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    原発問題 -The Truth is Out There-

      : 

    東電福島原発事故の真実 放射能汚染の真実 食物汚染の真実 正しい情報を求めて

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    IWJ特報第130号「バーナムの森は動いた」〜海渡雄一弁護士インタビュー(その2) 

    第130号
    ───────────────────────────────────
    岩上安身のIWJ特報
    「バーナムの森は動いた」
    ~秘密保護法強行採決を安倍政権の「終わりの始まり」にできるか
    海渡雄一弁護士インタビュー(その2)
    ───────────────────────────────────
    (IWJより転載許可済み)


    ================================
    ◆秘密の期間60年のインパクト◆
    ================================
    海渡「もちろん、一定の情報を秘密にするということは必要です。この間ここ
    に出た時にもお話したけれども、核兵器の設計図面であるとか、アメリカの大
    統領が持ってる核兵器を発射するときの暗証番号とか、そういうものは、漏れ
    ては困ります。ですが、絶対に外に漏れて困るような情報なんていうのは、そ
    れほどん多くはないと思いますよ」

    岩上「そうですね。あと、やはり、どうしても気になるのは、一般市民の権利
    、ジャーナリストの権利、国会議員の権利、あるいは権限です。こういうもの
    を全部ちゃんと担保していくことは、健全な社会のために必要です。これは、
    当然の議論です。

     一方で、さっき言った諜報とか防諜というのがあって、アメリカは諜報をや
    り放題です。日本はそれに対して、出し放題、献上し放題で、自分たちがアメ
    リカに対してガードを固めたり、あるいはアメリカが何をやらかそうとしてる
    んだろうということを探索するだけで、自分たちの法律によって、自分たちを
    縛ってるのですね。それはおかしいでしょう。アメリカだっておかしなことを
    やる可能性があるのですから、相互に監視するという主体性は必要ですよね」

    海渡「日本国政府の中に、アメリカの諜報員がいるはずですね。中枢部分にい
    ると思いますよ。だけど、この人たちは絶対に罰せられることはないね。ロシ
    アとか中国の諜報員が入っていって、それが判明したらそれはもう大騒ぎにな
    ると思います」

    岩上「今までも事件はいっぱいありましたね。大使館に入っていたりとか」

    海渡「アメリカの諜報員がいても、きっと、それはOKなのですよね」

    岩上「そもそも、アメリカの場合、諜報機関の人間が来日するときに、横田基
    地に軍用機で入ってくれば、パスコントロールをまったく受けることもなく入
    国することができるし、出国することができるわけでしょう。

     アメリカに限って言えば、スパイは自由往来ですよ。だから、中国に対して
    も、北朝鮮に対しても、ロシアに対しても、防諜は日本の公安がやってきたと
    思いますが、アメリカに対してだけは何もやってない。

     それから、経歴から言ってもCIAの協力者であることが疑われる人でも、日
    本では大手を振って闊歩していますよね。ジェラルド・カーティス(※33)み
    たいな人がいます。

    森大臣は、『参議院特別委員会で外交文書について、過去の文書も要件を備え
    れば秘密指定できる』と言いました。法律というのは、施行後に適用されるの
    が普通だと思いますが、施行以前のものも遡って秘密になるのですか?」

    海渡「秘密の期間の60年がいつから始まるかによりますね。過去の文書の場合
    、新たに指定したとしたら、いったい何年経ったら公開されるのか分かりませ
    ん。しかも、60年で原則公開されることにはなっていますが、それにも7つも
    例外がついています。60年というのはありえないと思います」

    岩上「何か大きな外交的出来事あるいは軍事上の出来事があり、それが秘密に
    されたとします。それが60年後に公開されても、生きている人は少ないですよ
    ね」

    海渡「覚えてる人がいないと思いますよ。今2歳、3歳の人は60年後に生きてい
    たとしても、何が起こったか覚えてないですよね。何があったか覚えていて、
    その人が生きているあいだに検証ができるようにしないと、まともな検証はで
    きないと思います」

    岩上「例えば、ある人が20歳の時に起きた出来事が、80歳になったときに公開
    されるということですからね」

    海渡「だから、僕は、60年というのは愚策だと思います」

    岩上「人はみんな生物学的限界を持っているわけですから、事実上、誰も真実
    と分からないということになりますよね。つまり、日本人は、現代史において
    何が進行してるのか分からないということになるわけです」

    海渡「死ぬまで分からないで終わっていくことになります」

    ----------------------------------------------------------------------
    -------
    (※33)ジェラルド・カーティス(1940-)はアメリカの政治学者で、東京財団
    の名誉研究員。CIAの協力者であることが、かねてより噂されている。自民党
    の歴代総理の「指南役」とまで言われるほど、日本の政界に深くコミットして
    いる。(【URL】http://bit.ly/1kv8xGS)
    ----------------------------------------------------------------------


    ================================
    ◆特定秘密保護法と原発との関係◆
    ================================
    岩上「他に問題と思われるものというのはありますか?」

    海渡「ちょっと、今後のことを話しましょう。今回の反対活動を一生懸命やっ
    た人たち、特に11月21日と12月6日の集会を一緒に準備した人たちと討論して
    いきたいと思っていますが、この法律の全貌を明らかにしていく作業を続けな
    ければなりません。法律制定の過程で秘密にされたことが多いですから、まだ
    まだ分からないことがあります。

     市民の皆さんにとって一番重要なことは、この経過を記録し、よく覚えてお
    くことです。一時期的に反対運動が盛り上がっても、日本国民はすぐ忘れてく
    れると、政府は高を括っています」

    岩上「安倍さんが『嵐は去った』と言ったみたいにですね」

    海渡「粘り強く忘れないようにする必要があります。忘れないようにするため
    には、定期的に集会をしたり、本を作ったりすることも大事でしょう」

    岩上「海渡さんは『秘密法で戦争準備・原発推進』(※34)という本を出され
    ましたね」

    海渡「11月の半ばにできていました。けっこう売れていますよ。まもなく再販
    になるのではないかと思います。この本に限らず、この法律の審議の過程で明
    らかになったようなことを研究者でまとめるという動きも始まってます」

