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    原発問題 -The Truth is Out There-

      : 

    東電福島原発事故の真実 放射能汚染の真実 食物汚染の真実 正しい情報を求めて

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    IWJ特報第155号「秘密保護法の不当性と安全保障のこれから〜モートン・ハルペリン氏インタビュー(その1)」 

    第155号
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
               岩上安身のIWJ特報!
        元米NSC高官が語る、秘密保護法の不当性と安全保障のこれから
            モートン・ハルペリン氏インタビュー
                 (その1)
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    (IWJより転載許可済み) 

    本日は、6月20日木曜日。国会の会期末である6月22日まで、残り2日と迫っ
    た。安倍総理は、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認を、今国会中に閣議
    決定しようと躍起になってきたが、「今国会では閣議決定しない」と、公明党
    との間で話し合いがつき(公明党が粘りをみせた、というポーズのためであ
    る)、閣議決定は7月4日に延ばされた。

     しかし、国会での審議を経ぬまま、与党協議のみで憲法の解釈を変更し、米国
    の意に沿うかたちで集団的自衛権の行使を容認することには何も変わりはない。

     公明党には、日米内外から圧力がかかっていた。ジャパン・ハンドラーの代表
    格の一人、マイケル・グリーン元米国家安全保障会議アジア上級部長は、6月1
    日、2日に来日し、ある自民党議員に以下のように語った、と6月14日付けの産
    経新聞は報じている。

     「東アジアで集団的自衛権を認めないのは中国共産党と日本共産党、社民党だ
    けだ。公明党はどういう態度をとるだろうか・・・」

     この記事自体が、十分に脅しになったことだろう。

     また、小泉純一郎元総理の政治担当秘書をつとめた、現在は安倍政権のブレー
    ンとして内閣官房参与の地位にある飯島勲氏は、6月10日にワシントンで講演
    し、公明党と創価学会の関係に揺さぶりをかけた。12日付けの朝日新聞は、以
    下のように報じている。

     「『公明党と創価学会の関係は政教一致と騒がれてきたが、内閣法制局の発言
    の積み重ねで政教分離ということになっている』。飯島氏は党と支持団体の関
    係は憲法の『政教分離原則』に反しないとする政府見解を説明しつつ、こう続
    けた。『法制局の発言、答弁が一気に変われば、「政教一致」が出てきてもお
    かしくはない』

     集団的自衛権の行使を禁じてきた従来の憲法9条の解釈について、安倍晋三
    首相は内閣の閣議決定で変えることができると明言する。しかし憲法学者から
    は、これが認められれば内閣の判断で他の条文解釈も自由に変えられるように
    なり、『憲法の空洞化』を招きかねないとの批判が出ている。

     政府の一員である飯島氏の発言は、こうした懸念を裏打ちし、露骨な圧力と
    もとれる」

     憲法解釈を内閣が恣意的に変更できるとする方が、本来間違っているのだか
    ら、公明党も創価学会も毅然と抗うべき場面だったはずである。しかし、公明
    党は結局、憲法の解釈による変更を認める方向へと寄り添っていってしまう。

     当初は抵抗する素振りを見せていた公明党は、結局のところ、どこまでも与
    党として自民党にくっついてゆく「下駄の雪」に過ぎなかった。
    公明党は、自
    民党の高村正彦副総裁による「新3要件」の提示を受け、事態を限定して容認
    する方向で最終調整に入った。

     安倍総理は5月15日、私的諮問機関「安保法制懇(安全保障の法的基盤の再
    構築に関する懇談会)」からの提言をうけ、赤ちゃんを抱いたお母さんやご老
    人のイラスト入りで、「米国の輸送艦で日本人が救出された時、その輸送艦が
    攻撃されたら、日本の自衛艦が防衛するのは当然ではないか」と情緒的に訴え
    た。

