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    原発問題 -The Truth is Out There-

      : 

    東電福島原発事故の真実 放射能汚染の真実 食物汚染の真実 正しい情報を求めて

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    IWJ特報 第136号 日米原子力協定に迫る 元外務省審議官 遠藤哲也氏インタビュー(その3) 

    第136号
    ──────────────────
    岩上安身のIWJ特報!
    日米原子力協定、その交渉の舞台裏に迫る
    元外務省科学審議官・遠藤哲也氏インタビュー(その3)
    ──────────────────
    (IWJより転載許可済み)

    ===================================
    ◆核燃料サイクルの国際化を提言◆
    ===================================

    岩上「これは、もちろん議論をしていたらキリのない話になりますが、日本と
    いうのは、非常に地震の多い脆弱な地盤の上に立っていて、しかも津波もやっ
    てくるわけですね。そんなところに、これまでどおり、原発政策を続けていっ
    たら、国が滅びてしまうのではないでしょうか。

     それを、東アジアの環境のためにやるべきだと言われても、やはり、自分た
    ちが滅びてしまうかどうかがずっと最優先だ、と思う人が大多数だと思うので
    すが」

    遠藤「もちろん、分かります。しかし、日本にとっては、やはりエネルギー源
    をどうするかという問題があると思うんです。私は、太陽光や風力といった自
    然エネルギーの利用というのはもっと進めるべきだと思うんですけども、やは
    り供給面での不安定性があります。それから、値段も高いでしょう。

     そういうものが、どのぐらい経済的に、あるいは供給の面で安定的になって
    いけば、原発の割合を減らすことだってありうるとは思います。私も、なにも
    かもやれと言っているわけじゃないんです。ただ、やっぱり、そういったこと
    がないまま、原発をやめることに進むのは危険だという立場です」

    岩上「なるほど。これは当然、皆さんいろいろお考えがあって、これを見てい
    る人にも議論があると思います。今日は、遠藤さんのお話を聞いているからと
    いって、私が遠藤さんに完全に同意しているわけではないということは、お分
    かりいただきたいと思います。

     しかし、我々は情報を伝えなくてはいけません。事実、遠藤さんのようなお
    考えを持っている方々が、原子力政策を真剣に進めているわけです。それはそ
    れでちゃんと聞いて、反論を組み立てるなら、それから反論しようというため
    に、今日はお話をうかがっています。そこをどうかご理解いただきたいと思い
    ます。

     ハムレさんのお話が出ましたから、関連しておうかがいしたいと思います。
    2012年、民主党の野田政権は、一時、脱原発運動が大変盛り上がって、その声
    に押されるようにして、『2030年代に原発ゼロ』ということを打ち出そうとし
    ました。これは閣議決定の直前までいったんですが、米国から圧力がかかって、
    閣議決定するなと言われ、引っ込めたという経緯がありました。これは、東京
    新聞のスクープでした。

     つまり、国内の論理で、国内で民主主義にもとづき、民意の大多数が脱原発
    という方向に行くならば、それに従って国策を改めるのかと思いきや、米国か
    らものを言われたら、あっさりとひっくり返した、ということです。日本は属
    国か、と。

     先ほども言いましたように、信頼されるということは、従属してきたという
    ことでもあります。だから、引っくり返されたということは、私にとっては大
    変衝撃的でした。

     その時の民主党政権の脱原発には問題もあったのではないかと、遠藤さんは
    お考えだということですね。この時の、『2030年の原発ゼロ』と言った時のお
    話をしていただけますか?」

    遠藤「民主党政権の時に、当時の原子力担当大臣だった細野豪志さんに、個人
    的な相談を受けていて、あるレポートを提出したことがあるんですよ。

     その内容は、核燃料サイクルをどうするか、というものでした。私は、核燃
    料サイクルというのは、ある程度は続ける必要があると考えていますが、なん
    といっても、核兵器に一番直結する技術だということを申し上げました。それ
    から、東アジアでは、原発が増えていくので、これはやがて、使用済み燃料の
    処理にみんな困ってくるだろうということを申し上げました。

     したがって、そうなった時、再処理とか、濃縮とか、そういった技術を各国
    が持つのは大変危険なことであるので、なんとか、核燃料サイクルの国際化と
    いうのはできないかということを申し上げたのです」