    岩上「今回、法律家の方々がものすごくアクティブに動きましたね。地方でも
    そういう動きがありました。例えば、石川県のような非常に保守的な県でも、
    地元の弁護士会の先生方中心に抗議活動を行なったりしていました」

    海渡「我々の実行委員会でわかっているだけでも、全国組織を持つ日弁連、弁
    護士会、新聞労連の各地の組織がタッグを組んで、各地でいろんな集会を持ち
    ました。

     もちろん普通の市民の方々の運動もありました。石川県には志賀原発があり
    、原発反対運動がありましたから、そういう反対運動と合流した感じがありま
    すね」

    岩上「では多くの一般の人達も気がついたのでしょうか。

     『秘密法で戦争準備・原発推進』のタイトルが実に意味深ですね。一般の人
    たちは、原発の事故情報とかが隠されるんじゃないかと懸念していますね。

     原発事故関連の情報の隠蔽には、すでに、実績があります。311の直後スピ
    ーディの情報は公開されませんでした。こうした情報が特定秘密に指定された
    ら、このような情報の隠蔽が今後は堂々とできてしまうのではないかと懸念さ
    れます」

    海渡「それが、反対の声がものすごく強まった大きな原因ですよ」

    岩上「原発に対する懸念については一般の人達も理解しているので、秘密保護
    法が危険だということが広く知られたわけです」

    ----------------------------------------------------------------------
    -------
    (※34) 海渡雄一『秘密法で戦争準備・原発推進 -市民が主権者である社
    会を否定する秘密保護法』 創史社、2013年11月
    紹介文:「秘密法ができれば、「テロ対策」という名目でさらに原発関連情報
    が隠され、再稼働されてしまいそうです。米軍との戦争準備のための法律でも
    あります。市民生活を破壊し、民主主義さえ崩壊させかねない秘密法に反対し
    ていきましょう」

    (【URL】http://bit.ly/1gojSVx)
    ----------------------------------------------------------------------


    ================================
    ◆特定秘密保護法は戦争の準備◆
    ================================
    岩上「 一方で、『秘密法で戦争準備・原発推進』の『戦争準備』の方ですが
    、秘密と戦争との関係が分からないという人たちもいます。また、『中国の脅
    威が高まってるのだから、日本を守るためにこの法律は必要』と考える人たち
    もいます。この両方の人たちに、ひとつひとつ解説し、説得していかなければ
    ならない。

     戦争と秘密保護法は関わりがないと思ってる人たちに、この法律は実は戦争
    遂行に深く関わる一連の法制度の準備のひとつなんだということを知らせる必
    要があります。特定秘密保護法は、集団的自衛権の話とセットで進められてい
    るじゃないですか。

     しかし、仮に中国が急迫不正の侵害をして日本を攻撃をしてくるなら、それ
    は周辺事態ですので、集団的自衛権ではなく、個別的自衛権の話です」

    海渡「おそらく、今回、安倍さんの頭の中は3つの法案がセットになってると
    思います。まず、NSCの機関を作った。そして、秘密保全法制を作って国民に
    対する引き締めをする。敵が日本を狙っているという心理的刷り込み効果がす
    ごくあったと思います。そして、国家安全保障基本法案(※35)が次の国会に
    出てきます。

     国家安全保障基本法案というのは、戦争の手続きです。実際に戦争をやると
    きに、こういう手続きでやるということを決めるものです。NSC、秘密保全法
    制、国家安全保障基本法案の三位一体で、日本が本当に戦争をやれる状態に持
    ち込もうとしているのです。実際にやるかどうかは、そのときの判断でしょう
    けれども、戦争準備体制を整えることになります。だから、僕は、この本のタ
    イトルに『戦争準備』という言葉を入れたのです。

     とてもいい写真がありますので、見て下さい。これは1941年の5月12日の写
    真です」

    岩上「『全国防諜週間習慣』、『スパイを警戒せよ』と書かれていますね」

    海渡「ここを見てください。鉄兜をかぶって、日の丸のマスクをしてるんです
    よ。あと、『謀略にかかるな』と書いていますね。

     これが何を言いたいかというと、『こういうスパイがいる、それに気をつけ
    ろ』ということです。これの半年後に太平洋戦争が始まります。

     なぜそうなるかというと、『あなたの隣にいる人はスパイかもしれない』と
    なると、みんなが『誰が敵かしら』と思うようになるのですね。敵がいるとい
    うことは、戦争が前提なのです。

     要するに、情報を共有できる味方の国と、情報を漏らしたら厳罰に処される
    ことになる敵国とに分けていく考え方なのです。この時にはどこと戦争するか
    決まってたのかもしれません。このような『スパイに気をつけろ』という宣伝
    が始まって、『いや、それはおかしい、それは戦争準備だよ』と言うと、『お
    前スパイじゃないのか、非国民だろ』と言われる。こういう話になっていきま
    すね。

     要するに、戦争に反対している人間はスパイであり非国民だということにな
    っていきます。そうすると、もう戦争に反対できなくなるのです。つまり、戦
    争反対の声を圧殺する殺し文句になります。それが安倍さんにとってはものす
    ごく価値があるのです。だから、この3つの法律は、三位一体です。もう2つで
    きてしまいましたけれども、来年(2014年)に残された安全保障基本法案を何
    とか止めていかなければならない」

    岩上「安全保障基本法案は、アメリカがものすごくプッシュしましたね。これ
    と、集団的自衛権行使容認とをセットで言ってきました。

     戦前と今とを比較すると、戦前の場合は、帝国主義で、少なくとも主権はあ
    りました。だから、決定権は日本の国にあり、当時力を持っていた軍部で決め
    られていました。つまり、自分たちの責任でやったわけですね。

