11« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»01

    原発問題 -The Truth is Out There-

      : 

    東電福島原発事故の真実 放射能汚染の真実 食物汚染の真実 正しい情報を求めて

    スポンサーサイト 

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。
    スポンサー広告  /  tb: --  /  cm: --  /  △top

    人命無視の原子力安全委員会(班目春樹委員長)と存続の意義が問われる日本学術会議 

    「即死ポイント発見」でも動かぬか!
    造血幹細胞の事前採取、不要見解を巡るヤミ
    山根 一眞  2011年8月19日(金)日経ビジネス

    大量の放射線に被ばくすると人は生命の危機に見舞われる。


    放射線の大量被ばくによってどのような健康被害、生命の危機に陥るかを示す。もっとも死にいたるほどのケースは日本の原爆被災やチェルノブイリ原発事故など限られるため、確定的なデータは乏しい。

     4000mSv(ミリシーベルト)では約半分の人が、6000mSvでは大半が、そして1万mSvでは致死、それ以上では即死レベルとなる。

     2011年8月2日、東京電力は、報道機関にA4判2ページの資料<福島第一原子力発電所プラント状況等のお知らせ(8月2日 午前10時現在)」を配布した。

     8月1日午後2時30分頃、1・2号機主排気筒底部の非常用ガス処理系配管接合部付近の表面線量率が10シーベルト/時以上であることを確認したため、立入禁止の表示をして区画しました。今後、遮へい等の対策を検討します。

     わずか2行半の報告だが、同日に公開された「福島第一原発サーベイマップ」にもその線量と「確認」された場所が記載された。

     単位は「mSv」でも「マイクロSv」でもない「Sv」で記されている。当然ながら「Sv」は、「mSv」の1000倍、「マイクロSv」の100万倍の単位だ。つまり、確認した線量は、「1000万マイクロSv/時以上」だった。

     10Sv/時は「ミリ」で表記すれば1万mSv/時になる。これは1時間当たりの被ばく量だが、東京電力の作業員3人が長い棒の先端にとりつけた線量計で測った値は、計測可能最大線量である「10Sv/時」を振り切ってしまった。もし、実際は100倍以上であったとすれば、わずか1分浴びるだけ致死レベル、さらに即死レベルの放射線量となることを意味する。

     東京電力は、3月23日から福島第一原発の各ポイントの放射線量地図の公開を開始したが、それまでの15回のサーベイマップ(汚染地図)では、これほど高い線量は記載されていない。

     この、計測不能なほど高い線量が意味することは、2つあると思う。

    [1] 高放射線量が予測されるポイントが実際は数多くあるが、人が近づくことはできず、またロボットもそこまでには入っていないため、まだ「サーベイマップ」にも記載されていない。

    [2] 低放射線量の場所であると思いこみ作業をしている最中に、突然、高い放射線の場所に出くわす可能性がある。実際、「10Sv/時以上」を「確認」した作業員は、棒の先の線量計で測ったにもかかわらず、最大で4mSv/時の被ばくをしたと伝えられている。

     福島第一原発では、少なくとも3基の原子力発電プラントがメルトダウンした(炉心溶融)。このような身震いするほどの事故は人類史上初の経験だ。3月12日以降、立て続けに起こった水素爆発でこの世の終わりすら覚悟した人も多かったと思うが、以降、ハラハラ状態は繰り返されてはいるものの、それを上回る破綻は何とか抑え込まれている。

     現場の数多くのエンジニア、のべ数千人と言われる作業員たちの、まさに命を賭けた作業のおかげだ。メディアは東京電力への猛批判を続けてきたし私も思いは同じだが、批判し罵声を浴びせても解決にはならない。

     今はひたすら、危機がこれ以上拡大しないための作業を必死に続けている現場のエンジニア、そして数千の作業員の方々の安全を祈り、心からの感謝をするしかない。

    この原子力災害の解決は、福島第一原発の少なくとも1~4号機を廃炉にするまで続く。10年以上かかる大仕事になる。しかも、これからの10年以上にわたって、のべ数万、数十万人という作業員は、突然の高い線量の放射線を浴び、深刻な生命の危機にさらされるかもしれない綱渡りを続けねばならない。