    岩上「国際化をして、国際管理をするということですか?」

    遠藤「そういうことです。これは実は、IAEAの願望でもあるんです。今の天野
    之弥事務局長の前の、エジプトのエルバラダイ事務局長が、私もメンバーにな
    った核燃料サイクル検討会という諮問委員会を作って、濃縮とか、再処理とい
    うのは、もうなるべく数が増えないほうがいいんだという話になりました。だ
    から、国際管理ということができないかと。

     しかし、こんなことが今すぐできるなんて思っているわけではないですよ。
    これは、中長期的な話なんです。とにかく、こういうことをレポートに書いて、
    細野さんに出したことがあるんです」

    岩上「その反応はどうでしたか?」

    遠藤「そうこうしているうちに、民主党政権は終わってしまいました。いずれ
    にしろ、2030年代に脱原発ということを言っても、そのプルトニウムをどこに
    使うんだということを考えない限り、解決にならないと思うんです。あるいは、
    兵器までいかなくても、テロリストに盗まれたらどうするんだと」

    岩上「だから、民主党政権は核燃料サイクルを保持するというふうに言ったん
    でしょうか?」

    遠藤「これは、想像でしかないんですけども、まあ、青森県のことを考えたの
    だと思いますね」

    岩上「ああ、これは青森県に大変な、ある意味公共事業を投下したとわけです
    よね。青森県が、犠牲を払ってでもやるよ、と。その代わり、交付金もちょう
    だいね、ということでやっていた。しかし、これをやめるとなると、地元が反
    発するということでしょうか?」

    遠藤「その政策をやめろというのなら、使う場所がないじゃないかということ
    ですね」

    岩上「そうすると、青森県の言い分を聞くために、核燃料サイクルを残すとい
    うような、本末転倒な考えなんですかね?」

    遠藤「それは、私はよく分かりません。しかし、現実として、核燃料サイクル
    は続けると言っているわけですね」

    ===================================
    ◆核保有論には外交のリアリティーが欠けている◆
    ===================================

    岩上「核燃料サイクルを続けるということは、核兵器の保有の可能性を維持す
    るということですね。核技術抑止論、というものです。技術を持っておくこと
    によって、いつでも核兵器保有が可能な状態を作っておく、準核保有国状態に
    しておく、ということだと思います。民主党政権時、こうした、核保有の潜在
    性を維持するために、核燃料サイクルを続けるという意図があったのではない
    でしょうか?」

    遠藤「私は、それはちょっと分からないですね。要するに、いまひとつはっき
    りしない、論理的にはっきりさせない感じですよね。ただ、いま言われたこと
    で、私が少し引っかかるのは、核燃料サイクルを続けることと核技術の保有と
    がつながるというのは、これは結果論だと思うんですよ」

    岩上「今、結果論とおっしゃいましたが、核オプションということについて、
    先ほども申しましたように、日本では、岸信介さん、佐藤栄作さんみたいに、
    はっきりと公言していた政治家もいたと思います。

     日本の核オプションというのは、ずっと水面下に潜るような形でやってきま
    したけど、今日は公然と『いやいやいや、日本は核保有の議論をもうやるべき
    だ』という言い方が出てきていますね。

     こういうことを、石原慎太郎さんとか、都知事選に出馬した田母神俊雄さん
    とかが、はっきりと言うようになりました。さらには、自民党の責任ある政治
    家、例えば、石破茂さんのような人が、核技術抑止論そのものを、実際自分の
    口で発言しています(※24)。いつでも持てる状態にしておくことが、抑止に
    繋がるんだと。こういうことを、いたる所で説明されていますよね。石破さん
    は、安全保障に一番詳しい専門家だとされていて、かつ自民党の幹事長です。
    影響力のない人ではありません。

     あるいは、安倍さんも以前、大隈講堂での講演会で『日本はいつでも小型核
    兵器を持ち得るんですよ』と発言しています。あるいは核兵器保有論について
    も『そういう考えがあるなら堂々と公開の議論で言うべきだ』と言っています
    (※25)。現在、以前よりもはるかに傾斜して、核兵器保有論とか、核技術抑
    止論というようなものが、公然と唱えられるようになっていると思います。

     こういった現状を見ていると、遠藤さんが『あくまで結果にすぎない』とお
    っしゃられているのは、かつての自民党が曖昧な中庸路線をとれた昔の話であ
    ると思います。しかし、今は状況がだいぶ右に傾斜して、変わってきたのでは
    ないかと思うんですけど、いかがでしょうか?」