     それに対して、今回は、アメリカに要請されたものです。アメリカにくっつ
    いてこいと言われています。 日本の防衛と関係ない地球の裏側でもです。安
    保法制懇の座長代理の北岡伸一さんが『米軍に、宇宙までもくっついて行く』
    ということを言ってるわけですね(※36)。

     アメリカは、集団的自衛権行使容認を早くやれとずっと言っています。今回
    の秘密保護法にも歓迎を示してますね」

    海渡「アメリカといっても、一色ではないと思いますけどね。そういうことを
    言っている人たちは、『日本はお金を出すだけではなくて、アメリカが戦争す
    るときには血を流せ』と言ってるわけです。それに付き従っていくというのが
    、安倍さんの路線です。

     安倍首相が、日本国憲法はアメリカの押し付け憲法だから変えなければなら
    ないと言っていますが、僕には全く理解できません」

    岩上「押し付け安保はそのままですからね」

    海渡「どんなことがあってもアメリカと一緒に戦争しに行くというのは、完全
    に属国化しているのですよ」

    岩上「軍事属国化ということですよね。だから、これは、右派の人でも気づく
    べきことです」

    海渡「右派だけではなくて、自衛隊の人たちが大変だと思いますよ」

    岩上「そうですよね、国のためではないのですから」

    海渡「自衛官になった人は日本の国土防衛のための誓いをし、そのために、命
    を捨てる覚悟もしたかもしれません。ですが、アメリカが勝手にやる戦争のた
    めに、中東やアフリカに行って、そこで日本とは全然関係のない戦争で死ぬと
    いうことになりうる。それを想定して自衛官になった人はいませんよね。そう
    いう人たちは『これは困る。こんなことは約束違反だ。自分が自衛官になった
    ときの約束と違ってる』という声を上げて欲しいですね。そういう人がいっぱ
    いいると思いますよ」

    岩上「実際にことが起きてから、そういう問題がどんどん出てくるのでしょう
    けれど、同時に、ちょうどこのタイミングで、海上自衛隊でいじめを苦にして
    自殺した人の問題が出てきました。この件について、情報を伏せようとしてい
    るということが報じられています(※37)。

     こういった自衛隊内部での不祥事などが、どんどん隠蔽されていく可能性が
    あります。そうなると、そこで働く隊員の人権が守られない可能性もあります


    海渡「自衛隊の内部でハラスメントがあり、自殺をしたという事件なのですが
    、それについて、やはり情報を明らかにしていくことがもっとも重要な戦いに
    なってるのですよね。本来で言えば、特定秘密保護法ができたって、自衛隊内
    部でのハラスメントは絶対に特定秘密になんかなるわけがない情報のはずなの
    ですけれども」

    岩上「軍事機密ではないですからね」

    海渡「日本の国防と関係しないのですが、そういうものも、なんとなく秘密っ
    ぽくなるというか、それに近づこうとすること自体が危険な雰囲気が出てくる
    のが嫌ですね」

    岩上「そうですね。何が秘密にされたのかが、そもそもわからなくなってしま
    う。それは本当に、国防上絶対に明らかにできないような重要な機密だったの
    か、それとも自らの不祥事の隠蔽や腐敗を隠そうとしたり、ほかの問題を糊塗
    したのかどうか。こういうようなことを見分けることができるという保証は、
    現在の法案の中には書き込まれてないですね」

    海渡「そうですね。第三者機関がなぜ必要かというと、第三者の目で見て、間
    違った指定をしていないかチェックすることが必要だからですよね。裁判所で
    もいいし、国会の中に作ってもいいし、いくつもあっていいと思います。しか
    し、間違った秘密指定がされているかどうかをチェックする機関がありません


     だから、間違って秘密指定され、本来明らかにすべき情報を明らかにした人
    が処罰されてしまいかねないのです。そこが、この法律が根本的に間違ってる
    ところです」

    岩上「特定秘密保護法の反対集会には、一万を超える人が集まったといいます
    。大変なことです」

    海渡「僕もあの日、野音の集会が終わって、デモで歩いてくると、国会前には
    それを迎える人たちがいました。騒然とした雰囲気でした」

    岩上「我々は、ずっとぶっ通しで、朝からの中継も、何日も連続でやりました
    。我々が見ていて思ったのは、若い人が多いことです。これまで急に火がつか
    なかった人たち、非常に若い人たちに、響いてる。やはり、自分の身に振りか
    かることだと思って来てるのではないでしょうか」

    海渡「本当にそう思います。反対運動の様相が、日々、変わっていきました。
    居ても立ってもいられなくて地方から来ましたという人が山のようにいました
    ね。まったく組織されていない人たちです。

     もちろん組織されてる人たちもいて、その人たちは旗の下に集まっていまし
    た。それがうまく混ざり合ってましたね。そういう意味でも、過去に例のない
    ような運動になりました」

    ----------------------------------------------------------------------

    (※35)国家安全保障基本法案は、安全保障の政策の基本となる事項を定めた
    もの。(自民党ホームページに「 国家安全保障基本法案(概要)」のPDFファ
    イルがある【URL】http://bit.ly/1ePigWi)

    (※36)北岡氏の発言については、IWJブログ参照(「明らかとなった集団的
    自衛権行使容認論者の「腹の中」~安倍総理の最側近・北岡伸一氏の詭弁」【
    URL】http://bit.ly/1ePl99J)

    (※37)2004年に海上自衛隊の護衛官「たちかぜ」の乗組員が自殺をした。そ
    の後、海上自衛隊は「たちかぜ」の乗組員にいじめがあったかどうかを尋ねる
    アンケートを行った。2005年に自殺者に遺族がそのアンケートの開示を要求し
    たが、海自はアンケートは廃棄したと回答していた。これに対し、3等海佐が
    その資料が残されていることを内部告発した。2013年、この海佐に対して、陸
    自は懲戒処分の手続きを始めた。(参考:朝日新聞記事「海自、いじめ自殺告
    発者の懲戒検討 文書持ち出し問題視」【URL】http://bit.ly/1brNnny)
    ----------------------------------------------------------------------