     「そんなことは絶対にない」という言い分はもはや通用しない。

     国も電力会社も原発の専門家たちも、巨大津波で原発が破綻することなど「絶対にない」と言い続けてきたのだから。

    「命を軽視」する原子力安全委員会を擁護


    「造血幹細胞」は自分自身の複製をつくり、あらゆる血液細胞へと分化する

     今後、M7クラス以上の余震が起こる可能性も残っている。その地震によって原発がより大きな被害を受け、想像もできない破綻をきたす可能性もゼロとは言えない。

     もし、「そんなことは絶対にない」として作業員たちの生命の危機の回避に少しでも貢献する「備え」を行わないままであれば、作業員は年々減り、福島第一原発は、冷温停止や廃炉への作業ができなるおそれもある。

     だからこそ、万が一、高線量の被ばくをしても救命の可能性を高めることができる「備え」の1つとして、虎の門病院の谷口修一さん(血液内科部長)のチームは、「自家造血幹細胞(自己造血幹細胞ともいう)」の事前採取を提案、広く訴え続けてきた。それに呼応して、3月29日には一般社団法人・日本造血細胞移植学会が以下の声明を出す。

     不幸にして福島原子力発電所事故対応作業者等が高度に被曝され、造血幹細胞移植(自家造血幹細胞移植、血縁・非血縁骨髄・末梢血幹細胞移植、臍帯血移植)が必要となった場合、全国で95施設が対応可能となっています。(略)

     被曝者に対し移植を含めた適切な治療を適切な時期に行うために、現場の従業員数、被曝量、被曝時間等に関し詳細且つ速やかな情報提供を要望します。

     原発作業員たちを支えようという思いが、全国の医療機関に広がっていったのである。

     ところが4月に入ってすぐ、内閣府の原子力安全委員会(班目春樹委員長)が、その「自家造血幹細胞移植は不要」としていたことが明かになる。そして4月25日、日本学術会議東日本大震災対策委員会がそれに追いうちをかける声明を出す。

     A4判2ページの「原子炉事故緊急対応作業員の自家造血幹細胞事前採取に関する見解」の「前文」には、原子力安全委員会の「不要」の判断を重視し、検討し、結論を得たと述べた上で、以下のような「見解」の「本文」が記されていた。

     福島原発緊急対応、復旧作業に現在従事している作業者に実施できるように事前に採血保存することは不要かつ不適切と判断する。

     私は、腰を抜かす思いがした。なぜ、日本学術会議は「命を軽視」する原子力安全委員会を擁護する見解を出したのだろうか。

     津波襲来の1週間後の3月18日、日本学術会議幹事会は「この惨状の克服に向けたあらゆる努力に協力する覚悟です」という声明を出し、今日までさまざまな重要な課題を論議してきた。だが、その取り組みの真摯な思いと「不要見解」は、あまりにも大きく乖離していたのはなぜなのか。

     日本学術会議が記している「不要見解」の要旨は以下だ。

    [1]放射線防護対策の視点
     作業者たちの被ばく限度が250mSvに設定した計画管理がなされているため、造血障害の発症(2000mSv)、造血幹細胞移植が必要な急性全身被ばく(7000mSv以上)を受ける可能性はない。

     まだそんなことを言っているのかと思う。「大量被ばくの可能性はない」という断定は、「巨大津波は来ない」としてきたのと同じ原発セオリーではないか。現場では既に250mSv以上の被ばくをした作業員が出ているというのに。

     だが「見解」は、その後でこう続けているのである。

     突発的事態が発生する可能性は否定できないが、その場合にも次項で述べる緊急被ばく医療の視点から不要で、ある。

     「可能性はない」と強く断定したあとに、「可能性は否定できない」と反対のことを述べ、続いて「不要である」と、再び論旨が逆転している。小学生の作文であれば「×」になる文章だ。

    では、「不要」の根拠である「緊急被ばく医療の視点」とは何か。その要旨を記す。

    [2]緊急被ばく医療の視点
     作業者の自家造血幹細胞の事前採取には薬剤投与と採血の負荷がかかる。その負荷が持続すると、実際に放射線被ばくした場合の健康影響が明らかではない。この事前の処置は作業者に安心感より不安感を大きくする可能性もある。