     しかし、安倍総理のこの説明が、国民をあざむく真っ赤な嘘だったことが明
    らかになっている。

     6月11日、民主党の辻元清美議員が外務委員会で、米国の国務省と国防総省
    の「避難民に関する合意書」を持ちだして政府を追及した。この文書の中で米
    国政府は、「国務省は外国政府と自国民の退避について、正式の協定を締結す
    ることを控えている」「各国は米国をあてにせず、自国民を救出せよ」と言及
    しているのである。

     つまり、米国の艦船は、日本人だろうと何人だろうと、外国人を救出しない
    のである。安倍総理が、解釈改憲による集団的自衛権行使容認のために持ちだ
    した事例は、万が一にもあり得ないものなのだ。過去にも救出事例は一件もな
    い。今後もありえない。しかも、辻元議員の質問にこたえて、その事実を国会
    で政府はなんとあっさりと認めたのである。


    ※辻元清美ブログ( 【URL】http://bit.ly/SOBvWV

     安倍総理は、いったいなぜ、これほどまであからさまな嘘までついて、集団
    的自衛権の行使容認を急ぐのか。安倍総理は国会の答弁の中で、「年末に控え
    た日米ガイドライン改定のために急ぎたい」と述べている。このことからも、
    米国の意向を忖度していることは、火を見るより明らかだ。公明党は自民党に
    べったりくっついてゆく「下駄の雪」だが、自民党と日本政府は、米国のご意
    向であらば国民に嘘をついてでもつき従ってゆく「犬の尻尾」である。情けな
    い話ではないか。


    ◆日本はどこの戦争に巻き込まれてゆくのか

     集団的自衛権行使容認をこれほどまで急ぐのは、武力行使の現場に自衛隊を
    赴かせる必要性が目前に迫っているからである、と考えるのが妥当である。日
    本人の血が流れたり、日本人が外国人の血を流したりする日は近い、と言わな
    くてはならない。

     では、集団的自衛権の行使により、日本の自衛隊員が赴くことになる戦場は
    どこか。現在のところ、2つの可能性が考えられる。

     ひとつは、内戦による激しい混乱が続く、ウクライナ東部だ。安倍総理は、
    4月末から5月初旬にかけての欧州歴訪で、NATOの軍事協力に参加するための下
    地作りに勤しんだ。

     そのNATOは、6月上旬から、バルト海沿岸で史上最大の軍事演習を行い、ウク
    ライナ情勢で対立するロシアと軍事的緊張状態にある。自衛隊が集団的自衛権
    行使容認によってNATOの軍事行動の一翼を担うことになれば、おのずと、戦場
    となるウクライナ東部に派遣される可能性が強まる。

     もうひとつは、中東に派遣される可能性だ。こちらのほうが、より有力な候
    補と見られる。昨年、米国とイギリスが軍事介入を行う姿勢を見せ、ロシアの
    干渉によりぎりぎりの所で空爆が回避されたシリアは、いまだアサド政権側と
    反体制派との武力衝突が収まる気配を見せない。

     さらに、ここにきて急展開を見せているのが、イラク情勢だ。スンニ派の武
    装組織「イラクとシリアのイスラム国(ISIS)」が、イラク第2の都市モスル、
    ティクリートを次々と制圧し、首都バグダッドに迫っている。

     これに対してオバマ大統領は、6月12日、「いかなる選択肢も排除しない」
    と述べ、ISISが支配する地域への空爆も排除しない考えも示した。昨年のシリ
    ア危機再び、である。気の早い人は、第三次イラク戦争の始まりか、とすら言
    い出す人もいるし、イラクは解体され、クルド人と、シーア派と、スンニ派の
    人々の国に3分割されるのではないか、という声まであがっている。

     しかし、理不尽な暴力の横行に誰も彼もが鈍感になってしまったものだ、と
    思う。

     さんざん非難されたブッシュでさえ、イラクへ攻撃を行う際には、アルカイ
    ダとフセインのつながり(そんなものはなかったが)や、大量破壊兵器の存在
    (そんなものもなかったが)を、軍事侵攻の理由とした。でっちあげの旗であ
    れ、戦争の大義を掲げてみせたのである。

     ところが、オバマは、空爆のための理由をとりつくろうことすらしない。イ
    ラクは独立した主権国家のはずである。その国の内部の内乱、内戦に対し、一
    方のサイドに空爆を敢行することに、何の理屈も用意せず、何のためらいもみ
    せない。なぜ誰も、国際法違反であると、オバマに教えてやらないのだろう
    か?


