパキスタンも核を持っています。

     それと同じように、大国中国は一定の軍事プレゼンスを持ちたい。ぐるっと見渡したときに、持ってないものは航空母艦だったわけです。そういうわけなので、それは、自らのプライドを担保するための装備です。その装備自体に、軍事的にどれだけの有効性があり、どれだけの使い道があるかは、疑問です。

     それから、乗せる戦闘機も非常に旧式です。そういう意味で、アメリカの機動部隊に歯が立ちようがない。練度も低いし、補給能力、形成能力も非常に欠落していると思います。そんなことは、中国は百も千も分かっているので、絶対に具体的な戦闘は、千歩、一万歩譲っても、ないと思います。

     もうひとつの航空母艦を持つ理由は、中国人民解放軍幹部たちの権力の誇示です。それから、人民解放軍幹部の権力の永続性というものが主たる目的だと思います。

     だから、航空母艦は、決して攻撃的なものでも、侵略的なものでもないと思います。それを過剰反応することによって、アメリカも日本も軍拡の理由にしている。そのことを中国は分かっている。

     非常に微妙なゲームが四六時中行われているということです。だから、微妙なシーソーゲームのなかで、何か不慮の事故で、戦争になってしまうという可能性もありうるのだから、それを避けるためにも、防空識別圏というのは僕はいいことだと思います」

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    ◆このままいったら日本はもう一度降伏することに!?◆
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    岩上「米軍は対中国を前提とした戦略を、具体的に立てていますね。統合エアシー・バトル(※65)という構想です。これは空軍と海軍が連動しながら戦うんだということらしいですけれども、日本と米軍はそれを落とし込んだ形の『ヤマサクラ』という合同演習を行っています。

    その『ヤマサクラ』の合同演習が2011年の3.11のあとに行われました。驚くべきことに、中国軍が上陸してくるのは若狭湾で、そこでバトルをするというものです。原発が並んでいるところです。戦場は日本列島です。

     中国と米国の覇権ゲームの果てに、日本が利用される。先ほどから、日本は鉄砲玉になるという話がありました。日本は鉄砲玉になり、しかも日本列島は戦場になる。これは信憑性のある話なのでしょうか」


    纐纈「改定ガイドラインのなかに、対中海洋戦略論というのが出てきます。それは、一言で言えば、日本が前線になるということです。日本が槍にもなるし、それからこの国土を楯にする。それで、アメリカの軍事筋が言うには、中国の戦闘力を日本というつい立てでブロックする。決して太平洋にははみ出さないようにする。三海峡も自衛隊の機雷で封鎖をする。中国が太平洋に出れないようにするということですよね。

     例えばこの山口県の岩国に大きな滑走路が出来ました。そしてまた、4万トン級の軍艦が接岸できる、非常に吃水の深い港も併設された。なぜあれがあそこにできたのか。そして、なぜあそこにオスプレイが来たのか。それは、中国の正面だからです。嘉手納などの沖縄の基地群よりも使い勝手がいいわけです。中国山地が楯になっているという意味では、岩国が嘉手納に代わる大基地になっている。第一級の基地として、アメリカも認めています。

     それから岩国では、反対運動が沖縄と比べたら明らかに小さいのです。アメリカは基地を敷設するときに、どういう住民がいて、どういう反対運動があって、その反対運動のレベルはどの程度かということを、全部調べます。岩国の反対運動のレベルは非常に小さいという評価がでていて、適地とされました。そういうファクターも入れ込んで、適地なのです。

     安倍さんのやり方は、言ってみれば、日本列島を人柱にする議論です。日本列島人柱論というふうに思わざるを得ないですね。これは決して過剰な反応だとは思いません。

    だから、最近『日本降伏』という本を書きました。この『日本降伏』は戦前、日本がなぜ開戦をし、なぜ戦争終結ができなかったのかを読み解いているのですが、起因するところは、このままいったら、日本はもう一度降伏をするということです。二度目の降伏、それは戦争でという意味での降伏ではないかもしれませんけれども、日本国民としての、あるいは日本国家としての主権性や、市民社会そのものが解体をしてしまう可能性があるのではないかと思います。それは降伏することに近い」


    岩上「そうなると、その降伏の後には占領があり、そして収奪もあり、ことによると、国がなくなるかもしれない」

    纐纈「その可能性はありますね」

    岩上「考えてみると、アメリカは先住民を滅ぼして、国を手に入れてきたりしてきた歴史もあります。中国だって野蛮なことやるわけです。アメリカと中国と両方によって、ポーランド分割みたいなことをやられたら、もう完全にお手上げですよね」

