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    原発問題 -The Truth is Out There-

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    東電福島原発事故の真実 放射能汚染の真実 食物汚染の真実 正しい情報を求めて

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    福島県で急増する「死の病」の正体を追う!~セシウム汚染と「急性心筋梗塞」多発地帯の因果関係~【第1回】 2014年08月25日『宝島』2014年10月号より 

    福島県で急増する「死の病」の正体を追う!~セシウム汚染と「急性心筋梗塞」多発地帯の因果関係~【第1回】
    2014年08月25日『宝島』2014年10月号より

    福島原発事故から3年5カ月……被災者の健康リスクが未だ危惧されるなか、編集部ではセシウム汚染の分布と特定疾患増加の実態について調査を敢行。今月号(月刊誌『宝島』10月号)では「急性心筋梗塞」の増加と「被曝」の関係について検証する!

    ■甲状腺ガンだけではない? 過酷原発事故の健康被害

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    東京電力・福島第一原発事故の発生から、はや3年5カ月が過ぎた。原発事故に伴い放出された放射性物質の影響ではないかとして、小さな子どもや若い福島県民の間で発生が確認されている「甲状腺ガン」が昨今、注目を集めている。だが、原発事故による健康面への影響は「ガン」だけに限られるのだろうか。

     実は、原発事故の発生を境に、福島県内で多発・急増している病気がある。厚生労働省の「人口動態統計」データを精査した結果、その事実が明らかになった。

     急性心筋梗塞(こうそく)──。それが、福島県で現在、急増している「死の病」の正体だ。

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    人口動態統計とは、人口や出生、死亡、死産、婚姻、離婚といったデータを県別、あるいは市町村別にまとめたデータである。
     【表1】と【表2】を見てほしい。これらの表は、原発事故発生以降に福島県内で増えている「死因」を、人口動態統計をもとに多い順から並べたものだ。いわば、死因別の「増加数ランキング」である。

     【表1】は、原発事故が発生した2011年に増加した死因で、【表2】が事故翌年の2012年に増加した死因だ。ここで私たちが着目したのは、「循環器系」の疾患である。

     11年の【表1】を見ると、地震や津波が急増の原因と考えられる「不慮の事故」や「傷病」に続き、「循環器系の疾患」と「心疾患」が4位と5位にランクイン。10位には「心不全」も入っている(注1)。そのいずれもが、原発事故前である10年の発生数を大きく上回っていた。

     それが12年になると、循環器系疾患の代表格である「急性心筋梗塞」がランキングのトップに躍り出る(【表2】)。10年と比較した場合、11年で128人増。翌12年はさらに増えて219人もの増加と、100人単位で増え続けているのである。

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     福島県はもともと、急性心筋梗塞の「多発県」だった。原発事故前年の10年は、全都道府県の中で最も不名誉なワースト1。人口10万人当たり25.3人(全国平均は同13.9人)もの福島県民が、急性心筋梗塞で亡くなっていた。なかでも男性の死亡率が高く、全国平均が同20.4人のところ、同36.9人。女性では同15.6人にとどまっているものの、それでも全国平均(同8.4人)の倍近くに達している。

     こうした事態を受け福島県では、心筋梗塞の主原因とされる生活習慣病を予防するため、健康体操などを指導する「健康フェスタ」等の対策を矢継ぎ早に打ち出している。また、2009年からは、実態の把握や治療成績の向上を目的とした「福島県急性心筋梗塞発症登録調査」も実施。だが、そうした対策をあざ笑うかのように、11年以降も急増し続けているのだ(【表3】)。

     ちなみに、急性心筋梗塞による死者の発生を全国規模で見た場合、年々減少する傾向にある(【表4】)。
    11年の東日本大震災および福島第一原発事故の発生以降も一貫して減り続けている。今年7月末、日本人男性の平均寿命が初めて80歳を超えたとの報道があったが、調査をした厚労省によれば、平均寿命が延びたのは、心疾患による死亡が減少したことも寄与しているのだという。

     にもかかわらず、なぜか福島県では急性心筋梗塞が急増し続けている。異常事態以外の何ものでもない。
     なぜなのか? 

     ひょっとして、これは原発事故の影響なのか? それとも、別の原因によるものなのか?