    ================================
    ◆自民党改憲草案はどういうものか◆
    ================================

    岩上「僕は、梓澤和幸弁護士と澤藤統一郎弁護士と12回鼎談をやりまして、日
    本国憲法と自民党の改憲草案を逐条で読み比べたのです。それが、『前夜──
    日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』(※38)という本としてまとまりまし
    た。自民党の改憲案はひどいですね」

    海渡「本当にひどいんですよ」

    岩上「恐るべき草案です。マスコミでも、おかしいところがいくつか取り上げ
    られましたが、それでも2,3箇所のみです。ところが、ひとつひとつの条文を
    見ていくと、びっくりするような条文があるのです。これは全文検討しなけれ
    ばダメだと思います。しかも、今、解釈改憲によってそれを全部実現しようと
    してるのではないかという気がします」

    海渡「特に、自民党改憲草案の21条が問題です。原憲法の21条には、『集会、
    結社および言論、出版その他一切の表現の自由を保障する』と書いてあります
    。自民党改憲草案には2項が追加されていて、『前項の規定にかかわらず公益
    及び公の秩序を害することを目的とした活動を行ない、並びにそれを目的とし
    て結社をすることは認められない』とあります。これが、まさしく今回の秘密
    保護法なのですよ。ぴったしでしょう」

    岩上「なるほど。では改憲しなくても、自民党の草案の一部は実現してしまっ
    たということになりますね」

    海渡「表現の自由を保障しないということの現れなのですよ。自民党の改憲草
    案の思想と秘密保護法はぴったり重なっています」

    岩上「これは重要ですよね。つまり、憲法に掲げているものを正面から突破す
    るのはなかなか難しいので、裏から部分的に実現していこうとしているように
    みえます」

    海渡「そうです。集団的自衛権の行使は9条の改憲の柱なのですが、そこの部
    分を国家安全保障基本法で実現してしまおうとしている。だから、安倍首相が
    三本やろうとしてることというのは、日本の戦争体制を作るということなので
    すが、改憲するのではなく、その一部は法律の形で実行してしまおうとしてる
    のです」

    岩上「憲法21条はものすごく重要ですよね」

    海渡「ものすごく重要です」

    岩上「憲法は各条が重要ですね。憲法というと、たいがい9条の話になります
    よね。だから、護憲派というと、9条を守れという話になります。ところが、
    例えば13条もものすごく重要です(※39)」

    海渡「そうです」

    岩上「13条は基本的人権を定めてるわけですが、この基本的人権を徹底したと
    すれば、無茶な軍事ファシズム体制はできないんですよね」

    海渡「今の13条は、『すべて国民は個人として尊重される』です。ところが、
    自民党改正草案では、『すべて国民は人として尊重される。生命の自由及び幸
    福追求に対する国民の権利については公益及び公の秩序に反しないかぎり立法
    その他国政の上で、最大限に尊重されなければならない』となっています。

     公益と公の秩序に反してたらダメなんですよ。原発事故で死んでも仕方ない
    と言ってるようなものです」

    岩上「国策の遂行の方が上位になったとしたら、犠牲は仕方がないという話に
    なる」

    海渡「政府が原発推進すると決めれば、それが公益だということになります。
    それに反対する自由はない、命が奪われても仕方がないと言ってるような条文
    なのです」

    岩上「お上が決めたことには、すべて従えということになります。逆らうこと
    を許さないというのは、民主主義の否定ですよね」

    海渡「そう思います」

    岩上「恐ろしいことなんですよ。秘密保護法の制定や戦争遂行体制の確立は、
    『前夜』で詳しく述べた自民党改憲草案と非常に深い関係があるので、ぜひみ
    なさんに読んでいただきたいと思います。

     憲法9条の会は全国にありますので、そういう9条の会があるなら、13条の会
    とか、21条の会とか、97条の会とかも作るべきですね。97条なんて、自民党改
    憲案では削除されてしまっていますから。97条は重要です」

    海渡「『この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自
    由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に耐え、現在
    及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたもの
    である』。

     これが自民党改正草案では削除されているのです。永久の権利として信託さ
    れたものは、自民党によって圧殺、消滅させられようとしているということで
    す」

    岩上「実は、大日本帝国憲法にも、似たような条文がありますね。『朕が臣民
    は現在及び永久にこれに従属しなければならない』というものです。つまり、
    日本国憲法では、これをひっくり返した条文になってるわけですね。かつては
    『臣民』は全面的に天皇の所有物のような存在であり、従属していかなければ
    いけない。しかもそれが『永久に』と言われていた。ところが、戦後『臣民』
    は『国民』になり、国民は自立して、天皇ではなく国民こそが主権者になった
    のです。これは本当に重大な転換です」

    海渡「そして、『朕が現在及び将来の臣民はこの憲法に対し、永遠に従順の義
    務を負うべし』とあります」

    岩上「こんな時代だったのですよ」

    海渡「今、この時代に戻れって言われているわけですね」

    岩上「そういうことですね。日本国憲法では、『過去幾多の試練に耐え、現在
    及び将来の国民に対し侵すことのできない永久の権利として信託されたもので
    ある』になったのです。これを捨ててしまっていいのでしょうか」

    海渡「憲法の中でもっとも重要な条文は、もちろん9条もあるけれど、21条だ
    と思いますよ。表現の自由です。これが、もっとも重要な核なのですよ。そし
    て、主権が国民にあるということも重要です。そして、人権が永久に信託され
    た権利とうたっている97条。僕はこのあたりが一番重要だと思っていますね。