    纐纈「そうですね。中国とアメリカが本当によしみを通じた時に、北海道と東北はアメリカに、下は中国にという、日本列島分割論みたいな可能性すら、けっして笑い話ではなくなってきていると思います。

     その根拠は、第二次世界大戦で日本が負けた時にソ連が北海道と東北、それからアメリカが西日本を分割統治しようという、ソ連からのオファーがあったんですよね。でも、アメリカはできれば単独で可能な限り日本列島を押さえたかった。それで、朝鮮半島を38度線で分断しよういう提案をしました。

     38度線という根拠は、戦争中に38度線以北は関東軍(※66)の軍管理だったからです。38度線以南が、日本の朝鮮軍が軍管区だったわけです。日本が負けた時に、関東軍はソ連に武装解除されて、朝鮮軍はアメリカに武装解除されました。その歴史をアメリカは持ちだしたのです。ソ連に対し『38度線で分断統治しましょうよ』と言ったら、ソ連はアメリカに単独で対向する力、戦力はもうありませんでしたから同意したわけです。


    一番悲劇なのは、朝鮮の人たちです。日本に34年間も植民地支配をされて、やっと解放されたと思いきや、今度はソ連とアメリカに分断統治されるわけですから。そして、日本の食い物にされていくわけです。

     日本は高度経済成長期に朝鮮と韓国に物を売ってきました。つまり、一方的な日朝間貿易によって、高度経済成長を遂げたわけです。二重、三重の苦しみを与え続けたわけです。それなのに、植民地責任の議論が起きない。逆に、朝鮮は日本が植民地にしたから近代化を成し遂げたという植民地近代化が論じられることもあります」

    岩上「そうですね。それと同じような運命が自分の身にブーメランのように降りかからないと思ってるのは・・・」

    纐纈「楽観論的すぎますね」

    岩上「我が身に降りかかる可能性がある。ところが、そういうことが一番嫌なはずの人たちが、対米追従の挙げ句、国家の主権性を放棄するようなことをしている。特定秘密保護法をつくろうとしている」

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    (※65)統合エア・シー・バトル:米国防総省が中国の軍拡に対応して構築している戦略の名称。特にアジアにおける有事の際に、米軍部隊の介入を阻む中国の接近阻止作戦を重視しており、アジアでの米側の空・海の戦力を強化、積極的な攻撃能力を高めることを目的としている。(「IWJ特報!接近する米中と「鉄砲玉」にされる日本~特定秘密保護法の強行採決と防空識別圏騒動から、「原発×戦争」リスクまで」http://iwj.co.jp/wj/open/archives/117284)(参考)『エア・シー・バトル構想の背景と目的─今、なぜ統合エア・シー・バトル構想なのか』木内啓人(PDFファイル)【URL】http://bit.ly/1fuh5sb)

    (※66)第日本帝国陸軍の総軍。大日本帝国の中華民国からの租借地の関東州の守備、南満州鉄道付属地の守備を行っていた。当初、司令部は旅順にあったが、満州事変後は満州国の首都である新京に移った。大陸侵略・満州国支配の中核を担っていたが、太平洋戦争末期の1945年に、ソ連が満州に侵攻してきたことから、壊滅した。(デジタル大辞泉、世界第百科事典第2版より【URL】http://bit.ly/1i8CsS1)

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    ◆日本が原発を保有することの危険性◆
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    岩上「戦場を日本と想定しておきながら、原発をなお維持するという、この愚かさはどういうことなんでしょうか?」

    纐纈「原発になぜこれほどまで執着するか。もちろん原発にも利益構造があるからですよね。1000億円近いお金が出る。原発交付金で地元が潤う。それがまた集票行動につながっていくという、そのどうしようもない利益構造があるから、どうしても原発に執着するんでしょうね。

     しかしながら、今回地震が起きたから非常にクリアになったんだけども、原発は中長期的に見た場合に、廃棄物の問題も含めて、危険です。それは十分想定されていたはずなんですよね。今後、また大きな地震やさまざまな災害があるかもしれないというときに、それほど危険な爆弾を抱えて、安心して暮らせるわけがないです。
    そういう状況では、やはりエネルギーはものすごい勢いでセーブしなければいけない。日本はそのための技術力を持っていると思います」

    岩上「しかし、それをしないのは、やはり核を保有したいという考えがあるのではないかと思います。核保有のために原発を維持しようというのが、思惑の一部にあるのではないかと」

    纐纈「非常に精製度の高いプルトニウムを、プルトニウム運搬船あけぼので、フランスから持ってきています。備蓄しているわけですよね。だから、国際原子力機関から、日本はなぜそれほどまでにプルトニウムの備蓄を続けるのかと不安感を表明されています。