     谷口プロジェクトが呼びかけている施術をすると、万一放射線被ばくをした時に命を危険にさらす、という主張だ。

     これは、インフルエンザの予防注射をすると、インフルエンザに感染したときに健康を害するかもしれない、よって予防注射は不安のもとなのですべきでない、というのと同じ主張だ。

     谷口医師らは、白血病などの治療で「自家造血幹細胞」を血液中に増やす薬物投与では長年の臨床経験がある。これは、世界でも一般的な治療法として定着している。また、投与した薬剤の作用も「1日の休養期間をおけば通常の状態に戻る」ことは確認済みだ。

     ということは、「不要見解」は、長年にわたり広くこの治療を続けてきた現場の医師たちの治療内容を全く理解していない者が書いた疑いがある。

    本当に日本学術会議の総意なのか

     「見解」には、さらにいくつかの「不要」の理由が記されている。それに対する谷口プロジェクトのコメントとともに引用する。

    ・急性放射線症候群の治療では、造血幹細胞移植は緊急処置とはされていない。

    (コメント:欧米の専門学会、日本造血細胞移植学会、国立がん研究センター病院、日本骨髄バンクなどで認めている)

    ・投与する薬剤が放射線誘発白血病のリスクを高める可能性がある。

    (コメント:そのリスクは国内外で否定され、ごく一般的な薬剤として世界中で健康なボランティアドナーに使用されている。国内では白血病の発症が3262例中1例だけ報告があるが、皮下注射した薬剤G-SCFは2.5~5.9時間で半減、24時間後にはほぼ0になるため、長く体内に残り白血病の引き金になることはまずない)。

    ・全身の急性高線量被ばくでは、JCO事故で2人が亡くなったように多臓器の機能障害が同時に発症するため、造血幹細胞移植のみで救命できない場合がある。

    (コメント:JCO事故で被ばくした2人に行った造血幹細胞移植は、自分以外のヒト(同種)からの移植であり、自家移植とは成功率の差が大きい。あらかじめ保存しておいた自分自身の造血幹細胞を体に戻すことで機能を失った血液機能が回復、血液は全身の生命現象の基礎であるため、全身の障害に対しても回復への貢献は小さくない)

     「不要見解」での「緊急被ばく医療の視点」で最も重要な部分は、以下だ。

    ・安全性と効果が証明されていない臨床研究の段階の医療処置を健康人に行うのは医療倫理に反する。

     G-CSFという薬物を用いる自己造血幹細胞採取は、健常者である骨髄バンクのボランティアドナーにも世界で10万人以上に実施され、短期、長期にわたる安全性データも蓄積されている。血液がんなどの治療としても世界中で確立した医療で、当然ながら臨床研究の段階の医療処置ではない。実際、谷口さんの虎の門病院では、現在も100人を超える血液のがんなどの患者さんにこの治療を続けている。

     日本学術会議は、長年にわたり臨床現場で必死にこの治療に当たってきたすべての医師に対して、「医療倫理に反する」と断定していることになる。

     谷口プロジェクトは、福島第一原発で危険な作業を続けなければならない作業員たちの不安を少しでも解消し、また、万一の事故に遭っても命が救われる可能性を少しで大きくするための保険として、自家造血幹細胞の事前採取・保存を提案している。なのに、なぜ、日本学術会議はこれほど強い調子で、わざわざ「不要である」というメッセージを出したのだろうか。

     この声明は、本当に日本学術会議の総意なのだろうか。

     どうも違うという印象がある。

    4月27日、この「不要見解」を受けた谷口修一さんは、日本学術会議東日本大震災対策委員会に対して「公開討論会緊急開催のお願い」という書簡を送った。

     日本学術会議を代表する専門家や私共を含めた医療専門家、政府・行政関係者、マスメディア、一般の方々も交えた公開討論会の開催をお願いしたいと存じます。未曾有の国難の解決に当たっては、日本の叡智を結集し、最善の方法を模索する必要があると考えますので、何卒ご高配賜りますようお願い申し上げます。