    遠藤「私は、その議論の根底にある核保有論というようなものは、本当に現実
    的な政策の選択肢であるのかどうか、非常に疑問に思っています。

     技術的には、確かに日本はお金と若干の時間をかければ、核保有はできるか
    もしれません。それから政治的にも、国内的には、非核三原則をやめるという
    ことも、もしかしたらできるかもしれません。

     しかし、国際的な側面から見たときに、核保有をするということは、NPTを
    脱退するということですよね。しかし、日本がNPTを脱退したら、NPT自体が壊
    れてしまいますよ。NPTというのは元々、日本とドイツがターゲットだったわ
    けですから。日本のよう原子力大国が脱退してしまったら、これはもう日本が
    核武装を宣言するというようなものですから、NPTが崩壊してしまいます。そ
    れから、米国が日本の核武装を許すということは、絶対に考えられません。核
    武装などということになったら、日本から原子力技術を全部引き上げるという
    ことになるでしょう」

    岩上「全部引き上げるといっても、包括協定というものがあります。日本が、
    『私たち、技術持っちゃいました。燃料もあります。だから、やれるもんね』
    と言ったらどうなるんですか?」

    遠藤「そうしたら、今、日本にある米国の国旗の立った規制権のかかった核燃
    料を、全部引き上げるでしょう。日本の原子力発電は、大雑把に言えば、それ
    でおしまいということになります。それから、アジアからは猛烈な反発がある
    でしょうね」

    岩上「そうですよね」

    遠藤「それをやることに、何の価値があるんでしょうか? それで、何をしよ
    うというのでしょうか? 確かに、核兵器を一個や二個は作れるかもしれませ
    ん。しかし、一個や二個の核兵器なんて、あまり意味があるとは思えません。

     本気でやるなら、潜水艦を作り、第二撃を温存できるぐらいの核兵器システ
    ムを構築しなければなりません。しかし、このようなマイナス面を考えたとき、
    経済的、政治的に、自殺行為になるんじゃないでしょうか。日本は、その道を
    選ぶんでしょうか?」

    岩上「『まさか日本はそんな極右的な発想はしない。日本は今まで戦争によっ
    て痛い目に遭ったんだ。そして、平和国家を選んだんだ』ということが、この
    何十年ずっと言われ続けてきて、日本はこれから、かつての大日本帝国のよう
    な道は歩まないと、私のような世代までは思っていたと思います。

     ところが、最近になって、若い人たちを中心にアピールするような論壇があ
    り、そういうところでは、核兵器の保有可能性とか、核を持てばいいというこ
    と、そして中国に対して、もっと対等にモノを言うようになろうということが
    言われています。あるいは、中国は生意気だ、韓国は生意気だ、と。反中嫌韓
    みたいなことが、どんどん募ってきています。

     それが、いよいよ政治勢力として実体化してきたなという感じを私は持つん
    です。田母神さんみたいな人が、今回の都知事選で、堂々と立候補しました。
    組織票は全くありませんし、自民党は応援していないにもかかわらず、都知事
    選で、60万票以上を取りました。

     衝撃的なのは、20代で、舛添さんに次いで2位だったことです。つまり、常
    識的に考えて、時間は流れていきますから、これからの世代は、田母神さん的
    なものが増えていくということです。田母神さん的な人たち、田母神さんを支
    持するような、あるいは石原さんを支持するような人たちが、今後の新しい世
    代では、どんどん増えていく可能性があるわけですね。これは黙っていたら大
    変なことになってしまうのではないですか?

     それと、田母神さんと自民党が全く違うならば別ですけど、田母神さんは安
    倍さんを支持すると言っているんですね。安倍さんの別働隊みたいなところが
    あります。石原さんも、安倍さん支持だと言っています。そして、安倍さんと
    しても、『魚心あれば水心』的な感じがする。安倍さんが舛添さんを応援して
    いるのが不自然なくらいでした。

     田母神さんは、核は一発持てば大丈夫だ。勝負できる。そして、中国と戦争
    しよう、開戦しようと。戦争やったら今なら勝てるとまではっきり言っている
    んですよ(※26)。

     それが、そこまでの票を持ったということについて、深刻に考えなくてはい
    けないと思います。彼らは、核戦争とか核保有とかのリアリティーを十分考え
    ているとは思えません。間違った情報を植え付けられているのかもしれません
    が、真剣に検討したら、不可能だというようなことを、きちんと伝えなくては
    いけないのではないかと思うんです。いかがでしょうか?」