     集団的自衛権の行使を容認するということは、米国による空爆の危機に瀕す
    るシリアやイラクのような中東諸国に対して、自衛隊が派遣される可能性があ
    る、ということなのである。もちろん、テロによる報復を受けることは覚悟し
    なくてはならない。
    必要ならばそれも仕方ない、断固として戦うべきだ、とい
    う声が出ることはわかっている。だが、誰と戦う?

     ついこの間まで、ホルムズ海峡やペルシャ湾に掃海艇を出せ、と言われてい
    たのは、イランを「仮想敵」とした戦闘だったはずだ。それが今や、ISISの台
    頭で、シーア派のイランが色めき立ち、あげく、仇同士だったはずの米国とイ
    ランが急接近している。誰が敵で誰が味方か、めまぐるしく変わるこの世界で、
    主体性なく、同盟軍に追随してゆくことだけを意味する集団的自衛権の発動で
    の武力行使がどれだけ愚かしいか、わからないのだろうか。


    ◆大義もなく、国益もない戦争という愚行に突入するための準備

     愚行を遂行するには、目を閉じ、耳をふさぎ、頭で考えるのをやめなくては
    ならない。そうでなければ遂行できない。
     そう考えてみると、この集団的自衛権行使容認とセットにして、昨年末に日

     そう考えてみると、この集団的自衛権行使容認とセ
    本版NSCが発足し、さらに、国民の広範な反対の声にもかかわらず、昨年12月8
    日に特定秘密保護法が強行裁決された理由がわかるというものである。これか
    ら日本は、大義もなければ国益もない、愚行中の愚行である戦争に突入する。
    そのために、目と耳と頭を奪う必要があったのだ。


     特定秘密保護法が、日本の民主主義の根幹を揺るがす”稀代の悪法”である
    ことを、IWJはこれまで繰り返し報じてきた。特定秘密保護法は、国民の「知
    る権利」の尊重をうたった国際ルール「ツワネ原則」にも違反している。

     「ツワネ原則」とは、50項目から「国家安全保障と情報への権利に関する国
    際原則」の通称。「安全保障のための秘密保護」と「知る権利の確保」という
    対立する2つの課題の両立を図るため、世界70カ国以上から500人を超える専門
    家により議論され、2013年6月に南アフリカの都市・ツワネで採択された。

     5月上旬、その「ツワネ原則」の作成に深く関わった元米国防総省高官であ
    るモートン・ハルペリン氏が来日し、各所で行われた集会やシンポジウムに参
    加した。

     ハルペリン氏は、「ツワネ原則」の作成者である以前に、国防総省の高官で
    あり、米国の戦争遂行の司令部となるNSC(国家安全保障会議)の元高官でも
    ある。安全保障上の機密保護にも自ら携わった。そうした「タカ派」的な経歴
    をもつハルペリン氏ですら、日本の秘密保護法をみて、たまりかねたように
    「日本の秘密保護法は21世紀の民主国家における最悪の秘密保護法制である」
    と批判の声をあげた。

     来日したハルペリン氏は、特定秘密保護法だけでなく、日本の原発政策と核
    保有、歴史修正主義、憲法改正などの動きについて、米国政府がどのように考
    えているか、日本の各界各層に対して、広くメッセージを投げかけた。

     外交・安全保障政策のプロフェッショナルが、日本を「戦争のできる国」に
    作り変えようとする安倍政権に対して強い警鐘を発する、必読のインタビュー
    である。

    ---------------------------------------------------------------------
    ・2014/05/08 元米NSC高官 モートン・ハルペリン氏講演会 ─超党派議員と
    市民の秘密保護法学習会