     だから、今回のこの秘密保護法に反対した我々の活動というのは、まさしく
    憲法21条を圧殺しようとする勢力との戦いだったのですよ。

     それを守り続けなければいけません。憲法上の権利なのですから、まだ憲法
    は変えられてないわけですから、やはり憲法の力でもってして、この違憲な法
    律を廃止するしかないのです」

    岩上「なるほど。21条の力。9条だけではない。この憲法の力というものをも
    う一回見なおして、それをしっかり掲げて『おかしい』と言うことは大事です
    よね。そして、それを多くの人に理解してもらう必要もあります。たくさんの
    人が理解しないと分からないですよね」

    海渡「それと、もう一つ大事なことを言うと、 最悪の場合、憲法改正はでき
    るかもしれませんが、しかし、日本が批准した自由権規約というものがありま
    す。自由権規約の19条(※40)で、表現の自由が保障されています。これはす
    でに批准していますから、今からこれをやめますとは言えないのです。

     自由権規約19条によって保障されているものと憲法21条は、基本的には同じ
    レベルだと思います。

     そして、ツワネ原則の根拠となるのが自由権規約の19条なのです。だから、
    ツワネ原則の根拠というのは、憲法21条が根拠だと言ってもいいのですよ。だ
    から、憲法上の表現の自由を守る戦いと、ツワネ原則を守れということは、同
    じことなんです」

    岩上「なるほど。日本は、自由権規約という国際条約に批准している。ツワネ
    原則について、安倍首相が国会で、『それは一民間団体の言ってることで、国
    際社会で公式的に決められたものではありません』と、非常に軽視するような
    発言をしていましたが」

    海渡「その直後に、今度は国連人権高等弁務官から同じことを言われたわけで
    すよ。もう間違ってたと言われてるようなものなのですよ」

    岩上「そしたら今度、その人を罷免しろと言い出しています。

     ところが、アメリカは二重のメッセージを出しています。背中を押すグルー
    プがある一方で、ちょっとやり過ぎではないかとまっとうな批判をするグルー
    プがいます。例えば新聞では、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト
    が批判しています」

    海渡「ハルペリンさんも批判していますね」

    岩上「リベラルな知性を持った人たちの反論があるわけです。これは、すごく
    重要なことだと思います。
    ----------------------------------------------------------------------

    (※38)岩上安身・梓澤和幸・澤藤統一郎 著『前夜──日本国憲法と自民党
    改憲案を読み解く』:2013年12月
    紹介文「日本国憲法と自民党改憲草案を序文から補則まで、延べ40時間にわた
    り逐条解釈し、現在の世界状況を鑑み、両憲法(案)の根本的相違を検討した
    画期的憲法論。細かいことばの解釈、250項目にわたる詳細な注釈で、高校生
    でも、分かりやすい本」

    (【URL】http://bit.ly/1bK3kEX)

    (※39)憲法第13条の条文は以下のとおり。「すべて国民は、個人として尊重
    される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉
    に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」

    (※40)1966年の国連総会で採択された国際人権規約のひとつ。身体の自由と
    安全、移動の自由、思想・良心の自由、差別の禁止、法の下の平等などの権利
    を保障している。日本は1979年に批准した。自由権規約とは、「市民的及び政
    治的権利に関する国際規約」のこと。自由権規約19条2項には「すべての者は
    、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは
    印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、
    あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む」とある。(
    全文は外務省ホームページ参照【URL】http://bit.ly/1m63Chy)
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    ================================
    ◆メディアは真の問題点から目をそむけさせているか◆
    ================================
    岩上「日本ではマスメディアが冷ややかでした。ところが、最近になって急に
    秘密保護法の問題を取り上げるようになってきたところもあります。もちろん
    、NHKは、徹底してこの重要な国会を中継しないという姿勢を取っています。N
    HKははっきりと自民党寄りになってるわけです。ですが、一方で、秘密保護法
    を取り上げる局が出てきました。これは歓迎すべきことだと思います」

    海渡「NHKも我々の集会をかなり出してくれましたよ」

    岩上「そうですか。ですが、肝心要のNHKは国会中継をやりませんでした。

     この議論のなかで、気になるのが、こうやって秘密保護法をやっていけば、
    戦争遂行のための準備なんだということは明らかなんですね。ですが、今回の
    秘密保護法の問題点は、警察官僚の暴走だという主張が一部で急に横並びに出
    てきています。警察官僚や監視国家化がいけない、それは戦争とは関係がない
    という論調が、今、ザーッと出てきてるんです。

     ザーッと横並びで出てきているというのは、毎度お馴染みの記者クラブパタ
    ーンで、『今度これでいってくれない?』というリークに基づいての報道だろ
    うと思われるんですね。非常に疑わしいと思っています」

    海渡「今回、この法律に、警察と公安調査庁の情報まで入れるというのは一つ
    の大きな特徴です。

     ですが、僕に言わせると、この3つは繋がってるわけです。戦前だって、基
    本的に戦争遂行のマシーンの中枢は特高でした。市民を取り締まって、反対の
    ぐうの音も出ないようにしていくという方法です。そういう意味では、戦争遂
    行政策と公安警察みたいなものが監視を強めるということは、統合的に理解し
    なければいけないと思います。

     警察がなぜ監視を強めなければならないかというと、戦争反対とか、原発反
    対とか言う人たちが出てきてもらっては困るっていうのが警察のDNAですから
    ね。そこをみると、全体が統一的に見えるのではないかと思います」

    岩上「監視国家化は当然あってはならないことです。ファシズムはあってはな
    らない。公安強化も、行き過ぎては困るのは当然ですが、でも、そこだけにス
    ポットを当てているように見えます。戦争に目が行かないようにさせる誘導的
    な論調が一部に見られるので、そのことは気をつけたいと思います」