     日本は大きな核を運ぶ運搬手段を持っています。そしてまたPGM誘導兵器を持っています。今、それぞれがパーツになっていますが、作る気になれば、大陸間弾道ミサイルを作ることにそれほど時間がかからない技術力を持っています」


    岩上「持っていますよね。しかも、去年、原子力基本法に「安全保障に資する」という文言を入れました(※67)。そして、宇宙航空研究開発機構法から、平和目的に限るというのを削除した(※68)。ということは、これはいつでも運搬手段と核の軍事利用が可能になるベースを作ったわけですよね。

     ということは、やっぱり、核保有を考えているのではないか。この核保有とは、米国から独立した核保有なのか、それとも、アメリカの主権下でコントロールされて核を共有するということなのでしょうか」

    纐纈「一つには、まず、安倍さん的な発想からすると、いわゆる主権国家というものは、十全な軍装備をしてなきゃいけないという考えがあります。そのなかで欠くべからざる軍装備は核であるという、核に対する信仰心にも似た位置づけがあります。なので、岸さんも、佐藤さんも、安倍さんも、核武装論を公然と言うわけです。

     日本の保守のなかの右寄りの方々は、北朝鮮もインドもパキスタンも持ってるものを日本が持たないのは、プライドが傷つくという精神的な側面もあると思います」


    岩上「政治力としての意味もあるでしょうね」

    纐纈「もちろんありますね。もう一つは核技術です。日本はある意味では、優れた技術力を持っています。つまり、その意図さえあれば、政策さえ変更すれば、いつでも持てる。日本は核潜在保有国なのです。

     そのことを政治家たちは、常に強く意識をしていています。僕は、『核アイデンティティ』と呼んでいるのですけれども、核に対する一体心やシンパシーが強い。なぜかというと、アメリカの核に敗北したというトラウマがあるからです」

    岩上「さっきおっしゃった『二発のパンチ』ですよね」

    纐纈「そういうことです。だから、あの戦争は、中国人民の国土を守ろうとする意志によって負けたという総括をしない限り、『核に負けた』ということになってしまいます。そうすると、日本も核を持って、二度と敗戦の憂き目にあわないような国にしたいという考えが出てきてしまう。核保有論者は信仰に近い形でそう考えていると思います」

    岩上「純軍事的に考えても間違っているということですよね。ガードを高く上げて、ボディをがら空きにするような話です。

     日本の核保有については、チェイニー元副大統領などが2003年ぐらいに『持たせでもいいのではないか』と言いました(※69)。腹黒いタカ派が『ご自由にどうぞ』と言ってくるわけがないわけで、これは、属国としてアメリカの管理下に置いて、日本と中国を相撃ちをさせるためだったのではないかと。

     先ほどのお話に出ていた楯と鉾の関係。日本を楯にしながら、かつ鉾にしてしまえというときに、鉄砲玉でも核の鉄砲玉になったら、壊滅的です


    纐纈「壊滅的ですね」

    岩上「中国から報復の核ミサイルが飛んできたら、我々は住むところが完全になくなってしまう

    纐纈「はい。だから、日本の核武装および核武装論に対して、アメリカは非常に警戒心を持っています。日本が持てば当然ながら韓国も持ちたいということになるでしょうし、台湾も持ちたいとなるでしょう。核の平等化という議論が先行してしまいますよね。

    アメリカとしては、核の独占論者ですから、核を持っているのはアメリカとソ連と中国ぐらいにしてほしいと思っています。ですから、日本が核武装するということに対して、アメリカは警戒感情を持っています。それを拒絶してまで日本が核武装するということは、完全な軍事独立論なんですよね」

    ------------------------------------------------------------------
    (※67)原子力基本法第二条に以下のように書かれている。
    「第二条  原子力利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。2  前項の安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として、行うものとする。」(平成24年6月27日改正版【URL】http://bit.ly/1e5eR5p)

    (※68)宇宙航空研究開発機構法では、第4条に、宇宙開発を「平和の目的に限り」としていたが、それが削除された。この削除については、軍事利用への拡大になりかねないとして反対署名が集められ、また日本科学者会議東京支部第46回大会では反対決議が出された。(【URL】http://bit.ly/1f9Jbs3、http://bit.ly/1aFMw5k)

    (※69)2003年3月、当時のチェイニー米副大統領は、米NBCテレビのインタビューで、「核武装した北朝鮮が弾道ミサイルを使うということになると、この地域で武装競争が始まるだろう。たとえば、おそらく、日本は核の問題に取りかかるかどうかの検討を強いられることになりうる」と述べた。(【URL】http://bit.ly/1a0dmVo)(また、ジョン・マケイン上院議員は「北朝鮮は明らかに核拡散防止条約に違反しているので、必要であれば日本の核開発を支援し、国連に制裁を求めたい」と発言した。(【URL】http://bit.ly/1nfkmkp)

