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    原発問題 -The Truth is Out There-

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    経産省が最初に再稼働を目論んだ玄海原発とは 

    玄海原発再稼働の裏に! 知事と町長と九電の「ズブズブの関係」
    2011年07月16日(土) フライデー

     片や「父親が九電社員だった」片や「弟の建設会社が原発ハコモノを受注」
    経産省が世論の揺り戻しに、この地を選んだ理由があったのではないか!

     7月4日、佐賀県東松浦郡玄海町の町役場前は、朝から物々しい空気に包まれていた。玄関前に大勢の報道陣が待機し、警察の公安関係者が辺りを窺い、その傍らで拡声器を持った男性が「再稼働反対ッ」とまくしたてる---。

     午前9時過ぎ、一台の黒塗りが到着した。九州電力(九電)の眞部利應社長である。この日は、九電が玄海原発2号機と3号機の再稼働容認の意思を岸本英雄町長(57)から伝えられる会談日だったのだ。

     一方、同日、佐賀県庁前でも厳戒態勢が敷かれていた。「6月29日に海江田万里経済産業相が佐賀入りして古川康知事と原発再稼働の方針を確認してから、ずっとピリピリ状態」(地元紙記者)というが、この日は一段と警備が厳重だった。

    「反原発の住民らが、座り込みを行うと予告していたからです」(県職員)

     庁舎入り口付近で一騒動、起きた。

    「トイレに行きたいというのに、なぜ行かせないんだ!」「理由を説明しろッ」。市民団体のメンバーが声を上げるが、県庁職員も入り口を制したままだ。

     本誌記者も同様の規制を受けた。午後、トイレを借りようと庁舎に入ろうとした時だ。7~8人の職員に行く手を遮られ、他のトイレへ行ってくれと入館を拒否されたのだ。

     生理現象にまで文句を言われる筋合いはない。ある町民が嘆いた。

    「これでは、閉じられた県庁です。古川知事も自分の判断に自信がないから、こんな厳戒態勢をとるんでしょう」

    *

     玄海原発の再稼働を巡り、佐賀県、そして原発立地地域である玄海町に熱視線が注がれている。停止中の2、3号機が再稼働すれば、菅直人首相の要請による浜岡原発の全面停止以来、国内で初めての再稼働のケースとなるからだ。

    「玄海原発が再稼働すれば、脱原発ムードに傾き始めていた国内世論に対して大きな揺り戻しになる。それを何よりも願っているのは経産省。その経産省がなぜ、発火点として玄海原発を選んだのか。理由は簡単です。佐賀県、玄海町ともに原発事業にがんじがらめになっていて、特に古川知事と岸本町長が九電とズブズブの関係だからです」(全国紙社会部記者)

     この行政トップ二人の九電とのズブズブぶりは地元では広く知られていたが、これまでその多くは語られない佐賀県の〝タブー〟でもあった。まずは岸本町長の素性を洗い直してみよう。

    佐賀県唐津市に「岸本組」という地場の建設会社がある。資本金3000万円、従業員約100人。同社の岸本剛社長(55)は、岸本町長の実弟である。岸本町長も '95 年に県議になるまでは、同社の取締役を務めていた。現在も、第3位株主だ。実は同社は、地元では「原発で潤ってきた会社」と言われている。本誌は今回、同社が佐賀県に提出した「工事経歴書」などをもとに同社の工事実績を調べた。すると、確かに原発関連の工事がやたらと目立つのだ。具体例をいくつか挙げよう。

    ●「玄海町薬用植物栽培研究所」

     今年5月に完成したばかりのこの研究所は町と九州大学の共同施設だが、総事業費12億4000万円のうち、7億6000万円が「電源立地地域対策交付金」と「核燃料サイクル交付金」で賄われている。この事業で、岸本組は '08 ~ '09年度に温室や管理棟の建設、機械設備などで、約1億9000万円を受注している。

    ●「次世代エネルギーパーク」

     太陽光発電など次世代エネルギーの普及などを目的とした同施設は、来年完成予定。総事業費は14億7000万円。その一部に「核燃料サイクル交付金」(9億5000万円)が充てられている。今年度、岸本組は土地造成工事費2900万円を受注している。