     1週間後の5月2日、その返答という意味なのか、先の『見解』の訂正版が公開された。

     その「訂正版」では、「前文」に次の一文が加えられていた。

    ・なお、高度に専門的な知見を含む課題であるので、日本血液学会内で、倫理的側面を含めて十分論議され、できれば統一的見解を示されることを期待する。

     公開の場での討論会ではなく「日本血液学会内で」討議をと伝えてきたのである。

     訂正はそれだけではなかった。

     この治療法が「白血病のリスクを高める可能性がある」と記した部分が、引用論文ともども削除されていた。

     自らの主張を裏付ける論文のみを探し出し主張の根拠とした部分を消したものと思われる。「医療倫理的問題を含んでいる」の部分も削除された。

     「わが国の科学者の内外に対する代表機関」である日本学術会議は日本の英知の象徴だ。その委員会が議論を重ねて出した「見解」を、簡単に訂正して出したというのは尋常ではない。何かおかしい。

     だが、「不要」という主張は訂正されていなかった。

    「見解」を出した委員会名の「訂正」

     この「訂正版」には、極めて重大な「訂正」があった。「見解」を出した委員会が違っていたというのである。

    4月25日オリジナル版:放射線の健康への影響と防護委員会

    5月2日訂正版:基礎医学委員会・総合工学委員会合同放射線・放射能の利用に伴う課題検討分科会

     社会的に重大な「見解」の公表にもかかわらず、検討をした委員会の名が違っていたというのは、単なる記載ミスではなかったことがうかがえる。

     同時にこの訂正は、訂正後の委員会である「基礎医学委員会・総合工学委員会合同放射線・放射能の利用に伴う課題検討分科会」のメンバーが書いたものではないことも物語る(委員会のメンバーが自分が所属する委員会の名を別の委員会名にするミスなどあり得ない)。

     では、それぞれの委員会はどういう日程で開催されたのか。

     日本学術会議の公開情報を見る限りでは、「放射線の健康への影響と防護“委員会”」は存在していない。ただし、「放射線の健康への影響と防護“分科会”」はあるので、この「分科会」を「委員会」とミス記載したと受け止めることもできるが、その第1回の開催日を調べたところ、6月24日(金)なのである。

     議事次第によれば、この日、初めて委員長、副委員長、幹事が選出されている。つまり、最初の「見解」に記されたこの会は4月25日の段階では存在していなかった。

     後に訂正されたとはいえ、第1回会合の2カ月も前にまだ存在していなかった会の名で「不要見解」が出されたことは、委員以外の何者かが(この委員会、分科会の創設の計画者?)が、架空の会の名で書いたとしか思えない。

    5月2日の訂正版で新たに記された「基礎医学委員会・総合工学委員会合同放射線・放射能の利用に伴う課題検討分科会」はどうか。

     この分科会は、総合工学委員会の10の合同分科会の1つとして記載されており、これまで2つの「提言」をまとめ、公開している。

    2007年~2008年(5回開催)
    ・『提言 我が国における放射性同位元素の安定供給体制について』(2008年7月24日)

    2008年~2010年(13回開催)
    ・『提言・放射線作業者の被ばくの一元管理について』(2010年7月1日・「放射線作業者」とは放射線医療関係者を指す)

     だが、やはり、3月11日の震災・津波の発生後(8月10日まで)には、この合同分科会が開催された記録はない。東日本大震災対策委員会の「議事次第」のいくつかには、「会場 メールによる持ち回り」とある。メールのやりとりによる「議事」が行われた可能性もあるが、そうであればほかの委員会と同様「会場 メールによる持ち回り」の記録があるはずだが、ない。

     ところで4月25日に開催された「第15回 東日本大震災対策委員会」も会場は「メールによる持ち回り」だったが、その議題は、『「原子炉事故緊急対応作業員の自家造血幹細胞事前採取に関する見解」の公表について』だった。

     「基礎医学・総合工学合同分科会」ではなく、「東日本大震災対策委員会」の委員宛に「公表」することの確認メールを送ったようだ。2007年に設置された「基礎医学・総合工学合同分科会」は「東日本大震災対策委員会」の分科会ではないため、「合同分科会」はこの「不要声明」にはかかわっていなかったのかもしれない。

     以上はあくまでも日本学術会議の公開情報の記録によるが、4月25日以降の経緯をトレースしていくと、「不要見解」は委員以外の何者かがある意志によって、谷口プロジェクトの提案を潰す目的で書き公開したのではと思えてくる。