    ================================
    ◆弁護士はどうやって弁護するのか◆
    ================================
    岩上「海渡さんは、『弁護士の仕事だけれども、政府があくまでこの法案を施
    行しようとするなら、第一号の秘密法違反事件の被告人を弁護するために1,00
    0人の弁護士を組織し、あらかじめ大弁護団を結成しておきたいと思います』
    と書いています。弾圧に備えよう、ですよ。『第一号の秘密法違反事件の被告
    人』になるのは誰でしょうね」

    海渡「最近、『あらかじめ弁護を依頼しておきます』という人がいっぱいいま
    すよ」

    岩上「『俺が一番狙いだ』というジャーナリストがいっぱいいたら、それはそ
    れで素晴らしいことです。『1,000人の弁護士を組織しておく』というのは、
    これからの話ではあるのでしょうけれども」

    海渡「これから一生懸命いろんな人に声をかけます。原発訴訟をやっている弁
    護士とか、弁護士会で秘密法に反対してくれた人とかです。今日も弁護士会に
    行った時にたくさんの弁護士と会いましたけれども、もう皆知っていて『一緒
    にやろう』と言ってくれました。

     地方で一生懸命反対運動をやってくれた弁護士さんたちとか、原発の問題を
    扱ってる人たちは、この秘密の問題にもすごく敏感ですね。1,000人を本当に
    集められるかどうかはこれからですが」

    岩上「誰か実際に逮捕された人を弁護しようとした時のことをおうかがいした
    いと思います。実際にどうやって検挙が行われ、どうやって立件され、どうや
    って裁判が行われることになるのでしょうか。

     先日法律家の方々とお話をしたとき、『これまでも例がなくはないから、空
    前の話ではない』とおっしゃいました。秘密は外形で立証していくというよう
    な形を取るんではないかと言っていました」

    海渡「そうです。外形立証(※41)といいます。森大臣も国会で『外形立証で
    やるつもりです』と言っていました。

     でも僕は、それはダメだと思います。要するに、やっぱり秘密の中身を知っ
    て、それが秘密たるものに、足りるものなのか、そして、政府の違法行為を隠
    すための秘密ではないのか、という議論をしなければいけないのです。そのた
    めには、まず僕たちは、弁護士として秘密の中身を知る権利がなければいけま
    せん。

     裁判所が知るだけではなくて、弁護士も知らなければいけないのです。その
    中身について、弁論する権利、弁論権があります。秘密の中身を言わなかった
    ら、ぜんぜん説得力のある議論になりませんよね。弁論ができる権利を保証し
    なければいけません。このことは、ツワネ原則にちゃんと書いてあります。で
    すが、今回の法案にはまったく含まれていません」

    岩上「例えば、ある秘密を手に入れたとします。その秘密というのが、内部の
    腐敗を隠そうとして秘密にしたものであって、防衛上の機密ではないというこ
    とが分かった。それで、僕が記事を書いて出し、違反で捕まったとします。こ
    れを弁論するとき、この中身について、『これは防衛上の機密ではない。汚職
    隠しを明らかにしたんだ。それを明らかにすることは公益に適ってるじゃない
    ですか』という弁論をしてもらわなければいけませんよね」

    海渡「そうです。それができる仕組みがないというところが、弁護士から見た
    ときの決定的な欠陥なのです。そういう枠組みがないもとで弁護するというこ
    とは、弁護士自身が危険に晒されますね。弁護士が、法定で弁論した中身によ
    って、秘密を漏らしたということになります。

     一番怖いのは、秘密を現実に手に握って報道した人の場合は、そこの段階で
    秘密の内容がある程度明らかになってるわけですね。元毎日新聞記者の西山太
    吉さんの場合(※42)は、そのことに触れるような記事も書いていたし、国会
    でもそのことが取り上げられたわけです。だから、秘密の中身がある程度分か
    った状態で裁判が進みました。ですが、今回の場合は、秘密を漏らしたのでは
    なくて、秘密を取得することを謀議したり、そのことを教唆したり、果ては煽
    動したりしたというレベルで立件できるわけですね。

     その場合には、ジャーナリストにしても、公務員にしても、まだその秘密の
    中身を見てないわけです。ですが、特定秘密に触れようとしたということだけ
    で有罪になります。中身は教えてもらえない。そういう裁判になるわけですね


    岩上「どんな人であれ、国の腐敗などを暴いてやるぞと言っただけでアウトに
    なってしまうということですよね」

    海渡「一番分かりやすい例では、『日本が核武装の計画を立てている』と言う
    ことです。これは原子力基本法違反なんですよ。『防衛省のみなさん、そうい
    う計画があるならば、市民の前にそれを明らかにしてください』と、秘密法反
    対集会で言ったとしますね。来年の施行後はそれは怖くて言えないですよね。
    それを言ったとき、その発言自体が、特定秘密の漏洩の煽動になるのですよ」
    ----------------------------------------------------------------------
    -------
    (※41)外形立証:秘密の内容をそのまま明らかにしなくても、秘密に指定さ
    れた手続きやその種類、指定の理由などを立証して「外堀」を埋める方法。そ
    れによって、単に指定されたから秘密だというだけでなく、実質的にも秘匿す
    るに値する内容だと推認できるとするもの。(毎日新聞2013/11/18「社説:秘
    密保護法案を問う 刑事裁判」より【URL】http://bit.ly/1dH9QKD)

    (※42) 1971年、沖縄返還の見返りとして、アメリカが軍用に使っていた土
    地を元の状態に戻すための費用を日本が肩代わりするという協定があった。毎
    日新聞社の西山太吉記者(当時)は、その情報を公務員から取得し、それを議
    員に漏洩した。(北海道新聞参照【URL】http://bit.ly/NBE3FV)
     この事件について、2007年に西山氏は『沖縄密約ー「情報犯罪と日米同盟』
    (岩波新書)を発表しており、アメリカ政府の秘密文書や当時の日本側交渉責
    任者の証言などの資料を駆使して、全体像を描き出している。(【URL】http:
    //bit.ly/1gp8s3K)
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    ================================
    ◆特定秘密保護法に共謀罪が含まれている◆
    ================================
    岩上「これまでも共謀罪というのが考えられてきました。共謀罪というのは、
    法理論上、実行行為がなく、未遂で、共謀しただけで刑法犯になるということ
    は無理だということで、これまで退けられてきました。ですが、今回の秘密保
    護法のなかに、共謀罪的なシステムがあります」