    (注1)大分類である「循環器系の疾患」の数字には、「心疾患」と「心不全」「急性心筋梗塞」などの数字も含まれている。


    ■セシウム汚染と急性心筋梗塞に「正の相関関係」が

     急性心筋梗塞急増の原因が「被曝」そのものではなく、「被曝を避けるための努力に伴う過度な心労やストレス」であったとしても、それは紛れもなく、福島第一原発事故が招いた健康被害である。

     原発事故がもたらす健康被害は、なにも「被曝」によるものばかりとは限らない。それが「被曝によるものかどうか」の議論ばかりに時間を割いていると、結果的に被害者の救済が先送りにされるばかりか、被害対策自体も“後の祭り”的なものになりかねないので、注意が必要だ。

     もし、「被曝」が急性心筋梗塞急増の重要な要素(ファクター)だとするならば、急性心筋梗塞の多発地帯からいち早く住民を避難させることも、有効な「対策」となりうる。何が真因(あるいは主因)なのかによって、取るべき対策やそのスピード、そして東京電力が負うべき賠償責任も、全く異なってくる。

     被害の正体や本質を見誤らないためには、あくまで事実を最重視しつつ、ニュートラルな立場を心がけて問題にアプローチするのが肝心だ。場合によっては、「原発事故とは全く違うところに原因がある」と、逆の視点からの仮説を立てて臨むことが、結果として有効な解決策を生み出すこともありうる。

     そこで私たちはまず、「原発事故による被曝と関係がない」との仮説の下、それを否定することが可能かどうかを見極める検証作業に着手した。

     先に紹介した「人口10万人当たり●人」という言い方は、病気発生の頻度を表す物差しであり、専門的には「年齢調整死亡率」と呼ばれる(注2)。

     この死亡率を福島県内の市町村ごとに計算した上で、文部科学省による福島県内の「セシウム汚染値」(注3)の濃淡と、相関関係が見られるかどうかを調べたのである。この作業では、福島県内のセシウム汚染分布に詳しい沢野伸浩・金沢星稜大学女子短期大学部教授の全面的な協力を得ることができた。

     今回の解析では、福島第一原発事故後、高汚染のためにすべての住民が避難した原発直近の7町村(双葉町・大熊町・富岡町・楢葉町・浪江町・飯舘村・葛尾村)を、解析対象から除外した。

     年齢調整死亡率は、原発事故前年の10年のものと、事故翌年の12年のものを、それぞれ計算して求めた。こうすることによって、セシウム汚染によって数値が上がったのか否かの区別がつくからである。

     ようするに、汚染の高いところで年齢調整死亡率も同時に高くなるという「正比例の関係」が見られれば、被曝との因果関係が強く疑われる──ということになる。逆の言い方をすれば、もし「正比例の関係」がなければ、原発事故とは別のところに原因が存在することを意味する。

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    その解析結果が、【図1】と【図2】である。沢野教授が導き出した結論は、「セシウム137の土壌汚染密度分布と年齢調整死亡率の分布との間には、原発事故後、弱いながら統計的には有意(r = 0.36、注4)と言える正の相関関係が生じている」というものだった。

     すなわち、セシウム汚染が濃いところほど、急性心筋梗塞の年齢調整死亡率が高いという傾向(=正比例の関係)が見られたのである。つまり、「原発事故による被曝と関係がない」との仮説を否定する結果となった。

     【図1】と【図2】から読み取れる重要なポイントは、原発事故発生前の10年の時点で、「急性心筋梗塞」年齢調整死亡率とセシウム汚染分布は統計学的に「無相関」と言える状態にあったものが、事故後の12年には有意な相関を持つようになっていることだ。

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    また、10年の「急性心筋梗塞」年齢調整死亡率でもともと高かった地域が、セシウム汚染が加わった12年にはさらに上昇するという傾向も見られた(石川町、相馬市など)。加えて、もともとは低かった地域の中で強いセシウム汚染に晒されたところでも、12年には同死亡率の上昇が見られた(天栄村、桑折町など)。そうした事実が積み重なっていった果てに、福島県全体の「急性心筋梗塞」年齢調整死亡率が急上昇するに至った──ということなのだろう。

     さらに付け加えておくと、今回の解析対象から外した原発直近7町村の「急性心筋梗塞」年齢調整死亡率は、5町村(双葉町・大熊町・富岡町・浪江町・葛尾村)で上昇が見られた(【表5】参照)。

    (注2)都道府県ごとに年齢構成には差があるため、死亡数を人口で除した(割り算した)通常の死亡率で単純に比較しようとすると、高齢者の多い県では高めの数値が弾き出され、若年者の多い県では逆に低めの数値となる傾向がある。そこで、年齢構成の異なる地域間でも死亡状況の比較ができるよう、年齢構成を調整した死亡率が「年齢調整死亡率」(人口10万対)なのである。この調整を加えることによって、年齢構成の相違を気にすることなく、地域同士の比較や年次ごとの比較ができるようになる。

    なお、今回の解析では、人口はそれぞれの年の10月1日現在のものを使用している。2010年のみが国勢調査の実数で、他は推計値である。国(厚労省)で行なっている年齢調整死亡率の計算(2010年)では、年齢不詳の数値を按分した(5歳ごとの年齢階級人口の数に応じて割り振った)人口と病気の発生数を使用しているが、今回の計算では他の年と条件を揃えるため、2010年分でも按分する前の人口を使用した。