     岩上安身のインタビューが行われる直前、モートン・ハルペリン氏は超党派
    の国会議員による集会で講演を行っていた。その中でハルペリン氏は、自身が
    作成に深く関わった「ツワネ原則」について説明し、特定秘密保護法の非民主
    制を痛烈に批判していた。

     まず冒頭、司会の海渡雄一氏が、ツワネ原則と、その制定に尽力したモート
    ンハルペリン氏について紹介した。

     「ツワネ原則とは、昨年6月に南アフリカ共和国の首都ツワネで公表された、
    立法者に対するガイドラインです。ツワネ原則は、ハルペリン氏が上級研究員
    を務める『オープン・ソサエティ・ジャスティス・イニシアチブ』という財団
    が呼びかけ、作成されました。

     ツワネ原則では、政府の人道に反する事実を秘密にしてはならず、『何を秘密
    にしてはいけないか』を法に明記すべきとしており、また、秘密保護は無期限
    ではだめで、秘密解除請求手続きを明確に定めるべきとしている。ジャーナリ
    ストへの適用も許されません。

     沖縄返還交渉には、外務省における公式ルートと、佐藤総理の密使・若泉敬さ
    んが進める交渉の2ルートがありました。ハルペリンさんは若泉さんと面会も
    し、後に二人は親友になったが、若泉さんはやがて沖縄基地の固定化を招いた
    として自決しています。

     沖縄返還交渉の全貌が明らかになるのに30年以上を要しました。西山事件や、
    若泉さんによる著書刊行、佐藤首相の遺族による密約文書の公開などがあった
    からですが、それ以上に、米国に国家秘密開示制度がなければ密約の全貌は明
    らかにならなかっでしょう」。

     国家の重要な外交・安全保障上の重大な秘密を知り、それを守る立場にあっ
    たハルペリン氏が、軍事機密の保護法制と、国民の「知る権利」をいかに折り
    合い、調和させてゆくか、腐心している人物であることを、海渡氏は余すこと
    なく紹介した。

    ◆米国から強い要請はない◆

     以下、ハルペリン氏の講演である。

    ハルペリン氏「今回、日本にきて、みなさんとこうした法律の国際基準につい
    て話せることを嬉しく思います。

     まずは、これまでのプロセスについて話したいと思います。日本政府には、米
    国政府から大きな圧力があったと示唆されていると理解しています。国家安全
    保障上の協力をする上で、秘密保護法がなければいけなかったと理解していま
    す。

     私としても、米国政府の関係者が、他の国の政府関係者に対して、秘密保護に
    関する法がより厳しいほうがいい、と話しているとは思います。

     しかし、事実として言えることは、これまで日米間の安全保障に関する協力が
    長年進められてきましたが、秘密保護法がなくても障害はなかったんです。こ
    れは私自身の経験に基いて、そして、日米との協議の中で起きていることに基
    いて言えることです。


     私はこれまで、政府関係者として、また、政府へのアドバイザーとして、日米
    関係に携わってきました。実際に米国政府の関係者として、日本政府との協議
    の場に参加してきました。

     そういう中で、日本の秘密保護に関する法律が強くないために日本と協議でき
    ないという話は、一度たりとも、誰の口からも発せられなかったんです。


     ごく最近の例を挙げると、私はアメリカの核戦略に関する議会の委員会のメン
    バーでした。これはブッシュ政権末期のことです。

     その委員の勧告の一つは、日本政府との核戦略に関して、より協議を増やすと
    いうものでした。

     議会の委員会から勧告がなされる中、日本の秘密保護が強力でないから協議で
    きないなどとは誰も言っていないのです。そればかりか、この勧告は採択され、
    実行されたわけです。オバマ政権が核戦略の見直しを行った時に、日本政府と
    協議しているわけです。

     実際、私は、核戦略見直しにおいて大きな役割を果たした国防総省の高官と、
    数日前に話しました。『日米両政府は、全面的な協議を行い、そこにはしっか
    りとしたパートナーシップがあった』と言っていました。東アジアの抑止力に
    関する協議です。