     岸本組はこの他にも、「電源立地地域対策交付金」で造られた特別養護施設「玄海園」や「玄海海上温泉パレア」など、多くのハコモノ建設に関わっている。原発マネーが使われる事業は、ハコモノばかりではない。道路の舗装工事、保育園建設などがあり、岸本組は毎年のようにこれらの受注を重ねてきたのである。

     岸本組のお得意様は、玄海町ばかりではない。九州電力も最重要顧客なのである。

     例えば、玄海原発3、4号機の増設工事が行われていた '97 年、岸本組は九州電力及び同社の子会社である「西日本プラント工業」から同工事で約15億円を受注している。その後も、数億~十数億規模の受注実績が続く。

     最近は受注額が減ってきたが、 '10 年度も、玄海原発の温室熱供給設備設置工事を、九電から約1億6000万円で受注している。まさに、玄海原発が岸本一族を潤してきたといっても過言ではないのである。こうした指摘について、岸本町長はどう答えるか。

    「やましいことは何らありませんよ。確かに昔は配当ももらっていましたが、今はない。私が( '06 年に)町長になってからは、九電さんから大きな事業をもらったことはない。弟は佐賀県警OBですし、県の建設業協会会長ですから、おかしなことはできないですよ」

     岸本町長はこう言う。しかし、前述した通り1年前に九電から1億6000万円の事業を受注しながら、「大きな事業はもらっていない」とは、感覚が鈍すぎると指摘せざるを得ない。

    古川知事の「前歴」

     もう一人のズブズブの主人公、古川知事はどうか。武藤明美県議(共産党)がこう憤る。

    「古川知事は5月25日の臨時議会で、『原発に頼らなくてもいい社会を目指す』と答弁したんですよ。それを、あっというまに覆してしまうんですからね。表向きはいい子ぶったことを言っておきながら、裏ではとても九電に逆らえない何かがあるとしか思えない。なにしろ九電が佐賀県にバラまいてきたおカネは、表に出ているだけでも莫大なものですから」

     武藤県議が指摘した九電による県下へのバラマキは、「寄付」という形でも行われてきた。唐津市に新設された早稲田大学系列の中高一貫校「早稲田佐賀学園」に20億円、鳥栖市に建設予定の「佐賀国際重粒子線がん治療財団の治療施設」に40億円、唐津市の再開発に伴う「市民交流プラザ」の建設に5億円―という具合だ。

     これに加え、佐賀県には毎年、数十億円規模の原発交付金や、原発の固定資産税などが入ってくる。古川県政は九電の存在なしには成り立たないのである。

     さらに古川知事には、父親を巡って九電と深いつながりが指摘されている。古川知事は唐津市の出身で、東大から自治省を経て佐賀県知事になったが、父親は九州電力に勤務していた。しかも、勤務場所はよりによって、原発のPR館「玄海エネルギーパーク」なのだ。

    「'05年、古川知事が全国の原発に先駆けて、プルトニウムを使用したMOX燃料で動くプルサーマル発電を玄海原発で受け入れたのも、父親の関係もあったと囁かれてきました」(地元紙記者)

     前出の武藤県議は、そのプルサーマル導入の時を思い起こし、こう呆れる。

    「あの時も知事は今回と同じことをやっているんです。当時の二階俊博経産相に玄海原発を見学させ、そこで経産相に『責任を持ちます』と言わせた。これで安全は確認されたとして導入した。今回とまったく同じです」

     立地住民、町議会、県議会、知事の4者の合意がなされれば玄海原発は再稼働する。全国紙経済部記者が言う。

    「最終的に再稼働が決まれば、2週間ほどで運転がスタートできるようです。経産省は、玄海の次は四国の伊方原発3号機を狙っている。あそこは、全国2例目のプルサーマルですから」

     全国にある原発54基中、現在37基が停止中だが、今後それらは順次息を吹き返すのか・・・。日本の原発行政の行方が、九電とズブズブの2首長の判断で決まるようなら、日本の未来は本当に危うい。

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