    海渡「『共謀罪的な』も何も、共謀罪が入っています。秘密法違反の共謀罪と
    いうのができたということです。23条と24条です(※43)。

     23条は、特定秘密の漏洩罪ですね。24条が特定取得行為ですね。そして、そ
    の両方について23条と前条第一項だから、24条の行為の遂行、共謀し、教唆し
    、または煽動した者は5年以下の懲役に処するということなのです。

     25条に『共謀、教唆、煽動』と書いてあります」

    岩上「逐条解説には、『それを漏洩した者や取得した者を罰しても取り返しが
    つかないため』と書かれています。『流出の結果をもたらす危険性の大きい行
    為として、故意の漏洩行為又は取得行為の共謀、教唆、煽動を処罰することと
    した』。つまり、予防的な措置が取れるということですよね」

    海渡「そうです。今回のこの法律は、秘密を漏らしたことを事後的に処罰をす
    ることが目的ではないのです。それだったら、今までの法律でもできることで
    すから。

     自衛隊法には、実は、共謀・教唆・煽動は入っています。特定秘密保護法に
    こういうかたちで入れて『市民の分際で秘密に近づこうなんて、そういう大そ
    れた考えを持った人間は処罰する』ということです」

    岩上「つまり、単独の予備行為は必ずしも外形的には捉え難いので、処罰の対
    象としない。一人で思っている分にはOKだけれども、共謀を伴うこと、すなわ
    ち、誰かと話す、書く、呼びかける、ブログなどで書いて不特定多数の人に呼
    びかけを行う等々のコミュニケーション行為全般を罰するよ、ということです
    ね」

    海渡「しかも、どうやってこれを捜査できると思いますか? これは、盗聴し
    かないですよ。電話とかメールの盗聴です。今、法制審議会で話し合われてる
    のです。

     僕が言いたいのは、こういう共謀罪というのは、実際の犯罪が起こるはるか
    前だということです。そういうものから罰すると決めたという意味では、こう
    いうことが行われていないかどうかを捜査しなければいけないわけですよ。密
    告ということもあります」

    ----------------------------------------------------------------------

    (※43)特定秘密保護法の23条、24条は以下のとおり。
    第二十三条 特定秘密の取扱いの業務に従事する者がその業務により知得した
    特定秘密を漏らしたときは、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下
    の懲役及び千万円以下の罰金に処する。特定秘密の取扱いの業務に従事しなく
    なった後においても、同様とする。
    2 第四条第五項、第九条、第十条又は第十八条第四項後段の規定により提供
    された特定秘密について、当該提供の目的である業務により当該特定秘密を知
    得した者がこれを漏らしたときは、五年以下の懲役に処し、又は情状により五
    年以下の懲役及び五百万円以下の罰金に処する。第十条第一項第一号ロに規定
    する場合において提示された特定秘密について、当該特定秘密の提示を受けた
    者がこれを漏らしたときも、同様とする。
    3 前二項の罪の未遂は、罰する。
    4 過失により第一項の罪を犯した者は、二年以下の禁錮又は五十万円以下の
    罰金に処する。
    5 過失により第二項の罪を犯した者は、一年以下の禁錮又は三十万円以下の
    罰金に処する。

    第二十四条 【外国の利益若しくは自己の不正の利益を図り、又は我が国の安
    全若しくは国民の生命若しくは身体を害すべき用途に供する目的で、】人を欺
    き、人に暴行を加え、若しくは人を脅迫する行為により、又は財物の窃取若し
    くは損壊、施設への侵入、有線電気通信の傍受、不正アクセス行為(不正アク
    セス行為の禁止等に関する法律(平成十一年法律第百二十八号)第二条第四項
    に規定する不正アクセス行為をいう。)その他の特定秘密を保有する者の管理
    を害する行為により、特定秘密を取得した者は、十年以下の懲役に処し、又は
    情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。
    2 前項の罪の未遂は、罰する。
    3 前二項の規定は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用
    を妨げない。

    第二十五条 第二十三条第一項又は前条第一項に規定する行為の遂行を共謀し
    、教唆し、又は煽動した者は、五年以下の懲役に処する。
    2 第二十三条第二項に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は煽動した
    者は、三年以下の懲役に処する。
    (【URL】http://bit.ly/1gp9EnM)

    逐条解説(【URL】http://bit.ly/1h2rcJO)では、19条が該当し、「共謀・教
    唆・煽動」について書かれている。「趣旨」として、「いったん業務者による
    保全状態から流出した特別秘密は、それを漏えいした者や取得した者を罰して
    も取り返しがつかないため、流出の結果をもたらす危険性の大きい行為として
    、故意の漏えい行為又は取得行為の共謀・教唆・煽動を処罰することとしたも
    のである」と書かれている。
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    ================================
    ◆この法律を作られてしまった屈辱感を忘れないことが大事◆
    ================================
    岩上「今、日米間で、サイバー犯罪条約(※44)が結ばれています。そして、
    その適用第一号となったのが、PC遠隔操作事件(※45)です。この事件は、ハ
    イジャック防止法(※46)違反の容疑になっているのですが、FBI提供の情報
    がベースになって(※47)起訴されています。

     この事件は単なるいたずらどころの話ではなくて、FBIがらみの話なのです
    。ですが、今でも、冤罪の可能性があります。容疑者を弁護している佐藤弁護
    士は冤罪と主張しています。