     ですから、米国と日本の政府間の協議をよりよくするために、別にこういった
    新たな法律が必要なわけではありません。日米協議に関しては、秘密保護の法
    律が必要なわけではない。国際基準に基いて、自由に立法すればいいのです。


     今、このような秘密保護に関する法律における世界の共通認識は、民主的な政
    府の核心に関わる問題で、言論の自由など、政府の行為を国民が知り、国民が
    政府に影響を及ぼすことができる、と捉えられているということです。

     これは自由権規約19条でも保障されていることです。情報へのアクセス権を国
    民が持っているというのは、世界中で保障されていることです。そのような権
    利は、全面的に検討しなければならない。非常に秘密は狭くなければならず、
    監視が必要です。


     秘密保護法を成立させる上で踏まえておかなければならない2点を説明します」

    ◆「ツワネ原則」成立の過程◆

    ハルペリン氏「これは数年前、米国であった議論です。ある情報機関の工作員
    の身元をどこまで秘密にするか、暴いたら刑事責任に問う、という、とても厳
    重な秘密に関する議論があったんです。政府が議会に法案を提案したが、それ
    は議論のはじまりに過ぎなかった。議会はそれから3年がかりで公聴会を開い
    たり、法案の検討をしました。

     そのとき私は米国の自由民権協会を代表し、公聴会で6回あまり証言しました。
    最終的に大きな修正をし、法律は制定されました。

     もう一つは、南アフリカ共和国においてです。

     南アフリカも日本と似たような状況にあり、議会では、一つの政党が非常に大
    きな力を持っています。しかし、政府が提案した秘密保護法のような法律の作
    成には、3年ほどの議論を重ねて、多くの修正を盛りこんで成立したんです。

     実際、ツワネ原則を作り始めたのは、時期的に南アフリカで秘密保護の法案が
    出てきたときなんです。で、南アフリカ政府の高官たちも話し合いの場に参加
    し、私も南ア高官と懸念事項などを話し合った。法制定までに、議論、協議を
    重ねました。

     出来上がった法律は必ずしも完璧な法律ではないが、こういう法律を作る際の
    プロセスとしては、民主社会において適切なものだったと思っています」

    ◆特定秘密保護法は「ツワネ原則」を明確に逸脱◆

    ハルペリン氏「そういう意味で、日本政府は、そういうキチンとした手続きを
    踏んでいないと思います。国会で急いで成立され、民主社会にあるべき手続き
    を踏まず、刑事罰も盛り込んでいる。私がこの法案を見た時、日本ではツワネ
    原則を知っている人がいないと思ったんです。

     ツワネ原則は、国の安全保障の秘密を保持することと国民の知る権利のバラン
    スをとり、世界中の民主的な国々が行っている「ベストプラクティス」を盛り
    込もうとしたものです。

     日本の秘密保護法は、ツワネ原則をいろいろと逸脱しています。一番の問題は、
    政府が不適切と考える方法でジャーナリストが情報を得て、それを公開するこ
    とがあれば、刑事罰に問えるということです。ツワネ原則は、『民間人が国家
    安全保障に関する情報漏洩をすることに対して刑事責任を問うてはならない』
    としています。

     米国の同盟国やNATOの国々などでは、国家安全保障に関する情報を公開したか
    らといって刑事罰を問う仕組みは設けていないんです。さらに、米国でも、政
    府はジャーナリストに秘密保護法が適用できると考えているが、実際に適用さ
    れたことはないんです。

     米国の歴史上、国家安全保障の関する情報を漏らしたからといって起訴された
    ジャーナリストは一人もいない。たった一つだけ、政府関係者でない人が、情
    報漏洩で起訴された件はあったが、途中で不起訴になったんです。

     判事は、この裁判において、米国における情報への権利、言論の自由に重大な
    侵害を与えることを危惧したんです。そこで、その判事は、一つの法律の新し
    い解釈を打ち出した。『政府がそのようなかたちで罰するのであれば、政府が
    国家安全保障に対する害があると証明しなければならない』ということです。