    ----------------------------------------------------------------------
    (※24)自民党の石破茂幹事長は、「SAPIO」2011年10月5日号に掲載されたイ
    ンタビューで、「原発を維持するということは、核兵器を作ろうと思えば一定
    期間のうちに作れるという『核の潜在的抑止力』になっていると思っています。
    逆に言えば、原発をなくすということはその潜在的抑止力をも放棄することに
    なる、という点を問いたい」「私自身は、安全保障の面から、日本が核兵器を
    持てることを否定すべきではないと思うし、憲法の解釈上も禁じられていない
    というのが政府の立場です。『非核三原則』は憲法ではなく、あくまで政策的
    判断として貫かれているものです」と述べている。(【URL】http://bit.ly/
    1f5D0JB)

    (※25)安倍総理は官房副長官だった2002年5月13日、早稲田大学の大隈講堂
    で行われた講演で、「自衛のための必要最小限度を超えない限り、核兵器であ
    ると、通常兵器であるとを問わず、これを保有することは、憲法の禁ずるとこ
    ろではない」「核兵器は用いることができる、できないという解釈は憲法の解
    釈としては適当ではない」と発言した。(参照:Wikipedia【URL】http://bit.
    ly/1gskVGm)

    (※26)田母神俊雄氏は、『日本核武装計画』『サルでもわかる日本核武装
    論』などで、自身の核武装論を展開している。田母神氏の核武装論の問題点に
    ついては、「IWJウィークリー」38号の「岩上安身のニュースのトリセツ」で
    詳しく解説した。(【URL】http://iwj.co.jp/wj/open/archives/125571)

    ===================================
    ◆「原発×戦争」という新たな事態◆
    ===================================

    遠藤「私は、個人の候補者、政治家の名前は別にして、核保有というのは、経
    済的にも政治的にも国際的にも外交的にも自殺行為であって、一発や二発の核
    兵器を作ってもしょうがないじゃないかと思います。やるなら、核のシステム
    を持たないと意味がありません」

    岩上「核の均衡、相互確証破壊戦略(※27)が中国との間で成立するぐらいで
    なければダメだ、ということですね」

    遠藤「ですから、私は、核保有は現実的な政策オプションとはなりえないとい
    う考えです。これについては、あるところに投稿したこともあります。持つこ
    とはできるけれども、持ったらどんなことが起こってくるかということについ
    て、検討したものです」

    岩上「外交官をお務めになられたお立場として、現在のように、中国との緊張
    を激化させる方向へと移っているということに関しては、どんなふうに思われ
    ているんですか?」

    遠藤「私も、中国と韓国の扱いというのは難しいと思いますけどね。難しいと
    言っても、やはり隣の国ですから。なんとか、ものを言うような状況にならな
    くてはいけないですよね。友好国にはなかなかなることはできなくても」

    岩上「友好国になれませんか? なれないとなると、もう武装するしかないと、
    精神的には、ますますそっちに傾斜してしまうと思いますけど」

    遠藤「それは困るんですよ。だから、ものを言える国。今、そんな状況じゃな
    いですよね」

    岩上「『ものを言う』というのは、この場合、自己主張だけをぶつけると言う
    意味ではなくて、話し合うということですね。私が大変不安に思っているのは、
    原発は今までのように維持しよう。しかし、中国とは戦争できる状態を作り出
    そう、という雰囲気です。尖閣諸島に領土問題が起こってから、そんな空気に
    なっていると思います。

     そして、『今なら勝てる、今なら勝てる』と言い続けているわけです。『今
    なら勝てる』というのは、将来は勝てなくなるということです。将来勝てなく
    なるというのは、何かに似ているなと思ったら、ふと気がついたんです。太平
    洋戦争前の、米国との関係にとても似ている。

     当時、米国は海軍力がそんなに発達していませんでした。だけど大国ですか
    ら、いずれあの工業力をもってしたら、日本なんて抜き去られるだろう。今な
    ら艦船とか航空機の機数が近い。だから、今なら勝てる、と。

     それで、第一撃として奇襲攻撃をかけよう、と。あとはしかし、講和しかな
    いだろうと。これは何か今の話と、とても似ていないかと思うんです。ミサイ
    ル防衛の話の次には、敵基地先制攻撃論も今、出てきているわけですよ。小野
    寺五典防衛大臣が発言していますよ、この敵基地先制攻撃論を(※28)。世界
    中にアナウンスされていますし、米国も中国も理解していて、世界が今、注目
    していますよね。固唾を呑んで見守っていると思うんですけども。

