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    原発問題 -The Truth is Out There-

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    国民負担を5兆円増やす「東電救済」の法案が衆院復興特別委員会で可決 

    国民負担を5兆円増やす「東電救済」の法案が衆院復興特委で可決――
    民主・自民・公明が水面下で合意した修正内容とは?
    2011.07.26 17:43:19 by 深水英一郎(ふかみん)  ガジェット通信

    「原子力損害賠償支援機構法案」に関する民主党・自民党・公明党の修正合意が成立しました。この修正合意は水面下でおこなわれたものですが、修正案はそのまま26日に提出され、国民に対しては説明もないまま、26日の衆院復興特別委員会で可決、28日昼には衆院を通過する予定です。国民負担を5兆円増やすと言われるこの法案についての説明と議論がもっとあってもよいはずなのですが、なぜ与野党3党は国民に説明をおこなわないまま話を進めているのでしょうか。この問題について詳しい政策工房の原英史さんに話をきいてみました。

    ――遂に「修正案」が提出され、衆院を通過するそうですが。この与野党3党による「修正案」は「政府案」からどのように修正がおこなわれたのでしょうか。簡潔に教えてください。

    原:修正案の内容は、一言でいえば、本来の責任者である「東京電力と関係者の負担」を放置し、「国民の負担」をさらに重くするもの。政府案のさらなる「改悪」です。

    通常、企業が破綻したときは、株券が紙切れになり、カネを貸していた銀行などは債権カットを求められます。株主は損失をこうむりますが、もともと株式とはそういうものです。あえてその会社を選んで株を持っていた以上、仕方ないことです。また、銀行も、カネを貸す前にその会社が大丈夫かを審査し、貸したあともおかしなことが起きていればチェックできる立場です。そういう人たちが責任を負担するのは、やむを得ないことです。



    ――リスクを承知して投資していた人達が守られ、なぜかリスクを承知してなかった国民に負担がかかるという形になってる気がするんですが。民主・自民・公明党の人たちは何故国民に負担をかける修正案に合意するのでしょうか。特に野党である自民・公明党が本来の役割を果たさず特に批判もしないままこの話に乗っかってきているのが不思議です。5兆円も負担額が変わってくるのになぜ説明も議論もないのでしょうか。

    原:今回、政府が出した「原子力賠償機構法案」は、株主や銀行の責任をあいまいにしたまま、電気料金値上げや税金という形で国民が負担する内容でした。

    これに対し、「国民で広く薄く負担しよう」という前に、まず、本来責任をとるべき人がいるでしょう、というのが、「公正な社会を考える民間フォーラム」や古賀茂明さんが主張してきたことです。株主や銀行にまず責任をとらせるかどうかで、国民負担の額は5兆円ぐらい違ってきます。国民全体で長期にわたって負担するといっても、無視できる金額ではないのです。

    こうした中、今回の3党合意はなされました。従来、民間フォーラムなどと同じような主張をしていた河野太郎議員はブログで、今回の修正合意は「東電処理への大きな一歩」と評価しました。即時法的破綻処理ではないが、二段階方式で破綻処理をさせることになったと言います。しかし、条文で確認してみると、何となくそれらしき字句は追加されているものの、結局のところ、何ら改善していません。

    例えば、45条で、「関係者に対する協力の要請が適切かつ十分なものであるかどうかを確認しなければならない」という規定が追加されています。これはたぶん、「株主や銀行など関係者の責任をしっかりと求める趣旨で追加した規定」ということなのでしょう。

    しかし、要請した結果がどうなるかは問われていません。また、「協力」の内容が何なのかも分かりません。つまり、「協力の要請」とは、「株券を紙切れにするけど、いいですか」ということかもしれないし、「今年は配当をしませんが、いいですか」という程度かもしれないのです。

    「二段階方式」というのは、附則6条で、「この法律の施行後早期に……国民負担を最小化する観点から、この法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずる」という規定を加えたことを指しているのでしょう。しかし、この規定では、期限も不明、「必要な措置」の内容も不明です。

    しかも、第一段階で、この法律に基づいて、「機構」による支援措置は始まります。賠償に必要な金額は「機構」から投入されます。河野議員のブログではいずれ「債務超過」になるとありますが、本当にそうでしょうか。もし本当に債務超過になって法的整理になれば、それまでに投入された支援額は返ってこない、つまり「国民負担」になってしまうでしょう。つまり、第一段階でひとたび支援を始めれば、その先は、「今さら破綻させたら、これまで投入したおカネが返ってこなくなって、国民負担になってしまう」といって、“延命装置”を外せなくなる可能性が高いのです。

    これまでの話は、「一見改善したように見せかけながら、何も改善していない」という話でした。もっと大きな問題があります。今回の修正案では、「国民の負担」をより一層拡大していることです。

    2条で、これまで原子力政策を推進してきた「国の責務」という規定が追加されました。「東電だけでなく、原子力政策を推進してきた立場の国にも責任がある」というのは、一見もっともに見えるかもしれません。しかし、賠償負担という議論の中で、これはどういう意味を持つのでしょうか。

    「国の責任」といっても、菅総理や大臣たちが払うわけではありません。これまで原子力政策を推進してきた自民党の大物議員たちが払うわけでも、原子力安全・保安院の官僚たちが払うわけでもありません。「国の責任」とは、結局、国民が税金で負担するということです。

    さらに、51条で「資金の交付」という規定が追加されました。もともとの政府案では、予算を直接投入するのではなく、国債を交付する形をとり、いずれは国に返すということになっていました。ところが、この規定では、「国の責任」という観点で、予算を直接投入することも可能にしてしまいました。これはもう返ってきませんから、より明白に、税金による「国民負担」を求められるようになります。

    21日前後、3党修正合意がマスコミで報じられるにつれて、東京電力の株価は急騰しました。一時は150円を切った株価が、今や4倍前後です。この修正案をみると、株式市場が、事態を正確に認識していたことがよく分かります。この修正合意は、東京電力とその関係者たち(株主や銀行)の救済にほかなりません。

    ――ありがとうございました。

    尚、この法案は本日中に衆院を通過し、今週中に成立する見込み。

    追記:
    ※法案は、7月26日夕に衆院復興特別委員会にて賛成多数で可決しました
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