     政府が米国の安全保障に害があるということを実際に証明しなければならない
    わけですから、実際、米国は、法律で、国家安全保障に関する情報を漏洩した
    からといって刑事責任は問えない、ということに事実上なっている。

     この他にも、いろいろと日本の秘密保護法がツワネ原則から逸脱している部分
    があります。

     例えば、政府の不正を秘密にしてはならないというような要件が、秘密保護法
    にはない。内部告発者の保護もしていません。また、秘密指定にあたっては公
    共の議論というものの重要性を検討する、という要件も法律にはありません」。


    ◆質疑応答◆

    ──ツワネ原則に国際的拘束力がないことについて、どう考えるか

    ハルペリン氏「ツワネ原則とは、大半がNGOの参加ということでつくりあげら
    れてきたわけだが、その過程で、多くの国々の政府で協議があり、世界中の国
    のベストプラクティスを参考にした。

    ツワネ原則にある大半のことは、民主的な国家の多くで、実際に行われている
    ことです。国際的な裁判所の司法的な解釈も盛り込まれています。国際的な拘
    束力を持った原則ではないが、民主的な政府であれば、これらの原則から逸脱
    することについて、説明が必要である。従わなかった理由を説明しなければな
    らないのです」

    ──秘密保護法の制定過程であったであろう、米国の圧力について

    ハルペリン氏「米国政府の関係者で、日本に圧力をかけた人もいるでしょう。
    日本でもっと厳しい秘密保護の法律がほしいといった人は多少はいるはずです。
    米軍関係者は、日本との軍事的協力をさらに高めたいという人もいて、『日本
    に強力な秘密保護法がない』という人もいるだろう。しかし、そう主張するの
    は、日本の憲法への十分な理解が欠如しているからではないか」

    ──米国における秘密の指定と解除の原則について教えていただきたい

    ハルペリン氏「米国でいくつか扱い方があります。まず、そもそも機密指定を
    する時ですが、これが漏れたらどのような害が国家におよぶか、それをきちん
    と正当化できなければならない、という義務があるんですね。それから、機密
    解除の場合は、正確に、期日やできごとを規定しなければならないという義務
    があります。

     30年というのは、『最大限の期限』ということでありまして、実際は30年より
    はるかに短い期日が指定されていたりして、解除に至るわけです。30年経てば
    自動的に機密解除となります。米国の場合、政府の文書を維持するために別の
    法律がある。保管に関するものです。もし、保管期間内に文書の破棄があれば、
    それは犯罪になります。それが日本には欠けています」

    ◆政府内の内部告発者は守られなければならない◆

     ハルペリン氏の講演は第2部に移った。

    ハルペリン氏「引き続き、日本の秘密保護法が、どうツワネ原則から逸脱する
    かを話します。

     重要な原則として、ツワネ原則にあるのは、『国民の知る権利、そして情報に
    関して国民的議論をする』ということと、『国家安全保障に害を及ぼすこと』
    との、そのバランスですね。その中で、『一部の特定の情報は秘密にしてはな
    らない、公開しなければならない』というのがあります。

     例えば、『国民の安全』というものが含まれます。また、公的な価値があるの
    で、原則機密にしてはならないという想定、一部のカテゴリーがあるんです。

     そこに含まれるのは、『特定の省庁の機能、構造』ということであったり、他
    にも、『公の価値』、『公益』。一方でまた、『国家安全保障に及ぼす可能性
    のある害』の両方のバランスを考えなければならない。機密の決定や解除に関
    して重要な問題です。

     また、政府内にいる人の内部告発、政府の違法行為や危険な行為に関して通報
    する人を守らなければならない、という規定があります。

     それに関しては、政府内にとるべき手続きがあって、それを踏まえなければな
    らない。政府高官や監視機関にそれを訴えるという手続きがあるんです。そこ
    で本人の満足がいく対応がえられなければ、その人はその情報を公にすること
    が認められる、という原則です。