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    ◆核を持っていないことは日本にとって有利◆
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    纐纈「日本が核保有するということは、危険な選択以上のなにものでもないと思います」

    岩上「それをすると、軍事的独立が可能になるかもしれないけれども、そのときは日米同盟は完全に決裂して、国際的には政治的にも経済的にも孤立するということになる」

    纐纈「核を持っていないことは、日本にとっては非常に有利だと思います。核を持っているから発言権が高まるのではなくて、逆に、核を持たない非核武装国家であるから、国際社会に対して一つの大きなセールスポイントになっていると思います。

     非核三原則を貫き、通常兵器だけにして、さらに今度は軍備縮小という方向を打ち出していく。そして最終的には、国土警備隊的なものにリセットしていく。24万の自衛官は、例えば、国土警備隊に編入替えするとか、国際レスキュー部隊に編入するとか。この構想は非常に必要だと思います」


    岩上「しかし、一方的に軍縮をやろうと思っても、アメリカからはアメリカの兵器を買えと言われている状態じゃないですか」

    纐纈「そうですね。現実的には難しいですよね。軍拡の利益構造っていうのがあるから」

    岩上「アメリカにすれば、特定秘密保護法を整備して、これから本格的な軍事国家になってどんどん兵器を買ってねという状態です。そして買って使うことになると思いますけど」

    纐纈「ええ。そこが一番こわいところです。しかも、もう一つの問題は、自衛官や防衛省といった日本軍事機構が、非常に肥大化してきてることです。参事官制度を廃止する。文民統制が完全に形骸化しているという状況です。

     実際、海上自衛隊の幹部にはものすごい強硬派がいます。それがもう抑えきれなくなっているのです。だから、NSCができた場合、その人たちがオブザーバーなどとして入ってきて、発言し、持っていかれるということもありうる」


    岩上「今なら勝てるという思いもあります。ですが、勝っても、中国国土全土を占領なんかできない。かつてもできませんでした」

    纐纈「13億人全員に一人ひとりに鉄砲を突き付けるわけにはいきませんからね」

    岩上「いきませんね。小規模な地域戦闘で何かしらの勝利を収めたところで、何にもなりませんよね」

    纐纈「戦略的な勝利は無理ですね。それを考えていないのか、考えたくないのか。考えても良い答えが出ないということが分かっているから、考えないのか。結構そういうことってあるんですよね」

    岩上「そんなことやめてもらいたいですね」

    纐纈「だから、危険な火遊びは止めてくださいと言うわけですね。はっきり言って、火遊びです。子供がマッチを初めて持ってボッとつけてみたら、なんとなく惹かれるというようなものです」

    岩上「ボッとつけたところに原発があるんですよ」

    纐纈「ええ、そうなんですよね。飛び火しますよね」

    岩上「飛び火して、列島で戦争を始めたら、原発が被弾しないわけがないです。テロ程度の話ではないですよね。そしたらもう住むところがなくなります」

    纐纈「スイスは武装中立ですよね。四方を列強に囲まれて、どことも同盟を結ばず、自立して、最低限の軍備を持っています。そのスイスにも、国防軍をやめよう、非武装中立にしようという議論があって、国民投票で拮抗しています」

    岩上「しかし、それは、EUという環境に恵まれているからこその話ですよね」

    纐纈「もちろんそうです。だからAUを早めに作って、時間をかけてでもいいから武装のレベルをダウンしていって、AUが非武装国家群の集まりになるようにしたいですよね」

    岩上「しかし、そうなるためにも、順番というのがあるでしょうから、できるだけいい方向へひとつずつ進める必要があります。今はまったく真逆の方向に行ってしまっているので」

    纐纈「ええ。これをどうやって歯止めをかけるか。向こう3年は国政選挙ありませんから、最低3年。 長期政権化というような話も巷で出てきています。だけど暗い話ばっかりしても、元気が出ませんからね」

    岩上「ええ。僕はとりあえず、言論の自由、取材の自由、報道の自由がなくなるまでは、権利行使を大声でしようと思います」

    纐纈「私も書きまくろうと思っています」

    岩上「それを聞いていて、ちょっと励まされます。先生、今日は本当にありがとうございました。大変な日に・・・」

    纐纈「記念すべき日、変な意味での記念すべき日になってしまいましたけど。
    ありがとうございました」

    (了)

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