     平和利用としての原発を続けたいというならば、私は絶対的な必要条件とし
    て、戦争をできないようにしなくてはいけないと思うんです。そうでないと、
    日本は裸で自爆装置をつけている状態ですから、これでは自国を守ることはで
    きません。

     どうしても戦争せざるを得ないとき、急迫不正の侵害があるというならば、
    とりあえず、とにかく危ない原発はしまってしまえ、というふうにしないと、
    これは本当に危険なのではないかと思います。テロどころではないですよね。

     全面戦争になったら、総力戦の戦争だったら、それはもう砲弾も爆撃もやり
    たい放題になるわけですから。少なくとも、原発を維持しながら戦争に突入な
    どというオプションは最悪だと思うんですけれども、いかがですか?」

    遠藤「だから、戦争なんてしないことですよね」

    岩上「原発は続けたほうがいいですか?」

    遠藤「続けた方がいい」

    岩上「戦争はしない?」

    遠藤「うん」

    岩上「ですよね」

    ----------------------------------------------------------------------
    (※27)相互確証破壊戦略:核戦略に関する概念で、核兵器を保有して対立す
    る陣営のどちらか一方が、相手に対し戦略核兵器を使用した場合には、もう一
    方の陣営がそれを事後的に察知して報復を行う。これにより、一方が核兵器を
    使えば最終的に双方が必ず破滅する、という結果をもたらす。このような原則
    のことを指す。この原則は、たがいに核兵器の使用をためらわせることを意図
    している。(参照:Wikipedia【URL】http://bit.ly/1mzEChT)

    (※28)小野寺五典防衛大臣は2013年12月17日の記者会見で、自衛隊による敵
    基地への先制攻撃能力について、「北朝鮮がミサイルを累次わが国の領土に発
    射する場合、発射する元のところを限定的に攻撃、反撃することは憲法上も許
    されている。防御に必要な限定的な反撃は検討していく」と発言した。(【
    URL】http://bit.ly/1dus6NC)

    ===================================
    ◆2018年に向けて何をするべきか◆
    ===================================

    遠藤「原発は、さっき申し上げたように、『スリーエス』に最大の注意を払い
    ながら、ある程度は続ける。そして、原発をやるからには、私は核燃料サイク
    ルというのは、やはりどうしても必要だと思っているんですよ。原発をやるか
    らには、私はサイクルに繋がっていくのは、当然の帰結だと思うんですよね」

    岩上「もう本当に、一番大事なクライマックスの質問です。2018年に日米原子
    力協定の包括協定が、満期を迎えます。これについて、仮に米国側が延長に同
    意しないと言ったら、大変なことになるわけですよね。

     その最初のメッセージが、先日共同通信が報じた、東海村にある実験用とし
    て提供された331キロのプルトニウムを返還せよというニュースだったのでは
    ないでしょうか。

     この米国からの返還要求は、政治的なメッセージを含んでいるのではないで
    しょうか。日本が右傾化を続けていって、周辺諸国との緊張が高まり、万が一
    でも戦争ということになるかもしれない。その時、非常に重要なポストにある
    政治家が、核抑止戦略を公然と口にしたり、あるいは核保有を公然と口にした
    りしている状況で、日本が核保有に踏み出す可能性があるのではないかという
    警戒を、米国はしているのではないでしょうか」

    遠藤「いや、私はそれは深読みだと思います。米国はテロ対策の観点から、高
    濃縮ウランをもう返せと言っているのだと思います。おそらくそのプルトニウ
    ムというのは、わりと純度の高いプルトニウムではないかと思います。それを
    返せというのは、米国のテロ対策の一環だと私は見ているんですね。

     米国が現実の脅威として今一番気にしているのは、テロなんですよ。だから、
    米国が今、日本に対して気にしているのは、日本にある余剰プルトニウムにつ
    いて、なくしていく合理的な方法を説明をしてくれということだと思います。
    いったいどうやってやるつもりなんですか?という。つまり、テロリストに盗
    られる可能性があるわけです」

    岩上「でも、ずっとここで話していたように、もんじゅとかが行き詰まってい
    るわけですよね。高速増殖炉で燃やすのが、本当の描いていた未来なんですよ
    ね。しかし、これができない。どうしたらいいんですか?」