     同じように、今後、アメリカから『あいつが怪しい』という情報が流れてき
    て、日本の警察が動き、逮捕されるという可能性もありえます。しかも、アメ
    リカは全世界の携帯電話の内容や位置情報などを捕捉してるということを認め
    ています。そうすると、全世界盗聴状態のアメリカから、恣意的に情報が流さ
    れてきて、警察が動くということがありうるのです」

    海渡「アメリカと情報共有を進めるというのは、その情報をもらいたいからか
    もしれませんね」

    岩上「それと同時に、例えばアメリカにとって政治的に不都合な人間を、日本
    の官憲を使って抹殺していったり、政治的・社会的生命を奪っていったりする
    、つまり、反米的な人物を消していくということにも使えるのではないでしょ
    うか。つまり、アメリカが、日本という国家を都合よく動かし、政治的に操作
    することができるようになるのではないでしょうか」

    海渡「はい、そうですね」

    岩上「大変なことになっていきますね。今でも属国なのですが、その属国のレ
    ベルが一段とひどくなっていくわけですよ。ファシズムで属国というのは本当
    に耐え難いのですけれど」

    海渡「ここで怯んではならないということです。こういうもの自体を認めたら
    、社会の質が変わってしまいます。

     『みんなで渡れば怖くない』です。要するに、怯まない仲間をたくさん作る
    しかないのです。国民全員を牢屋に入れることはできないわけですから。そう
    いう点が重要ですね。

     僕は、監獄人権センター(※48)というのをやっていまして、刑務所の中の
    処遇の改善にも取り組んできました。今のような時代も来るかなと思い、ずっ
    と取り組んできたのです。刑務所に入っても死なないで済むような変えておき
    たいと思います。そういうことも重要なテーマですね。

     どんなことがあっても、たくさんの人が仲間なのです。こういうことに怯ん
    ではいけない、日本を密告社会にしてはいけないという思いで頑張ることです


     そして、やはり、次の選挙ですね。どんなことがあっても3年後には選挙が
    行われます」

    岩上「しかし、特定秘密保護法は、その選挙の前に施行されてしまいますね」

    海渡「もしかすると、ものすごく支持率が下がっていけば、安倍さん自身が持
    たなくなります。自民党内でもう少しまともな人に政権を譲り渡すということ
    は今までもよくありましたから。だから、あらゆる可能性を諦めてはいけない
    と思います。

     とにかく、今の時点で最も大事なことは、やはり、忘れないということです
    。あのような法律を作られてしまった屈辱感を忘れずに、そして、そのことを
    次の行動につなげていくよう決意することが大事です」

    岩上「ありがとうございます。

     『やまさくら』という日米合同演習があります。仮想敵を中国軍とした日米
    合同演習です。原発銀座の若狭湾で日米軍が中国軍を迎え撃つというむちゃく
    ちゃな話です。若狭湾に原発が建っていて、その原発が被弾したらどうなるか
    ということは全く考えられていません。この『やまさくら』の演習計画の資料
    を持っています。特定秘密保護法の施行後にそれを出したら懲役10年になって
    しまいますので、その前に出そうと思っています。12月11日に山本太郎さんと
    『特定秘密会議』をやりますので、そのときに太郎さんに託して、国会での質
    問に使ってもらいたいです。権利を使うのは今のうちですからね。

     みすみす懲役10年になるのは面白くないので、その前にできるだけ話してし
    まうことに尽きるのではないかと思います。

     ということで、今日はありがとうございました」

    海渡「諦めないで、頑張りましょう」

    岩上「諦めないで頑張りましょう。ぜひ多くの人に、この事態を知って頂かな
    ければと思います。IWJでは、特定秘密保護法の特集ページ(※49)を作って
    いますので、ぜひご覧いただいて、情報を拡散していただけたらと思います」

    ----------------------------------------------------------------------

    (※44)サイバー犯罪条約(正式名称「サイバー犯罪に関する条約」)とは、
    サイバー犯罪に関しての対応を取り決めた国際条約。日本、アメリカ、ヨーロ
    ッパなどの主要国30ヶ国が署名している。日本では2012年11月1日に効力が発
    生した。(外務省のホームページに条文の日本語訳および説明書がある【URL
    】http://bit.ly/1dm5dtS)

    (※45) PC遠隔操作事件とは、2012年にインターネットの電子掲示版を介し
    て、他者のパソコンを遠隔操作し、殺人などの犯罪予告を行ったサイバー犯罪
    。4名が誤認逮捕され、5人目の逮捕者が出た。この容疑者も無罪を主張してい
    るが、威力業務妨害罪・ウィルス供用罪・ハイジャック防止法違反の容疑で起
    訴され、2014年2月に初公判が行われた。犯行を直接裏付ける証拠は見つかっ
    ていない。(参考【IWJブログ】「PC遠隔操作事件」直接証拠も無いまま公判
    へ 「不当な取り調べ」「個人データ収集」など捜査手法にも大きな問題が【
    URL】http://bit.ly/1aX0dwy)

    (※46)ハイジャック防止法(正式名称「航空機の強取等の処罰に関する法律
    」)派、脅迫や暴行などによって航空中の航空機をハイジャックすることを処
    罰するための法律。(【URL】http://bit.ly/1lGBQUZ)

    (※47)米国のサーバーを捜査したFBI(米連邦捜査局)から、日本の警視庁
    などの合同捜査本部に情報提供があったという。(参考:日経新聞記事2013/2
    /16【URL】http://s.nikkei.com/1eVZuv3)

    (※48)NPO法人監獄人権センターは1995年に発足した。刑事拘禁施設及び出
    入国管理施設の人権状況を国際水準に合致するよう改善していくこと、死刑制
    度を廃止すること等を目的としている。(監獄人権センターのホームペジ【UR
    L】http://bit.ly/1eu3ePN)

    (※49)【特集】秘密保護法“稀代の悪法”特定秘密保護法~米国によって剥
    奪される国民の知る権利(【URL】http://bit.ly/1cExtmP)
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