    「危険である」と思われたくないからか

     では、もし、この提案を潰すことが目的であった場合、狙いは何だったのだろうか。


    東京電力が公開している福島第一原発の写真や映像は極めて少ない。3月16日に空撮映像が公開されたが、画面は大きく揺れ画質も悪く、俯瞰シーンもほとんどなかった。現状をあらかさまにすることを避けたためではと思わせた。

     福島第一原発の作業が「危険である」と思われたくない、もしそれほど「危険」であると分かれば、作業する者が減ってしまうおそれがあると考えたのか。「安全」をアピールするためには、死に直面することを想定した谷口プロジェクトはどうしても潰したかった…。この「見解」を読んだ多くの人たちがそう受けとめたが、私も同じだった。

     谷口プロジェクト事務局の谷本哲也さん(がん研究会がん研究所嘱託研究員、血液専門医)は、医療ガバナンス学会の「MRIC医療メルマガ通信」で、自家造血幹細胞の事前採取・保存は東京電力などのコスト負担増になるからではないかと述べている。

     先に谷口さんは、「通常診療では約50万円かかるが、製薬会社からの支援が得られるため1人15万円前後」と語っていた。もし1000人に行えば約1億5000万~約5億円だ。これは、万一の命の担保として、また原発の鎮静化と廃炉に向けて投じる経費(数兆円)からすれば、些細な額なのだが。

    「家族から行かないでと泣かれた」

     国会でも数人の議員が「自家造血幹細胞の事前採取」の必要性を訴えてきたが、国は動こうとしていない。最初の「不要見解」が出た4月25日、舛添要一議員も参議院予算委員会で「自家造血幹細胞の事前採取をすべき」と菅総理に詰め寄ったが、総理は「原子力安全委員会がその必要はないとしている」と否定している。谷口さんの提案を直接聞いた仙谷内閣官房副長官が、「分かった。やれ」と言ったのは何だったのか。

     私のもとには、福島第一原発の作業現場に入らねばならなくなった方から、「労災保険もないが仕方ない」「家族から行かないでと泣かれた」「もう子どもを作ることもないし、がんになるより先に死ぬだろう」といった声が届いている。

     福島第一原発の完全なる鎮静化作業は、日本のみならず世界の人々の切なる願いだ。その作業は、命を賭けて現場仕事に取り組む数千人以上の作業員の方たち、協力企業である大手ゼネコンや東京電力のエンジニアたちにかかっている。


     福島第一原発が営業開始したのは1971年のことだ。私たちは40年にわたり、福島第一原発から送られてきた電力で豊かな生活を実現してきた。それが破綻した今、私たちはその鎮静化作業に取り組む彼らを末長く支えなければならない。コストがかかりすぎるというのであれば、どうコストを負担するかの幅広い議論をすべきだし、できることはあるはずだ。

    また、事前採取は「不安」だという方にまで強制するものではない。そして、谷口さんも言うように、自分と家族のために、「万一」の保険として希望する方が幅広く受けられる道筋を1日も早くつける必要がある。

     「不要見解」の訂正版が出た翌日の5月3日、谷口プロジェクトはウェブ上に、A4判で16ページにも及ぶメッセージを公開した。

    原発作業員およびご家族、国民のみなさまへ
    ~原発作業員のための自己造血幹細胞(じこ ぞうけつ かんさいぼう)の採取(さいしゅ)と保存計画について~

     難しい漢字にはルビもつけられており、子どもが読んでもわかるやさしい文章で綴られ、すみずみにまで作業員やその家族への何とも温かな思いであふれた文章だ。自己造血幹細胞による治療が万能ではないことも、そこまでと思うほど丁寧に語っている。

    宮澤賢治さんの言葉を借りて

     専門の医師たちが一般の方々へこういうやさしい、そして「人類愛」にみちたメッセージを出したことはなかったと思う。これを読み進めながら、私は、まるで宮澤賢治の作品のようだと思った(余談になるが、学生時代、私は宮澤賢治の宇宙観、人生観に大きな影響を受け、賢治の生家を訪ね、長く御令弟の清六氏と親交をいただいていた)。