    遠藤「私はやっぱり、プルサーマルをもうちょっとやるしかないと思います」

    岩上「しかし、プルサーマルは経済性が悪いから、本末転倒になっていきませ
    んか?」

    遠藤「いや、確かに経済性はあまり良くないんだけども、今はプルトニウムを
    減らすということが緊急の措置じゃないですか。原子力発電の場合に、核燃料
    の値段というのは、全体の発電量の中での占める量っていうのは少ないですよ
    ね」

    岩上「じゃあ、米国にプルトニウムをさし上げるというわけにはいかないんで
    すか?」

    遠藤「米国は受け付けないですよ」

    岩上「そんなものは要らないと」

    遠藤「例えば、今、イギリスに日本のプルトニウムが二十何トンかあるんです
    けど。日本が使わないのなら、イギリスで引き取ってやるよと言ってきていま
    す。ただし、金を払えというわけです。それは、できないですよ」

    岩上「まさに、負の遺産ですね。日本の中で、『ちゃんと管理しておきます
    よ』と言って、保管するという手はありませんか」

    遠藤「どこに保管できますか? これはやはり、使う以外ないわけですよ」

    岩上「となると、今後の原発推進というのは、原発政策をここまで続けてきて
    しまった様々な負の遺産を、なんとか処理するために続けないわけにはいかな
    いという話になってしまいますね」

    遠藤「ですから、今後の展望も含めて、原子力政策の全貌を、やはり最終的に
    は、政府が描く必要があると思います」

    岩上「しかし政府は、核技術抑止論という、これまで水面下に置いておいたも
    のも一方ではちらつかせながら、一方でナショナリスティックな感情を刺激し
    ているんですよ。先ほどおっしゃられたように、原子力というのは、軍事利用
    と平和利用が背中合わせになっているものですよね。本来そういうものだから、
    そのことを合わせて議論してもらわないと困りますね」

    遠藤「核政策、原子力政策について、その全貌を描く必要があると思います。
    やはり政府が、民間の意見、関係者の意見を聞きつつも、最終的に作る必要が
    あると思います。高速炉をどうするんだ。再処理はどうするんだ。それから、
    今あるプルトニウムをどうするんだ、という」

    岩上「核兵器保有論に対しては、核兵器保有は無理だと言うのならば、その無
    理だということを、専門家がきちんと語って、国民に衆知してもらわないと困
    ります。

     米国は、日本が右傾化していって核兵器保有論が高まった場合、もうこれは、
    平和利用も含めて、ストップをかける可能性はあると思いますか?」

    遠藤「米国の今までの政策からいけば、日本の核保有は認めないわけですから
    ね。包括協定と言ったって、核保有するというのは、NPT脱退ですから。NPTか
    ら脱退ということになれば、日米原子力協定自体がなくなります。そのことは、
    協定の文書の中に書いてあります」

    岩上「そのときには、いろんなものを返さなくてはいけないということですけ
    ど、返さなかったら大変なことになるんですか?」

    遠藤「返さなかったら国際約束違反で、そこまでいったらもう平時の話ではな
    くなりますよ」

    岩上「戦時ですよね。第三次世界大戦のような話になってしまいますね。でも、
    こんなものをちらつかせながら、日中間の緊張を高めていくというのは危険で
    すね」

    遠藤「危険ですね」


    岩上「ということで、いろんな専門家がそれぞれの分野に閉じこもっているの
    ではなくて、いろんな分野について横断的に議論しないと、危険なきわどいと
    ころに来ていますよね。2018年というふうに期限も切られていますしね。

     この包括協定について、どうするのかということも、考えなければいけない
    と思います。もちろん、遠藤さんとは考え方が違って、原発即時ゼロという方、
    それを支持している方もいると思います。でも、即時ゼロといっても、核燃料
    サイクルが残ってしまいます。即時ゼロといっても、この核燃サイクルやプル
    トニウムはどうするのか? これは答えなくてはいけないですよね」

    遠藤「はい」

    岩上「だから、ドイツのように脱原発に舵を切るにしても、準備をしなくては
    ならないですね。そういうことを考えていくと、我々は考えるべき課題が非常
    に多い。原発を即時ゼロというならば、プルトニウムをどうするんだというこ
    ととセットで話さなくてはならない。

     あるいは今までずっと隠してきた核技術抑止論という、日本の隠れた安全保
    障政策についても、本格的に断念する、全部やめるんだということが、覚悟を
    持ってできるかということまで、考え合わせないといけないというふうに思い
    ます。

     ということで、遠藤哲也さんにお話をうかがいました。遠藤さん、本当にど
    うもありがとうございました」

    遠藤「ありがとうございました」

    (了)

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