    (注3)セシウム137の汚染値を、12年12月28日現在の値に換算したもの。原発事故の発生直後は、プルトニウムやストロンチウムといった放射性核種も測定されていたものの、事故から3年が過ぎた現在の測定作業では、測定しやすいセシウムが中心となっている。つまり、セシウムは「汚染のバロメーター」であり、セシウムだけが問題なわけではない。従って、プルトニウムやストロンチウムのように「詳細に測定されていない」放射性物質による被曝が、福島県民の健康を脅かしている可能性も否定できない。

    (注4)「r」とは、ふたつの変数間で類似性の度合いを調べる分析方法のこと。今回の解析で弾き出された【図2】の「r=0.36」という値は、「弱いながらも有意な相関関係」を持つデータであることを示している。
    この「r」値が1に近づけば近づくほど、強い相関関係があることを意味する。


    ■福島県の「周辺県」でも急性心筋梗塞が「上昇」

     セシウムは体内に取り込まれた後、筋肉に集まりやすい性質があるとされる。そして心臓は、そんな筋肉(心筋)の“塊(かたまり)“のような臓器である。

     果たして、セシウム汚染による急性心筋梗塞「上昇」のピークはこれから訪れるのか。それとも、すでに多発のピークを超え、収束へと向かうのか。

     いずれにせよ、今後の人口動態統計の結果を待って判断するほかない。まずは喫緊の課題として、来月9月に公表される最新の人口動態統計(13年分)を検証し、今回の解析結果で判明した「上昇」傾向が13年も継続しているのかどうかを確認・判定する必要がある。

     気になることは、これだけではない。この「上昇」傾向が福島県にとどまらず、福島の周辺県でも見られるのだ(前掲の【表3】参照)。

     原発事故の起きた11年に顕著な上昇が見られる県(茨城県・群馬県)や、顕著ではないにせよ上昇が見られる県(宮城県・東京区部)、そして、福島県と同様に右肩上がりで増え続けている県(山形県・栃木県・埼玉県・千葉県)もある。今後、当連載では、こうした周辺県の検証作業も同時に進めていく所存である。

     改めて言うまでもなく、急性心筋梗塞に罹(かか)った人のすべてが、すぐに亡くなっているわけではない。福島県立医科大学がそのホームページで公開しているデータ( https://www.fmu.ac.jp/home/int-med1/Fukushima-AMI/AMI.htm# )によれば、発症から30日以内に死亡する人は全体の10%に過ぎず、残りの90%で1カ月以上の延命、もしくは救命に成功しているのだという。

     言い換えれば、人口動態統計から明らかになる「健康被害」の実数は、あくまでも氷山の一角に過ぎない。福島第一原発事故で放出された放射性物質によって心臓にダメージを負わされた“被害者”は、その数倍から10倍近くにまで及んでいる恐れがある。現在、急性心筋梗塞をはじめとした心臓疾患で闘病中の福島県民の中にも、そうした“潜在的被害者”がいるかもしれない。これまで急性心筋梗塞は、原発事故と結び付けて考えられてこなかった──だけの話なのだ。

     連載の第1回を締めくくるにあたり、私たち取材班から読者の皆さんに、協力を要請したいことがある。

    現在、取材班では、福島第一原発事故の発生以降に急性心筋梗塞を発症した福島県在住の方や、急性心筋梗塞で亡くなられたと思われる福島県民のご遺族への取材を進めている。急性心筋梗塞で現在、闘病中の方や、担当の医師から「死因は急性心筋梗塞である」との告知を直接聞いたご遺族、そして「急性心筋梗塞」と書かれた死亡診断書を受け取ったご遺族で、取材にご協力いただける方は、本誌編集部かルポルタージュ研究所まで情報を寄せてほしい。

     なかでもご遺族からお聞きし、確認したいのは、次に掲げる5点の事実である。

      ①死因
      ②死亡日時
      ③享年
      ④亡くなられた方の11年3月11日時点の健康状態
      ⑤亡くなられた方が急性心筋梗塞を発症するまでの生活状況

     こうした情報が集まれば、「原発事故の発生後、どんな生活を送っていた人が急性心筋梗塞を発症するリスクが高いのか」の見極めがつく可能性がある。その上、そうしたリスクの高い人を事前に把握し、救命医療に役立てることもできるだろうし、そうしたいと私たちは願っている。

     読者の皆さんとの共同作業で、この未曾有の危機に立ち向かっていきたい。(以下、次号) 


    取材・文 明石昇二郎(ルポルタージュ研究所)+本誌取材班


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