     そして、感じていた通りだった。この長いメッセージの最後には、こう記してあった。

     最後に、私たちの大好きな宮沢賢治(みやざわ けんじ)さんの言葉を借りて、私たちの説明はおしまいにします。

     「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない。」

     クサイと受け止める方があるかもしれない。だが私たちは、2万人以上の方が死亡・不明になるという巨大災害を被ったのである。私のスタッフのご両親も津波で亡くなった。

     この災害被害はひとごとではない。私たち日本人すべてが受けた災害なのである。被災した方の思いを受け止め、できる範囲内での支援を続け、また、これ以上の被害を出さないために尽力していかねばならない。

     あの災害後、ひからびていた「愛」や「絆」という言葉が温もりをもって私たちをとらえ始めている。そして、谷口プロジェクトは、東日本大震災という巨大災害に対峙している私たちが何をすべきなのかをも教えてくれている。

     あの、冷たい「不要見解」を執筆した者にこそ、このメッセージを読んでほしい。そして知ってほしい。私たちが手にしなければならない「ポスト3・11 日本の力」の原点は、この谷口プロジェクトに貫かれている「愛」なのだと

    http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20110817/222110/?P=1

    日本学術会議とは:
    日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、昭和24年(1949年)1月、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されました。職務は、以下の2つです。

    ●科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること。
    ●科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。

    日本学術会議憲章

    科学は人類が共有する学術的な知識と技術の体系であり、科学者の研究活動
    はこの知的資産の外延的な拡張と内包的な充実・深化に関わっている。この活
    動を担う科学者は、人類遺産である公共的な知的資産を継承して、その基礎の
    上に新たな知識の発見や技術の開発によって公共の福祉の増進に寄与するとと
    もに、地球環境と人類社会の調和ある平和的な発展に貢献することを、社会か
    ら負託されている存在である。日本学術会議は、日本の科学者コミュニティの
    代表機関としての法制上の位置付けを受け止め、責任ある研究活動と教育・普
    及活動の推進に貢献してこの負託に応えるために、以下の義務と責任を自律的
    に遵守する。

    第1項 日本学術会議は、日本の科学者コミュニティを代表する機関として、
    科学に関する重要事項を審議して実現を図ること、科学に関する研究の拡充と
    連携を推進して一層の発展を図ることを基本的な任務とする組織であり、この
    地位と任務に相応しく行動する。

    第2項 日本学術会議は、任務の遂行にあたり、人文・社会科学と自然科学の
    全分野を包摂する組織構造を活用して、普遍的な観点と俯瞰的かつ複眼的な視
    野の重要性を深く認識して行動する。

    第3項 日本学術会議は、科学に基礎づけられた情報と見識ある勧告および見
    解を、慎重な審議過程を経て対外的に発信して、公共政策と社会制度の在り方
    に関する社会の選択に寄与する。

    第4項 日本学術会議は、市民の豊かな科学的素養と文化的感性の熟成に寄与
    するとともに、科学の最先端を開拓するための研究活動の促進と、蓄積された
    成果の利用と普及を任務とし、それを継承する次世代の研究者の育成および女
    性研究者の参画を促進する。

    第5項 日本学術会議は、内外の学協会と主体的に連携して、科学の創造的な
    発展を目指す国内的・国際的な協同作業の拡大と深化に貢献する。

    第6項 日本学術会議は、各国の現在世代を衡平に処遇する観点のみならず、
    現在世代と将来世代を衡平に処遇する観点をも重視して、人類社会の共有資産
    としての科学の創造と推進に貢献する。

    第7項 日本学術会議は、日本の科学者コミュニティの代表機関として持続的
    に活動する資格を確保するために、会員及び連携会員の選出に際しては、見識
    ある行動をとる義務と責任を自発的に受け入れて実行する。

    日本学術会議のこのような誓約を受けて、会員及び連携会員はこれらの義務
    と責任の遵守を社会に対して公約する。
    (以上)


    関連記事
    スポンサーサイト

    テーマ: 許されない出来事

    ジャンル: ニュース

    真実の追求  /  tb: 0  /  cm: 0  /  △top

    コメントの投稿

    Secret

    △top

    この記事に対するコメント

    △top

    トラックバック

    トラックバックURL
    →http://george743.blog39.fc2.com/tb.php/775-19d0b799
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

    △top

    原発 放射能 食品汚染 by freeseo1
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。