     米国の法律にもそのような取り決めがあります。

     スノーデン氏の行ったことですが、彼はいきなりマスコミに知らせたことで手
    続きを無視した、と批判する人も少なくないんです。一方で、彼は公務員でな
    く、契約社員だったことで内部告発者保護の法が適用されないという見方もあ
    るんです。内部告発者の保護を、米国では法的に、契約社員まで広げようとい
    う議論もあります」


    ◆刑事罰ではなく、省庁内の罰則規定にとどめるべき◆

    ハルペリン氏「ここで、原則のまた別な問題の話をします。

     ツワネ原則では、政府関係者でない人が国家安全保障情報を漏洩しても刑事罰
    に問えない、としているが、同時に、政府関係者による漏洩であっても、刑事
    罰を問うかどうか、非常に懐疑的にみています。

     原則の中で示唆しているのは、ベストプラクティスは刑事罰でなく、省庁内の
    罰則手続きに留めると言っているんです。解雇や、セキュリティクリアランス
    を奪う、という処置が考えられているんです。

     もし刑事責任を問うのであれば、一部の情報、特定のカテゴリーに限り、限定
    的にやるべきだと言っているんです。例えば米国では、核兵器に関する情報や、
    情報員の身元を守るであるとか、そういうものを守るための法律があるわけで
    す。そしてコミュニケーションのインテリジェンスです。

     そのような状況でも、ツワネ原則によれば、情報の秘匿が公共の利益によらな
    ければならない、と言っているんです。

     日本の特定秘密保護法の場合、ツワネ原則に比べると、機密指定の正当化に関
    して、国家安全保障の害を証明し、正当化されなければならないという点が不
    足しているので、はるかに曖昧だといえる。

     米国の法律の手続きの中では、ツワネ原則もそうだが、情報公開した時、どの
    ような害が危惧されるか、正確に特定されなければなりません」

    ◆質疑応答◆

    ──沖縄返還のときに、政府が米国と密約を結んだとこについて。日本の密使
    の若泉さんは亡くなられた。復帰したら沖縄の状況が変わるかと思ったら、変
    わらなかった、ということに対する懺悔の念があったようだ。そういう状況で、
    今も沖縄が苦しんでいることについて、ハルペリンさんの見解を

     ハルペリン氏「難しい話です。私も他に策はなかったと考えている。他の策で
    は、今よりも状況は悪くなっていたでしょう。他の策、『ブルースカイ政策』
    は、米軍がそのまま占領を継続する、というものでした。『雲が空になければ
    …つまり安全保障上の脅威がなくなれば、米国は返還を検討しよう』というも
    のでした。もう一つ、『返還はするが、核兵器のオプションは続ける』という
    ものです。これは日本政府が米政府に対して『受け入れがたい』と伝えていま
    した。

     私も、若泉と考え方は同じで、『他の策はなかった』と思っています。

     しかし、これには核心をもっていますが、米国が再び核を戻す権利を主張する
    ことはないであろうこと。これは、核を戻すというのは理論上の可能性であっ
    て、それでもって米軍参謀長らに「核抜き」を了承させるためのものだった。
    今なお新しい基地の建設の提案まであるというのはまことに驚くことです」

    ──ハルペリンさんは「ジャーナリストが起訴されたことはない」とおっしゃ
    っていたが、米国で、国家安全機密を漏らしてジャーナリストが捕まった事件
    があった。2012年の「ストラットフォード事件」。それ以来、そのバーネッ
    ト・ブラウンというフリーのジャーナリストが拘束され続けている。これにつ
    いての見解を

    ハルペリン氏「そのケースは詳しく知らないのでコメントは差し控えたい」

    ──知る権利、報道の自由への配慮が秘密保護法には書いてあるが、我々はこ
    の文言をどこまで信用していいのか

     ハルペリン氏「この法律の中にそのような言葉があるのは、有益な前進の手が
    かりです。みなさんの懸念が影響力となって政府に届いた。十分な文言ではな
    いが、そういうところを反映したのだろう」

    (その2に続く)

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